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Posted by ブクログ
▼ちょっとご縁があり、眠狂四郎を読んでみよう、と。これまで、市川雷蔵さん主演の映画ばかり見てきて、もう「眠狂四郎」=「市川雷蔵」です。そういう人は多いと思います(いやでも映画ファンじゃなかったら、70代以上の人だけかな・・・・)。
原作は触れたことがなかった。恐縮ですが柴田錬三郎さんも読んだことがなかった。
▼読んでみて、ナルホドと思ったのは、これはほぼ「シャーロック・ホームズ」。
チャンバラというよりも、短編連作ミステリなんですね。
1956年から、「週刊新潮」連載。眠狂四郎シリーズの第1作の第1巻。
雑誌側からの求めは、「1話完結」だったそうです。職人は注文が無いと芸を活かせず、職人が芸を高めたものが芸術です。見事その期待に応えたエンタメ・ミステリーです。
時は江戸時代。11代将軍家斉の頃。天保の改革の前夜という設定。つまり、幕末(ペリー来航)まであと20-30年という頃です。場所は江戸市中。眠狂四郎。素浪人。
父は転びバテレン。つまり、西洋人、外人さん、そしてカトリックの宣教師だったけれど、弾圧されて転向した。つまりキリスト教を裏切っちゃった。殉教して死ななかった。転びバテレン。
母はそれなりの身分の、武家の娘。つまり狂四郎さんはハーフなんですね。
確か母は子供時分に非業に亡くなり。父は行方しれず。剣の修行の挙句、どこか漂着した孤島で謎の老人から教えを受けて「円月殺法」を会得した。・・・・という、かなりぶっ飛んだ設定。
▼円月殺法というのは、
1 剣を普通に上段に構える。
2 ゆっくり剣を回す。円を描く。(対面している相手から見ると、時計回り)
3 そうするとあら不思議、相手はどうしても切りかかってくるし、隙だらけになっていて、必ずあっさり切り倒せる。
4 ちなみに、剣が一周、完全な円を描くまで、切りかからずに耐えきったものはいない。
・・・・という、
「え?催眠術?」
という、まったくもって訳がワカラナイ必殺技なんです。考えた人すごい。
これが無敵なので、眠狂四郎は、チャンバラになったら負けないわけです(笑)。
なので、「チャンバラで勝つか負けるか」という興味ではありません。それにもともと、小説なんだから、映像がないので、チャンバラ(アクション)を主たる題材として作っても仕方ないですしね。
▼では何が主たる題材、魅力かというと、
・キャラクター
・文体
・ミステリー
なんですね。
▼もう細かくは忘れましたが(笑)、各話各話がいちおうは一話完結。続いてもいくのですけれどね。
それぞれの話で、「だれが犯人だ?」 「どういう罠だ?」 みたいなミステリになっています。
恐らく、シリーズが長寿になっていくと、そういうミステリ仕掛けよりも、よりキャラクターで魅せる方向になっていくんでしょうけれど、第1シリーズの本作(の、この第1巻)ではそうでした。凝ってます。
それから、キャラクター。
狂四郎の物言いが、「ニヒルダークヒーロー」そのもので、これはなるほど、うまくできているな、と思いました。まあつまり、大まか言うと悪いんです(笑)。
個人的にはいちばんの魅力は、柴田錬三郎さんってこうなんだー、なるほど、と思った「語り口、文体」。
きっちり江戸文化の造詣と言葉に寄り添った格調のある音色ですね。比べれば池波正太郎さんははるかに、やわらかく、くだけて、とても甘口です。
でも、柴田錬三郎さんは、文体が辛口なので美味しい、とも言えるけれど、世の推移、風雪に耐え難いのかもしれませんね。
▼原作を読むと改めて、「大映、市川雷蔵の眠狂四郎シリーズは、ええ仕事してるなあ」と感心しました。特に「眠狂四郎勝負」は名作。記憶では「円月切り」も良かったと思います。原作より、そのあたりの映画を見る方が楽しい人も多いかも。
ルパン三世もそうですが、キャラクターが素晴らしいので、原作の世界観よりも動画にした作品の中に名作がある・・・という気がします。もちろん原作の功績であるわけですが。
世界観は分かったので、では第2巻以降読もうか?…うーん、ちょっと微妙。文体は辛口ですが、人間像の描写、脇役の味付けでいうと、池波正太郎さんに軍配…と思いました。
Posted by ブクログ
徳川二百年の泰平の世に一人の異端剣客が江戸の街を縦横無尽に活躍していた。
剣客の名は眠狂四郎。
混血の風貌を持ち異端の剣『円月殺法』で火の粉を払うように容赦なく人を斬る。
とても面白かった。正義一辺倒ではない主人公の設定も良かったと思います。
徳川幕府の力が弱まりつつある泰平の世で江戸のあちこちに現れる綻びを眠狂四郎が独自に調べ独自に制裁を食らわす。
関係者が断りを入れても狂四郎には全然関係無い無頼っぷりはなかなか読み応えがありました。
どこまでも無頼な狂四郎も弱き者には力を惜しまない。この押し引きが物語に魅力を与えている気がします。
解説にも書いて有りましたが、一話が25ページぐらいで完結しているのもなかなか良い物ですね。一応、登場人物や話の繋がりはありますが決着はとりあえず着くので読み易く感じました。
長いシリーズなのでこの先を読むのが楽しみです。
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