あらすじ
スペインでプロサッカー選手として順調に成長するリュウジは、アテネ五輪日本代表に招集される。しかし平義監督は創造性溢れるリュウジのプレースタイルを禁じ、ひたすら走って前線にボールを出す、チームのために奉仕するプレーを求める。真意がわからず戸惑うリュウジ。果たして監督の意図は何か? 各国代表との熱い戦いの行方は!? 実際の五輪前に執筆されたにもかかわらずスタメン6名が的中、著者のサッカーに対する慧眼と愛情が遺憾なく発揮されたシリーズ最終巻。
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選手の心情、ボールを扱う足の使い方、シュートシーン一つ取ってもこと細かい描写を
細部まで研究に研究を尽くした表現は映像を見ていなくてもわかるくらいの描き方。
筆者の熱狂的とも言えるほどのサッカーファン熱が文章からも伝わってきた。
フィクションでありながら日本が強豪国と戦って勝って行っていく試合のエピソードの数々。
そしてあのリュウジのラストシーン。小生はキャプテン翼の翼くんのワンシーンをすぐさま想像した。
サッカー経験者の実体験をもとにした監修も含め、たぐい稀なる貴重なサッカー小説を
見つけることができた感動。ありがたいです。
03-04で続編はもうないのですが、今後の話としてはケガやリハビリについて描く予定だったそうで、
もしそうだったとしたら楽しみだったのですが
それが読めなく遺作となってしまったことが残念で仕方がありません。
Posted by ブクログ
私的サッカー小説の1番です。
スポーツ小説の中でも1番です。
これを超えるものはもうないと思っています。
なのに…、もう続きが読めないなんて…。
悲しすぎる…。
私が初めてこの本に出会ったのは、すでに野沢尚さんが亡くなった後でした。
読み終わって、興奮冷めやらぬまま続編を探そうとしてその事を知りました。
その時の衝撃たるや…。
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傑作。
前にも書きましたが、私はサッカーをあまり見ませんが、それでも十分。
サッカーシーンに描かれた、監督とリュウジの気持ちが交錯し、監督の家庭が描かれる。
そんな言葉では語りつくせない世界があります。
今はただ、野沢氏の急逝が残念でならず、ひたすら悼むのみです。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
舞台はアテネ五輪。
スペインリーグでの活躍が認められたリュウジが五輪で躍動する。
相変わらず細部まで綿密に表現され、想像力を駆り立てられるライバル達との試合。
実在する日本代表選手達との違和感のない融合・会話。
五輪出場国が決まる前に描いたにも関わらず腑に落ちる展開。
これらはもちろん面白いが、
この作品の主たるテーマは監督論。
「不安定な心を安定に導く、便利な処方箋」である「組織」と、
その「組織」を壊す「個人」を活かす勇気を持つ事の必要性。
この2要素のバランスの取り方は難しく、
ケースバイケースでもあるため、答えはない。
しかし、答えはなくとも、どちらも残しつつ共存させなければならない。
人生の絶望を経験しドイツで監督論を学んだ平義監督に置き換え、
野沢さんのそんな思いが強く伝わってくる。
・・・とにかく続きが読めない事が残念でならない。
もっと描きたかったはず。
多くのサッカー選手・サッカー関係者・サッカー好きに影響を与えたこの龍時シリーズを遺した野沢さん。
個人的にもこのシリーズを読んで、さらに、確実に、サッカーが好きになれた。
心から感謝。
『我が魂よ、不死を求むることなかれ、ただ可能の限界を汲みつくせ ・・・』ピンダロス(古代ギリシャの詩人)
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とにかく読んでいて思ったのは、野沢尚は、彼なりの愛国心を溢れんばかりに持っていたということだ。
日本人の良さと悪さをサッカーの中に表現している。
『組織とは不安定な心を安定に導く、便利な処方箋』
『どうしようもなく集団意識を持ってしまう日本人は、「自由」に憧れはするが「自由」を謳歌することができず、結局、慎重なプレーしかできなくなる。』
サッカー選手だけの話ではないと思う。日本人という民族全体に当て嵌まるんじゃないかな。
解放宣言が出て奴隷達が「何をしたらいいかわからない。奴隷でいさせてくれ」と泣いたという話を思い出した。
孤独に慣れない者にとって、自由の刑とは恐ろしいものだ。
オードリー・若林がある番組で「上手い、と言うと上から見ていて余裕がある感じがするけど、怖い、と言うと余裕がない感じがする」と言っていた。龍時の目指す、「殺される」と実感するようなサッカーとは、そんな感じだったのかな。
龍時、第三巻。にして、ラスト。続く予定だったそうだけれども、無念。
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ライフワークとしてずっと書いていくつもりだったとのこと。
残念でなりません。
野沢先生~(泣)
ご存命でいらしたなら、
今回のW杯、どうリュウジに戦わせたのかしら?
続きが読みたいデス。。
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1作目からずーっと読んでいくと、
様々な面でパワーアップしたリュウジを見ることができる作品。
もはや、1人の人間として彼がカッコいい、とさえ思えます。
この作品では、
リュウジが日本代表としてのシーズンが描かれているのですが
1つ1つの試合の臨場感と、リュウジの心持ちにドキドキします。
「日本を捨てる」覚悟でスペインへ渡った彼にとって、
異国の地で生活し、改めて自分が日本人と感じた彼にとって、
日本代表になるということは、どういうターニングポイントだったんだろう。
思い返しただけで、何故だか感極まるものがあります。
"わが魂よ、不死を求むることなかれ。ただ可能の限界を汲み尽くせ。"
残念ながら、
これ以上のリュウジを野沢さんの作品としてみることは出来ませんが、
リュウジは可能性の限界をみることが出来たこと、やっぱり羨ましい。
左手に持つ厚みが薄くなるのを惜しみながら、心で読めた作品。
Posted by ブクログ
もっと龍時を見ていたかった。しかしこの巻から先の龍時には、もう逢えない。日本代表で活躍しているであろう龍時を想像するだけで泣きそうになる。――この本に逢えてよかった。けれど、逢いたくなかった。それほどに大作であった。
「我が魂よ不死を求むことなかれ。ただ可能の限界を汲みつくせ」
ただ願う。いつか龍時のようなプレーヤーをこの目で見れることを。
野沢尚さんはお疲れ様でした。未完結ですが龍時に出会えたのは野沢さんがいたからこそです。
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完結しないなんてどうすれば……(´;ω;`)
リュウジには本当にワクワクさせられました。いつか日本代表にリュウジが出てきてくれないものかと今でもずっと思っております。
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著者野沢尚氏の自殺によって、シリーズ最終巻となってしまいました。
舞台はアテネオリンピック。
アテネオリンピック代表に招集されたリュウジは世界各国の代表と熱闘を繰り広げていきます。
アテネオリンピック前に書かれたものなので、出場国、選ばれる日本人選手は実際と違ったものには
なってますが、個人的にはオーバーエイジのメンバーは良いチョイスをしていると思います。
残念ながら、続きは読む事は出来ませんがいつの日か日本サッカー界に本物のリュウジが
現れる事を期待します。
もっと野沢さんが書く物語を読みたかったです。
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単身スペインへ乗り込み、リーガを戦い抜く日本人サッカー少年リュウジを描いた、「龍時」の3作目。
続編を期待していたのにこれが最後になってしまったのは残念です。
サッカーファンならぜひ。
当然、1作目、2作目も買いです。
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読んで良かった作品です。試合の描写が鳥肌が立つくらい本当に素晴らしいです。そして、サッカーを知らない私でも存分に楽しめました。もっともっと色んな人に読んでもらいたいです。まだまだこの続きを読みたい・・・リュウジの人生を見届けたかったなぁ・・・野沢さん。
Posted by ブクログ
とうとうアテネ五輪代表に選ばれてしまいましたが、リュージにはなかなか出番が回ってきません。何か思惑のありげな監督の過去探しの物語と並行しながらの展開で、徐々に龍が目覚めていくわけなんですが、、、読んでからのお楽しみでしょうね。もちろん小説だから、オリンピックの決勝戦まで進みます。最後の結末も、ほどよく期待を裏切らないレベルでまとめあげてくれています。
この次(ワールドカップ篇)の作品が亡くなってしまったことは大変残念です。2006/10/23
Posted by ブクログ
おなじみ野沢尚の「龍時」シリーズ第三弾。
スペインのベティスで主にスーパーサブとして活躍中の主人公・志野リュウジは
オリンピック日本代表に招集される。
五輪代表監督・平義は理論派で守備的、規律を重んじると言われている。
なぜ自分が呼ばれたのか、果たしてこのチームで生きることが出来るのかを疑問に感じながらも
五輪日本代表の一員として戦い始める。。。
この本の中で五輪日本代表はギリシャ・スペイン・韓国・ブラジルと戦う。
本当にこんな流れ(決勝進出)になったらさぞかし日本のサッカーファンは大喜びだろう。
それにしても相変わらず試合中の描写が巧い。そのシーンを思い描けるし、文章で書いてあるのにスピーディーだ。
その上サッカーの試合で感じられる「ドキドキ感」も伝わる。選手たちが本の中で生きているのだ。
そんな生き生きとした登場人物に囲まれ、今回のリュウジもやってくれる。
ある時は監督の思惑に逆らって得点シーンを演出してみたり。
ある時は監督に従順なフリをして自分が活躍するチャンスを伺ってみたり。
何より、過去2作品に比べて随分と考え方が大人になっている感じだ。
無鉄砲さが影を潜め、「サッカーが好き」「周りと楽しくやりたい」と考え始めている。
そして物語のクライマックス・決勝ブラジル戦は読んでいて心が震えた。
圧倒的な強さを誇るブラジル。為す術の無い日本。
それでも小さいチャンスをモノにしようと必死に戦う。そして同点…
リュウジが得点に絡むシーンは多いが、リュウジ自身が得点するシーンは思ったより少ない。
そこに何かリアリティを感じる。
野沢尚氏が存命ならば、この作品は続いていたそうだ。
そこには志野リュウジのA代表入り、海外での更なる活躍が描かれていたはずである。
…実に惜しい。
いつの日か、本当の日本代表に「志野リュウジ」が現れて世界を驚かせる日が来て欲しい。
そして野沢尚が描けなかったリュウジの物語の続きを見せて欲しい。
Posted by ブクログ
普段小説はあまり読まない。
それもこういった現代的な、といったら失礼だが、身近なテーマを扱ったものはあまり読んでこなかった。
この本も、もともと自分がサッカーが好きで、かつスペインに旅行に行くことを知った友人が勧めてくれたものだ。
疑い半分で読み始めたがみるみる吸い込まれた。
3巻まで読み終え、この続きが読めないことを本当に残念に思う。ご冥福をお祈りします。
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日本代表としてオリンピックに挑む話。
今回はチームメイトではなく監督との関係性に悩む。
代表に呼ばれてみたものの、役割がわからない、監督の考えていることがわからない、そんな中でオリンピックの試合ら続いて行く。
一方で、監督についてはスポーツライターである主人公の父親が追う。が、この辺りは必要なのかが腹落ちしない。かなりの枚数を割いてるけど。結局、監督の過去が今の監督に及ぼしてあることはなんなのか、そしてそれが監督としての采配にどう影響しているのかはイマイチ読み取れなかった。
もっと主人公のスペインでの活躍を見たかった。
Posted by ブクログ
まず始めに
あたしはサッカーあんまり知りません
試合観にいくこともあるけど・・・
選手の名前も・・・(-ω-)ゴニョゴニョ
そんな、ワールドカップとかオリンピックは応援しちゃうぜ!っていう俄かファンなあたしでも楽しめた
サッカーが良く分かってない人でも、物語の中で語られる試合をイメージできるのってすごい事だと思う
村上龍の『天使のパス 悪魔のゴール』と同じように、あたしのサッカーの見方を変えてくれた一冊
とは言っても『龍時 01-02』『龍時 02-03』はそれほど面白いとは感じなかったのだけど・・・
伏線として進んでく主人公の父親の話は、いらないかな
もっと試合の場面を書いて欲しかった
続きが読めないのが、本当に残念です
Posted by ブクログ
続編を読めないのが無念でなりません。オシムJAPANおよび第二期岡田JAPANの選手が登場するのがなかなかおもしろいです。残念なのは中村憲剛選手がいないことです(笑)ピルロはでてきたのに〜… 臨場感あふれるサッカー小説に拍手!!!
Posted by ブクログ
故・野沢尚氏のサッカー小説その3。
アテネ五輪に飛び級で召集されたリュウジと、
凄い堅物な監督が反発しあったりしながらも協力してスペインとか韓国とかブラジルとかと戦う話。
今回は舞台がアテネ五輪代表なので、平山とか大久保とか慣れ親しんだ名前ばっかりです。
オーバーエイジは明神・田中誠・アゴです。
人間力より良いチョイスです。
龍時シリーズはこれにて終了。未完の名作です。
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リュウジがオリンピック日本代表に。
もちろん試合描写も良いのですが、今回は父親&監督との
言葉を交わさない交流がいい感じ。
この続きが出ないというのは本当にもったいない気がします。
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日本の若きサッカー選手が単身スペインに渡り活躍する様を描いたサッカー好きにはなかなか楽しめる内容となっています。作者様が亡くなってしまったためこの巻で最終巻になってしまうのが残念です。
Posted by ブクログ
スペインでのプロ生活にも慣れたリュウジはアテネ五輪代表に招集される。彼を選んだ監督の意図は何か?谷間の世代と言われながらも予選を突破したリュウジたちは、世界各国の代表らと熱き闘いを繰り広げていく―。大好きなサッカーをテーマに著者が魂をこめて書き続けたシリーズ、遺作とも言うべき最終巻
「龍時」シリーズの最終巻となってしまった巻です。読むごとに面白くなっていったから、完結しないままなのが残念です・・・1巻完結型だから十分読めるんですけど、龍時の成長をもっと見たかったです。ついに龍時が日本代表に!私でも知っているサッカー選手の名前がたくさん出てきました。舞台がオリンピックなので、スペインのことは全然出てきませんけどね。マリアもしかりです。監督にはすっかり騙されました!
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2010.05.10 (34) 図らずも今日南アフリカWカップの日本代表の発表があった。川口はサプライズだが良く考えると第3のGKという微妙なポジションしかサプライズ枠は無かった。予想以上にサッカーのゲームの描写が生き生きとしていて驚いた。いままで読んだサッカー小説のベスト。急逝が惜しい。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。日本、スペインと舞台を移し、今作でついにアテネ五輪代表に。展開はどうあれ、小説だという事を忘れさせるような試合描写は健在。ほんとうに続きが読みたかった。いつかこんな選手が現れることを願いたい。