【感想・ネタバレ】日本人へ 国家と歴史篇のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年07月24日

塩野七生さんが書いた自由気ままなエッセイ。一度も日本から出たこともない自分からすれば海外からみた日本はこんな感じなのだろうと思ってしまう。はっきりとした文体は、カッコいいし心に響く。
このエッセイが書かれたのは2006年10月~2010年4月といった自民党政権崩壊から民主党政権に移った時期らへんでや...続きを読むはりちょっと一昔前の話題の感じがしてしまう。ただ今だから言える民主党与党の連立政権のドタバタ劇を過去の歴史と照らし合わせ予言していたところなどはさすがと思ってしまった。

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Posted by ブクログ 2012年09月10日

前作である同タイトル「リーダー編」と同様、なるほどと思えるところはたくさんあったけど同じく要約できないので、特に気になったポイントを羅列。これほど横着した書評もないもんだ。

「(靖国神社参拝や戦争に関する展示をそれぞれの視点から見ていくことで)これをつづけていると、人間への見方が暖かくなる。ムキに...続きを読むなるのも人間の特色の一つなのだと考えるようになる。そして、言うまでもないことだが、双方でちがう言い分を聴いて比較する作業に慣れてくると、それらの合い間に自然に浮かび上がってくる真相も見えてくるようになるから面白い」
「史料は整理しないんです。仕事のほうを整理しちゃったので」
「選挙で選ばれたわけでもないのに国の方向すら決めて疑わない官僚は主権在民のはずの民主主義の主旨に反すると、私は常々思っている」
「『女性の品格』は、つまらない男にとってのみ好都合なツマラナイ女、の多量生産に最適だと思った。だけどなぜこの日本では、つまらない女ではやっていけるはずのない高級官僚を経験した人が、つまらない女の多量育成にこうも熱心になるのだろう。…女が女のことばかり考えているかぎりは女の独立は絶対に達成できない」
「期待感で投票する有権者たちも間違っているわけではない。なぜなら政治とは、感性に訴えて獲得した票数、つまり権力を、理性に基づいて行使していくものだからである。…「夢」や「ゆとり」や「美しい」とかは、個人の性格や好みによるから同一でない。このように客観的な基準を決めることが不可能な事柄は宗教家や詩人の分野のことであって、政治家や官僚が口をはさむことではない」
「大胆で官能的であると同時に絶対に下品であってはならないのが、エレガンスの必要不可欠な条件である」
「「賞味期限」とは、科学的ないし客観的な基準に基づいているのであろうか。早目に売りさばきたい思いで適当にサバをよんで設定した賞味期限に、製造主が裏切られたのが騒動の因、というのがわが妹の言なのだが」
「高い地位と強大な権力を持ち、国家に少なからず寄与した人を引きずり降ろして喜ぶ趣味は私にない。有能で仕事もできる人は「清」だけでなく「濁」も合わせもつものなのだ」
「プラダやドルチェ&ガッバーナの品は、ジョルジョ・アルマーニやタニーノ・クリッシの名札がついた品よりは断じて安く、流行に敏感だから若者向きで、造りも雑だから壊れやすい。つまり、今向きなのだ。反対に最高級ブランドの品は良く出来ているから、長持ちしてしまうという欠点がある。要するに嗜好の問題だから、中国で作ろうと中国人の不法入国者が作っていようと、二義的な問題でしかない。ただし、事情を知っていて買うのと知らないで買うのとでは、ちがいはやはりあるのではないかと思う」
「日本の文化交流は、主として官僚と学者が担当している。両方とも能力はある人たちのだが、両者に共通することがもう一つある。それは、いずれも自分自身では創造したことがないという点だ。自ら創造していれば、観てほしい、読んで下さい、という想いを絶対に持つ」
「漢字が美しいのは、絵画や彫刻と同じく、見る人の想像力を刺激するからである。その証拠に、漢字には書道があるのに、アルファベットにはない。…何でも平仮名にしてしまう風潮は、好きではないだけでなく悪弊とさえ思っている」
「多く集まれば集まるほど、正しく、かつ問題の解決によりつながる対策が立てられると信じているとしたら、人間性に無知というしかない」
「(オリンピックのポイント至上主義に対して)馬術でも同様だ。バアが一本ぐらい落ちたって、馬は障害を越えている。体操競技も同じ。ごくつまらない失敗を数えあげるやり方は、体技が本来もっているおおらかさを失わせる。…偏差値教育が大勢を見極める能力のない指導者を育てたと同じに、点数至上主義は、スポーツの醍醐味を味わわせてくれる選手を、協議の場か
ら排除していくようになるだろう」
「一度も挫折しなかったというのはもっと困りものである。抵抗力というか免疫力というかが、まったくないということだから。…自らに疑いをいだくことを学ぶようになる。次なる跳躍は、これまでのやり方に疑いを持つことなしには絶対に訪れない」
「自分自身を守ろうとしない者を守ってやろうと思う国は世界のどこにもない。…日米安保条約に頼りきるのも不安である」
「何もかもが安ければ良しとする風潮に、日本も染まっている。この風潮は服やバッグに留まらず、書籍にさえも及んでいるとい。これはもう、価格破壊の先に待つ文明の破壊になると思い始めたのである。…この出版界のリスク回避の志向を知って、それならば出版される本の数も減りますね、と言う人がいたとすれば、その人への答えはノーである。それどころか、ますます増えるだろう。ただし、短期間にモトが取れるものだけが」
「事業仕分けと呼ぶらしいが、帰国中にそれをテレビで観ていて、あることに気づいて愕然となった。それは、仕分けされる側、つまり各省庁の高官たちの、説得能力の絶望的なまでの低さである。…原因は次の二つに要約できる。第一に、これまでずっと、母国語でさえも説明し説得する必要に迫られてこなかったこと。意地の悪い質問を浴びて立ち往生する怖れのない記者クラブが相手では、経験にさえもならなかったのだ。…(若手官僚に事業仕分けの受け答えを担当させることで)この場を活用して説得力を鍛えあげた官僚は、日本にとっての大きな資源になるだろう。「始めに言葉ありき」とは、最後まで「言葉ありき」なのである」

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Posted by ブクログ 2011年11月18日

「なぜリスクをとるリーダーが出ないのか―危機の時代こそ歴史と向き合え!」この台詞をテレビに映っている政治家にぜひとも言いたい。

この本を最初に読んだのは「日本人へ 国家と歴史編」とあわせて読んでいたような気がします。最近、この人の書いた大作、『ローマ人の物語』を読んでみようと思っています。しかし...続きを読む、あの量の多さが僕に二の足を踏ませている、というのもまた事実でございます。ここに書かれているのは「リーダー論」としての時事評なんですけれど、ぜひとも喧々諤々と不毛な政治闘争を繰り広げている日本の政治家センセイの方すべてに読んでいただきたいと、大マジメに思っております。

彼女の時事評はローマの歴史を専門にしているだけあってその論法は鋭いので非常に面白かったです。この本が刊行される前に掲載された状態で書かれていた時期はどうも小泉政権のころのようですが、今こうして考えると、いろいろなことが『改革』されていった時期でもございましたね。それは今でも重いくびきになっているのは皆様もよくご存知のことと思います。

この本の最初に収録されてある「継続は力なり」という文章の最後に
「政策の継続性の欠如こそが三世紀のローマ帝国にとって、諸悪の根源であったのだった。」
特にここは政治家のセンセイ方にはよくよく読んでいただきたいと思っています。

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Posted by ブクログ 2011年10月05日

日本の政治についてよりも、ローマの歴史に興味を持った。また、ちょっとは政治家を信じて任せてみようと思うようになった。

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Posted by ブクログ 2011年01月25日

痛快。小気味良い。扱われている問題は様々な方々が手を変え品を変え語っていらっしゃると思いますがこんなにすかっと読める本はあまりないんじゃないかしら。本あまり読んでいませんが。すみません。実は初塩野本でもあるのですがとっかかりにもいい1冊だったんじゃなかろうか。他の著作も読みたくなりましたよ見事に!

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Posted by ブクログ 2017年11月26日

とにかく、なぜ今まで塩野七海という人物に目を向けてこなかったのか。
目から鱗の、ローマ人論と日本人論。
これを知らなかった私と、知った私とでは、確実に日本人を見る目が違う。

国交とはかくあるべき。が、わかる。すべての政治家よ、読んでみよ。政治的戦略、が分かる。ローマの皇帝たちよ。ローマの繁栄の秘技...続きを読むを現代に説き給え。何もオカルトではなく、明らかなものであることを。まずは本論である、ローマについての著作を読んでみなくては。

他サイトより転載

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Posted by ブクログ 2021年10月04日

他の「日本人へ」シリーズよりも、穏やかな内容と思えるのは、大作「ローマ人の物語」を書き終えた喜びだろうか。

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Posted by ブクログ 2018年11月27日

文藝春秋に連載されたエッセイをまとめたもの。普段イタリアに住む著者が、海外から見た日本について辛口の批判をしており、納得できる記述が多い。記憶に残る部分を記す。
「戦争とは、良い悪いの区分がないだけではなく、防衛のための戦争か侵略のための戦争かの区分さえもむずかしい。いや、戦争は、ほとんどとしてよ...続きを読むいくらいに侵略戦争である。なぜなら、防衛のつもりで行った戦争に勝ったとたんに、その防衛戦を確実なものにしたくなってさらに敵地深く侵略することになるからで、歴史に残る戦争のほとんどすべては、侵略戦争であったのが実相だ。」
「戦争そのものが姿を消したわけではない。それはおそらく、頭をガツンとやられないかぎりは言うことをきかない、国家や民族や部族が後を絶たないからだろう。昔も今も、人間性のこの現実は変わらないのではないかと思っている。」
「多く集まれば集まるほど、正しく、かつ問題の解決によりつながる対策が立てられると信じているとしたら、人間性に無知というしかない。首脳とて国益は無視できない以上、数が増えれば増えるほど意見も増える。結果は、結論なし、で散会だ。そして、数が増えれば一国当たりの権力と影響力は減少するので、その面でもサミットは、やるだけムダということになる。」
「ポイント主義は、単に勝者だけを決める手段であったはずである。だが、それのみが偏重されるようになると、手段の目的化になってしまう。スポーツにかぎらずどの分野でも、手段の目的化は、弊害になると同時に魅力を失わせる。」
「ちなみに、中東に攻め込んで勝ったヨーロッパ人は、後にも先にもアレクサンダー大王一人である。アメリカのインテリや指導者たちは、歴史を読んでいるのかしら。」

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Posted by ブクログ 2012年12月10日

外から日本を見る。国政に携わる人は自国を国外から見るという経験を必須にした方がいい。ヴェネツィア共和国は商人の国で、国民の大半が国外へ出ている。
エッセイの中で何度か出てくる、国の外から見た日本。
極東の島国である日本が、大した国力もない自給自足の小国であったなら、自国の外に出る経験を持つ必要などな...続きを読むかったであろうが、現実はそうじゃない。国政に携わる人はせめて、外から日本を見ている人の言葉に真摯に耳を傾けるべきだろう。

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Posted by ブクログ 2012年02月26日

「ローマから日本が見える」よりは良かった。
エッセイ集で,要約ではないので新たに得るものが多かった。
それなりに高評価にしているのは,基本的に塩野七生が好きだから。

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Posted by ブクログ 2011年10月14日

塩野さんの書籍は初めて読んだ。歴史が苦手なので、ローマのことを引き合いに出されても、バックグラウンドを理解する知識がないので、わかっていれば、さらに面白かったと思う。

私から見ると、背筋がピンと伸びた昔タイプの年配のお説教が垣間見えた気がして、懐かしい感じがした。リベラルな意見は一見格好よく聞こえ...続きを読むる。しかし、民主党のありさまを見れば、夢物語に過ぎないことがようやく日本人にわかり、彼女のような保守的な考え方は団塊の世代が消えるにつれ、広まっていくと思う。

しかし、もう時間もない。

日本人は、日本は本当にこれからどうなるのだろう。
多くの人がそう考えているし、憂いているのも確かである。

小野田さんの言葉を思い出す。

「戦前、人々は“命を惜しむな”と教えられ、死を覚悟して生きた。戦後、日本人は“命を惜しまなければいけない”時代になった。何かを“命がけ”でやることを否定してしまった。だが、死を意識しないことで、日本人は“生きる”ことをおろそかにしてしまったのではないだろうか」と

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Posted by ブクログ 2011年08月01日

日本の外にいて日本以外の国の歴史を広く深く研究していると、今の日本の問題がはっきりとくっきりと見えるのだろう。や、日本にいる誰もがくっきりと見えているのに見えないフリをしているだけなのか。普段自分が半径1km以内のあれこれにしか目を向けていないということを思い知る…

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Posted by ブクログ 2011年06月22日

塩野七生の目をとおした日本国家観に対するエッセイ。
面白い。
個人的には、塩野流女性の品格というか、女性によるフェミニズムや某女性の品格に対して、ばさっと切り捨て、女性として尊敬されたければ、国家くらい語れと喝破している点が印象だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年05月01日

初・塩野七生。
日本語の綺麗さ、素敵な言葉の言い回し。

歴史、出版、防衛、靖国、ブランド品、地震、密約etc・・・・
もっと読んでみたくなりました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年04月19日

[ 内容 ]
夢の内閣をつくってみた。
大臣たちは、私が慣れ親しんできたローマの皇帝にする―治者とは?
戦略とは何か?
現代日本が突き当たる問題の答えは、歴史が雄弁に物語っている。
大好評『日本人へ リーダー篇』につづく21世紀の「考えるヒント」。

[ 目次 ]
1(後継人事について;葡萄酒三昧;...続きを読む『ローマ人の物語』を書き終えて;女には冷たいという非難に答えて;世界史が未履修と知って;遺跡と語る;『硫黄島からの手紙』を観て;戦争の本質;靖國に行ってきました;読者に助けられて;夏の夜のおしゃべり;安倍首相擁護論;美神のいる場所;歴史ことはじめ―葡萄酒篇;歴史ことはじめ―チーズ篇)
2(滞日三題噺 ブランド品には御注意を バカになることの大切さ ローマで成瀬を観る 夢の内閣・ローマ篇 夢の内閣)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2011年03月25日

2006年から2010年までの文藝春秋の連載を掲載。

その時々の日本の政治問題等について切り込んでいます。

40年以上もイタリアに住んでローマ史やルネサンスを書いている著者の目線は、そこいらの批評家顔負けの洞察力です。

この著作では「オールスター夢の内閣」が白眉。

歴代皇帝で日本の内閣を構成...続きを読むしたら??という贅沢なテーマで進め、いきなりアウグスティヌスを●●大臣、ユリウス=カエサルを●●大臣に!えっ大臣にそんな最高クラスを出していいの?と思い、真打ちの総理大臣は誰かなと思いきや・・・誰でもいい感じでびっくり。

リーダーは人を使いこなせる人だと言う論にはうなずくばかり。自分が前に出るばかりのタイプのどこかの誰かさんには耳が痛いかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年02月20日

あえて外国の海辺で読んでみました
なんかとってもしんみりしました
「仕分け」の話のところがなんかガツンときた
私は本を「愉しみ」で読み続けたいと思った

伊坂幸太郎のエッセイを読んだ時も思ったけど
その人の考えが面白いなとか、すごいなって思える人は
それ以外の本業がしっかりしているからその人自身の考...続きを読むえが
あつかましくなったりしないんだなぁと思った

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Posted by ブクログ 2011年01月04日

今回も折り目がいっぱい。歴史を知ると,人間の本質が見えてくるのでしょうか。外(海外)から見ると日本は不思議な国のようです。一度,日本の常識ということを疑ってみる必要があると感じました。

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Posted by ブクログ 2010年12月25日

外から見た日本という視点の持ち方と、著者のバックグラウンドを前面に押し出して様々なテーマについて著者なりの持論を展開している。展開というよりつぶやきにも似た主観に基づく意見であり、説教という類ではなく「こう思うんだけどなぁ」的な短い文章につづられた一つ一つが印象的だった。
特に印象に残ったのは、今の...続きを読む出版界について、短期的な投資回収に走りがちな傾向と、それに追従するための出版物が跋扈していることに対しての不安を綴っている。著者曰く「不安解消の為の本」が現代ではよく売れるそうなのだが、たとえば自己啓発本の類は将来や自分の能力に対する不安を解消する為の手段の本である、と考えると、たしかにそのような本ばかり本屋で見かけるようになったなぁと思うし、そういえばそのような本をたくさん読んでいたなぁと、自分にがっかりした。
単純に楽しむ為だけ、知的好奇心を満足させる為の本も読まねば、と思った。

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Posted by ブクログ 2010年11月10日

マキャベリストということが分かる本。国家は、暴力と脅しが原則とわかる。現在の日本人にとっては、勢いづけられる本。歴史の主人になるためには、戦争をやるっきゃ無い、と。まぁ、ほどほどに。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

文藝春秋への寄稿文(2006/10-2010/4)をまとめたもの。時事的な内容が多いが、塩野節が随所に効いており、面白い。

以下注目点
・私が人物のところへ行くことにした。
・政治とは、感性に訴えて獲得した票数、つまり権力を、理性に基づいて行使していくものだからである。
・ストラテジーの意味の一つ...続きを読むは、予期しなかった困難に遭遇してもそれを解決していく才能。
・大衆は、問題点を具体的に示されたならば意外にも正しい判断を下す。

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Posted by ブクログ 2014年02月11日

塩野七生が自由気ままに書いたエッセイ。
海外からみた日本はこんな感じなのだろうな、と、日本に染まっている私などからしたら、斬新な感じがした。納得する部分も多い。
「地震国・日本ができること」は納得。「昔・海賊、今・難民」は、知らなかったヨーロッパの現状を垣間見た感じ。
強引というか無茶無茶というか、...続きを読む、、なんというか勝手に言いたい放題感も多少するが、そういう勝手でもなんでも自分の思うところをしっかりと持って、はっきり、きっぱりとした文体は、ちょっとカッコいい感じだ。
ただ、このエッセイが書かれたのは2006年10月~2010年4月らしいので、やはりちょっと一昔前の話題の感じがしてしまう。
リアルタイムで読むには『文藝春秋』を読むしかないが、このシリーズの最新版も読んでみようかな。

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Posted by ブクログ 2012年04月30日

ローマの人を通して人間を深く見つめている。
そして、今世界の中での日本の立ち位置や、性質をズバリ表現しているところが流石です。

イタリアのワインとチーズ、食べたいです。

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Posted by ブクログ 2012年02月25日

日本人へ-リーダー編に引き続き、ローマを中心とした歴史の観点から日本の政治について書かれている。

筆者は日本人の政治力や外交能力には期待していない。
誰がやっても一緒だし、どーせ能力なんてないんだから、とりあえずは継続性だけ持たせましょうよって考えが多く見られる。

革命が必要だった遥か昔と違い、...続きを読む何とかしなくても何とかなってしまうこの世の中だからこそ、新しいタイプの政治家も生まれにくいのだろう。

口先だけ、目先のことだけでコロコロ変わってしまう政治より、能力劣っていることを認め、長期的な視野で本当の痛みを伴う改革やりましょうよ。

あとフェミニストに対して、「本当に男女均等が実現されたらあんたらの仕事なくなりますよ?」って皮肉ってるのが面白い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年09月16日

文藝春秋に2006年から昨年までの5年間連載された塩野氏のコラムを再掲したもの。

歴史作家としてのプロフェッショナルな姿勢と深い知識、歯に衣着せぬ男性的な物言いと、長年にわたるイタリア生活で培われたグローバルな視点。

プライドと自信に満ちたその語り口がちょっと鼻につく感じがないではないが、おっし...続きを読むゃっていることはおしなべて納得である。

殊に、国際社会における日本の位置付けや日本の政治家、官僚の体たらくについての分析は、なかなかに鋭い。

民主党はこのような人材をアドバイザーに招いてみたらいかがだろう。山積する問題に風穴を開けるのは、意外に離れた視点で客観的にものを考えられる人の思い付きのような一言だったりするのではなかろうか。

震災国支援における、地震列島日本ならではのやり方のアイディア、事業仕分けでやり込められる高級官僚を観ての感想、阿部晋太郎元首相の政治姿勢に関する論評、そして小沢一郎に対する期待など、コラムが書かれたリアルタイムでなくとも充分読み応えがあり、今でも通じるものがある。

いや、今でも通じるということは、今尚変わっていないということか。それはそれで、困ったもの、ということだが。

ともかく、日本人としては、がんばらないとずるずる後退するばかりだという認識のもと、生きなくてはならないと強く思った。

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Posted by ブクログ 2011年06月14日

あまり日本に関することは書いていなかったが、とてつもなく面白かった回があったので転記。


題して、夢の内閣・ローマ編

総務大臣 皇帝アウグストゥス
外務大臣 皇帝ネロ
防衛省大臣 ハドリアヌス
行政改革担当大臣 ユリウス・カエサル
財務省大臣 ヴェスパシアヌス帝
法務省・国家公安委員会 トライア...続きを読むヌス


その発想はなかった!!

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Posted by ブクログ 2011年02月14日

日本の政治にローマ帝国の皇帝たちを当てはめている。
それぞれの皇帝の個性が簡潔にまとめられていて分かりやすい。ローマ人の物語を改めて読破したくなった。
天狗舞は私も大好きな日本酒なので嬉しかった。

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Posted by ブクログ 2011年01月10日

作者がニヒルで面白いおばちゃんなので、サクサク読める。
面白いのだが、あまり、残るものがなかった。

もう少しこの人の本と、歴史本を読むべし。

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Posted by ブクログ 2010年12月21日

この本を読んでいると、面白い話をするおばちゃんとお話しをしているような気分になる(悪い意味ではない)
この本のおかげで、改めて世界史を勉強してみようと思うことができたのは、きっと自分にとって有益なことだとおもう。
早速お正月の課題図書として、面白いと評判のマクニールの世界史を買っちゃいました(塩...続きを読む野さんが勧めているわけではない)。間違って上巻を2冊買っちゃって、ちょっとヘコんだけど(´・_・`)

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Posted by ブクログ 2010年11月21日

どうやれば日本は、二度と負け戦をしないで済むか。
自国のことは自国で解決する、で行くしかない。
自分で自分を守ろうとしない者を、誰が助ける気になるか。

日本的な秀才は、予期していた事態への対処は上手いが、予期していなかった事態への対処は下手なのが特質らしい。
真正面から答えるか、それともすり抜ける...続きを読むかのちがいはあっても、予期しなかった質問に対処して初めて、頭脳の出来の良し悪しが計れるのである。

天下りに関して、五十を過ぎてしかも他より優秀な人たちに、なぜ国が再就職を世話してやらねばならないのか。

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