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Posted by ブクログ
震災を経て人々が抱える空洞。
遅延した電車のなかで、飲み仲間たちとのたわいのない会話。
同級生同士の夫婦は、別居しつつ排卵日に合わせて会う生活を送っていることへの違和感と、バイの綾瀬。
連れ子同士での再婚家族。
母が亡くなって、遺骨を自らの手で粉砕したいと願う父と、戸惑う息子と娘たちの葛藤。
子宮筋腫で手術を迫られている妻と、壊れたユメモ。子宮は諦めて下さい。好きです。
東日本大震災と阪神淡路大震災。
直接の被害を受けたわけではないけれど、その影響は少なからず、みんなの心に何かしらの靄がかかる。
著者の性格なのか、だいたいの本で登場人物の男性の性格が穏やかで非常に優しいよね。
母を砕く日からのあなたの空洞で、なんか泣きたくなった。泣かなかったけど。
失うことを受け止めてちょっと忘れることを繰り返すのが人生なのかもしれない。
切なっ)^o^(
Posted by ブクログ
東北大震災。あの後私たち日本人の中で何かが変わった。実際に被災はしていなくても。たとえ揺れを感じなかったとしても。
そして少なくとも私にとって、その変わった「何か」はとても言葉にしづらいものだった。
この本はその「何か」を形にしようとした作品群なのだと感じる。
説明が極力省かれた文なので状況把握に時間がかかる作品だ(作者自身の特徴なのかわからないけど)。でもそのわかりづらさや描かれているものへの距離がタイトルに出てくる「空洞」に繋がるようなさみしさや虚無感も感じさせる。
個人的には収録作はどれも決して面白い作品とは言い難かったけど、印象的な文章がいくつもあった。並べてみると震災に関する表現が多いのはやはり言葉を生業にする作者が震災に向き合った結果のメッセージなのかなと思う。以下引用。
''忘れたらいかんっていうのと、いっつも思い出してないかんいうのは、なんか俺の中では違うことやけどな。今日くらい、別の話題でええと思うわ。''
''ニュージーランドに行く前の日本とどこか変わっちゃってーー悪く変わったってわけじゃないよ。でもやっぱりどこか変わっちゃってて、変な感じ。実家にあった自分の部屋みたいなの。''
''全員が同じように揺れたわけじゃない。(中略)気象庁の発表とはまったく別の震度が僕たちにはあって、曖昧だったものがくっきりとしてきたのだ。''
''タイミングを失った言葉は、絶対にもとと同じというわけにはいかない。火を通しすぎた卵と同じで、まったく同じ材料のものでも、まるで違う料理になってしまう。''
''忘れるわけではない。忘れようとしたって忘れられない。けれど、なかったということも覚えておかなくてはならない。そこからだってちゃんと悲しみは来るのだから。堂々と覚えておかなくてはならない。''
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