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Posted by ブクログ
マスコミの暗部。マスコミの特性を利用したモンスター。
P185 マスコミとは本来、何らかの事件を伝達するものだと考えられているがマスメディアの発達によって、伝達するための内容をメディア自体が創りだすようになった。「擬似イベント」イベントがあるからではなく、報道するためにイベントが作られる。現代ではこうした逆転現象が政治、経済など様々な領域で見られる。メディアの中では人は英雄的な好意によって有名になるのではなく、メディアでの露出度が高く、有名であるために崇められる。
P247 マスコミとは。風向きを読んで、退路と進路を選ぶ、狡猾で保身本能しかない森の生き物だ。
P276 テレビは定期的に大衆の中から犠牲者を選ぶ。それを糾弾された時だけ、テレビは襟を正す。ところが喉元をすぎれば熱さを忘れて、またぞろぞろと被害者を生み出す。大衆は被疑者だけではなく加害者にもなれる。
P307 「化け物」とは「大衆の総意」という、森に立ち込める靄のように捉えどころのないものを指す。それを操作しようとした時から、逆に操作される運命を覚悟しなければならない。一人のカリスマが脅威なのではなく、カリスマによっていびつな形にされた「大衆の総意」が、あるきっかけによって凶器の形になることが何より恐ろしいのだ。
P352 砦なき者は、敵のまっただ中に飛び込み、味方に流れる血を恐れず、あがき苦しんで戦うしかないのです。それは激烈な恐怖と痛みを伴うことを覚悟しなければなりません。
朝まで生テレビの某市長と学者のやりとりには似たものを感じる。
Posted by ブクログ
前半と後半で大きく物語は変わりますが、後半は何となく現実味に欠ける部分が目に付きました。そんな簡単に八尋が人気を得てキャスターにまでなれるものか、どうやって数多くの信奉者達を操れるというのか…。このあたりは少し納得しにくかったです。
しかりながら破線のマリスと連続するテーマである「報道の2つのF」についてを描かれる様はその内容とあいまってリアルな危機感を煽ります。実際、恐ろしくもありました。
報道が、テレビが育てたモンスターとの対決となるクライマックスでは何が起こるか分からない緊張感もあって読み応え抜群でした。八尋が模倣犯に出てくるスマイルと少しかぶるようなイメージでもありますね。
この作者の書くサスペンスは非常に好きです。近いうちに読破したいと思っています。
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