あらすじ
かみしめるように読みたい著者最後の作品集。十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯(いたずら)され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは――急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生(ぐんじょう)』のプロット200枚も収録! 野沢ミステリーが目指した高みが迫る。
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筆者・野沢尚先生の急逝によりふたりめの告白までで未完となってしまった本作。
残りふたりの告白も読みたかったし、畠山がどう関わるのかも見届けたかった。
後半は「群生」というプロットが納められていましたがもうこの物語が本当にすばらしかった。
構想の段階であるのにすでに完成されていてこんなにも心に刺さる作品、完成作で読むことができないのが本当に残念でなりません。
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未完の作品とはいえ面白かった。本当に完成が読みたい作品ばかり。素晴らしいものになるんだろうなぁと思いながら読む。
『群生』も、収録できるくらいに完成されているので、読物として十分面白い。もっと肉付けした物語が読みたい。惜しいことである。
死体の視点から物語を描く…なんてなんか素敵。自分の死んだ後を想像してみる。
『人の世の不思議
生きる者と死ぬ者を分けるものは何なのだろう。殺人の罪とは何だろう。』
『生きることは死ぬことだ。そして死ぬことは、人々の心の中で生き続けると言うことだ。』という北方謙三の弔辞も心にひびいた。
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とても悔しい。
続きが読めないなんて。
そしてこれから新作が出ないなんて。
お悔やみを伝えると共に
「ひたひたと」…凄くおもしろかったと伝えたい。
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才能があるゆえの最後といいますか、そういう部分が小説にも出てるような気もします。
凡人というか誰にでもできないことをできる人だからこそ感じるものがあって、それが伝わったりするのかもしれませんね♪
Posted by ブクログ
急逝の為、未完となった短編集のうち2作と“群生”という小説のプロットが収められた一冊。
短編の2作は性的犯罪が絡んでいるので眉間に皺を寄せながら何とか読み進めた、といったところ。
それでも、野沢氏がそういった犯罪をとても重く受け止めていることが感じられました。
群生はプロットとは思えない完成度。
罪を償うとは?という明確な定義が困難なテーマに迫っています。
罪を償う、とりわけ人を殺めた罪を償うこととは?
深く考えさせられる作品。
これまで破線のマリス、真紅、砦なき者など野沢氏のミステリーはほとんど読みましたが読んでいる間は本当に心が暗くなります。
どんよりしていくのを実感します。
が、そんな文章が書けるというのはとても素晴らしい才能だと思います。
Posted by ブクログ
群生 プロットと言っても完成に近い
脚本家としての野沢尚の熱量が伝わる
映像が浮かぶ。
「十三番目の傷」「ひたひたと」も残りの三人の話しを知りたくなる
ホスト役の畠山の真意も知りたい
本当に残念でならない。
もっと読みたかった、視たかった。
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ひたひたとはラストが怖かったし驚いた。被害者から加害者になってしまう心理。すごい。
この本が著者の最後とは本当に残念。他の作品もまた読んでみたい。
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十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは―急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。(「BOOK」データベースより)
内容は2本の連作の短編と、長編のプロット。短編もさすがだが、着手寸前だったという長編のプロットがすごい。プロットというよりはもう小説だった。完成作を読みたかったとひたすらに思わせる出来。本編とは関係無いが、最後の北方先生の弔辞が何回読んでも泣いてしまう。
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この人の作品は面白いなあ。
重っ苦しいのはわかってはいるんですが、話の展開が読めなくて続きが気になってしまいます。重さっていうのも人間の闇というか、姑息さというか、なんというか。この作家さんがご存命でないことが悔やまれて仕方ないです。これが最後の作品のようで、続くであろうシリーズの短編2作で終わってしまいます。後半に収録されている『群生』はプロットのみの作品ですが、こちらも本作として読んでみたかったなあとしか言えません。
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\二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは?急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。
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野沢尚の最後の作品集。
タイトル作品である「ひたひたと」は、どこか悲しい。だが、凄く好きな作品でもある。
少年に小学生のころ、性的な悪戯をされ、そこから暗転した主人公の生活。そんな主人公が結婚することになった相手の正体とは?
また、野沢が着手寸前だった長編小説「群生」のプロットも収録されている。
本当に、完全な形で読めないのが残念でならない。
Posted by ブクログ
最後です。これが本当に最後なのよね・・・。
感無量でしたわ・・・。
5編からなる短編集の、2編で終わってしまった表題作と、
次の長編のためのプロットが掲載されております。
このプロットが、すごい。
プロットをかなり書き込む方だというのは知っていたけれど、
このプロットは、本当に、もう、作品じゃないか!というくらいの
完成度。
細かい裏づけ部分が割愛されているので、もちろん荒いんだけど
でも、多分ここにはこんなストーリーが肉付けされる予定だったん
だろうなぁ、って、十分に想像できる。
ある意味、完成された作品よりおもしろかったかもしれない。
これは、書き上げて欲しかったなぁ。
脚本家野沢氏と、小説家野沢氏の、集大成的な作品に
なったかもしれない、って思わせるプロットでした。
そしていつも、野沢作品は解説が充実している。
それだけ、優秀な人たちに評価されていた人なんだと思う
Posted by ブクログ
やっぱり野沢尚です。
短編が2作ともいい。
それ以上にプロット段階の『群生』がいい!
これをちゃんとした作品として読んでみたかった。
でもプロットでも十分楽しめます。
Posted by ブクログ
野沢尚最後の作品。
別段ホラーというわけではないけれど、ある意味ものすっごく「怖い」。
明るい表通りから路地裏の暗がりに踏み込むような、そんな不気味さが人間の心の中にはあるんだとつきつけてくる短編だ。
構想としては、残りがあと3編あったんだろうけれど、未完なのが読者として残念でならない。
Posted by ブクログ
後味が悪くて
気持ちよくないんだけど、
ページをめくるのが止められない
そんな作品だった。
最後のページを読むまで
楽しませてくれるけど、
結局好きかどうかっていわれたら、
やっぱり好きではない。
でも、嫌いでもないんだけど。
群青では、人間は
みんな都合のよいように解釈する
て、突き付けられた気がする。
Posted by ブクログ
インターネットのサイトで出会った男女5人が
自らの胸のうちに沈めこんだ秘密を打ち明けあう。
ある主婦は小学生の頃中学生にいたずらをされて以来男性恐怖症となり
犯人を恐れる気持ちとつきとめたいという気持ちがないまぜに。
なんとか結婚することができたある日、犯人とそっくりの男を見つけ…
作者急逝のため未完となった小説・プロット。
装丁:石倉ヒロユキ
秘密の友人の連作は完成させてほしかったです。
倒錯した感じが恐ろしくもあり興味深くもあり。
プロット「群青」もほとんど小説の形になってます。
でもストーリーの骨組みが出来ていても
やっぱり肉付けがされていないと物足りないですね。
本当に惜しい人を亡くしたと思います。
Posted by ブクログ
【十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは―急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生』のプロット200枚も収録!野沢ミステリーが目指した高みが迫る。】
まずは、私が読んだのは文庫本ではなかったので『郡生』は収録されておらず。
この本が野沢さんの遺作という事になるんですよね。残念。
五角形の部屋で秘密を打ち明ける・・・。おそらくあと2人(もしくは3人)分のエピソードが続くはず。
そして、主催者の意図するところも。野沢さんがどのような着地点を用意していたのか、とっても気になります。