【感想・ネタバレ】十字軍物語 第三巻―獅子心王リチャード―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年01月11日

イスラム最高の武将サラディンと中世最大の騎士にして英国王リチャード獅子王率いる第三次十字軍の息を呑む攻防です。

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Posted by ブクログ 2023年03月19日

「華の」と称される第三次十字軍が舞台。登場人物も獅子心王リチャード、バリアーノ・イベリン、サラディン…と英雄達が並ぶ。ただし、戦記物的なエキサイティングな展開とはならない。英雄達をもってしても指揮系統の一本化に至らず、(特に十字軍側は)一貫した戦略を取れないからだ。読者としては爽快感がなく残念だが、...続きを読むそれはそれで「現実なのだ」と思うと面白くも感じた。現代に生きる会社員として考えてみれば、「横串のPJ推進てマネジメントが難しいよね」というところか。英雄達をもってしても苦労したのだ、そう思うと何だか味わい深く感じた。

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Posted by ブクログ 2021年03月20日

三次、四次、五次十字軍。

「獅子心王」リチャードのでてくる第三次。
気がついたらヴェネチアの術中には待って行き先の変わった第四次。
キリスト教側もイスラム教側もぐだぐだで元の木阿弥となった第五次。

もっと主面白いのは第四次だと思っていたが(海の都物語)獅子心王リチャードすげーのな!!
そして、歴...続きを読む史的に考えて興味深いのは第五次。
イスラム側の(最初、または二度目の)講和申し入れを受け入れてエルサレムの「返還」を受け入れていたら、そのあと歴史はどうなったのかしら??

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

ひさしぶりに読んだ十字軍物語の続き。
塩野七生は「物語」というだけに、歴史書と小説の中間的な面白さがある。
この巻の第三次から第四次までの十字軍も戦記物として楽しめた。

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Posted by ブクログ 2019年10月27日

「 戦争は、人類にとって最大の悪業である。にもかかわらず、人類は、この悪から抜け出すことができないでいる。

ならば、戦争を、勝ったか負けたかで評価するのではなく、この悪を冒した後にどれだけの歳月の平和がつづいたか、で評価されてもよいのではないか。

また、
平和とは、人類が戦争という悪から抜け出せ...続きを読むない以上、未来永劫つづく平和というのもありえず、短期間ではあっても一つ一つの平和を積み重ねていくことでしか、達成されないと考えるほうが現実的ではないだろうか。」


塩野七生氏の歴史物著書では、
このような鋭い指摘にもあるように、
リアリズムが物事の見方に通念として流れている。

それこそが
机上の空論でもない、リアルに歴史が現実問題として目の前に迫ってくるような、面白さになるのだろう。

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Posted by ブクログ 2019年08月27日

リチャード獅子心王が主役の第三次、そこから第五次までの十字軍の歴史を物語形式で書かれています。資料に忠実に、ないところは想像力で、物語を面白く臨場感あるように。主要な登場人物に十分感情移入しながら楽しんで読ませていただきました。中世という時代の君主の生活など、ある意味自由で無防備が許された時代だった...続きを読むのだなと。その背景に宗教が強い影響力を持っていたことが。そしてそれが十字軍を発生させたのだなということが分かります。
十字軍は第一次だけが成功で、あとは失敗と思っていました。しかしこの第三次も十分に成功だったということが分かりました。キリスト教とイスラム教が協力して、長い平和を作ったということは、現代世界が見習う重要な歴史なのではと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月16日

第1章は、イスラムの英雄サラディンと獅子心王リチャードによる第三次十字軍の話。
ヨーロッパ側の様々な思惑と裏の裏を読まなければならない政治情勢の中、フランスと手を組み十字軍を敢行するイギリス。また、先遣隊であったはずの赤ひげのフリードリヒの突然の死などドラマになる展開が本当に起こってしまうことが歴史...続きを読むの面白みなのかもしれないな、と感じた。
さらにほ、獅子心王リチャードの行き当たりばったりな行動がのちの平和へのメリットにつながっていくのも面白かった。

第2章は、ヴェネツィア主催の第四次十字軍。
計算し尽くされたであろうヴェネツィアの国益のために行われた十字軍。自らの経営支配領域の拡大とともにそこに付随する商いの場の拡大という、経済第一主義の国らしい、考え方とそれを扇動し実行してしまうところが、ヴェネツィア共和国なんだな、と感心してしまった。

第3章は、宗教主導に戻したかった第五次十字軍。
キリスト教側もイスラム教側もカリスマ性を備えたリーダー不在の中で行われた不毛とも言える三年に及ぶ十字軍。
最後のイスラムのスルタンアル・カミールが出した講和の条件を法王代理の枢機卿がはねつけてしまうところが、宗教戦争であることを物語っているように思えた。

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Posted by ブクログ 2019年12月04日

 三巻目。第三次から第五次まで。

 花の十字軍といわれる第三次十字軍には、神聖ローマ帝国王バルバロッサ・フリードリッヒ一世、フランス王オーギュスト・フィリップ二世、そして本命はイギリス王獅子心王・リチャード一世の三人がイェルサレム奪還を目指して出発する。
 そのうち、バルバロッサはあっけなく死に、...続きを読むオーギュストは地領拡大のために十字軍を放棄してフランスへ帰る。
 残る獅子心王リチャード一世がイスラム下にあったパレスティーナ沿岸の町を解放しつつ南下する。

 対するイスラム側はサラディンを中心にまとまっていた。
 ダマスカスとカイロを手中にしたスルタン・サラディンは十字軍と相対する。
 そして戦いの後、リチャードとサラディンの間で交わされた講和がつかの間の平和を約束した。

 その後に続く第四次十字軍はフランス勢とヴェネツィアの混成部隊となったが、イェルサレムには向かわず、同じキリスト教だがギリシア正教の東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルを陥落させる。
 一体、目的は何だったのか。
 第四次十字軍により、ヴェネツィアが地中海の覇権を握り、まさにヴェネツィアのための十字軍だった。

 そして第五次十字軍もイェルサレムへ向かわず、エジプトを責める。
 この時にはイスラム側はサラディンの孫世代となり、太守の結束が弱くなっていた。
 スルタンのアル・カミールは十字軍側へイェルサレムの返還という最大の譲歩をするのだが、十字軍側はやる気ないイェルサレム王とローマ法王から派遣された枢機卿が衝突して、結果として何も得るものがないまま解散となる。

 
 次巻最終巻。
 十字軍物語の結末となる。

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Posted by ブクログ 2019年09月07日

☆☆☆2019年9月☆☆☆



第三次十字軍、いわゆる花の十字軍。
リチャード獅子心王、フリードリヒ、フィリップら錚々たる顔ぶれ。いきなりフリードリヒが川で溺死してしまい「何やってんだ!」だと思った。それにしてもリチャード獅子心王は格好いい!! こんな人がいたんだな。
第四次十字軍は、ラテン帝国。...続きを読む中東に向かうはずがコンスタンティノプルを攻略した、これはヴェネツィアの利害による。必ずしも批判しているわけではない。

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Posted by ブクログ 2019年03月20日

サラディンの弟のアラディールが素敵。
リチャードが案外いいかげん(笑)
ヴェネツィア共和国の深謀遠慮がなかなか。

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Posted by ブクログ 2019年02月12日

第三次〜第五次十字軍に。この巻の見せ場はなんといっても獅子心王リチャード!これはまた塩野さんのお気に入りパターンだな、とこちらも楽しく読み進められた。

ヴェネツィアの有能な実務派リーダーであるダンドロは法王庁の人間と違い現実感があり安心できる。一般的にリーダーって決して思い通りにできるわけではない...続きを読む。どちらかというとみんなのバランスを取りながら、ここというポイントでいい判断ができるか?がその優劣を決めるという風に思うが、その判断が第四次十字軍への参戦だったんだろう。

それにひきかえ先に権威がありそれを盲信するととんでもないリーダーが出来上がる。法王庁にはそのタイプが多そうだがその中でもペラーニはもう…救いようのない小役人タイプか。こういう人が組織の中枢に存在してしまうことは避けられないのか。

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