Posted by ブクログ
2013年12月13日
みんなに「オトコオンナ」と言われ、
活発で女の子扱いをされると怒ってしまう
ミカちゃんと優しい双子のユウスケ。
そんな二人が出逢うモグラによく似た、
でも何者ともつかない動物。
おととい出逢ったから名前は「オトトイ」。
二人だけの秘密の場所でひっそりと
子供の時間を共に過ごすオトトイ。
悲しい涙...続きを読むを流した後にはなぜか大きくなるオトトイと
吸い込まれるように不思議と消えている悲しみの感情。
毎日の中で起きるうれしいこと、楽しいこと、悲しいこと。
たくさんの感情を越え、自分でも知らずのうちに成長して
少し遠くなり、1つから2つへと分かれていく双子たち。
オトトイは、感情がこんがらがることから逃げた
ミカちゃんの中で分離した悲しみのカタチで
ぴったりと同じ世界に寄り添っていた
ユウスケだけには共有できた世界なのかな。
子供の心理描写も感覚も絶妙なバランスで書かれていて、
懐かしさやあの頃のとまどいが読むごとに次々と蘇っては、
一緒にわくわくしたり、悲しんだり。
あの頃のあの気持ちはそういうことだったのかと気づいたり。
過去の自分に教えられ、明日を迎える喜びで
心がわくわくしてくる。私も元気に「おーい!」と
未来の自分にエールを送り続けたい。