ナンシー関のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ナンシー関の名声を磐石なものとした週刊朝日連載の同名コラムからの書籍第一弾。記念碑的な作品である、と思う。
ナンシー関の本の解説を書いている人の中だけでも、彼女のことを男性だと思っていたという人が多くて驚くのだが、実は私も相当長い間男性だと思っていた。あまりの文章の切れ味の良さと切った後に漂う寂寥感にダンディズムまで感じ、孤高のおじさまがその知性を存分に振るって滅多斬りにしているのだと信じていたものである。同時期に連載されていた「恨ミシュラン」が西原のおねーちゃん的キャラを前面に出していたのとは対照的に、消しゴム版画一つで引き締められたストイックな紙面のせいもあったかもしれない。余談だが西 -
Posted by ブクログ
2002年に亡くなったナンシー関が矛先を向けるのは、当時のテレビの中の人たち。だから、十五年以上経過した今となっては、誰だかよく分からん人も登場する。
けれども、彼女が丹念に拾い集めて指摘する、テレビの中の発言から感じる違和感、もっと言えば不快感は、いまの読者にもありありと伝わってくる。なぜなら、その違和感は、いまのテレビ、マスコミ、ネットからも常に垂れ流され、自分たちも確かに感じているんだけど、目をつぶってやり過ごしているものと同じだから。そして、その「おかしいな」「何か嫌だな」という感情に目を瞑らず、かと言って怒り散らすわけでもなく、その違和感の源をピシャリと言い当てる彼女の言葉、その言葉 -
Posted by ブクログ
実はナンシー関をきちんと読むのはこれが初。文春の連載などをよく読んでいたので、何だか自分でも意外です。それにしても本当にこの人の洞察力と目のつけどころって凄い。テレビで見かけるあんな人やこんな人に対するイメージをきちんと言葉にできていて、しかも読み手がきちんと頷ける形にしているところは本当にお見事。今作は97〜99年辺りにテレビを賑わせていたドラマやCMについて色々と突っ込んでいるのですが、もうすっかり忘れてるような題材でも面白く読めるんだよね。読む事によって「あぁ、あったあった!!」なんて思い出せたりもするし。嗚呼、本当に惜しい人をなくしたなあと実感。これまでに出たエッセイ、読み漁ってしまい
-
Posted by ブクログ
鬼才とはこういう人のことを言うのだと思う。
ものごとの本質を見抜く眼力は素晴らしい。
そして、そのものごとが、実はどうでもいいことについてである、という点もまた素晴らしい。
[more]
(目次)
テレビ1989~1997(もしや教育番組?の心配も消し飛ぶ林家ペーパーの存在
国民感情を全く理解しない『紅白』は滅んで当然だ
90年元旦、『いか天』が見せた本気モード ほか)
浮世1990~2001(週末テレビ視聴スケジュール1990年2月
「ナンシー関のネコのひたいで流行るモノ」新連載口上
週刊誌で花ざかり。「こいつだけは許せない!」の研究 ほか)
コンビニ・ジュース(桃ミルク
麦ミルク
おでん