あらすじ
小学生の生活って大変だよ。ぼくはユウスケ、六年生。双子のミカは喧嘩じゃ無敵のオトコオンナだ。女はイヤ、男になりたい! 生理とかおっぱいとか、全部イヤや──と言ってる。母さんが家を出た。友達がぼくの悪口を言ってた。父さんは女友達がいるみたい。こっそり飼っていた「オトトイ」が消えた。友達のコウジはなんとミカが好きらしい……でも父さんは言う。子供には幸せになる権利があるんや。だからきっとぼくらは大丈夫。第49回小学館児童出版文化賞受賞作。
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Posted by ブクログ
みんなに「オトコオンナ」と言われ、
活発で女の子扱いをされると怒ってしまう
ミカちゃんと優しい双子のユウスケ。
そんな二人が出逢うモグラによく似た、
でも何者ともつかない動物。
おととい出逢ったから名前は「オトトイ」。
二人だけの秘密の場所でひっそりと
子供の時間を共に過ごすオトトイ。
悲しい涙を流した後にはなぜか大きくなるオトトイと
吸い込まれるように不思議と消えている悲しみの感情。
毎日の中で起きるうれしいこと、楽しいこと、悲しいこと。
たくさんの感情を越え、自分でも知らずのうちに成長して
少し遠くなり、1つから2つへと分かれていく双子たち。
オトトイは、感情がこんがらがることから逃げた
ミカちゃんの中で分離した悲しみのカタチで
ぴったりと同じ世界に寄り添っていた
ユウスケだけには共有できた世界なのかな。
子供の心理描写も感覚も絶妙なバランスで書かれていて、
懐かしさやあの頃のとまどいが読むごとに次々と蘇っては、
一緒にわくわくしたり、悲しんだり。
あの頃のあの気持ちはそういうことだったのかと気づいたり。
過去の自分に教えられ、明日を迎える喜びで
心がわくわくしてくる。私も元気に「おーい!」と
未来の自分にエールを送り続けたい。
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思春期の入口に立った子供たちの微妙な気持ちがとてもキュートに描かれています。本作品には心が暖かになる癒しがあるようです。児童文学なのですが、大人が読んでも、ちょっと疲れたときには、元気を取り戻すにはよいでしょう。ああ、癒されちゃう!
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中1くらいのときに読んだ本です。この本で本格的に小説にハマりました。章の綴り方も、ストーリーもすべて面白かったので、すごく衝撃的でした。関西弁は慣れない人には、気持ち悪く感じるかもしれないけど、私にはむしろ心地よかったです。こういう青春小説書ける人ってすごいな。普通に尊敬します。続編もあるので、そちらもお勧め。
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何年か前に一気読みした本。
詳しい内容は忘れたけど、未だにイメージ、雰囲気は残っている。
いきいき!すごくおもしろかった。ミカ×ミカ!もすぐ読んだ。
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伊藤たかみのミカ!を読みました。主人公のユウスケが双子の妹のミカといっしょに成長していくという物語でした。ユウスケとミカはいま小学6年生で、ミカはオトコオンナと呼ばれているくらいわんぱくな女の子なのに、ユウスケはゲーム好きのおとなしい男の子です。思春期の入り口で両親の離婚に遭遇してしまいながらも二人は明るく生活していくのでした。ミカが魅力的でユウスケとの掛け合いが面白く、オトトイと名づけられたきみの悪い生物もいい味を出しています。続編が出ているようなので、続けて読んでみたいと思います。
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オトトイは結局何だったのだろう?
ミカ×ミカを先に知ったので、小学生の話だと思わなかった。あとがきにも書いてあるけれど、大人が読んでも充分おもしろい。
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前に読んだ時はもっとワクワク感があったような気がするが今回はなんとなく冷静。ア行から読み直そうなどという魂胆がよろしくないのか?ユウスケの語りで話は進むが、ミカの気持ちがよくわかる。ユウスケが文句を言いつつもミカを大事にしているところも。
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【本の内容】
活発で男まさりのミカ。
スカートなんてイヤ!
おっぱいなんていらない!
思春期の入口にたつ不安定なミカを、双子のユウスケがそばで見まもる。
両親の別居、姉の家出、こっそり飼っていた「オトトイ」の死…。
流した涙の数だけ幸せな未来が待っている。
第49回小学館児童出版文化賞受賞作。
[ 目次 ]
[ POP ]
まばゆいばかりの瞬間瞬間をぎゅっと閉じ込めた、本当に宝物のような一冊だ。
子供の頃のことを思い出すとき、人は少なからず甘酸っぱさを混ぜ込んでしまうもの。
嫌なことや辛いこともあったはずだけど、不思議にいい思い出があふれてくる。
本書は、輝いていた「あの頃」を思い出すときの、甘酸っぱさと切なさをたっぷりと疑似体験できる傑作である。
一応、児童小説という形を取っている(単行本は理論社から発売)が、大人が読んでこそのお楽しみがたっぷり詰め込まれているからご安心を。
というより、優れた児童文学は、すべからく万人をとりこにする力を持っている。
ミカもユウスケもコウジも生活委員の安藤も、そして謎の生物体(?)オトトイも、登場するすべてのキャラクターがいとおしい。
今はやりの「純愛」には斜に構えてしまう僕も、子供たちの「小さな恋」にはものすごく弱いのだった。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
小学生高学年でオトコオンナのミカと
双子の兄ユウスケ。
男の事して生まれたかったミカは暴れん坊で
すぐ男の事ケンカしちゃいます。
んで、胸が膨らんでくるとか、
男の子がそれで手加減し始めるとかが余計嫌で、
密かに泣いてます。
オトトイの側で。
ユウスケは頭がすこぶる良いわけでも、
運動能力に秀でてるわけでもないけど、
妹の心配もしつつ、
いろいろ悩みがあり子供心を痛めたりしてます。
心の優しい子だよね。
こいつ。
で、ミカにオトトイを紹介されます・・・
ん、悲壮感は少ないけど
ちょっとだけ複雑な家庭事情もありところどころ
うるっときますね 。
オトトイって結局なんだったんだ?
気になって仕方ないぞ。
続編で出てくるの??
植え込みの裏に隠れて通りを覗いてる感じとかは
よくわかる。
ガキの頃同じようなことよくしてたし。
なんで、どことなく共感を覚えるよこの子たちには。
「火をきれいだって思った猿が
人間になったんじゃないかって僕は思ってる――」
こんな考えができるユウスケと友達になりたいw
ミカ×ミカって続編があるので今度借ります。
Posted by ブクログ
「児童書」なのに、何でこんなにドキドキするんだろう。「オトコオンナ」のミカと、双子のユウスケ。私も幼いときは、オトコになりたかった口なんで、気持ちが分かる。ユウスケみたいな理解者がいれば、もっと素直な青春を送れたかもなぁ、なんてね。
Posted by ブクログ
第49回小学館児童出版文化賞受賞作
伊藤たかみさんの長編小説初めて読みましたがなかなかおもしろかった。
オトコオンナなミカ、と、二卵性双生児のユウスケ。涙をかけられるとむにゅむにゅ成長する謎の生き物オトトイ
おっぱいなんていらない男勝りなミカとユウスケの成長物語
Posted by ブクログ
あっという間に読み終えた~
児童文学だけど大人も楽しめる!
小学生だって大人に負けないくらいたくさん考えてる。
むしろ大人より感情的なことに思いを巡らしているんじゃないかな。
好きな作品がまた一つ増えました。
Posted by ブクログ
小学生ってこんな感じかあ、としみじみ。
オトコオンナっていましたね。その子たちも可愛かったけれど、ミカは自分が泣くとか、認めてる分だけ大人だなあと思います。
双子の兄、ユウスケくんがクールでいいです。
Posted by ブクログ
小学校6年の男女の双子、ミカとユウスケ。空手で鍛えて女になんかなりたくない男まさりのミカと、別居しているが離婚していない父、父親とケンカばかりする姉の間で、思春期のユウスケは揺れる。学校でも派手なミカに対してユウスケはパッとしない。そんなある日、ミカに連れられて団地のベランダの下に行くと、そこには謎の生き物が…。
謎の生き物の存在感が強いので、そっち系の話かと思いきやそうでもないという、思春期の男女の好き嫌いや葛藤を描いた作品である。
全体に小学6年生の視点であり、小学6年生が作文か何かで書きそうな話となっているため、わざと稚拙な文章にしているというところはあるのだろう。よく言えばズバズバと切れ味よいのだが、説明が足りていないため、序盤はかなり面食らってしまった。
内容は小学生同士の葛藤の部分、煮え切らない父親と姉の確執、実の母親との関係など、普通のドラマとしても密度の高いものになっているため、小学生には読めるのかなあとも思うが(もともと児童文学である)、案外それくらいは普通な時代なのかもしれない。
突っ走って、男子を叩きのめして、でも泣いてというミカの様子を、おとなしく冷静に、しかしうまく選択のできないユウスケが見守るスタイルで、ユウスケに感情移入できればわかりやすい内容だ。
妙に関西弁だと思ったら、枚方から樟葉と、馴染みのある地名もでてきて、キャンプと言うと吊橋のあのへんかなあなんて思いながら読んでいた。
続編もあるようで、そちらも読みたい。
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男の子のようなミカが、告白されたり生理が来ておっぱいが大きくなってだんだん男女の違いに気づきはじめて…
そんな戸惑いやモヤモヤを、双子の弟の目から描く。
酸っぱい涙を食べる?オトトイという謎の生き物が不思議。ムニュムニュ。
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伊藤たかみさんの【ぎぶそん】が好きなので作家さんの名前だけで買った本。
児童出版賞だから児童書だと思うんだけど大人が読んでも、懐かしい気持ちで読める本。
子供の頃には何も思わなかった事が大人になって児童書読んで、あ~あの時あんな気持ちだったなぁとか
素直な気持ち?で読めるんだよね。あの時読みたかったとか思う本って多いけど、その時読んでもきっと何も心に響かない物語が大人になってから響く物もあるよね。逆もあるけど・・
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主人公ユウスケは双子の妹ミカがいる。
男勝りでやんちゃんで、いつも喧嘩してるミカ。
そんな二人は小学6年生。
大人になるには早いけど、子供のままではいられないお年頃。
体が成長してくることに耐えられないミカは
さらに最近暴れ気味。
そんな二人に目まぐるしくいろいろ起きる。
両親の別居、
姉の家出、
ユウスケとミカを取り巻く淡い恋模様、
そしてオトトイと名付けた変なペット。
めまぐるしくいろいろ起きて、少しずつ子供から卒業していく。
甘酸っぱいお話でした。
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男女の双子の話。
かなり前に読んだ作品ですが、大好きでした。
子供って、舐めちゃいけないですよね。
小さい体で大人でも考えない様なことを考えつくから。
引っ張り出して久々に読みたくなりました。
Posted by ブクログ
自分が女だということが嫌で、何かと事件を起こすミカ。ちょっと大人びたユウスケの視点から語られる二人の成長の物語。
特徴的なのは、謎の生物「オトトイ」。だんだん大きくなるオトトイと、家族やクラスメートとの関係の変化がシンクロして、クライマックスが近づいてくることを予感させます。
最後までオトトイの正体は分からないままで、私は少し不気味さも感じました。だって毛むくじゃらでキウイしか食べなくて、動いてないのにいつの間にか大きくなるんですよ!なにそれ怖い。・・・でもその謎があるから、物語に深みが出ているんだと思います。
大人になった今では、描かれる小学生の生活が逆に新鮮でした。
Posted by ブクログ
【うーん】
ちょっと残念なところをあげれば、少し表現が押し付けがましい点。それと関西弁。これはどうしてこんなに苦手なんだろうか。克服したい。だけど、あの人懐っこい感じとか、距離感ゼロ(実際はそうでないのは理解してるけど)なイメージが物語を理解するのを邪魔してる気がしてしまう。ただ馴染みが無いだけだと思うが。
Posted by ブクログ
男の子と女の子の違いがはっきり出てくる頃の思春期の子どもの心情が丁寧に書かれていてサクサク読めた。双子だからわかることとかもいっぱいあるんだろうな。なんか大人になっちゃえばなんでそんなことにこだわってたんだろうとか思ってしまうような些細なことが気になってたなーって読みながら懐かしくなった。
Posted by ブクログ
女っぽいのがいやなミカちゃんと双子のユウスケくんのおはなし
小学生とか中学生のころっていちばん成長はやいというか
一番からだてきにいろいろかわってくるよね
酸っぱい涙をたべちゃうオトトイ 謎
ユウスケシスコン!でも守ってあげなきゃみたいなかんじのはかっこいいと思った
私が小学生の頃も男の子っぽい女の子いてそのこも今頃おっぱいでかくなって生理もきてんのかと思うと不思議
Posted by ブクログ
おとこおんなのミカと双子のユウスケ。
両親の離婚、姉の家出など思春期の二人が遭遇する日常。謎の生物、おとといとの別れ。子供の頃が懐かしくなり、甘酸っぱい気持ちに。
Posted by ブクログ
オトコオンナのミカ。
思春期の入口に立つ不安定なミカを、双子のユウスケがそばで見守るおはなし。
不思議な生き物「オトトイ」(キウイしか食べない)が謎ー。
Posted by ブクログ
オトコオンナのミカ、その双子であるユウスケ。
ユウスケ視点で描かれてます。
そんなにオトコオンナでもなかったです、ミカ。ちゃんと女の子でした(笑)
焼き肉を食べに行く双子と父親のシーン。
父の言葉になんだかじーんとしてしまったので、引用。
Posted by ブクログ
女になりたくないのに云々〜っていうミカの気持ち、私自身もかつて抱いたことがあるだけに親しみが。だから、男の子に好きって言われるのが嫌だって気持ちにも妙に共感できる。しょうもないことで悩んで、悶々とするのは、ヤングアダルトらしくていいじゃないか。子どもの頃、死にそうなくらい悩んだのって、何だったんだろうと大人になると思えるから不思議。文庫解説に釣られて購入。
Posted by ブクログ
【活発で男まさりのミカ。スカートなんてイヤ!おっぱいなんていらない!思春期の入口にたつ不安定なミカを、双子のユウスケがそばで見まもる。両親の別居、姉の家出、こっそり飼っていた「オトトイ」の死…。流した涙の数だけ幸せな未来が待っている】
伊藤たかみさんの作品は2冊目。
1冊目に読んだ本があっさりしすぎていたので
その後は読まないようになってしまったのですが・・
今回は予想以上に良かったです。
ミカのやりきれない切ない思いもよく分かったし、
ヨウスケの優しさにもじーんときました。
2人の成長振りを温かい気持ちで見守ることができました。