文藝春秋作品一覧

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  • アイロニー?
    4.0
    「アンアン」の人気モデル・Oka-Changは、7年間続けたファッションモデルを休業し、向島の花柳界で芸者「蛍」に転身!(元)夫はゴンゾライター、石丸元章。新婚ほやほやなのに、夫は覚醒剤取締法違反で逮捕され、3ヶ月帰宅せず。妻はその間、東京コレクションで大忙し。高3での雑誌「オリーブ」デビューから、おしゃれのこと、金銭感覚、着物話、プロレス愛、特殊な恋愛……その美貌からは想像もつかない、凶暴でスピード感あふれる人生コラム45篇!
  • だれかのいとしいひと
    3.7
    転校生じゃないからという理由でふられた女子高生、ジミ・ヘンドリックスのポスターを盗みに元カレのアパートに忍び込むフリーライター、親友の恋人とひそかにつきあう悪癖のある女の子、誕生日休暇を一人ハワイで過ごすハメになったOL……。どこか不安定で、仕事にも恋に対しても不器用な主人公たち。何度傷ついても、もう二度と恋なんかしないと思っても、まただれかを愛してしまう……切ない8つの恋の形を描く短編小説集。
  • 龍時(リュウジ)01─02
    4.2
    1~3巻621~641円 (税込)
    こわれた家族、さえない学校。体内に滾るのはサッカーへの情熱だけ。それさえも、この国では行き詰ってしまうのか。2001年、スペインU─17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジは、世界の壁を痛感し、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、国籍のハードル、友情や淡い恋など、ビルドゥングスロマンの味わいを発揮しながら、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを再現。本邦初の本格サッカー小説、待望の文庫化。
  • 元刑務官が明かす死刑のすべて
    3.8
    死刑囚といちばん長い時間を過ごすのは刑務官。起案書に何十もの印鑑が押され、最後に法務大臣が執行命令をくだすまで、死刑囚はどんな特別処遇を受けるのか? 遺族が呆れる極悪人の素顔とは? なぜ死刑執行は処刑の後に告知されるのか。死刑執行を担当する者の苦悩……劇画「死刑執行」(緒方りる・画)やドキュメントノベル「死刑囚監房物語」など、多彩な切り口で死刑について紹介。刑務所の腐敗が報道される昨今、現場にいなければ判らない、死刑のすべて!
  • 虚無のオペラ
    3.9
    セックスを抜きにしては考えられない恋だった。あなたはずっと、私の身体でピアノを弾いてた。私には淫蕩の血が流れているのか……。舞台は冬の京都。高名な日本画家の裸婦モデルをつとめる結子は、8歳年下のピアニスト島津正臣との恋を断ち切るため、ふたりきりで、雪に閉ざされた小さな宿に籠もる。この後は二度と会うことはない。別れのためだけにある4日間の逢瀬に、女と男の恋情と性愛の極みを艶やかに奏であげる、かくも美しき恋愛小説!
  • SPEED スピード
    4.0
    「初めてのスピード。初めてのシャブ。どうってことなかった。ただ、なんとなくウキウキしてるような、ただそれだけ。……なのに、気がつくともう朝の9時近くだった」。コカイン、ハシシ、スピード、LSD……。取材ライターの“オレ”が巻き込まれた、薬物使用者の壮絶でクレイジーな世界。ありとあらゆる薬物にはまり、幻覚、幻聴に苛まれ、精神と肉体を病み尽くした悪夢の4年間を、狂気と正気の間を往復しつつポップな文体で綴る。新感覚スラップスティック・ノンフィクション。
  • とらちゃん的日常
    3.9
    おれは猫を飼うに値しない人間だ。いままでやった悪業を考えると、そう思う。とらちゃんは今、オレのベッドで丸くなって眠っている。うっとりと目をとじて。たおやかな峰のような背中。ときどきぴくりと動く耳。丸まった足の裏からのぞいている肉球。おれの無口なペン先ではとても描写できないほどとらちゃんは愛らしい。彼女がおれの罪を洗い流してくれるのかもしれない……。鬼才・中島らもが愛猫に捧げるエッセイ集。カラー・モノクロの写真を全67点も収録!
  • 浅草偏奇館の殺人
    2.5
    エロ・グロ・ナンセンスが一世を風靡する昭和7年の浅草六区。秋月が脚本を書いている劇場・浅草偏奇館の踊り子の京子が殺され、隅田川に浮かんでいるのが発見された。先輩脚本家の中原は皆の反対を押し切り、「踊り子殺人事件」として舞台化し大成功をおさめるが、劇場の活気とは裏腹に、踊り子ふたりが次々と惨殺されてしまう。事件の真相を尋ねて、秋月は50年ぶりに浅草を訪れる……。戦争の跫音(あしおと)が次第に近づく日本社会を、巧みに作品にとりこんだ異色作。
  • 甘い関係
    3.8
    生真面目で好奇心旺盛な雑誌編集者の彩子、ボーイフレンドと長続きしない歌手志望の町子、金儲けが趣味のOL美紀。同居生活を送る3人が、それぞれの恋愛と仕事を通して、人生の面白さに目覚めていく。軽やかなユーモアをまとって描かれる、恋愛の喜びと哀しみ、自立と結婚、「女の真実」と「男の典型」──人生を謳歌する女たちの姿がさわやかな感動を呼ぶ傑作長篇。昭和42年に執筆されたこの作品には、今と変わらない女性の悩みと喜びが満載です。
  • 消し屋A
    3.6
    消し屋──ターゲットを殺したあと、自分の生きてきた痕跡も消して、時代とともに進化するプロの殺し屋。恋人のオカマの蘭子とともに、福岡に流れてきた天才的消し屋・幸三が、昔なじみのヤクザからもちかけられた標的は、地元球団ホークスの名捕手・真壁。ただし、殺しはナシで、彼を一試合の間だけ消す、という奇妙な依頼。付け入る弱みが全くない、野球一筋で真面目な真壁を、幸三が追いつめてゆく──。ひと癖もふた癖もある登場人物満載の、痛快アウトロー小説!
  • アフター・スピード 留置場→拘置所→裁判所
    3.7
    これが犯罪者ってもんさBaby!! 取材ライターの著者が、ドラッグで逮捕されてから、執行猶予判決を受けるまで、2ヶ月半に及ぶ監獄生活の記録。留置場仲間に教わった大事なこと。ひとは牢屋で一日何をしてるのか? 三度の飯に(ホントに)一喜一憂し、サギ師や密売人達と親交を結び、空想ドラッグパーティに盛り上がり、裁判では証言台に立った弁護士の不手際と妻の失言に凍りつく……。前作『スピード』に続く、真の監獄ノンフィクション。
  • 星々の舟
    3.9
    家族だからさびしい。他人だからせつない──禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄と、いじめの過去から脱却できないその娘。厳格な父は戦争の傷痕を抱いて──平凡な家庭像を保ちながらも、突然訪れる残酷な破綻。性別、世代、価値観のちがう人間同士が、夜空の星々のようにそれぞれ瞬き、輝きながら「家」というひとつの舟に乗り、時の海を渡っていく。愛とは、家族とはなにか。03年直木賞受賞の、心ふるえる感動の物語。
  • ナスカ 砂の王国 地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯
    3.7
    南米ペルーのナスカには、世界遺産に指定された壮大な地上絵がある。サル、クモ、ハチドリ、渦巻き模様……1930年代、まだ20代のドイツ人女性が、このふしぎな地上絵に魅了され、その生涯を地上絵の研究と保存にささげた。彼女、マリア・ライヘの数奇な人生に惹きつけられた楠田枝里子が、政情不安なペルー、そして統一前夜の東ドイツ・ドレスデンへ、何度も取材を重ねた、渾身の人物ノンフィクション。日本での「世界遺産ナスカ展」を機に、貴重な写真を多数収録。
  • 真珠夫人
    4.2
    1巻763円 (税込)
    信一郎は乗合自動車で事故にあい、瀕死の青年から腕時計を託される。返すべきひとは、死に際に口走った「瑠璃子」という女性。帰京後探し当てた瑠璃子は真珠のように美しく、孔雀のように微笑み、自分のサロンに集う男たちを弄ぶ妖婦だった。かつて父の名誉を守るため、没落しかけた家を救うため、将来を誓った恋人・直也と別れて、新興成金の荘田勝平の妻となった瑠璃子には、運命に翻弄された過酷な過去があり──。TVドラマ化され、話題を呼んだ大河ロマン小説。
  • 生誕祭(上)
    4.2
    1~2巻774~825円 (税込)
    バブル真っ盛りの東京。ディスコでバイトをしている彰洋は、地上げの神様・波潟の愛人になった幼なじみの麻美と再会する。麻美から青年実業家・齋藤美千隆を紹介され、齋藤の下で、手段を選ばぬ土地の買上げや地上げをすることに。一時は大金を動かす快感に酔いしれるが、周囲の人間の欲がからみあい、次第に身動きが取れなくなっていく。一方麻美も、波潟と齋藤の双方から裏切られていることに気づき……。金に対する人間の果てない欲望が産み出す破滅を描く傑作長篇!
  • クライマーズ・ハイ
    4.4
    1985年、御巣鷹山で日航機が墜落。その日、北関東新聞の古参記者・悠木は同僚の元クライマー・安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑むはずだった。未曾有の事故。全権デスクを命じられ、約束を違えた悠木だが、ひとり出発したはずの安西はなぜか山と無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残して――。若き日、新聞記者として現場を取材した著者みずからの実体験を昇華しきった、感動あふれる壮大な長編小説。
  • アキハバラ@DEEP
    3.9
    社会からドロップアウトした5人のおたく青年と、コスプレ喫茶の超絶的美少女アイドル。感覚が鋭くてアンバランスな彼らが裏秋葉原で出会ったとき、インターネットに革命を起こすeビジネスが生まれた。6人の画期的なアイディアが、ネットの覇権を握ろうとする巨大資本デジキャピのオーナー社長の毒牙にかかる。さあ、おたくの誇りをかけた聖なる戦いがはじまった! TVドラマ、映画の原作としても話題沸騰の、長篇青春電脳小説。
  • 耳袋秘帖 妖談しにん橋
    3.5
    深川で、西国雄藩の藩士と石川島から戻ったばかりの無宿人が相次いで不審な死を遂げた。二人とも、満月前後の夜に「四人橋(よにんばし)」を四人で渡り、自分の影だけが消えたと言い残していた。そして、そのことがあった一両日中の死だった…。四人で渡ると死人が出る“死人橋”の噂は、江戸の町に一気に広まった。なぜ影が消えるのか? 裏にうごめく悪の正体を、赤鬼奉行・根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)が解き明かす! 新「耳袋秘帖」シリーズ第三巻。
  • 極北に駆ける
    3.8
    エベレストをはじめ、五大陸最高峰を制覇した植村直己の次の夢は、犬ぞりによる南極大陸横断だった。犬ぞりを乗りこなすため、彼は地球最北端のイヌイットの村・シオラパルクへ単身、極地トレーニングに向かう。マイナス10度が暖かく感じるほどの過酷な環境と、自分たちとよく似た顔の植村を快く迎え入れる村人との暖かい交流。そして覚えたての犬ぞりを駆って、ひとりで三千キロの氷原を走りきった冒険の記録。解説は、シオラパルク在住の猟師・大島育雄氏による。
  • 武士道セブンティーン
    4.4
    「強さは力」の香織と「お気楽不動心」の早苗。対照的な剣道をする相手から多くを吸収したふたりだったが、早苗は、家庭の事情で福岡の剣道強豪校に転入。そこでの指導方法は、いままで学んだ剣道とはまったく違う、スポーツを極める剣道だった。一方香織は、母校の女子剣道部で後輩の育成に精を出し、狭かった自分の世界をひろげてゆく。互いを思いつつも、すれ違う17歳。ふたりは、目指す剣道に辿り着けるか──思わず剣道が好きになってしまう青春小説、第2弾!
  • フルハウス
    3.6
    1巻427円 (税込)
    “家を建てる”が口癖だった父は、理想の家族を夢みて、払える金もないのに、いきなり立派な家を建てた。しかし成人した娘たちも、16年前に家を出た妻も、その家に寄りつかない。そこで父はホームレス一家を家に招き、ニセモノ家族と一緒に暮らし始めるのだが……不気味な味わいの表題作は、泉鏡花文学賞を受賞。ほかに、不倫する女が体験する、不倫相手の妻の奇矯なふるまいを通して、家族の不在をコミカルにえがく「もやし」を収録。才気あふれる2短篇。
  • しょっぱいドライブ
    3.5
    港町に暮らす34歳のミホが、九十九さん(なで肩で筋肉がなく七面鳥のように皮膚のたるんだ天然パーマのへなちょこ老人)と同棲するに至るまでの奇妙な顛末。就職の保証人を「いいですよう」とふたつ返事でひき受け、町内会長の葬式で見かけた別居中の妻と愛人から逃げ隠れる九十九さん。ゆったりと走る車からオレンジ色の海を見たり、はんぺんのように軟らかく湿った唇と唇を合わせたり…。「人間と人間関係を描ききった」と絶賛された芥川賞受賞の表題作ほか、二編収録。
  • 恐怖
    3.3
    おれは殺される! 次に殺される! でも誰に? 静かで文化的な姥坂市で起きた連続殺人事件。閨秀画家の絞殺にはじまった殺人犯の狙いはどうやら、町に住む文化人を皆殺しにすることらしい。作家の村田勘市は、臆病な性格が災いして、次第に半狂乱に追い詰められていく。犯人は何者か? 何のために殺すのか? 謎解きのサスペンスにくわえ、「恐怖とは何か?」という人間心理の奥底に鬼才・筒井康隆がせまる異色傑作ミステリー! 不気味な目次も必見です。
  • 浮気で産みたい女たち 新展開!浮気人類進化論
    4.0
    えっ、文科系男のほうが理科系男より睾丸が大きい? 「何でこんな大事なことを知っているんだ、この森番(=浮気相手)は!」と著者が腰をぬかした『チャタレイ夫人の恋人』の森番の“女性のオルガスムス論”とは? 男の浮気は(多くの社会で)わりと寛容にあつかわれるのに、女性の浮気にはキビしいのはなぜ? 本当のところ、女は浮気で産みたいのだ! 女の浮気心を動物行動学の最新研究から分析、女性には深い納得を、男性には大いなる恐怖を与える驚愕の書!
  • 恋愛詐欺師
    3.8
    ガタガタの歯並びで下腹の突き出た、プライドだけは高い名門女子大生デリヘル嬢。「あたしバカだからわかんな~い」を口癖に、男を欺き続けることが生きがいのC級グラビアアイドル。ベトナムのレストランの端正なボーイに一目惚れして、彼と関係をもつためだけに通いつめる小説家。大昔のアイドルのような服を着て、自家製の天国にすむ、自称作家──。不気味でありふれた女たちが垣間見せる、虚無的で渇いた性愛模様を描いた短篇集。岩井志麻子版「黒い報告書」!
  • 壊れたおねえさんは、好きですか?
    4.0
    とりあえず仕事も収入もある。女友だちもライフパートナーもいる。ただいま40代半ば。うさぎ女王様に足りないもの、それは性的魅力だった! 男ぎらい→ホストクラブ通い→モテたい!と公言→15歳年下のホストにハマる→プチ整形→本格整形で美人に。フェロモンやレイプ妄想やオナニーや老け専についての考察。「ダメ男好き」は自傷嗜癖? 六本木SMバーの夜、何が起きた? ……この本は、女王様がジタバタと悪あがきした1年間の輝かしい記録である。
  • 地獄めぐりのバスは往く
    3.7
    皆さま~、本日は「地獄めぐりツアー」にご参加いただき、誠にありがとうございます。わたくしが皆さまをご案内いたします、バスガイドの中村うさぎと申します。当バスは、皆さまおなじみの「浪費地獄」を起点に、買うも地獄、売るも地獄の「借金地獄」、「そういうおまえは、何様やねん!」とツッコミもにぎやかな「悪口地獄」、惨状に口もきけない「博打地獄」と、煩悩みなぎる名所を順繰りに回って参ります。さあ、阿鼻叫喚の旅へ、いざ出発進行!
  • あなたの知らない精子競争 BCな世界へようこそ
    3.0
    浮気、売春、同性愛、女のダイエット、ペニスのふしぎな形状。これらはみんな「精子競争」の末に進化した、BC(=生物学的に正しい)なもの。信じられないかもしれないが、生き残りのための必然なのだ。ええっ、なぜ同性愛が遺伝子の生き残りに役立つの? と思ったら、ご一読を。あなたの人生の悩みを解消してくれるかもしれません。ヒトの、そして動物すべての真実に迫る、痛快科学エッセイ。『BC!な話──あなたの知らない精子競争』を改題・加筆した新装版。
  • わたしのひとり暮らし手帖 安心・快適・健康な毎日にする52のコツ
    3.2
    憧れのひとり暮らし、いよいよスタート! しかし新生活には、お金のこと、整理整頓、空き巣、気持ちの落ち込みに病気……と落とし穴もいっぱい。ひとり暮らし歴ン十年、暮らし上手で知られるキシモトさんが、シンプルで楽ちんで気持ちいい生活のための、52の小さな秘訣を一挙大公開。限られた時間とお金で、無駄なく、心豊かに、健やかに暮らすための10か条とは? ひとり暮らしをより安心・快適にしたい、初心者から中級者向けの、具体的なアイディア満載の1冊!
  • パラレル
    3.6
    1巻550円 (税込)
    妻の浮気が先なのか、それとも僕が勝手に会社を辞めたせい? とにかくゲームデザイナーの僕は失職し、離婚した。長年の親友でキャバクラ大好き・顔面至上主義者の津田と、別れた後もしきりにメールをよこす元妻、そして僕の新しい恋人……錯綜する人間関係と、男と女の微妙なくい違いを絶妙な距離感で描く、長嶋有初の長篇。タランティーノ監督の映画をイメージして書いたという斬新な構成と、思わず書きとめたくなる名言満載の野心作!
  • 旅行者の朝食
    4.3
    その名を聞いただけでロシア人なら皆いっせいに笑い出す「旅行者の朝食」というヘンテコな缶詰や、数十年前たった一口食べただけなのに今も忘れられない魅惑のトルコ蜜飴の話、はたまたロシアの高級輸出品キャビアはなぜ缶詰でなく瓶詰なのかについての考察や、わが家を建てる参考にとはるばる神戸の異人館を見に行くも、いつのまにか食べ歩きツアーになっていたエピソードなど、ロシア語通訳として有名な著者が身をもって体験した、誰かに話したくなる食べ物話が満載です!
  • タンノイのエジンバラ
    3.9
    1巻550円 (税込)
    人が一日に八時間働くというのが信じられない。八という数字はどこからきたのだろうか。なんだか、三時間でいいんじゃないかもう……(「夜のあぐら」より)。なぜか隣室の小学生の娘を預かることになった失業中の俺のちぐはぐな一夜を描く表題作。真夜中に実家の金庫を盗むはめになった三姉妹を描く「夜のあぐら」。ロードムービーの味わいの「バルセロナの印象」。そして20代終わりの恋をめぐる「三十歳」。リアルでクールな、芥川賞受賞後初の短篇集。
  • ぐるぐるまわるすべり台
    3.6
    1巻550円 (税込)
    僕は大学を辞め、塾講師をする傍ら、バンドのメンバーを募集した。<熱くてクール、馬鹿でクレバー。最高にして最低なメンバーを大募集>。そんなうたい文句に集まったちくわ好きなベースの尾崎、黄金旋律を求めるギター弾き・てつろー、板橋のジョン・ボーナムことチバ。4人の個性と人生が混じり合ったとき、「ヘルター・スケルター」は化学反応を起こして、新たなるバンドの伝説が始まる。Look Out! C/Wは、てつろーとチバのはじまりの物語「月に吠える」。
  • 指輪をはめたい
    3.4
    2年前に捨てられた元彼女を見返すため、絶対に30歳までに結婚してやる! と誓っていた僕。給料3ヶ月分の指輪も買った。誕生日も近い。でも、スケートリンクで転んで頭を打って、気づいたら、肝心の“プロポーズの相手”を覚えていなかった。密かに同時進行中の3人の彼女のうち、僕の意中の相手は誰なんだ? それぞれにデートしてみたら思い出せるだろうか。大人になりきれない29歳・オトコの結婚観をチクリと描きだすビタースイートな恋愛小説。
  • 不運な女神
    3.5
    1巻559円 (税込)
    「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。駆落ち相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼いたり、20歳も年上の妻から奪った男をふたたび若い女に奪われたり、幸せな結婚を望んだのに一家三代でシングルマザーになってしまったり、元夫が新しい家族と隣のマンションに越してくることになったり……。男運に恵まれない8人のヒロインたちが、恋に翻弄されつつも、健気に何かを掴み取る姿を描いた連作短篇集。
  • 死神
    3.6
    本当に困っている人はだれ? 市の福祉事務所に勤めるケースワーカーの仕事は、毎日が事件の連続だ。金もなく、子どもと公園で野宿する女性は、それでも働こうとしない。ケースワーカーを脅迫するバーのママ。結婚詐欺を繰り返してきた72歳の老女。アルコールに人生を蝕まれた男。かつては成功しながら栄養失調で保護された作家。社会からはみだした、ときにしたたかな「弱者」たちにどう対したら良いのか、日々奮闘するワーカーたちの事件を描いた連作短篇集。
  • 詐欺師のすべて あなたの財産、狙われてます
    4.0
    宅地と思って土地を買ったら、河川敷で家を建てられない! 大口注文を受けて納品したのに、代金が支払われず商品まで取られた! 受けとった小切手を銀行で現金化しようとしたらニセモノだった!──元詐欺師や被害者、知能犯担当刑事が明かす、驚くべき騙しのトリック。「最初はまともな話で相手を安心させよ」「真実を核にして嘘を構築せよ」など、詐欺を成功させる鉄則十五箇条も紹介(絶対にマネはしないでください)。詐欺師に勝つための完全撃退マニュアル!
  • てなもんやOL転職記
    3.0
    アポなし、コネなし、コワイモノなし! 東京はコワイとこ、と育てられてきた大阪商社のお嬢OLが、書き上げた原稿をいきなり出版社に持ち込んで作家デビュー。それが映画化された『中国てなもんや商社』だが、華麗なる転身の陰に小心でド根性な日々の努力があった。3姉妹の末っ子として、観察眼も磨きまくった。今のままじゃだめ、でもどうしたらいいの? そんな気持ちに「しあわせは歩いてこない。だから、こっちから行くのよ!?」と活をいれる爽快エッセイ集!
  • 新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街
    3.8
    新宿歌舞伎町。銃と麻薬が簡単に買え、世界中から娼婦が集まり、外国人マフィア同士の抗争でひっそりと人間が消える。深夜の街の主人公は、ヤクザにホステス、街娼、密入国者。彼らへの単身取材は難航した。腕時計にナイフがつき立てられ、銃口をつきつけられる危険なインタビュー。麻薬密売人、無国籍売春クラブ、拳銃密売──ついにつかんだ衝撃の事実。闇世界に潜む中国人、コロンビア人、イラン人に肉薄し、警視庁を震撼させた戦慄のハードボイルド・ドキュメント!
  • 中国てなもんや商社
    4.1
    アフター5はお稽古事に食べ歩き。そんな甘い考えで入社したのは、日中貿易が中心の大阪商社。ところが中国から到着する製品は「首の入らないTシャツ」「子どもサイズの大人服」「雨が降っても開かない傘」。納期が遅れると「工場が竜巻で崩壊」とファクスが届き、現地では宴会の乾杯で潰されそうに……。華僑の上司にしごかれ、中国出張で格闘しつつ見えてきた日中ビジネスの深い闇と希望の日々を赤裸々に描く著者のデビュー作。映画化原作の、元気が出る爆笑ノンフィクション。
  • 日々是作文(ひびこれさくぶん)
    3.8
    31歳の私に、10年後の私をこっそり教えてあげたい──。離婚して仕事もお金もなく、実家に寄生するしかなかった31歳。直木賞を目標にかかげて、胃痛に苦しみながらも、必死で作品を生み出しつづけた30代中盤。念願の直木賞を受賞した38歳。ずっと一人で生きていくと思っていた矢先の、39歳での再婚。幸せな生活のはずが、うつ病で入院してしまった40歳。絶品の恋愛小説で読者の心をゆさぶる著者も、様々な葛藤を抱えながら生きてきた。心に沁みるエッセイ集。
  • 僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由
    4.1
    高校を中退したのち、大検を経て大学に入学した著者が、「社会に出て働くこと」について、自分と同じように不安や違和感を抱えながら生きる、同年代の8人を取材する。「将来浮浪者になるかも」と思っても、働く気力が湧かないM島。入社1年目で転職を考えてしまうT田。引きこもりから脱出すべく、14年間もがきつづけるN澤。都会の忙しなさになじめず、石垣島で海人(うみんちゅ)になることを選ぶY太……。彼らの葛藤を、21歳の同じ目線で伝えるリアルレポート!
  • 自殺──生き残りの証言
    -
    「こんなに切ったのに何で死ねないんですか……」「何で血が止まっちゃうんですか?」自分の手首を、もう少しで切断するくらい切り裂いた男性が、治療にあたった医師たちに言った言葉だ。救命救急医療センターで、自殺を図って死ねなかった未遂者たちに取材した異色のルポルタージュ。なぜ人は自殺を企てるのか、なぜその方法を選んだのか、本当に死ぬつもりだったのか、自殺する瞬間は怖いと思うのか……。自殺未遂者の肉声を基にその心理を解きあかす!
  • 暗鬼
    3.5
    両親、弟妹、祖父母に98歳になる曾祖母。いまどき珍しい8人家族に嫁いだ法子を待っていたのは、緑あふれる広大な屋敷、何不自由ない暮らし、家族全員の歓待と、心の底から自分を大切にしてくれる夫だった。しかし、近所で起きた心中事件に家族が関係しているという疑念を抱いた法子は、疑心の闇にはまっていく。家族みんなが何か隠している。そして私を殺そうとしている──これは私の妄想なの!? やがて暴かれる、呪われた血の絆で結ばれた家族の真実とは!?
  • 輪(RINKAI)廻
    3.5
    茨城の旧家に嫁いだ香苗は、愛娘・真穂とともに義母にむごい仕打ちを受ける。耐えきれず離婚した香苗は、大久保に住む実母・時枝の元に身を寄せるが、やがて真穂の体にはアザやコブが……。時枝も真穂も「何も知らない」といいはるが、隣に住む女は「老女の声が聞こえる」という。声の主は誰? 30年あまり前、時枝が新潟の婚家から出奔したことと関係が? 親子3代のルーツが明らかになるとき、因縁が時と場所を越えて迫りくる! 第7回松本清張賞受賞の傑作ホラー。
  • 美容整形 「美しさ」から「変身」へ
    3.0
    この10年間で美容外科の数は倍増した。人気の一方で、患者と病院との術後のトラブルはいっこうになくならない。シワ取り、シミ取り、二重まぶた、隆鼻、豊胸、脱毛、脂肪除去……。「お化粧感覚できれいになれる」「簡単に若返る」という甘い言葉は本当なのか? どんな手術が安全で、どんな病院が危険なのか? 日本の美容整形の歴史とは? これからの美容整形はどうなっていくのか? メスを入れるのは、これを読んだ後でも遅くない!
  • 元気食 実践マニュアル155
    4.0
    楽に作って楽しく食べよう! ご飯の炊き方から野菜や魚のカンタン料理法、乾物を上手に使う方法、減塩・減糖・減油にする技など、食生活のヒント満載。難しいことやお説教は一切ナシ、博多弁の軽妙な語り口にのって読み進めれば、食事作りが楽になります。面倒くさいと敬遠しがちの根菜、魚、乾物の調理法は、目からウロコの簡単さ。実践すればおいしい食事ができて、健康維持に役立つのみならず、家計も大助かり。さらに美容・ダイエットにも心強い味方になる一冊です!
  • 英語となかよくなれる本
    4.0
    私の20代の英語の先生は、アガサ・クリスティだった──。長年、英語を使って仕事をしてきた著者が「英語は苦手」な人にこそ贈るエッセイ集。料理、コミック、音楽、旅とミステリー。読みたい本、外国人と親しくつきあうヒント、趣味をもっと深めたくなる刺激が満載。たとえばパッケージの海外旅行に飽きたら、英語のガイドブックも手にとってみて。日本のガイドブックより、たくさんの情報が手にはいるはず。英語となかよくすると世界は広がる、楽しくなる!
  • 新宿歌舞伎町 新・マフィアの棲む街
    4.3
    21世紀の歌舞伎町、その勢力図は激変している。台湾、福建、朝鮮族ら海外マフィアの大量流入。日本のヤクザの対立抗争。犯罪は凶暴化・国際化し、市民を巻き込む事件が増えている。44人の焼死者を出した歌舞伎町ビル火災の裏側、300円の手数料で10万円を中国に送れる地下銀行の実態、中国残留孤児への対応不足が生んだ犯罪者集団、中国人のドラッグ揺頭(ヤオトウ)、酒田短大事件の深刻さ……地を這う取材でアンダーグラウンドの現状を明らかにした傑作ルポ!
  • セカンド・サイト
    3.5
    新宿のキャバクラでボーイをしているタクトは、店のナンバーワン・エリカにストーカー退治を依頼される。勘違いした客のしわざだろうと高をくくっていたが、どうやら違う。本物の敵意だ。そしてエリカが何者かに殺害され……。そんななか、妙に気になる店の新人・花梨(かりん)に他人の近未来を知る不思議な能力があることを知る。花梨に「最悪の事態を招く」と忠告されても、このまま済ませるわけにはいかない! 第20回サントリーミステリー大賞受賞作。
  • イニシエーション・ラブ
    3.5
    2014年3月3日、日本テレビ『しゃべくり007』で、紹介された作品です。 「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。僕がマユに出会ったのは、人数が足りないからと呼びだされた合コンの席。理系学生の僕と、歯科衛生士の彼女。夏の海へのドライブ。ややオクテで真面目な僕らは、やがて恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説──と思いきや、最後から二つめのセリフ(絶対に先に読まないで!)で、本書はまったく違った物語に変貌してしまう。
  • 日本人へ 国家と歴史篇
    3.9
    わたしが慣れ親しんできたローマの皇帝たちで“夢の内閣”をつくってみたら──指導者とは、どうあるべきか。すぐれた戦略がなぜ重要か。いま日本が突き当たっている問題は、過去の歴史にすでに明確な答えがあるのだ。そのほか、小沢一郎ら日本の政治家に思うこと、日本の技術を世界にアピールする方法、執筆とワインの親密な関係、ブランド品について知っておくべきことなど、しなやかな知性があなたを鍛える、大好評『日本人へ リーダー篇』続篇。
  • サイレント・ボーダー
    3.5
    殺人で両親を失い、いまは渋谷で自警団「シティ・ガード」を率いる、18歳の三枝航。8年前に離婚した妻から、家庭内暴力をふるうようになった息子を引き取った、敏腕ライターの仙元。深いトラウマを抱える2人の人生が、ふとしたことで交錯し、やがて航のカリスマ性の裏にひそむものの正体が露わになるとき、後戻りできない運命の歯車が動き出す。祝康成名義で少年犯罪などノンフィクションを書いてきた著者がすべてをこめた、渾身のデビュー小説。
  • 夜を着る
    3.4
    結婚しても女の影を感じさせるミュージシャンの夫が、地方営業に出かけるという。妻は、スイミングスクールで知り合った隣家の男と“スパイ旅行”を試みる。そこで目にした意外な夫の姿とは…(表題作「夜を着る」)。2度目の堕胎後、当てもなく車を走らせ海沿いの町へ。大人になりきれない恋人同士の、やるせない気持ちと無力感が切ない「アナーキー」。父の葬儀に現れた愛人との奇妙な記憶を描く「よそのひとの夏」など、8篇を収録。想像力をかきたてられる恋愛短篇集。
  • 小銭をかぞえる
    3.9
    女にもてない「私」がようやく女とめぐりあい、相思相愛になった。しかし、「私」の生来の暴言、暴力によって、女との同棲生活は甘いどころか、どんどん緊張をはらんだものになっていく。金策に駆け回り、疎遠な友をたずね、断られれば激昂し…金をめぐる女との掛け合いが絶妙な表題作に、ぬいぐるみを溺愛する女との関係を描く「焼却炉行き赤ん坊」を併録。爆笑を誘うほどに悲惨な、二つのよるべない魂の彷徨。新しい私小説がここから始まる。
  • 最後の変身
    -
    入社数年後、ふっつり会社をやめて、実家の私室に引き籠もりはじめた男の手記──男はカフカの『変身』を読んで思う。これは俺だ。いまの俺は巨大な虫だ。老いた両親は怯えて俺を観察している。『変身』の主人公、すなわちある朝起きたら虫になっていた男、グレーゴル・ザムザの感じたことが俺にはよく分かる。それはこんな気持ちに違いない……ネット上に漂う、現代のグレーゴル・ザムザ。引き籠る人間の内面を完璧に描き出した、精緻な文学の結晶。
  • マンション買って部屋づくり
    5.0
    慎重すぎる性格なのに、ふとのぞいた不動産屋で運命の出会い。こんな部屋に住みたかった!と住宅ローンを組んで、中古マンションを購入。勢いで購入したのはいいけれど、何もしなければタダの箱。長年の賃貸時代には思いもよらなかったリフォームに挑戦、庭づくりにご近所ネットワーク。カーテンをめぐる煩悶。収納問題を解決するには? 地震にどう備えるか? 30代ひとり暮らしのよさを生かして、自分のための空間を作り出す、ドキドキあたふた軽快エッセイ。
  • タイル
    3.6
    性的不能になり離婚した、40歳のデザイナー。タイルを偏愛する男は、自室をモザイク画で埋め尽くそうと、赤い海パン姿で制作に没頭する。その部屋をこっそりうかがうのは、盗聴が趣味の自称“非行老人”。タイル貼りの作業に女の専門学校生が加わり、いっそう妄想が亢進した老人は男をけしかける──いっしょに楽しもうじゃないか。標的はある女性ポルノ作家。狂気、罠、監禁……誰にでも起こりうる狂気をひたひたと描き出す、ホラー純文学の傑作。
  • 快楽の動詞
    3.9
    大分昔の話になるが、私の部屋に女友達とその恋人が泊まったことがある。私は、ひとりでベッドに寝て、彼らは、離れたところに布団を敷いて寝た。図々しくも、彼らは、私を無視して、こっそり性行為を始めたのだった(表題作より)。隠しても、もれ聞こえてくるぼそぼそ声は、ありふれた「いく」と「死ぬ」。でも、2人が文学的なロマンあふれる会話を交わしていたら、もっと薄気味悪かったはず。文学の中の性行為と実際の性行為はどう違う? 奔放で緻密な8篇の短篇小説。
  • 家にいるのが何より好き
    3.5
    衝動買いした服の「捨てどき」に悩んで「夜中の鬼」になる! (これでこの冬も、新しい出会いはないな)とババシャツに袖を通しながら、なおも究極のババシャツを探してしまう。引っ越して10年、カーテンを洗ったことがない。夜ひとり、ドラマにはまる愉しみ。あきらめきれない英語習得。友人の妊娠、出産話に盛り上がりながら、わたしがお産をためらう理由。ある日、交通事故に遭い──事故よりその後がたいへんだった顛末。女の分かれ目30代は、20代より面白い。
  • 姫君
    3.8
    「母が首を吊ったのを見つけた時、ぼくが、まだ五歳だったのは幸せなことだ。十歳だったら泣きわめいていただろうし、十五歳だったら心の病気にかかってた。今だったらどうだろう。きっと笑ってた。二十歳。もう、ぼくは、人が、おかしくなくても笑うということを知っている」(本文より)。人が人を求める気持ち、コトバにできない寂しさを描いた短篇集。人を愛することで初めてうまれる恐怖、そんな“聖なる残酷”に彩られた、忘れがたい物語。
  • 隣りの女
    3.8
    夫の給料をつましくやり繰りして、家事と内職で毎日が過ぎていく平凡な主婦に訪れた恋。“人妻の恋の逃避行”(そして、気になるその後)をあざやかに描いた表題作。家族のために頑張って、気がついたらそろそろ30歳…な主人公の微妙な恋心を衝いた「幸福」と「胡桃の部屋」。大人になって出会った異母兄弟の愛憎をえがく「下駄」。突然の飛行機事故により、向田邦子の絶筆となった「春が来た」。いずれも読んだら忘れられなくなる、まさに珠玉の5篇。
  • さすらいの女王
    4.3
    豊胸手術でDカップのオッパイを手に入れた女王様。「巨乳元年」を謳歌すべく、380万円かけて渋谷区に遷都するも、家計は火の車。男にフラれ、カレン・カーペンターに自分を重ね、己の遺伝子について考える。そんな試練と苦悶のなか、子宮筋腫が発覚。さらに癌の疑いまで勃発! やりたい放題だった女王様に「どう生きるか」というシビアな問題が突きつけられることに。一方その裏では、宿敵・港区役所の魔の手が忍び寄っていた…。あぁ、女王様の安住の地は何処に!?
  • 雪ひらく
    3.9
    恋に落ちたら、相手に配偶者がいようがいまいが、恋心が止まらなくなる姉。その一生は奔放すぎた。彼女を“美しく風変わりな淫売”とよんだ妹が、心をこめて姉の人生を振り返る「最後の男」。家で洋裁の仕事をしながら、ひっそりと愛人の訪れを待つ美枝子の「仄暗い部屋」。失恋して帰ってきた故郷で、あらたな出会いの予感が…表題作「雪ひらく」。前へ前へ、恋にだけはとびきり大胆に突き進む女たち。その奥に秘められた官能の炎を描きつくす傑作短篇集。
  • 冥途のお客
    4.0
    50歳を過ぎて心霊界にめざめた著者が、岐阜の幽霊住宅で江原啓之氏と体験したこと、江原氏が実況中継のように語ってくれた、死後の遠藤周作ら作家たちの姿、狐霊に憑依された女性の奇妙な話、父・佐藤紅緑の霊が語ったこと、霊能者の優劣……。著者が直接見聞きした、霊にまつわる不思議なエピソード満載。いまや「この世よりもあの世の友達のほうが多くなった」佐藤愛子さんの、怖くて切ない霊との交遊録。死は終わりではないからこそ、どう生きたらいいか考える1冊。
  • 春、バーニーズで
    3.6
    妻と幼い息子を連れた筒井は、むかし一緒に暮らしていた男と、新宿バーニーズのスーツ売り場でばったり再会する。懐かしいその人は、花柄の派手なシャツを着て、指には大きなエメラルドの指輪、相変わらずの女言葉で、まだ学生らしき若い男の服を選んでいた。当惑した若い男の姿は、まるで10年前の自分だ。日常のふとしたときに流れ出す、選ばなかったもうひとつの時間。デビュー作「最後の息子」のその後が語られる表題作にはじまる、磨きぬかれた連作短篇集。
  • 30前後、やや美人
    4.0
    「30前後」は、女にとって微妙な年頃。まわりは結婚したり、どうかすると母になっていたりして。それに比べ、アパートで同じような暮らしを続けている自分。子どもに「おばさん」と初めて呼びかけられたあのショック。腕に2本の腕時計……自分でもこわくなる、物忘れ。でも悪いことだけじゃない。仕事で出会う、おかしな事件。男性の好みは石部金吉(!)という自分でも、時にときめくこともある。自分のペースで前向きに暮らす、そんな女性の共感エッセイ。
  • ラブホテル進化論
    3.4
    著者は女子大学院生。ある日、中吊り広告で「ラブホ特集」の文字を見て、ぎょっとする。しかし友人が「デートによく使うよ。Hしないときでも」と語るのに再び驚いて「ラブホテル」を卒論のテーマに選んだのが、はじまり。なぜ外観がド派手? どうしてベッドを回転させた? ラブホテルって儲かる? 最新の人気設備は? 全国300軒以上をめぐり、オーナー・建築家・雑誌編集者・警察など多方面に取材、利用者の意識調査まで敢行した本格研究! 貴重な図版も満載!
  • ちょいデキ!
    3.7
    「“北斗神拳”のごとき達人仕事術より、誰でもできる“太極拳”的仕事術を極めよ!」をモットーに、33歳でサイボウズ社長になった青野氏がちょっとデキるビジネスパーソンになるための簡単仕事術を伝授!「本を全部読んでいないか」「つくり笑顔ができるか」「大きな目標を立てていないか」「怒られたら降伏できるか」「風邪をひくのが当然と思っていないか」等。自称根性なしの著者が成功した鍵はこんな小技にあった。読めば“ちょいデキ”になれる即効アイディア満載!
  • ヴァンサンカンまでに
    3.4
    24歳のアパレルメーカーOL・仲江翠は、入社後すぐにエリート課長と社内不倫。しばらくして課長の部下で将来を有望視されている恭一郎に狙いを定め、ちゃっかり交際に持ち込んだ。「おねだりのできる愛人」と「将来結婚してもいい保険男」を手玉にとり、ゲーム感覚の恋愛を満喫する翠。自分の中の“オンナ”を使い分け、全てはうまくやっていけるはずだった。しかし、同じように上司と不倫中の同期の亜希に、思わぬ事件が発生。翠の恋愛ゲームにも暗雲がたちこめる…。
  • ブス愚痴録
    3.4
    長身、ハンサムでスポーツマンの赤木は、社内きってのプレイボーイとして有名だったが、このたび結婚。披露宴に招かれた赤木の上司・吉見は、花嫁の顔をみて絶句してしまう。花嫁はなんと、大女のデブで激ブス!(……こんなハズはない)驚きのあまり披露宴会場は静まりかえった──(「ブス愚痴録」)。小心控えめだった妻が勤めはじめるや、みるみる積極的になり、とまどう夫。丁寧すぎる人妻事務員にしびれる新入社員。男女の仲の不思議さを描く傑作短篇集。
  • キミは珍獣(ケダモノ)と暮らせるか?
    3.8
    フェネック、サル、スカンク、ハリネズミ、アリクイ──なぜ犬や猫では飽き足らず、珍獣を飼おうとするのか。珍獣と呼ばれるにはワケがある。獰猛や虚弱体質ゆえに飼うのが難しい、飼い主になつかない、ムチャクチャ臭い…それでも飼おうという人は、キセキのような楽しさが味わえるのも、また真実なのだが。伝説の珍獣ショップ「動物堂」店主として、あまたの珍獣を扱い、飼ってきた著者による、類のない珍獣選び・育成指南の書。ぐっとくる写真と自筆イラストも満載です!
  • 危険な斜面
    4.2
    男というものは絶えず急な斜面に立っている。爪を立てて上に登って行くか、下に転落するかだ──。10年ぶりに歌舞伎座で会った女は、豪華な装いで、男の勤める会社の実力派会長の愛人になっていた。彼女を利用して昇進に成功した男は、やがて彼女が邪魔になり……。表題作の他、強盗殺人犯の妻と張り込みの刑事を描く「失敗」、大新聞社の職をやめ、都落ちして勤めた田舎の新聞社で奇妙な事件に出くわす「投影」など、語り口のうまさに思わず唸る、全6篇を収録。
  • だりや荘
    3.5
    両親の事故死を機に東京を引き払い、信州で暮らす病弱な姉・椿のそばへ越してきた妹・杏とその夫・迅人。両親の気配があちこちに残るペンションを引きついで、3人のおだやかな日常が始まった。椿にはやさしい男友達・新渡戸さんがおり、ある日働きはじめたゾクアガリの青年・翼もペンションに新風を吹き込んでくれる。しかし、そこでは優しさに搦めとられた、残酷な裏切りが進行していた。精緻な描写と乾いた文章が綴るいびつな幸福。うつくしくて痛い愛の行方は……。
  • パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記
    4.0
    家族で食卓を囲んでいたら、突然、テレビ局からの電話。法王のクリスマス・メッセージが英語でなくイタリア語で送られてきた! 通訳はいないのに、オンエアまであと20分! 電話で必死に音声を聞き、訳した紙を持って6歳の息子がFAXまで走る…聖夜の椿事を始め、最強のイタリア語同時通訳が明かすエピソード満載。地方名門女子校の優等生がシモネタ好きの妖艶な(?)イタリア語通訳になるまでのストーリーと、著者をシモネッタと名づけた米原万里の名解説も収録。
  • くうねるところすむところ
    3.6
    梨央、30歳、弱小就職情報誌の編集者。目下、恋にも仕事にも行き詰まっている。ある日、酔っぱらった勢いで建設現場の足場によじ上った。上ったはいいが、腰がぬけて下りられなくなって、トビ職の徹男に助けられる。強い筋肉と温かい体。徹男に一目惚れした梨央は、勢いで工務店に飛び込んで就職。だがそこは、亭主に逃げられ、やむなく社長になった郷子がぶちキレる寸前で、大混乱の職場だった。女ふたりの行く末は、そして恋に超うしろ向きな徹男と梨央はどうなる?
  • 潜入 在日中国人の犯罪シンジケート
    -
    在日中国人の犯罪は計画的で巧妙、凶悪だ。まず狙うのは、出稼ぎホステスやオーバーステイの中国人といった、警察に駆け込めないワケありの身内。その標的を食いつぶした今、ターゲットは手近で無防備な日本人に。人身売買、ピッキング窃盗、パスポートやクレジットカードの偽造…帰国した残留孤児が、実は日本人ではなかったという驚くべき「偽家族」の実態や、それに絡む蛇頭のビジネスの手口も暴く。長期潜入取材を敢行して犯罪の裏側を暴きだした、戦慄のリポート!
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    4.2
    格差社会と言われる前から、低く深いところで「見えない貧困」は渦巻いていた。生活保護の第一線に立つのは、地方自治体のケースワーカーだ。政府からは予算を削られ、マスコミには不正受給/不適切な対応と叩かれる狭間で、彼らは貧困層とじかに向き合ってきた。都内のK福祉事務所、札幌の母親餓死事件の真相、炭坑閉山から親子代々の受給も目立つ福岡・田川のケース。矛盾を抱えながら、必死に制度を機能させてきたケースワーカーの生々しい現場を紹介する。
  • シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ
    3.8
    巨漢の50代イタリア人男性が、日本出張のたびに、清楚な素人女性のお持ち帰りに成功する理由とは。セクシーなエリート・エンジニアがつく、妻にバレバレの嘘とは。既婚イタリア人女性がセックスしたいと思っている相手のトップは? 通訳歴30余年、アモーレ(愛)の国イタリアで、著者が見聞したおかしな夫婦や恋人たちのエピソード満載。愛の向こう側に豊かな文化が見えてくる、人生を楽しみつくすオトナのエッセイ集。解説にかえて、故・米原万里さんとの対談収録。
  • 少し変わった子あります
    3.7
    大学で教える小山が、後輩の荒木から勧められた料理店は、一風変わったところだった。場所は訪れるたびに変わり、客はたった一人で訪れなくてはならない。客に顔を見せる店員は三十代とおぼしき女将が一人だけ。そして、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれるのだ。戸惑いつつ、女性たちと会話を続ける小山は、しだいにその店の雰囲気に惹かれていくのだが……。甘美な沈黙、そしてふいに訪れる衝撃! 極上の森博嗣ワールドをどうぞ。
  • プルミン
    3.4
    公園で、乳酸飲料・プルミンを配っていた正体不明のプルミンレディー。飲んだ子供の一人が自宅で血を吐き、間もなく死亡した。亡くなった雅彦は、小学一年生ながら悪質なイジメで同級生達を支配していたボス。その母親も、実は周囲とトラブルがあり、母子ともに周囲の反感を買っていた。犯人の狙いは雅彦への復讐なのか? 子供たちを狙った無差別殺人? やがて第二・第三の殺人事件が起き…。真相は、見慣れた風景のどこに隠れているのかわからない。傑作ミステリー。
  • 夜明けの星
    3.8
    越後の国を出て十六年、江戸の町で父の仇敵を探し続ける浪人・堀辰蔵。飢えて疲れきった辰蔵はある日ささいなことで逆上し、見知らぬ煙管師の頸すじに斬りつけてしまう。父と仲良くふたり暮しだった煙管師の娘・お道は、これで天涯孤独の身となった。近隣の人々に見守られ、気丈に生きていくお道と、仇討ち転じて闇の世界の仕掛人となった辰蔵の凄絶な半生。折にふれ、奇妙にもつれ合うお道と辰蔵の運命を、池波正太郎が円熟の筆で描いた名作。
  • 素晴らしい一日
    3.6
    「わあ、奇遇だなあ。二年ぶり?」「お金、返して」。三十路目前でゲットした恋人に逃げられ、勤務先は倒産、貯金残高は減るばかり。ドツボにはまった幸恵は、昔付き合った男・友朗に貸した金を取り立てて、人生を立て直そうと考えたが……(「素晴らしい一日」)。卓抜なユーモアがたまらないオール讀物新人賞受賞作を含め、憂きことばかりの人の世をもがきながら生きるダメ男とイコジ女たちにエールをおくる、傑作ビタースィートコメディ。平安寿子のデビュー作!
  • TVJ
    3.7
    お台場にあるテレビ局が、「72時間テレビ」生本番の最中に、正体不明の武装グループにのっとられた。犯人は社員たちを人質にとり、全国放送を通じて次々と要求を突きつける。外部からの侵入が難しい最新インテリジェントビル。劇場型犯罪に翻弄される警察。犯人たちの真の狙いは何か? 経理部社員の高井由紀子(29歳)は、人質にされた恋人(37歳)を救うため、たったひとりで立ち向かう。『交渉人』『相棒』の五十嵐貴久の、全てが詰まった爽快なデビュー作!
  • ラスト・レース 1986冬物語
    3.3
    バブル期の東京。社内恋愛に破れ、最悪な気分のOL・秋穂は、宝石店で客が置き忘れたガーネットの指輪を持ち帰ってしまった。その夜、二人組の男に押し入られレイプされてしまう。なぜ私が? あれは何者? 翌日、近所で殺人事件が発生。被害者は秋穂と同年齢の女性で、マンション名もそっくり。これは単なる偶然ではない! 目くるめく事件の波に巻き込まれていく秋穂が、最後に手にしたものとは…。時代の波に乗り損ねた男女のラヴ&クライム・ノヴェル。
  • 北京大学てなもんや留学記
    3.7
    オリンピックでも国力を見せた中国は、いまや昇竜の勢いだ。さて、著者・谷崎光はただいま北京に留学中。現在の日本と比べても、その生活は驚きの連続。「反日感情の正体」「中国人の金銭感覚」「なぜ中国人はプレゼントがうまいのか」「知日教授のSM日本経済授業」「偽物だらけのスーパーマーケット」「中国に留学する外国人のタイプ」から、真に役立つ「中国語の上達法」まで、報道では分からないリアルな情報を、写真満載で大公開!
  • 子盗(と)り
    3.8
    京都の旧家に嫁いだ榊原美津子は、子供に恵まれずに十数年。本家の跡取りの出産を期待される重圧に耐えかね、妊娠していると言ってしまった美津子は、産院から新生児を連れ去ろうとして看護師・潤子に見咎められる。その後まもなく、榊原家では幸せそうな夫妻と赤ん坊を囲んで、盛大な祝宴が開かれていたが…。子に恵まれない女、子を奪われた女、子を望まない女──女たちの暗い情念を描いた傑作。第19回サントリーミステリー大賞・読者賞ダブル受賞作!
  • 赤塚不二夫のことを書いたのだ!!
    4.0
    『おそ松くん』『天才バカボン』『レッツラゴン』…生涯じつに8万枚の漫画を執筆した天才漫画家・赤塚不二夫に、35年間連れ添った小学館の編集者がいる。“武居記者”というキャラクターで赤塚漫画にも登場する本人が、天才との濃厚すぎる日々を語る。ニャロメのモデル、『天才バカボン』引き抜き事件、新婚そうそう5日間泊り込み、ヤクザに追われてふぐ三昧、崇拝する美空ひばりと新宿デートなど、はちゃめちゃで抱腹絶倒の秘話満載! 浅野忠信主演で、映画化。
  • 雲ながれゆく
    4.1
    老舗菓子舗「笹屋」の若後家・お歌は、雨宿りのひととき、行きずりの謎の浪人に手ごめにされてしまう。体も大きく気が強い自分が、犯されて抵抗しなかったことに納得がゆかぬお歌だったが、奇妙な再会をとげ、やがて男への憎しみは愛しさへと変わってゆく。少女のようにときめくお歌。二人の深まる恋は、ひょんなことから敵(かたき)討ちの助太刀に発展し、やがて迎える別れの朝…。江戸に生きる勝気な女の姿が、21世紀の日本人をも魅了する、新感覚の長篇時代小説。
  • 無名仮名人名簿
    4.0
    「正式魔」「キャデラック煎餅」「女子運動用黒布襞入裁着袴」「臆病ライオン」「眠る机」「青い目脂」…昭和のにおいがするタイトルの数々。愚痴をこぼす代りに真赤になるまでおみおつけに唐辛子をかけ、すすっていた祖父。届いたお歳暮をすぐ開けたくて青筋をたてた父。包み紙を破らないよう丁寧に開けていた母。一度でいいからメロンをまるまる一個食べてみたかった自分。戦前・戦後の平凡な家庭の暮らしをみずみずしく描く、忘れがたいエッセイ集。
  • 天使はモップを持って
    3.4
    社会人1年生・梶本大介の平和なオフィスに起こる、8つの事件。首をおとされたぬいぐるみ、会社にひよこ…頭をひねる大介を尻目に、あざやかに事件を解決するのは、20歳そこそこの掃除スタッフ、キリコ。ビル1棟をたったひとりで担当、しかも「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才・キリコは、ミニスカートにポニーテールが似合う、キュートな女の子でもある。いったい何者? と大介は惹かれていくが…スイートなミステリー。
  • ためらいもイエス
    3.6
    仕事が好きだ。会社に連泊するのも、冷めかけたピザを仕事仲間と食べる夜食も。仕事は自由をくれた。わたしの人生に男はいらない。仕事漬けの日常を気に入っていたはずの三田村奈津美、28歳(じつは処女)に突然訪れた人生初のモテ期! 3人の男を前に、棒に振った思春期を取り戻せるか? 強すぎる母から逃れようと、人生を迷走する3姉妹の次女として、頑なな努力を続けた日々を卒業できるか? 愛すべき恋愛音痴のための、可笑しくて切ないラブストーリー。
  • 好きよ
    3.4
    「好きよ。」──と遺書を書いて飛び降り自殺した愛果(あいか)。死んだはずの彼女の小指の指紋が、2年後FAX用紙に現れた…。元同僚の董子(とうこ)が愛果の<影>を感じ始めると同時に、奇怪な現象が頻発する。知っているはずの場所で彷徨う、神社の写真が届く、伊勢崎という謎の男が現れる、そして董子に近づく者たちが次々と殺される…。時空が歪み記憶も操られる中、董子の故郷・真湯島と東京を繋ぐ<邪悪な企み>が明らかに! 戦慄のホラーミステリー。
  • 日本人へ リーダー篇
    3.8
    2000年に及ぶ歴史のなかで、ローマ帝国は何度となく重大な危機に陥り、そのたびに大胆な方法で危機を脱した。日本には、なぜ古代ローマ皇帝カエサルのような、リスクをとる真のリーダーが現れないのか? いま、この国になにが一番必要なのか? 文明の栄華と衰退を知り尽くした塩野七生だから語れる、危機の時代を生きるための深い智恵。小林秀雄や司馬遼太郎がそうであったように、歴史と対話しながら、この国のあり方を根本から論じるエッセイ集。
  • 対岸の彼女
    4.1
    いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。
  • デッドウォーター
    3.4
    18歳当時、5人の女性を強姦して殺し、死刑判決を受けた希代の殺人鬼・穂積。その彼と拘置所で面会を重ね、真相に迫る本の執筆を企てたルポライターの加瀬。死刑を目前にしながら微塵も恐れない穂積の邪悪なフェロモンが、何度も加瀬の思考を麻痺させる。そして突如、ある忌わしい真実が浮かび上がり、加瀬は決意する。穂積を破壊してやる──。塀の中で国家の庇護のもと育ってしまったとんでもない“化け物”に、復讐する術はあるのか? 全身が総毛立つ長篇サスペンス。
  • 十四番目の月
    3.4
    スーパーへ連れて来た子供がいない…! 主婦の桑島樹奈は、買い物中に2歳の娘を誘拐される。犯人からの要求は身代金2千万円。だが、受け渡し場所の指示を次々に変えてくる。そして犯人は誰とも接触することなく金を奪った。一方、シングルマザーのピアニスト・奈津子は現場のホテルで演奏をしていたことから事件と関わりを持ち、誘拐事件を調べ始めるが…。果たして犯人はどうやって金を奪ったのか? その子が狙われた理由は? 女性心理を巧みに描く傑作心理ミステリ。
  • トラッシュ
    3.9
    人を愛した記憶はごみ(トラッシュ)のようには捨てられない。それがどんなに苦しんだ記憶でも。黒人男性・リックに恋をし、彼の連れ子のジェシーとぶつかりながらも、三人で暮らす日本人のココ。しかし、ココから逃げるように、リックは毎晩酒びたりになる。献身的に彼に尽くすココ。だが、求めれば求めるほど彼は遠くなる……。愛し合っているのに、なぜお互いを傷つけてしまうのか? 人を愛することの奥深さと幸福を再確認させてくれる著者渾身の長篇。女流文学賞受賞。
  • リピート
    3.9
    もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら? ある日突然の電話で持ちかけられた、夢のような「リピート」の誘いに乗って、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。ところが彼らは一人、また一人と不審な死を遂げて……。なぜ、犯人は「リピート」した者を狙うのか? 犯人は十人の中にいるのか? あの『イニシエーション・ラブ』の鬼才が、『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』に挑んだ仰天の傑作。驚愕のラストは絶対に見逃せない!
  • 御宿かわせみ
    4.2
    江戸情緒をたたえた捕物帳でロングセラーとなった、人気シリーズの新装版の第一作。大川端にある小さな旅籠「かわせみ」。若き女主人るいは、元・同心の娘。都市を行きかう人びとがひと時のやすらぎを求めて投宿する。ときに、表沙汰にできない厄介ごとを胸に秘めて……。誘拐、詐欺、敵討ちなど、大小さまざまの事件に巻きこまれながら、るいは恋人の神林東吾と協力し、解決の途をさぐってゆく。数度にわたりテレビドラマ化され、話題をとった人情譚。

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