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ローマ帝国が滅亡し、「暗黒」と呼ぶ者さえいる中世――。カトリック教会は、イエスが受難した聖地であるにもかかわらず、長くイスラム教徒の支配下にあるイェルサレムを奪還すべく、「十字軍」結成を提唱する。これに呼応した七人の諸侯たちは、それぞれの思惑を抱え、時に激しく対立しながら異国の地を進むのだが……。中世最大の事件、現代まで残響とどろく真相に迫る、歴史大作の開幕。
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Posted by ブクログ
塩野七生はあくまで物書きとして、物語として歴史を語る。それが面白い。教科書には「事実」が載っているかもしれないが、人の歴史は感情を抜きにしては味気ない。 歴史を単元として覚えようとすると、とても頭に入って来ない。世界史の授業自体は好きだったが、試験科目にしようとは思わなかった。だが、誰それがどこの...続きを読む領主でどんな性格で軍事経験がどうかといったことを踏まえると、活躍する人物は自然と入ってくる。『ハリー・ポッター』の登場人物を覚えるのと何ら変わりがない。それは塩野七生のおかげで各人物が生き生きと描かれているからだ。 さて、いつの時代の"連合軍"というやつも一枚岩ではないことは共通している。利害関係を越えた繋がりは、個別に見たらあり得るかもしれないが、全くないということはあり得ない。しかしだからこそ面白い。群雄割拠においては、どの人物にも肩入れせず、俯瞰して見ることで、社会の大きな変動を感じることが出来る。それ即ち歴史である。 サラディン、獅子心王、ボードゥアン4世あたりを目当てに読み始めた。全然まだ出て来ないがかなり面白い。皇帝アレクシオスの害悪っぷりは、なかなか。
塩野七生先生の本を読んでみたいと思いつつ、ローマ人の物語は長大過ぎて手を出せず、こちらをまず読んでみることにしました。 高校では世界史選択だったにも関わらず、十字軍と言えば「十字を背負って苦労する」という1096年の語呂合わせと、教皇の呼びかけに応じて始まったもので何回かに分かれて行われた。この2点...続きを読むしか把握してなかった私ですが、そんな私でも面白く読めました。 結局のところは戦争が行われた訳で罪もなき死ななくても良かった人たちがたくさん殺されたのですが、宗教という旗の下に何年かかるか、そもそも成功するかも分からない行軍に出た諸侯たちのパワーに圧倒されました。最初は耳慣れない名前が多くて読み進めるのに四苦八苦しましたがメモに誰が何をした人かまとめてからは読みやすかったです。 塩野先生の文才なのでしょうが諸侯の一人ひとりが個性豊かに書かれていて惹きつけられます。わたしの贔屓は、自分の責務を淡々とこなしていくゴドフロアと、年齢そのままのキレやすいタンクレディです。ただ最初の頃は鼻についていたサン・ジルでさえも最後の方は憎めなく思えてくるので先生の書き方には圧倒されます。 第一次十字軍は奇襲に近く、キリスト教側も勢いのあった時代の頃のことなので、この先2巻以降どのように話が進んで行くのか歴史自体は知っているにしても気になります。
ローマ帝国が滅亡し、暗黒と呼ぶ者さえいる中世、カトリック協会は、イエスが受難した聖地にもかかわらず、長くイスラム教徒の支配下にあるイェルサレムを奪還すべく、十字軍結成を提唱した。 今のエルサレムをどう考えるか。
十字軍第一世代、キャラがたっておもしれえ! しかし、聖職者と騎士と商人では三位一体とは成れない。よって、この十字軍諸国の寿命は・・・
キリスト教の聖地がイスラム諸国の手に落ちてからから400年ちょっと、本書は法王の聖戦への呼びかけに参集した俗にいう第一回十字軍がエルサレム奪還を試みる遠征記になっている。 冒頭から目から鱗がポロポロ落ちる事実の連続であった。急激に発展を遂げるイスラム諸国の度重なる侵略で中東の領地を失い、衰退を辿る...続きを読むビザンチン帝国は教理の違いなど構わずカトリック教会に泣きつく。これを引き金に法王は東ヨーロッパにカトリック教会の影響力を強めようと、ヨーロッパ諸国の君主の上に立ち、指導できる力を示すために十字軍の編成を唱える。十字軍編成には極めて利己的な思惑があったとは・・・。聖戦やらイスラムの圧政に苦しむ人々の解放はすべて建前。宗教はいつの時代も利用されるものだと痛感する。 招集に応じた騎士たちの第一印象は、エルサレムにたどり着くどころかまともに小アジアにたどり着けるか不安をを感じさえるドイツ、フランス、イタリアの寄せ集め騎士部隊だった。第一ランデブーポイントのコンスタンティノープルまでの足並みはバラバラで各諸国手を取り合って進軍することは無かった。しかしエルサレムに近づくにつれてあれだけまとまりがなく行動していた騎士団の団結力が固まり、個々の人間的な成長、指導者としての頭角を現すのを垣間見ることができたのは感動を覚えざる得ない。 遠征自体は想像を絶する過酷さが伺えた。未知なる土地を不衛生極まりない生活環境のもと行進し、食料は基本略奪という名の現地調達のため餓死とは常に隣り合わせ。乗ってきた馬を食料にする騎士もいたそうな(人肉も・・・)兵力の補給も行えず、アウェーでの戦場にも関わらず数多の攻城戦を経てエルサレムまでたどり着き、十字軍国家の成立ができたのは軌跡と言わざるを得ない。 エルサレムを遠くから見下ろす、歓喜で震える十字軍の兵士たち一枚の挿絵が感慨深い。ギュスターヴ・ドレの「Enthusiasm of Crusaders at the First View of Jerusalem」という名の絵らしいのだが感動に震えて、涙する騎士一同の描写が細やかに描かれ、本書を読んだことで十字軍のついに来たという思いがより強く伝わった。 エルサレムを目指した諸侯が聖地を目の前した時と同等の感動、達成感で胸を満たすべく、自分も目標に向かって全力でぶつかって行きたいと強く思う一冊。
突出した主人公が描かれるのではなく、多くのキャラクターが多彩に生き生き描かれている。その中でもやはり、イェルサレムの初代王になったボードワンの懐の大きさと、若き英雄タンクレディの活躍が目を引く。塩野さんに「チンピラ」「十字軍のチンピラ」と何度も書かれているが、チンピラも成長する、すごい。塩野さんの筆...続きを読むには、ボードワンとタンクレディへの愛があふれている。 殺戮と破壊の嵐ではある。戦争なのだから当たり前なのかもしれないが勝った方のやることが苛烈。 まえがきで著者が投げかけているテーマが気になる。今後読み進めると明らかになっていくのか、ぜひ続きを読む予定。 1.200年続いた十字軍時代で勝ったのはイスラム側であり敗れたのはキリスト教側なのに、なぜその後からは両者の立場は逆転したのか。なぜ最終的な勝者はキリスト教側になったのか。 2.十三世紀当時にはイスラムとキリスト教の間で解決できたいわゆる「パレスティーナ問題」が、なぜ七百年が過ぎた現代のイスラムとユダヤの間では解決できないのか。
☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆ 「十字軍」とは、だれもが知っているようで、実際はよく知らない。そういうものでは無いだろうか。世界史を勉強しても、さらっと第一次だ、第三次だとあらすじをたどるだけで何もわからない。 本書では、十字軍というものが起こされた背景から、当時う人物の息遣いまで感じるこ...続きを読むとができる、読み応えのある作品だ。 まず、背景として「カノッサの屈辱」から筆を進めるのが面白い。カノッサの屈辱の後、ローマ教会はハインリヒ4世に押されに押されたが、巻き返しのため、権威を取り戻すために十字軍が考えられたという。ウルバン2世によって。 「聖地を取り戻す」という目的だけではなかったのか。 そうしてスタートした第一次十字軍が、苦しみながらも聖地までたどり着く。その道のりを描いたのが第一巻。 トゥールーズ伯レーモン・ド・サン・ジル (司教アデマール) ロレーヌ公ゴドフロア・ド・ブイヨン (弟ボードワン) プーリア公ボエモント・ディ・アルタヴィッラ (甥タンクレディ) これらの人々を中心に、十字軍の足跡を辿る。 十字軍といえば、どうしても排他的で残虐なイメージがあるが、勇気や誠実さといった面もある。 十字軍とは何だったのか? 二巻、三巻、四巻もじっくり考えながら読み進めたい。
だいぶ前に、先に『絵で見る十字軍物語』を読んでいたが、改めて『十字軍物語』の方も読んでみた。 十字軍とビザンティンとイスラムの三つ巴の闘いが、人間味の溢れる塩野七生の描写で生々しく目に浮かんでくる。
十字軍がどのようにして成りどのようにイェルサレムを奪還していくかの物語を塩野七生氏の人物を中心にして紡ぐスタンスで描かれる。 この書は十字軍がエルサレムを奪還し、十字軍国家を形成するまでが描かれる。 書くというよりは描かれるというような感覚になるのは塩野七生氏の人物を中心にして感性から入って理屈...続きを読むに繋げていくスタンスならではなのだろう。 事実の列挙とは正反対に位置する氏の描く歴史物語は、フィクションを読んでいるような心地で歴史を読むことができる非常に稀有な本だ。 物語の当時、 ローマ皇帝と法王の対立は「カノッサの屈辱」という事件をきっかけに、決裂は決定的となる。 そこで法王はローマ皇帝に対抗する策として、ローマ皇帝には持ちたくても持てないもの、「神」を持ち出したのだ。 法王という権威を決定的なものにする為に、「神がそれを望んでおられる」という神の指令をイェルサレム奪還という形にして呼びかけるのだ。 個性豊かな諸侯たちが、イスラム教徒からのイェルサレム奪還を目指して、「巡礼」という名目で、足を引っ張り合いながらも必要な時には団結し奪還し、十字軍国家を形成する。 こうして、 各々の行動を現代に生きる者の目から見てみると、いかに愚行であるか、またいかに聡明であるかがよく見て取れるのだが、その最中にいる人にすれば当事者であるが故に、その行動の良し悪しの判断というのは非常に難しいものがあるだあろう。 判断は歴史がしてくれるという言葉の真意は、 歴史を読んでいることでさらに腑に落ちてくる。
十字軍が始まり、ボードワン2世が即位するまで。 独特な塩野節は好き嫌いはあるかもしれないが、描かれる主要人物、とくにボエモンやタンクレディは実に生き生きとしている。彼らの地元イタリアの文献をいろいろと参照しているのだろうか。年齢にフォーカスを当てているのも特徴で、他の本だと何かと使い走りさせられる印...続きを読む象のあったタンクレディが若かったのはなるほど、とも思う。
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十字軍物語(新潮文庫)
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