【感想・ネタバレ】十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

塩野七生先生の本を読んでみたいと思いつつ、ローマ人の物語は長大過ぎて手を出せず、こちらをまず読んでみることにしました。
高校では世界史選択だったにも関わらず、十字軍と言えば「十字を背負って苦労する」という1096年の語呂合わせと、教皇の呼びかけに応じて始まったもので何回かに分かれて行われた。この2点...続きを読むしか把握してなかった私ですが、そんな私でも面白く読めました。

結局のところは戦争が行われた訳で罪もなき死ななくても良かった人たちがたくさん殺されたのですが、宗教という旗の下に何年かかるか、そもそも成功するかも分からない行軍に出た諸侯たちのパワーに圧倒されました。最初は耳慣れない名前が多くて読み進めるのに四苦八苦しましたがメモに誰が何をした人かまとめてからは読みやすかったです。

塩野先生の文才なのでしょうが諸侯の一人ひとりが個性豊かに書かれていて惹きつけられます。わたしの贔屓は、自分の責務を淡々とこなしていくゴドフロアと、年齢そのままのキレやすいタンクレディです。ただ最初の頃は鼻についていたサン・ジルでさえも最後の方は憎めなく思えてくるので先生の書き方には圧倒されます。

第一次十字軍は奇襲に近く、キリスト教側も勢いのあった時代の頃のことなので、この先2巻以降どのように話が進んで行くのか歴史自体は知っているにしても気になります。

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Posted by ブクログ 2024年01月16日

ローマ帝国が滅亡し、暗黒と呼ぶ者さえいる中世、カトリック協会は、イエスが受難した聖地にもかかわらず、長くイスラム教徒の支配下にあるイェルサレムを奪還すべく、十字軍結成を提唱した。
今のエルサレムをどう考えるか。

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Posted by ブクログ 2021年02月28日

十字軍第一世代、キャラがたっておもしれえ!
しかし、聖職者と騎士と商人では三位一体とは成れない。よって、この十字軍諸国の寿命は・・・

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月11日

エデッサ陥落、第二次十字軍、イェルサレム陥落を描いた第二巻。
読んでいて感じるのは、リーダー層の人材が何よりも大事ということ。
常に戦力不足に悩まされながら、城砦とそれを守る病院騎士団や聖堂騎士団、アマルフィ・ヴェネツィア、ピサ、ジェノヴァによる制海力と物資調達力により領土を保っていた十字軍キリスト...続きを読む教国家。

それが十字軍も第二世代になり、そして第三世代となると責任感と経験を備えたリーダーが少なり、弱体化していく。
そのような中、ボードワン四世が身体が崩れ落ちていくという癩病に侵されながら13歳で王に即位し、24歳で燃えつきるまで孤軍奮闘する様子には心を動かされる。

一方でバラバラだったイスラム世界はヌラディン、そしてそれを継ぐサラディンという優れたリーダーが誕生し、バグダッドからダマスカスを経てカイロまでを支配下に置く。

そして1187年。88年ぶりにイェルサレムがイスラム教の支配下に戻る。
1089年にキリスト教の支配下に入った時はイスラム教徒は殺戮されたか奴隷とされたが、1187年には殺戮は起こらず、キリスト教の聖墳墓教会も残されたのが印象的。
イスラム教導師の提言に耳をかさなかったサラディンが強く、先を読む力のあるリーダーだったということだろう。

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Posted by ブクログ 2019年09月16日

キリスト教の聖地がイスラム諸国の手に落ちてからから400年ちょっと、本書は法王の聖戦への呼びかけに参集した俗にいう第一回十字軍がエルサレム奪還を試みる遠征記になっている。

冒頭から目から鱗がポロポロ落ちる事実の連続であった。急激に発展を遂げるイスラム諸国の度重なる侵略で中東の領地を失い、衰退を辿る...続きを読むビザンチン帝国は教理の違いなど構わずカトリック教会に泣きつく。これを引き金に法王は東ヨーロッパにカトリック教会の影響力を強めようと、ヨーロッパ諸国の君主の上に立ち、指導できる力を示すために十字軍の編成を唱える。十字軍編成には極めて利己的な思惑があったとは・・・。聖戦やらイスラムの圧政に苦しむ人々の解放はすべて建前。宗教はいつの時代も利用されるものだと痛感する。

招集に応じた騎士たちの第一印象は、エルサレムにたどり着くどころかまともに小アジアにたどり着けるか不安をを感じさえるドイツ、フランス、イタリアの寄せ集め騎士部隊だった。第一ランデブーポイントのコンスタンティノープルまでの足並みはバラバラで各諸国手を取り合って進軍することは無かった。しかしエルサレムに近づくにつれてあれだけまとまりがなく行動していた騎士団の団結力が固まり、個々の人間的な成長、指導者としての頭角を現すのを垣間見ることができたのは感動を覚えざる得ない。

遠征自体は想像を絶する過酷さが伺えた。未知なる土地を不衛生極まりない生活環境のもと行進し、食料は基本略奪という名の現地調達のため餓死とは常に隣り合わせ。乗ってきた馬を食料にする騎士もいたそうな(人肉も・・・)兵力の補給も行えず、アウェーでの戦場にも関わらず数多の攻城戦を経てエルサレムまでたどり着き、十字軍国家の成立ができたのは軌跡と言わざるを得ない。

エルサレムを遠くから見下ろす、歓喜で震える十字軍の兵士たち一枚の挿絵が感慨深い。ギュスターヴ・ドレの「Enthusiasm of Crusaders at the First View of Jerusalem」という名の絵らしいのだが感動に震えて、涙する騎士一同の描写が細やかに描かれ、本書を読んだことで十字軍のついに来たという思いがより強く伝わった。
エルサレムを目指した諸侯が聖地を目の前した時と同等の感動、達成感で胸を満たすべく、自分も目標に向かって全力でぶつかって行きたいと強く思う一冊。

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Posted by ブクログ 2019年08月15日

突出した主人公が描かれるのではなく、多くのキャラクターが多彩に生き生き描かれている。その中でもやはり、イェルサレムの初代王になったボードワンの懐の大きさと、若き英雄タンクレディの活躍が目を引く。塩野さんに「チンピラ」「十字軍のチンピラ」と何度も書かれているが、チンピラも成長する、すごい。塩野さんの筆...続きを読むには、ボードワンとタンクレディへの愛があふれている。
殺戮と破壊の嵐ではある。戦争なのだから当たり前なのかもしれないが勝った方のやることが苛烈。
まえがきで著者が投げかけているテーマが気になる。今後読み進めると明らかになっていくのか、ぜひ続きを読む予定。
1.200年続いた十字軍時代で勝ったのはイスラム側であり敗れたのはキリスト教側なのに、なぜその後からは両者の立場は逆転したのか。なぜ最終的な勝者はキリスト教側になったのか。
2.十三世紀当時にはイスラムとキリスト教の間で解決できたいわゆる「パレスティーナ問題」が、なぜ七百年が過ぎた現代のイスラムとユダヤの間では解決できないのか。

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Posted by ブクログ 2019年08月13日

☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆



「十字軍」とは、だれもが知っているようで、実際はよく知らない。そういうものでは無いだろうか。世界史を勉強しても、さらっと第一次だ、第三次だとあらすじをたどるだけで何もわからない。
本書では、十字軍というものが起こされた背景から、当時う人物の息遣いまで感じるこ...続きを読むとができる、読み応えのある作品だ。



まず、背景として「カノッサの屈辱」から筆を進めるのが面白い。カノッサの屈辱の後、ローマ教会はハインリヒ4世に押されに押されたが、巻き返しのため、権威を取り戻すために十字軍が考えられたという。ウルバン2世によって。

「聖地を取り戻す」という目的だけではなかったのか。


そうしてスタートした第一次十字軍が、苦しみながらも聖地までたどり着く。その道のりを描いたのが第一巻。


トゥールーズ伯レーモン・ド・サン・ジル
(司教アデマール)
ロレーヌ公ゴドフロア・ド・ブイヨン
(弟ボードワン)
プーリア公ボエモント・ディ・アルタヴィッラ
(甥タンクレディ)


これらの人々を中心に、十字軍の足跡を辿る。
十字軍といえば、どうしても排他的で残虐なイメージがあるが、勇気や誠実さといった面もある。


十字軍とは何だったのか?
二巻、三巻、四巻もじっくり考えながら読み進めたい。

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Posted by ブクログ 2019年07月17日

だいぶ前に、先に『絵で見る十字軍物語』を読んでいたが、改めて『十字軍物語』の方も読んでみた。
十字軍とビザンティンとイスラムの三つ巴の闘いが、人間味の溢れる塩野七生の描写で生々しく目に浮かんでくる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年04月08日

戦争を書くのを避けていては、歴史はかけません。歴史とは、良くも悪くも戦争の歴史なのですから。しかも、西洋史上での十字軍は、これがあったからこそ古い時代が終わり、新しい時代が始まることになるほどに、重要な歴史上の事件なのです。と前書きにあるように、第1巻は第一十字軍の発足までと、イェルサレム解放までの...続きを読む出来事。

最初の十字軍は教皇の呼びかけに応えた7人の諸侯だけで行われたと言うのに、まずは驚いた。また、イスラーム側との認識の相違、つまり、宗教戦争と領土戦争、がかなりあったことも面白かった。

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Posted by ブクログ 2019年02月05日

十字軍がどのようにして成りどのようにイェルサレムを奪還していくかの物語を塩野七生氏の人物を中心にして紡ぐスタンスで描かれる。

この書は十字軍がエルサレムを奪還し、十字軍国家を形成するまでが描かれる。

書くというよりは描かれるというような感覚になるのは塩野七生氏の人物を中心にして感性から入って理屈...続きを読むに繋げていくスタンスならではなのだろう。
事実の列挙とは正反対に位置する氏の描く歴史物語は、フィクションを読んでいるような心地で歴史を読むことができる非常に稀有な本だ。

物語の当時、
ローマ皇帝と法王の対立は「カノッサの屈辱」という事件をきっかけに、決裂は決定的となる。

そこで法王はローマ皇帝に対抗する策として、ローマ皇帝には持ちたくても持てないもの、「神」を持ち出したのだ。

法王という権威を決定的なものにする為に、「神がそれを望んでおられる」という神の指令をイェルサレム奪還という形にして呼びかけるのだ。

個性豊かな諸侯たちが、イスラム教徒からのイェルサレム奪還を目指して、「巡礼」という名目で、足を引っ張り合いながらも必要な時には団結し奪還し、十字軍国家を形成する。

こうして、
各々の行動を現代に生きる者の目から見てみると、いかに愚行であるか、またいかに聡明であるかがよく見て取れるのだが、その最中にいる人にすれば当事者であるが故に、その行動の良し悪しの判断というのは非常に難しいものがあるだあろう。

判断は歴史がしてくれるという言葉の真意は、
歴史を読んでいることでさらに腑に落ちてくる。

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Posted by ブクログ 2021年07月31日

・「十字軍」という響きから、塩野七生の戦記物的なエキサイティングさを期待して読み始めたが、どちらかと言うと十字軍側の人間関係アレコレに終始しており、あまり爽快感はなく、正直なところ、なかなか読書は進まなかった。
・ただ、敵味方共に英雄不在・グダグダに物事が進行していくという舞台設定は、逆に日々の会社...続きを読む生活に近いという意味では余程リアルな風景であり、そういった解釈をするようになってからは、一気に読書が進んだ。
・二巻以降は、イスラム側から有能な人物が出てくるらしく、何だかんだ戦記物的なエキサイティングさが出てくることを期待している。

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Posted by ブクログ 2021年04月10日

イスラム教徒の支配下にあるエルサレムを奪還すべく結成された十字軍の活躍を描く。一人一人の登場人物を生き生きと描き、当時の雰囲気までも伝わって来る。

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Posted by ブクログ 2020年02月07日

タンクレディという姓がこの時代からあったことが、個人的トリビア。
絶対的権力を持つ皇帝のような存在が立ち上がったわけではなく、地方貴族の財力によるところが大きかったということと、よっこらせという雰囲気でバラバラにイスラエルに向かったことが意外

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月02日

十字軍というとケビンコスナーの映画「ロビンフット」のイメージしかなかったが、この本を読んで随分イメージが変わった。もともと十字軍を体系だって書いてある本をあまり知らないので、非常に勉強になった。中世のイスラム教というと狂信的で残忍なイメージがあるが(多分にアメリカ映画ではキリスト教世界の敵役というこ...続きを読むとからかなりデフォルメして無表情な殺人者として描くことが多いからと思うが)、この本を読むと決してそのようなことはなく、むしろキリスト教側(特にローマ教会)の方が独善的であったようだ。それでも中世という時代だけあり、日本の戦国時代と同様、英雄がどちらの側にも輩出されその英雄譚を読むだけでも価値がある。第一次十字軍のボエモンド、ゴドフロア、ボードワン、タンクレディ、第三次十字軍の獅子心王リチャード、第六次十字軍のフリードリヒ、エルサレム王ボードワン四世、イスラム側のスルタン、ヌラディン、サラディン、アラディール、みな魅力的で格好良い。特にリチャードとサラディンの間には一度も直接会うことはない中で友情のような感情が芽生えるのは、やはり英雄同士だからなのだろう。ハンニバルとスキピオの関係を思い出した。一方、フランス王にはろくな人材が輩出されず、特に十字軍を終焉に導いたルイに至っては最悪なのだが、それがキリスト教の聖人として祀られるなどとは当時のキリスト教の狂信性がよくわかる。いずれにしてもやはり塩野七生の書く中世は面白い。

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Posted by ブクログ 2020年01月05日

十字軍とは何だったのか?
なぜ始まったのか?

とても面白かったです。
作者がキリスト教徒では無いので、
中立性があったかと思います。
日本人だからかヨーロッパ寄りでしたが。
それでも、物語としてとても面白い物になってます。

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Posted by ブクログ 2019年11月19日

 神がそれを望んでおられる。

 後世で悪名高き十字軍、キリスト教によるイスラム教への宗教戦争とは何だったのか。
 11世紀ヨーロッパは東ローマ帝国、西ローマ帝国に分かれ、それぞれギリシア正教、カトリックと内紛を起こしていた。
 西ローマ帝国皇帝ハインリヒ4世のカノッサの屈辱から、ローマを追われたロ...続きを読むーマ法王グレゴリウス7世の後任、法王ウルバン2世は自らの権威を示すため、キリスト教の共通的を作り出す。

 聖地イェルサレムを解放せよ。

 この言葉に共鳴したキリスト教徒は十字軍編成を待たずしてオリエントへと旅立ち、そして斃れていった。
 その後構成された第一次十字軍はわずか5年弱で地中海沿岸にイェルサレムを中心とした十字軍国家を設立する。

 それが残虐であったにせよ、第一次十字軍にはキリスト教側には英雄が誕生し、イスラム教側に傑出した人物がいなかったことが勝敗を分けた。
 そして、イスラム教側にとっては、十字軍は単なるキリスト教側の領土拡大の争いだとしか認識していなかったことも災いした。
 領土拡大とあれば、領主同士は決して連携しなかったのだ。

 第一次十字軍、聖地を目指して戦いを挑んだ第一世代の英雄たちの物語。

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Posted by ブクログ 2019年05月02日

十字軍の始まり
そして第一回十字軍
イスラムと欧米との争いの始まりである
十字軍
世界史では習ったけど
十字軍の遠征は失敗の歴史だとばかり
思ってました
しかし血なまぐさいですな
最初は中々進まなかったけど
中盤から面白く止まらなくなった
さすが、塩野先生❤️

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Posted by ブクログ 2019年04月20日

キリスト教の西欧が、イスラムの地になっている聖地イェルサレムを奪還する第一回十字軍の過程が書かれています。これから始まる十字軍の物語の第一回。そのヨーロッパ側の主要人物を中心に物語は書かれています。戦争の連続の中で、それぞれの思惑を、魅力的な人物像と相待って、非常に面白く読ませていただきました。
...続きを読む教を掲げてはいるものの、欲や名誉といった一筋縄ではいかない人間の性があるも、共通の目的の元、着実にイェルサレムを目指し、最後にはたどり着く。そしてそのあとどうなったのか。どうなっていくのか。これからの物語が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2019年02月25日

歴史の教科書ではちゃちゃっと終わる十字軍にこんな背景やこんな戦いがあったなんて!
戦争は権力争いやら領土争いやらなにやらで起こるのが常。
宗教はなんだか利用されて気の毒。

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Posted by ブクログ 2019年02月02日

名前は知ってるがこれまでほとんど内容を知らなかった十字軍。自分の中でまた新たな知識が追加される喜びを感じる。第一巻は最初の十字軍について。ボエモンドやタンクレディが魅力的!しかし宗教が第一義になると逆に寛容でなくなり、実利的な人間ほど結果的に寛容な対処を行なっている事が多いのが興味深い…

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Posted by ブクログ 2023年08月07日

1000年も前の人達の考え方を、現代の私が「なるほど」と理解できること。時代だけでなく遠い異国の地で、自分と全く違う社会を生きた人々だけれど、同じ人間であるという繋がりを感じた。そして、人間の思考というものはどの時代であってもそんなに変わらないんだな、とも。
彼らの動き、策略、性格に至るまでをここま...続きを読むで途切れる事なくみっちり調べ上げた著者は間違いなく素晴らしい。まるで小説を読んでいるかのように情景が頭に浮かんできた。

ノートの赤字を無理矢理頭に叩き込むより、その時人がこうやって生きていたんだと噛み締めた方がスッと入ってくるし面白い。暗記に苦戦し謎の語呂合わせを唱えていた過去の自分に読ませたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月05日

ローマやヴェネツィアと比べて、内輪のいがみ合い、足の引っ張りあいから、泥沼感が強い印象。勇敢で恩義に厚い永遠の若者タンクレディや、なんとなく憎めないサン・ジル、GOTのタイウィン・ラニスターを彷彿とさせるボエモンド、魅力的な人物もいた。

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Posted by ブクログ 2019年05月19日

人間は戦争せざるを得ない生き物みたいなことを誰かが言っていたけど、まさしく人類の歴史から戦争を省くことはできないなと、、
結局、どんな正義や意義を振りかざしても略奪行為や紛れもない犯罪はあったわけで、十字軍といえどもただの人間同士の戦争だったのだなと思った。

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Posted by ブクログ 2019年03月28日

キリスト教 対 イスラム教の残虐な闘争である十字軍を語ってくれる。

資料が少ないのか、著者の怠慢のか、代表作の「ローマ人の物語」で味わった登場人物に感情移入する感覚は味わえないぐらいあっさりしている。
しかしながら、サラディン、リチャード1世、フリードリヒ2世など高校教科書では試験にでる単語である...続きを読むが、ピンと来ない英雄達のイメージ作りになる。テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団との違いも。

そして、現代においてもイェルサレムという聖地が、いつでも中東問題の火種となる事をこの物語を通じて理解させてくれる。

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Posted by ブクログ 2019年01月09日

第一次十字軍の制覇行。無謀な宗教戦争なようにみえるが、迎え撃つ側の問題で成功してしまう。聖地がいかに一神教には大事なのか、多神教側からは実感しにくいものである。

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