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金融、軍事、ITと並び米国が世界を制する力の源泉の一つとなっている、米国の図抜けた農業生産力。種子ビジネス、農機メーカー、大学・研究機関、穀物商社、農政議員、国家機関──。多様な側面から米国農業を徹底解剖し、その連携のメカニズムを明らかにするとともに、TPP交渉で日本市場の何を狙っているのかに迫る。
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Posted by ブクログ
アメリカの農業戦略とこれまでの交渉経緯などについて解説した一冊。TPPを今進めるべきかどうかという議論はあるが、グローバルな観点で考えれば自由化の流れは止められないと私も思う。著者の述べるような、自国農業の強みを活かした輸出促進や6次産業化は必要ですね。
2013年に書かれた本で、米国はトランプ政権誕生前のため、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を巡る各国の温度差も今とは異なる。本書では「食料安全保障」における、日本と米国の駆け引きを中心に米国の戦略とその背景や、主に21世紀からの政治の内幕を解説している。 「食料安全保障」の定義が日本と海外(...続きを読む特に米国)とで異なっていることが本書で度々言及されている。日本では食料自給率が強調されるのに対し、本来はフードテロや政治・経済、安定供給全般を広く指す言葉のようだ。かつて田中角栄氏が、石油同様に食料についても「アメリカの傘下」にならないよう活動していたことにも触れられている。 大雑把にいえば、石油も食料もほぼ同じ構造だ。人間の生活に欠かせないものを大手資本が握り、それが政治力となって外交を動かす。調達力のある国の傘下に入ることは、その大国の支配下に入るようなものであり、いざという時に自国の立場を守れるのかどうか。 ただ石油と違って農業、畜産業はある程度自力で伸ばすことはできる分野であり、世界的な食料調達難の昨今、自国の産業構造を長期的な観点で見直すべき所に来ているのではと思えてくる。
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石井勇人
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