作品一覧

  • 小耳にはさもう

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     ナンシー関の名声を磐石なものとした週刊朝日連載の同名コラムからの書籍第一弾。記念碑的な作品である、と思う。
     ナンシー関の本の解説を書いている人の中だけでも、彼女のことを男性だと思っていたという人が多くて驚くのだが、実は私も相当長い間男性だと思っていた。あまりの文章の切れ味の良さと切った後に漂う寂寥感にダンディズムまで感じ、孤高のおじさまがその知性を存分に振るって滅多斬りにしているのだと信じていたものである。同時期に連載されていた「恨ミシュラン」が西原のおねーちゃん的キャラを前面に出していたのとは対照的に、消しゴム版画一つで引き締められたストイックな紙面のせいもあったかもしれない。余談だが西

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    2021年06月07日
  • 何を根拠に

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    重い病で入院していた時期のように長い間読書ができない日々が続いていた。本棚の整理をして新しい本も数冊買ったところで、リハビリとしてまたナンシーのお世話になろうと思う。「何」シリーズの最終巻、メディアジャンキーの章が大好き。という記憶で読み返したら第1章の出たとこ映画もすごくおもしろくて、紹介されている映画はほぼ全然見たことがないし、見たくなるわけでもないのに、ただただ彼女の文章のうねりに身を任せて楽しめる。ナンシー関よ永遠なれ!

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    2020年12月25日
  • ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002

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    話の対象になる芸能人に「さすがに最近見ないな」という人もちらほらいるものの、文章自体は没後16年も経っているとは思えないほど面白い。
    小倉智昭の回の「ボクは先代の社長に
    たいへんかわいがってもらってね」という
    何でもなさそうな一言に対する怒涛の考察は
    この本の1つのクライマックスだと思う。

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    2018年11月09日
  • ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002

    Posted by ブクログ

    2002年に亡くなったナンシー関が矛先を向けるのは、当時のテレビの中の人たち。だから、十五年以上経過した今となっては、誰だかよく分からん人も登場する。
    けれども、彼女が丹念に拾い集めて指摘する、テレビの中の発言から感じる違和感、もっと言えば不快感は、いまの読者にもありありと伝わってくる。なぜなら、その違和感は、いまのテレビ、マスコミ、ネットからも常に垂れ流され、自分たちも確かに感じているんだけど、目をつぶってやり過ごしているものと同じだから。そして、その「おかしいな」「何か嫌だな」という感情に目を瞑らず、かと言って怒り散らすわけでもなく、その違和感の源をピシャリと言い当てる彼女の言葉、その言葉

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    2018年10月28日
  • ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002

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    「武田鉄矢のどこが嫌なのかを歯をくいしばって考えてみよう。」
    ナンシー関さんの、テレビについてのコラム。この一文のとおり、ナンシー関さんの文章は、テレビを見て嫌だと感じる部分をなぜ嫌なのかを掘り下げることをメインとしている。そしてその指摘が鋭すぎて残酷だったりして面白い。谷亮子の出馬を予言したりしている。

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    2018年10月16日

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