あらすじ
こわれた家族、さえない学校。体内に滾るのはサッカーへの情熱だけ。それさえも、この国では行き詰ってしまうのか。2001年、スペインU─17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジは、世界の壁を痛感し、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、国籍のハードル、友情や淡い恋など、ビルドゥングスロマンの味わいを発揮しながら、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを再現。本邦初の本格サッカー小説、待望の文庫化。
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今なら若いうちから海外にというのは聞かない話ではない。けれど今から20年前に同じことをと考えると先を走っていた作品だと思う。
主人公の思いがよく伝わってくる作品。スペイン人になろうとした主人公にぺぺの言った一言がズシンときた。国を失うということは、魂を失うということだ。様々なことが目の前に立ちはだかるが前を向き、誰も知らない土地で懸命に戦う姿がカッコいい。
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自分のバイブルとも言える本
自分のいる環境に満足せず、外の世界に出て行って懸命にもがきながら自分を主張する主人公龍時にいつも励まされています。
周りの環境に合わせて生きることに疑問を感じている人には大変オススメの一冊です。
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実はあんまりサッカー見ないんです。
リーガ・エスパニョーラもすぽるとで眺めているだけ。
それでも、、、
面白いものは面白いのです。
著者が亡くなってしまったのが悲しい限り。
サッカーが好きな人ならモチロン、サッカー好きじゃなくても、心が伝わってくる作品。
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リスペクトする好きな人からのオススメ。
最高のサッカー小説。
文字だけでここまでリアルにサッカーを描ける事にガタつく。
戦術の描写、繊細な技術の描写、実在する選手の特徴を如実に表す描写、全てに鳥肌が立つ。
当然、感情的な部分の描写も巧く、家族・恋人・チームメイト・監督・・・関わる全ての人々との間で生まれる会話や抱く感情の表現にも心震える。
無名の中学・高校からスペインへと単身乗り込む主人公・リュウジには常に感情移入ができる。
これら描写力だけではなく、過去と現在の場面の替え方もイイ。
基本的にはリュウジ目線での語り表現だが、手紙・記事での伝達表現が加わってくるあたりもイイ。
リュウジという名前に隠された意味もイイ。
架空と実在の選手やチームが違和感なく、むしろ気持ち良く共存しているのもイイ。
フィーゴ、クライファート、サビオラ、リバウド、コクー、オーフェルマウス・・・ちょっと懐かしい実在する選手が出てくるのもイイ。
全ての表現が好きだし、イイところを挙げるとキリがない。
作者の急死により完結しない作品である事が非常に残念。
けど、想像を膨らませながら、16歳のリュウジがどれだけ世界を相手に奔走していくのか、続きを楽しんで読んでいきたい。
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一人の日本人高校生が、リーガ・エスパニョーラのユースチームへスカウトされた。
日本の主流サッカースタイルでは、自分に居場所はないと感じていたリュウジは単身、スペインへのサッカー留学を決心する。
「サッカーをしていない自分が考えられないから、あと20年くらいしか生きていられそうにない」
と言い切り、わずかばかりのサッカーという“人生”を輝かせるために、自分自身の孤独と懸命に戦うリュウジの物語。part1。
好みは人それぞれだから賛否は分かれて当然ですが、私はこの人の書く文章、好き。
スピード感があって、一歩先を読みたい、次の一文を読みたいという気持ちにさせられる。
美文は短文とはよく言ったものだ、うん。
私もこんな文章が書けるようになりたい。
第五章は泣いた。号泣した。
サッカーは好きだけど、システムや戦術には私は詳しくない。
そういった部分の知識がある人は、もっと面白いんだろうな。わかる人にはわかる、ってやつだと思う。
毎日、牛乳2リットル飲めば、私も身長伸びるかな?今からでも。
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世界との差を感じ、高校生で単身スペインへ渡った日本人が、家族との衝突、プロの厳しさを体験し、成長する姿を描いたいまだかつてなかったサッカー小説。
サッカーを文字で躍動感や感動を余すことなく表現しただけでなく、日本のサッカーを的確に批判し、そして強くなる可能性を示している。
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サッカー小説。 試合の緊迫感、盛り上がりを文字だけでここまで表現することができるのかと驚いた作品。 ゴールが決まるシーンを読んだ時はゾクゾクしました。
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やっていることは全く違うけれど、
日本の外に身を置いて生活した経験がある為か、
"自分の選択は正しかったのか"
"日本へ帰る、という選択肢は逃げではないか"
…と言うスペインでのリュウジに共感するところ、ちょっとありました。
また、サッカープレーヤーとしての期間が自分自身の寿命だと言い切る彼。
カッコいいな~と思える反面、
サッカーに対するストイックさがちょっと羨ましいとさえ思える。
例え、自分の思い通りに行かなくても、素直になれなくても、
正面から壁に向かっていかなければ前には進めない、
という事を改めて思わされます。
理屈では分かっていても、言われて分かる、じゃなく
やっぱり自分で体験して分かっていかなきゃ。
それを、綺麗ごとじゃなくて、
人間臭く表現されているから、感情移入しちゃうんだろうな。
とある場面で、私も思わず涙してしまいました。
サッカー小説なんだけど、
それ以外にも、心にぐっと響く1冊。
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サッカー小説、面白いのだろうかと半信半疑で読み始めたが、素直に面白い!よくぞここまで描いたものだと思う。龍時のようなプレーヤーをいつか日本で見たい。そう思わせられるほど、龍時には人を引き付ける魅力がある。龍時のようなプレーヤーを見ることは、サッカー好きの一人として永遠の夢だ。
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息子がサッカーをやっているから何気なく手に取った本。
文庫で3作まで一気に読み終え、3巻の後書きで呆然としてしまう。
知らなかった。
著者がもう亡くなっていて、この先の龍時に逢えない・・・・。
日本代表で活躍しているはずの龍時を追い求めてしまう。
Posted by ブクログ
サッカー小説です。
行動力と責任感を持ったステキな主人公。
高校生でサッカーに長けた主人公リュウジの成長や葛藤を描いた作品、というのが相応しい言葉か分かりませんが、臨場感溢れる試合のシーンだけでなく、家族や恋愛のことで悩む主人公の姿とそれを周りの人々の心理などといった多くのことが一冊の中に込められていて、サッカーが好きな方だけでなく、青春小説としてもとても面白いと思います。
また、実際の五輪サッカーや選手が出てくるので、“当時の展開予想(希望?)”としても読み応えがあるかと。
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著者の野沢尚氏の遺作となったサッカー小説。
日本サッカーと世界との壁を感じた主人公志野リュウジは単身スペインに渡る。
物語は始まります。
この本を読んでいて思ったのは、頭の中で実際の試合を感じる事が出来ます。
それこそ自分がプレーしているかのように映像が見えてきます。
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無名の高校生リュウジが、サッカー留学で単身スペインへ渡って、苦難を乗り越え成長していくお話。
ワールドカップで盛り上がっているこの時期に、本屋さんで山積み状態が目についたので読んでみることにしましたが、テレビを見るよりよほど面白いサッカー小説でした。
ワールドカップもあっさり予選敗退した日本でしたが、この本の続編は期待できそうです。2006/7/6
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高校一年生のサッカー男子のサッカー選手として成長して行く話。
U17の代表でスペイン代表と戦った時にあるクラブの会長の目に留まり16歳で単身スペインへ。
現地での差別や空回りを経験してスペインサッカーを理解し、選手として一皮むける。
そもそもU17の代表になるまでの経緯などは省かれており天才肌の主人公な感じ。
ここまで結果を出せる日本人いないよな、と思いつつも試合の描写がリアルでおもしろかった。
Posted by ブクログ
サッカー小説なんてジャンルが成り立つのかと思っていたが、一行目から読ませる野沢尚の筆力に感心。生き急ぐサッカー少年「龍時」が単身スペインに渡り、ステップアップしていく様子がリアリティーの感じられる日常生活とともに語られる。サッカーのプレイシーンもまるで映像を見ているような臨場感。最後のゴールシーンは、龍時の視点からイメージできた。
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野沢尚の遺作となったサッカー小説。
主人公龍時の高校時代から(だったっけな?)始まるサッカー人生を描いた小説。
なんかこれが色んな小説を読み始めたきっかけだった気がする。文体も読みやすくサッカーをしている人からしても
とても試合展開などの描写もうまくて個人的にはサッカーを扱った小説としてNo.1だと思う。
この作品の執筆中に野沢さんがお亡くなりになり、いまだに完結していない。とっても残念だった。
Posted by ブクログ
野沢尚の描くサッカー小説。
リュウジという、素晴らしいサッカーの才能に恵まれた17歳の少年が
日本からスペインに渡ってプロデビューを目指すというストーリー。
漫画やゲームのような内容だが、そこは野沢尚の書く小説という事で
リュウジのひねくれ、父親の存在、母親の想い、妹の健気さ、
海外生活の理想と現実などが上手くミックスさせてある。
抜群の才能を持つリュウジだが、最初のうちは周囲と合わない。(いや、合わせてないのか)
知り合いもおらず、徐々にチームメイトから浮いてしまう。
上を目指す為に日本を捨てたはずが、スペインの片田舎のユースチームで燻っている自分。
監督からも信頼されず、サブ扱い。
そんな中、わずかなチャンスを得たリュウジは自分の技術で活路を見出そうとするが
上手くいかない。
タイムアップが迫る中、無我夢中でプレーするうちに
「仲間を信頼してみよう」という想いが浮かび。。。
また、実際の試合の描写が抜群に上手い。本当にその場でボールを扱っているかのような
感覚になる。
最終的にリュウジは大舞台で活躍したようなのだが、続編があるらしい。
続きが楽しみになる一冊。
Posted by ブクログ
あの野沢尚がサッカー小説?
インパクトとサッカー好き魂で購入。
内容はサッカーわかっている人向きに結構マニアックで面白かった。
続編も出ているが作者死去のため未完。
残念。
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リュウジという敢えてのカタカナの名前。
そのリュウジの中に『龍』が眠っている?!
16歳のサッカー少年が単身スペインに渡り、孤独に自分を追い詰めていくリュウジが『龍』を覚醒させる!
久し振りに野沢さんを読みました。
やはり流石ですね。読ませます。
途中から引き込まれてしまいました。
ただ自分自身がサッカーに詳しくないので
ちょっとついていけなかったのが悔しい。
Posted by ブクログ
サッカーの場面は、想像するのがちょっと難しかったかな。登場人物が多過ぎて、誰が誰だか混乱しそうになった。カタカナだし・・。
マンガで読んだ方が分かりやすいかも。エミリオにケガをさせた件はじーん。
○リーガ・エスパニョーラのバルサ戦でリュウジがゴールを決める。
Posted by ブクログ
スペインとの親善試合で世界の壁を感じた無名の高校生リュウジは単身スペインに渡ることに。家族との葛藤や友情を描いた青春小説
続き物とは知らず読んでしまいました。サッカーの細かい描写がリアルでしたが、なにぶん、読んでいる本人は別にサッカーに造詣が深いわけではないのでよくわかりませんでした。でも龍時の今後が気になる作品ではありました。
Posted by ブクログ
学生時代から代表までを描く長編サッカー小説。
状態が目に浮かぶような細かい描写はすごいです。若かりし頃から海外に移籍しのし上がっていくのはリアルの選手でもぜひ見たい所です。サッカーと小説が好きなら読んで損はないかも。