ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
わたしが慣れ親しんできたローマの皇帝たちで“夢の内閣”をつくってみたら──指導者とは、どうあるべきか。すぐれた戦略がなぜ重要か。いま日本が突き当たっている問題は、過去の歴史にすでに明確な答えがあるのだ。そのほか、小沢一郎ら日本の政治家に思うこと、日本の技術を世界にアピールする方法、執筆とワインの親密な関係、ブランド品について知っておくべきことなど、しなやかな知性があなたを鍛える、大好評『日本人へ リーダー篇』続篇。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
塩野七生さんが書いた自由気ままなエッセイ。一度も日本から出たこともない自分からすれば海外からみた日本はこんな感じなのだろうと思ってしまう。はっきりとした文体は、カッコいいし心に響く。 このエッセイが書かれたのは2006年10月~2010年4月といった自民党政権崩壊から民主党政権に移った時期らへんでや...続きを読むはりちょっと一昔前の話題の感じがしてしまう。ただ今だから言える民主党与党の連立政権のドタバタ劇を過去の歴史と照らし合わせ予言していたところなどはさすがと思ってしまった。
前作である同タイトル「リーダー編」と同様、なるほどと思えるところはたくさんあったけど同じく要約できないので、特に気になったポイントを羅列。これほど横着した書評もないもんだ。 「(靖国神社参拝や戦争に関する展示をそれぞれの視点から見ていくことで)これをつづけていると、人間への見方が暖かくなる。ムキに...続きを読むなるのも人間の特色の一つなのだと考えるようになる。そして、言うまでもないことだが、双方でちがう言い分を聴いて比較する作業に慣れてくると、それらの合い間に自然に浮かび上がってくる真相も見えてくるようになるから面白い」 「史料は整理しないんです。仕事のほうを整理しちゃったので」 「選挙で選ばれたわけでもないのに国の方向すら決めて疑わない官僚は主権在民のはずの民主主義の主旨に反すると、私は常々思っている」 「『女性の品格』は、つまらない男にとってのみ好都合なツマラナイ女、の多量生産に最適だと思った。だけどなぜこの日本では、つまらない女ではやっていけるはずのない高級官僚を経験した人が、つまらない女の多量育成にこうも熱心になるのだろう。…女が女のことばかり考えているかぎりは女の独立は絶対に達成できない」 「期待感で投票する有権者たちも間違っているわけではない。なぜなら政治とは、感性に訴えて獲得した票数、つまり権力を、理性に基づいて行使していくものだからである。…「夢」や「ゆとり」や「美しい」とかは、個人の性格や好みによるから同一でない。このように客観的な基準を決めることが不可能な事柄は宗教家や詩人の分野のことであって、政治家や官僚が口をはさむことではない」 「大胆で官能的であると同時に絶対に下品であってはならないのが、エレガンスの必要不可欠な条件である」 「「賞味期限」とは、科学的ないし客観的な基準に基づいているのであろうか。早目に売りさばきたい思いで適当にサバをよんで設定した賞味期限に、製造主が裏切られたのが騒動の因、というのがわが妹の言なのだが」 「高い地位と強大な権力を持ち、国家に少なからず寄与した人を引きずり降ろして喜ぶ趣味は私にない。有能で仕事もできる人は「清」だけでなく「濁」も合わせもつものなのだ」 「プラダやドルチェ&ガッバーナの品は、ジョルジョ・アルマーニやタニーノ・クリッシの名札がついた品よりは断じて安く、流行に敏感だから若者向きで、造りも雑だから壊れやすい。つまり、今向きなのだ。反対に最高級ブランドの品は良く出来ているから、長持ちしてしまうという欠点がある。要するに嗜好の問題だから、中国で作ろうと中国人の不法入国者が作っていようと、二義的な問題でしかない。ただし、事情を知っていて買うのと知らないで買うのとでは、ちがいはやはりあるのではないかと思う」 「日本の文化交流は、主として官僚と学者が担当している。両方とも能力はある人たちのだが、両者に共通することがもう一つある。それは、いずれも自分自身では創造したことがないという点だ。自ら創造していれば、観てほしい、読んで下さい、という想いを絶対に持つ」 「漢字が美しいのは、絵画や彫刻と同じく、見る人の想像力を刺激するからである。その証拠に、漢字には書道があるのに、アルファベットにはない。…何でも平仮名にしてしまう風潮は、好きではないだけでなく悪弊とさえ思っている」 「多く集まれば集まるほど、正しく、かつ問題の解決によりつながる対策が立てられると信じているとしたら、人間性に無知というしかない」 「(オリンピックのポイント至上主義に対して)馬術でも同様だ。バアが一本ぐらい落ちたって、馬は障害を越えている。体操競技も同じ。ごくつまらない失敗を数えあげるやり方は、体技が本来もっているおおらかさを失わせる。…偏差値教育が大勢を見極める能力のない指導者を育てたと同じに、点数至上主義は、スポーツの醍醐味を味わわせてくれる選手を、協議の場か ら排除していくようになるだろう」 「一度も挫折しなかったというのはもっと困りものである。抵抗力というか免疫力というかが、まったくないということだから。…自らに疑いをいだくことを学ぶようになる。次なる跳躍は、これまでのやり方に疑いを持つことなしには絶対に訪れない」 「自分自身を守ろうとしない者を守ってやろうと思う国は世界のどこにもない。…日米安保条約に頼りきるのも不安である」 「何もかもが安ければ良しとする風潮に、日本も染まっている。この風潮は服やバッグに留まらず、書籍にさえも及んでいるとい。これはもう、価格破壊の先に待つ文明の破壊になると思い始めたのである。…この出版界のリスク回避の志向を知って、それならば出版される本の数も減りますね、と言う人がいたとすれば、その人への答えはノーである。それどころか、ますます増えるだろう。ただし、短期間にモトが取れるものだけが」 「事業仕分けと呼ぶらしいが、帰国中にそれをテレビで観ていて、あることに気づいて愕然となった。それは、仕分けされる側、つまり各省庁の高官たちの、説得能力の絶望的なまでの低さである。…原因は次の二つに要約できる。第一に、これまでずっと、母国語でさえも説明し説得する必要に迫られてこなかったこと。意地の悪い質問を浴びて立ち往生する怖れのない記者クラブが相手では、経験にさえもならなかったのだ。…(若手官僚に事業仕分けの受け答えを担当させることで)この場を活用して説得力を鍛えあげた官僚は、日本にとっての大きな資源になるだろう。「始めに言葉ありき」とは、最後まで「言葉ありき」なのである」 「
「なぜリスクをとるリーダーが出ないのか―危機の時代こそ歴史と向き合え!」この台詞をテレビに映っている政治家にぜひとも言いたい。 この本を最初に読んだのは「日本人へ 国家と歴史編」とあわせて読んでいたような気がします。最近、この人の書いた大作、『ローマ人の物語』を読んでみようと思っています。しかし...続きを読む、あの量の多さが僕に二の足を踏ませている、というのもまた事実でございます。ここに書かれているのは「リーダー論」としての時事評なんですけれど、ぜひとも喧々諤々と不毛な政治闘争を繰り広げている日本の政治家センセイの方すべてに読んでいただきたいと、大マジメに思っております。 彼女の時事評はローマの歴史を専門にしているだけあってその論法は鋭いので非常に面白かったです。この本が刊行される前に掲載された状態で書かれていた時期はどうも小泉政権のころのようですが、今こうして考えると、いろいろなことが『改革』されていった時期でもございましたね。それは今でも重いくびきになっているのは皆様もよくご存知のことと思います。 この本の最初に収録されてある「継続は力なり」という文章の最後に 「政策の継続性の欠如こそが三世紀のローマ帝国にとって、諸悪の根源であったのだった。」 特にここは政治家のセンセイ方にはよくよく読んでいただきたいと思っています。
日本の政治についてよりも、ローマの歴史に興味を持った。また、ちょっとは政治家を信じて任せてみようと思うようになった。
痛快。小気味良い。扱われている問題は様々な方々が手を変え品を変え語っていらっしゃると思いますがこんなにすかっと読める本はあまりないんじゃないかしら。本あまり読んでいませんが。すみません。実は初塩野本でもあるのですがとっかかりにもいい1冊だったんじゃなかろうか。他の著作も読みたくなりましたよ見事に!
とにかく、なぜ今まで塩野七海という人物に目を向けてこなかったのか。 目から鱗の、ローマ人論と日本人論。 これを知らなかった私と、知った私とでは、確実に日本人を見る目が違う。 国交とはかくあるべき。が、わかる。すべての政治家よ、読んでみよ。政治的戦略、が分かる。ローマの皇帝たちよ。ローマの繁栄の秘技...続きを読むを現代に説き給え。何もオカルトではなく、明らかなものであることを。まずは本論である、ローマについての著作を読んでみなくては。 他サイトより転載
他の「日本人へ」シリーズよりも、穏やかな内容と思えるのは、大作「ローマ人の物語」を書き終えた喜びだろうか。
文藝春秋に連載されたエッセイをまとめたもの。普段イタリアに住む著者が、海外から見た日本について辛口の批判をしており、納得できる記述が多い。記憶に残る部分を記す。 「戦争とは、良い悪いの区分がないだけではなく、防衛のための戦争か侵略のための戦争かの区分さえもむずかしい。いや、戦争は、ほとんどとしてよ...続きを読むいくらいに侵略戦争である。なぜなら、防衛のつもりで行った戦争に勝ったとたんに、その防衛戦を確実なものにしたくなってさらに敵地深く侵略することになるからで、歴史に残る戦争のほとんどすべては、侵略戦争であったのが実相だ。」 「戦争そのものが姿を消したわけではない。それはおそらく、頭をガツンとやられないかぎりは言うことをきかない、国家や民族や部族が後を絶たないからだろう。昔も今も、人間性のこの現実は変わらないのではないかと思っている。」 「多く集まれば集まるほど、正しく、かつ問題の解決によりつながる対策が立てられると信じているとしたら、人間性に無知というしかない。首脳とて国益は無視できない以上、数が増えれば増えるほど意見も増える。結果は、結論なし、で散会だ。そして、数が増えれば一国当たりの権力と影響力は減少するので、その面でもサミットは、やるだけムダということになる。」 「ポイント主義は、単に勝者だけを決める手段であったはずである。だが、それのみが偏重されるようになると、手段の目的化になってしまう。スポーツにかぎらずどの分野でも、手段の目的化は、弊害になると同時に魅力を失わせる。」 「ちなみに、中東に攻め込んで勝ったヨーロッパ人は、後にも先にもアレクサンダー大王一人である。アメリカのインテリや指導者たちは、歴史を読んでいるのかしら。」
外から日本を見る。国政に携わる人は自国を国外から見るという経験を必須にした方がいい。ヴェネツィア共和国は商人の国で、国民の大半が国外へ出ている。 エッセイの中で何度か出てくる、国の外から見た日本。 極東の島国である日本が、大した国力もない自給自足の小国であったなら、自国の外に出る経験を持つ必要などな...続きを読むかったであろうが、現実はそうじゃない。国政に携わる人はせめて、外から日本を見ている人の言葉に真摯に耳を傾けるべきだろう。
「ローマから日本が見える」よりは良かった。 エッセイ集で,要約ではないので新たに得るものが多かった。 それなりに高評価にしているのは,基本的に塩野七生が好きだから。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
日本人へ 国家と歴史篇
新刊情報をお知らせします。
塩野七生
フォロー機能について
「文春新書」の最新刊一覧へ
「エッセイ・紀行」無料一覧へ
「エッセイ・紀行」ランキングの一覧へ
文藝春秋2024年12月号
試し読み
愛の年代記
生き方の演習 : 若者たちへ
イタリア遺聞
イタリアからの手紙
絵で見る十字軍物語
男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章
男の肖像
「塩野七生」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲日本人へ 国家と歴史篇 ページトップヘ