野沢尚の作品一覧

「野沢尚」の「深紅」「砦なき者」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ひたひたと
    4.1
    1巻628円 (税込)
    かみしめるように読みたい著者最後の作品集。十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯(いたずら)され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは――急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生(ぐんじょう)』のプロット200枚も収録! 野沢ミステリーが目指した高みが迫る。
  • ラストソング
    3.4
    1巻628円 (税込)
    光あるうちに、ゆけ! 野沢尚の傑作青春小説 博多のライブハウスで宿命的に3人は出会った。地元のスター修吉(シュウ)に挑みかかった一矢のギター。ロックが大嫌いだった倫子(リコ)はリーダー修吉の彼女になり、夢を追い上京した彼らを支える……。持てる才能だけを信じ、一度きりの日々を懸命に疾走する者たち。『破線のマリス』以前に野沢尚が書いた青春小説の傑作。
  • 砦なき者
    3.8
    1巻649円 (税込)
    報道番組『ナイン・トゥ・テン』に売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。恋人を番組に殺されたと訴える青年・八尋樹一郎(やひろきいちろう)の姿は、ライバル局の視聴率を跳ね上げた。メディアが生んだ一人のカリスマ。その邪悪な正体に気づいたのは、砦を追われたテレビマンたちだった。『破線のマリス』を超える衝撃!
  • 破線のマリス
    3.6
    1巻680円 (税込)
    首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった! 事故か、他殺か、一本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
  • 魔笛
    3.8
    1巻712円 (税込)
    白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ! 2000個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事・鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉。
  • 呼人
    3.7
    1巻733円 (税込)
    少年は12歳にして「永遠の命」に閉じ込められた!? 僕はなぜ大人にならないのだろう。心も躰も成長を止め、純粋な子供のまま生きていくことは、果たして幸せなのだろうか。出生の秘密を自ら探る呼人が辿り着いた驚くべき真実とは。感動のラスト、権力者の理想が引き起こす現代の恐怖をリアルに描いた傑作長編。
  • リミット
    3.9
    1巻838円 (税込)
    連続幼児誘拐事件の闇に潜む邪悪な魔性。連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、一人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに……。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点!
  • 深紅
    3.8
    1巻946円 (税込)
    父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが――。 高橋克彦氏激賞! これは奇跡的傑作である。犯罪被害者の深き闇を描く衝撃のミステリー。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • 野沢尚のミステリードラマは眠らない
    -
    今、解き明かされる野沢流ミステリーの真相と深層。少年時代から江戸川乱歩やエラリー・クイーンを読んでいた著者は、高校時代にシナリオに目覚めた。その後、傑出した脚本家として、ミステリードラマ史上に燦然と輝く名作『眠れる森』『氷の世界』『リミット』などを世に問う。犯人は誰か、毎回盛り上がる視聴者とネット世論。最終回で明かされた驚愕の真相――それらはどんな発想で生まれたのか。著者のプロットの端緒からシナリオが完成するまでのプロセスと合わせ、著者の発想を公開したドラマ脚本論。
  • 龍時(リュウジ)01─02
    4.2
    1~3巻621~641円 (税込)
    こわれた家族、さえない学校。体内に滾るのはサッカーへの情熱だけ。それさえも、この国では行き詰ってしまうのか。2001年、スペインU─17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジは、世界の壁を痛感し、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、国籍のハードル、友情や淡い恋など、ビルドゥングスロマンの味わいを発揮しながら、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを再現。本邦初の本格サッカー小説、待望の文庫化。

ユーザーレビュー

  • 深紅

    Posted by ブクログ

    尻すぼみ感は否めなかったが、前半の描写は凄まじく、これまで読んだ本のなかでもトップレベルに情景が浮かんだ。第二章は引き込まれた。

    0
    2025年11月28日
  • 深紅

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    特段ページ数が多いわけでも固い言い回しをしてるわけでもないがどこか重厚な印象を読後に感じる作品だった。
    カコがミホに対して自らが被害者の生き残りであることを言わなかったことはモヤモヤして、スッキリしないけれども、もし言ってしまっていたらこの一冊としての魅力は変わってしまうんだろうなと感じた。

    0
    2025年10月07日
  • 龍時(リュウジ)01─02

    Posted by ブクログ

    今なら若いうちから海外にというのは聞かない話ではない。けれど今から20年前に同じことをと考えると先を走っていた作品だと思う。
    主人公の思いがよく伝わってくる作品。スペイン人になろうとした主人公にぺぺの言った一言がズシンときた。国を失うということは、魂を失うということだ。様々なことが目の前に立ちはだかるが前を向き、誰も知らない土地で懸命に戦う姿がカッコいい。

    0
    2025年08月27日
  • ひたひたと

    Posted by ブクログ

    筆者・野沢尚先生の急逝によりふたりめの告白までで未完となってしまった本作。
    残りふたりの告白も読みたかったし、畠山がどう関わるのかも見届けたかった。

    後半は「群生」というプロットが納められていましたがもうこの物語が本当にすばらしかった。
    構想の段階であるのにすでに完成されていてこんなにも心に刺さる作品、完成作で読むことができないのが本当に残念でなりません。

    0
    2025年05月12日
  • 深紅

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ずっと気になっていたので読んでみた。
    なんだか凄い作品に出会えました。
    那須高原修学旅行の夜、6年生の少女の奏子は、「家族が事故にあい病院に運ばれた」とだけ、言われ、急遽4時間かけてタクシーで東京へ戻ります。
    その道中での担任のぎこちない態度から、家族はすでにこの世を去っていて、その原因が交通事故ではないことを奏子は感じとります。
    監察医務院という場所で叔母に迎えられ、慰安室で目にした家族は皆亡くなっていて、白い布をよけて顔を見ることすら許されませんでした。
    父の不義理が理由で恨みを買い、奏子だけがいない夜に、一家惨殺事件が起きてしまったのです。
    奏子にはその後、家族が殺された日に東京に帰るま

    0
    2025年05月06日

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