野沢尚の作品一覧

「野沢尚」の「魔笛」「深紅」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 深紅

    深紅

    小説・文芸

    3.8
    1巻946円 (税込)
    父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが――。 高橋克彦氏激賞! これは奇跡的傑作である。犯罪被害者の深き闇を描く衝撃のミステリー。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • リミット

    リミット

    小説・文芸

    3.9
    1巻838円 (税込)
    連続幼児誘拐事件の闇に潜む邪悪な魔性。連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、一人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに……。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点!
  • 呼人

    呼人

    小説・文芸

    3.7
    1巻733円 (税込)
    少年は12歳にして「永遠の命」に閉じ込められた!? 僕はなぜ大人にならないのだろう。心も躰も成長を止め、純粋な子供のまま生きていくことは、果たして幸せなのだろうか。出生の秘密を自ら探る呼人が辿り着いた驚くべき真実とは。感動のラスト、権力者の理想が引き起こす現代の恐怖をリアルに描いた傑作長編。
  • 魔笛

    魔笛

    小説・文芸

    3.8
    1巻712円 (税込)
    白昼、渋谷のスクランブル交差点で爆弾テロ! 2000個の鋼鉄球が一瞬のうちに多くの人生を奪った。新興宗教の教祖に死刑判決が下された直後だった。妻が獄中にいる複雑な事情を抱えた刑事・鳴尾良輔(なるおりょうすけ)は実行犯の照屋礼子(てるやれいこ)を突きとめるが、彼女はかつて公安が教団に送り込んだ人物だった。人間心理の深奥に迫る野沢ミステリーの白眉。
  • 破線のマリス

    破線のマリス

    小説・文芸

    3.7
    1巻680円 (税込)
    首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった! 事故か、他殺か、一本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。
  • 砦なき者

    砦なき者

    小説・文芸

    3.8
    1巻649円 (税込)
    報道番組『ナイン・トゥ・テン』に売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。恋人を番組に殺されたと訴える青年・八尋樹一郎(やひろきいちろう)の姿は、ライバル局の視聴率を跳ね上げた。メディアが生んだ一人のカリスマ。その邪悪な正体に気づいたのは、砦を追われたテレビマンたちだった。『破線のマリス』を超える衝撃!
  • ひたひたと

    ひたひたと

    小説・文芸

    4.1
    1巻628円 (税込)
    かみしめるように読みたい著者最後の作品集。十二の深い傷跡を全身に刻んだ女のこと。少年に悪戯(いたずら)され暗転した小四の夏のこと。五角形の部屋で互いの胸の奥に封じ込めていた秘密を明かしたとき、辿り着くのは――急逝を惜しまれた著者最後の作品集。まさに着手寸前だった長編『群生(ぐんじょう)』のプロット200枚も収録! 野沢ミステリーが目指した高みが迫る。
  • ラストソング

    ラストソング

    小説・文芸

    3.4
    1巻628円 (税込)
    光あるうちに、ゆけ! 野沢尚の傑作青春小説 博多のライブハウスで宿命的に3人は出会った。地元のスター修吉(シュウ)に挑みかかった一矢のギター。ロックが大嫌いだった倫子(リコ)はリーダー修吉の彼女になり、夢を追い上京した彼らを支える……。持てる才能だけを信じ、一度きりの日々を懸命に疾走する者たち。『破線のマリス』以前に野沢尚が書いた青春小説の傑作。
  • 龍時(リュウジ)01─02

    龍時(リュウジ)

    小説・文芸

    4.2
    1~3巻621~641円 (税込)
    こわれた家族、さえない学校。体内に滾るのはサッカーへの情熱だけ。それさえも、この国では行き詰ってしまうのか。2001年、スペインU─17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジは、世界の壁を痛感し、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、国籍のハードル、友情や淡い恋など、ビルドゥングスロマンの味わいを発揮しながら、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを再現。本邦初の本格サッカー小説、待望の文庫化。
  • 野沢尚のミステリードラマは眠らない

    野沢尚のミステリードラマは眠らない

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻521円 (税込)
    今、解き明かされる野沢流ミステリーの真相と深層。少年時代から江戸川乱歩やエラリー・クイーンを読んでいた著者は、高校時代にシナリオに目覚めた。その後、傑出した脚本家として、ミステリードラマ史上に燦然と輝く名作『眠れる森』『氷の世界』『リミット』などを世に問う。犯人は誰か、毎回盛り上がる視聴者とネット世論。最終回で明かされた驚愕の真相――それらはどんな発想で生まれたのか。著者のプロットの端緒からシナリオが完成するまでのプロセスと合わせ、著者の発想を公開したドラマ脚本論。

ユーザーレビュー

  • 深紅

    Posted by ブクログ

    単行本で450ページ近くありますが、すらすら読み終わりました。傑作だと思う。被害者と加害者の娘が接点を持ち、そこからの展開と、被害者の娘の心理描写がすごいなと思った。これぞ小説だと思った。

    0
    2026年08月26日
  • 野沢尚のミステリードラマは眠らない

    ネタバレ 購入済み

    野沢尚のミステリードラマ指南書

    若い方はあまり知らないであろう、江戸川乱歩賞作家で、売れっ子脚本家だった野沢尚氏。今でも名探偵コナンの劇場版6作目『ベイカー街の亡霊』を思い出します。出世作『眠れる森』の創作プロセスが載せられており、貴重な資料です。特別掲載されている『ネット・バイオレンス』は大阪が出てくるドラマなのですが、寝屋川の河原を歩いている描写に、大阪人なのでツッコまざるをえません。作品の舞台となる場所を詳細に調べて書かれるタイプの脚本家であるとお見受けします。ご冥福をお祈りいたします。

    #タメになる #切ない

    0
    2026年06月07日
  • 深紅

    Posted by ブクログ

    第22回吉川英治文学新人賞  江戸川乱歩賞の「破線のマリス」は面白かった。この「深紅」は衝撃的な出だしで事件の残虐性が際立った作品だ。目次は第一章から第五章まである。

    第一章
    事件が起きたとき修学旅行で信州の高原にいた小学校六年生の秋葉奏子(かなこ)の話。

    旧友たちとふざけながら寝る用意をしていた時、緊張した気配で担任が部屋に入ってきて、すぐ自宅に帰れと言った。よくない予感がしたが、付き添われて高速道路を使って帰ってきた。行き先が監察医務院だと言う。不安は的中して、霊安室で両親と二人の弟に対面した。頭があるところがへこみ白布の上からでもいびつな形をしていた。家族思いで仕事も順調に成長し、新しい家も買った優しい父。ハミングしながら台所で働いていた母、可愛い年子の弟たち。呆然としている間に父方の叔母がきて、滞りなく葬儀が終わった。一人生き残った奏子に事件の話はひた隠しにされたが、テレビや週刊誌で自然に目に入ってきた。頭を金槌で殴られて倒れていた両親、可愛い幼い弟たち、床に広がった深紅、どんなに痛く苦しかっただろう。世間は一家に同情して、生き残った奏子に優しかった。事件現場で茫然自失の様子で座り込んでいた犯人はその場で逮捕された。
    世間は、人でなしの犯人だ死刑にしろ。という。

    第二章
    犯人都築則夫の上申書が一回目の公判前に裁判長に提出された。

    則夫は家庭が崩壊した農家の生まれで、高校卒業後教材会社に就職、関東以北の土地を営業で回っていた。知り合った学校職員の千代子と結婚し娘・未歩が生まれた。その頃は営業一課の係長になっていた、幸せだった。

    その頃、秋葉由紀彦と知り合った。由紀彦の会社から機器を仕入れ、自社製品とセットにして売った。その利益の1%を秋葉の会社の口座に振り込んでいた。秋葉は取引先の要人という立場をとり目上の付き合いだった。

    秋葉の実家は開業医だったが、本人には能力がなくその劣等感をバネにしてきたが、もちろん都築に否といえることではなかった。

    その頃体が弱かった妻が死んで保険金が入った。8千万という金は今まで家を買い未歩の学資にと切り詰めてきた夫婦の気持ちがただ無念だった。
    世話になった秋葉は葬式の時にそっと涙をためて妻を見送ってくれた。それにほだされて、秋葉の父が予備校を開設するという、その資金の保証人を引き受けた。秋葉と連帯保証人ということだったが蓋を開けると秋葉の名前が無く、全て自分の借金になっていた。

    取立て屋が来る頃は一千万円が二千五百万に膨れ上がっていた。それを貯金から返済した。秋葉はのらりくらりと言葉を濁し、ついに詐欺だったことがわかったのだが、秋葉の会社に依存して業績を伸ばした手前、会社の命運もかかっていた。

    バックマージンを2%に上げて分割で返していくと秋葉は言った。謹厳実直な性格はそれを許すことが出来ず、犯行に及んでしまった。
    夫婦を殺したことは覚えているが子供のことはショック状態で何も覚えていないと言う。心神耗弱か喪失常態か、裁判は子供殺しの点で紛糾した。上申書が公表されると、世間の風向きが変わってきた、だが一審の判決は死刑だった。
    都築は控訴した。死刑は覚悟している罪は認めて償うといっていたが。


    第三章から最終章まで
    怒涛のようなショッキングな進行で読み進んだ後、ここからは8年後。奏子も未歩も二十歳を前にしている。
    奏子が雑誌のルポを読んだ、以前取材に来た記者椎名の名前入りの記事だった。そこに犯人の娘のその後が書いてあった。

    奏子は同じ年に生まれたその娘に会いたいと思う。立場は違っても辛い生き方は同じだろう、しかし自分は未歩の父のために取り返しの出来ない人生を歩む破目になっている。何とか未歩に会って自分の立場を知らせたい、娘に対して出来るなら復讐をしたい。

    記者から無理に聞きだした未歩のアルバイト先に訪ねていき名前を隠して近づいていく。

    ここで、両家族(残された娘たち)の邂逅になるのだが、ここからもう少し突っ込んでほしかった。
    作者が書きたかったところもこのあたりにあると思うが。

    読んでいて心理的に視覚的にぞっとするほどの恐ろしい感じがある。残された子供たち、世間の感心の深さ、マスコミの執拗さなど息が抜けない。

    その上、都築の控訴の根拠が読者に迷路を歩ませる。

    三章から子供たちの話に移ると、日常生活の描写が幾分ゆるく感じられる。一、二章の流れで、読者の意識下に残虐なシーンが残っていてこそ、奏子に感情移入が出来るが、立場を変えると未歩の過去も悲惨である。
    両者の眼で書かれたこういう結末を迎える事件は、まれなのではないだろうか。

    どう生きて来たか、これからどう生きるか、友人になった二人が生身でぶつかったとき、話の幕が閉じる。



    あとがきは、吉川英治賞の選考委員の高橋克彦が書いている。二章までの怒涛の展開、緊張感、重いテーマに絡ませる子供たちの立場、犯人の立場。稀に見る凄惨な現場を作り出した作品を群を抜く作品として自信を持って受賞作と認め、奇跡的傑作だと激賞したそうだ。

    0
    2026年02月13日
  • 深紅

    Posted by ブクログ

    尻すぼみ感は否めなかったが、前半の描写は凄まじく、これまで読んだ本のなかでもトップレベルに情景が浮かんだ。第二章は引き込まれた。

    0
    2025年11月28日
  • 龍時(リュウジ)01─02

    Posted by ブクログ

    今なら若いうちから海外にというのは聞かない話ではない。けれど今から20年前に同じことをと考えると先を走っていた作品だと思う。
    主人公の思いがよく伝わってくる作品。スペイン人になろうとした主人公にぺぺの言った一言がズシンときた。国を失うということは、魂を失うということだ。様々なことが目の前に立ちはだかるが前を向き、誰も知らない土地で懸命に戦う姿がカッコいい。

    0
    2025年08月27日

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