作品一覧

  • いつも鏡を見てる
    3.7
    「極端に言ったらさ、フロントガラスの向こうに日本が見えてるんだと俺は思うよ」(本文より)物語の時代は昭和、平成、令和。舞台は京都、大分、東京。オイルショック、バブルの熱狂と崩壊、聖域なき構造改革、リーマンショック、そして、新型コロナウイルス……。常に時代を乗せて、時代に翻弄されて、走り続けるタクシードライバーたちが、あるタクシー会社で交差する。彼らが背負ってきたものとは? そして運転席から見つめてきた日本とは? タクシードライバーの職務経験を持つ著者が、様々な背景を持つ多くのドライバーたちの人生を徹底取材して描く、ドラマティック・ノンフィクション!
  • 潜入ルポ 東京タクシー運転手
    3.4
    走れども稼げない、「陸上の蟹工船」 理不尽な客の要求、激減する水揚げ、増える事故。潜入ルポから見えてきたのは、「身近な足」のはずのタクシー業界が抱える闇だった!
  • 自殺──生き残りの証言
    -
    1巻600円 (税込)
    「こんなに切ったのに何で死ねないんですか……」「何で血が止まっちゃうんですか?」自分の手首を、もう少しで切断するくらい切り裂いた男性が、治療にあたった医師たちに言った言葉だ。救命救急医療センターで、自殺を図って死ねなかった未遂者たちに取材した異色のルポルタージュ。なぜ人は自殺を企てるのか、なぜその方法を選んだのか、本当に死ぬつもりだったのか、自殺する瞬間は怖いと思うのか……。自殺未遂者の肉声を基にその心理を解きあかす!

ユーザーレビュー

  • いつも鏡を見てる

    Posted by ブクログ

    タクシーのフロントガラスは世相の鏡。
    『悪い話は最初にきて、いい話は最後にならないとタクシーには回ってこない』

    1973年から2020年までオイルショック、バブル、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍。昭和平成令和と続くニッポンの世相を様々な事情でタクシー運転手になった5人が交錯し日本の生活を映し出す「断片の社会」。
    自分が生きてきた半世紀を振り返った自分史なのだ。

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    2021年03月21日
  • いつも鏡を見てる

    Posted by ブクログ

    著者はあとがきを「タクシー運転手の物語を書きたかったわけではない。」と言い切って書き始めています。しかし、ノンフィクションかフィクションかわからないままつぶやかれる登場するタクシー運転手たちのモノローグはそれぞれに極私的な人生の物語になっています。それはスコセッシの映画「タクシードライバー」のようです。それぞれが時代の流れの中で翻弄される葉っぱのようなディテールの積み重ねで語られています。ザ・ナターシャ・セブンとか阪神のペナントレース競り負けとか加賀まりこ出産とか夏目雅子死去とか…そうして日本のデ・ニーロたちの小さな思い出が日本の昭和、平成、そして令和の物語に編み上げられています。自分のタクシ

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    2021年02月14日
  • 潜入ルポ 東京タクシー運転手

    Posted by ブクログ

    実際に何社かでタクシー運転手を務めたノンフィクション作家による東京のタクシー論。実体験に基づいた意見には説得力があり、タクシー運転手の実感を理解することができた。面白く興味深い内容が多かった。
    「決められた労働時間をオーバーし、休憩もそこそこに走り回って達成した65万円という水揚げ。それでもらった給料は、税金・社会保険等を差し引く前の総額で39万1404円」p35
    「履いているのは、値段がチープなら性能も怖ろしくチープなタクシータイヤだ。グリップ力を筆頭に、直進性や排水性といった性能を犠牲にしてのコスト最優先。そんなタイヤで首都高のきついコーナーやら東名道をぶっ飛ばすなんて、とてもじゃないが

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    2018年10月24日
  • 潜入ルポ 東京タクシー運転手

    Posted by ブクログ

    身近な公共交通機関であるタクシーの運転手としての潜入ルポである。もっとも、著者は学生時代にタクシー運転手のアルバイトをしたことがあり、ズブの素人とは少しばかりわけが異なるようだが、運転手でなければ分からないことや、ライターならではの法令・統計の理解に基づく解説がうまく噛み合っており、面白かった。
    もっとも、乗せたお客の変わったエピソードや運転手の役得・悲哀ばかりを期待すると期待はずれになる。冒頭から3割くらいは、この手の話も多く語られるが、タクシー運転手になるための苦労、運転手の収入、あるいは、規制緩和がタクシー業界にもたらした競争激化など規制と経済の話も多く語られる。著者が運転手の収入面やタ

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    2016年01月06日
  • 潜入ルポ 東京タクシー運転手

    Posted by ブクログ

    ノンフィクションライターが東京のタクシー運転手に就職。運転手の悲喜こもごもとタクシー業界の内幕を描いた潜入ルポ。

    タクシー運転手になりたい人には必見の貴重な情報満載。運転手になるための「地理試験」なるものから、日常の売上、会社に納めるべき運転手負担などなど。・・・あまりにニッチすぎる情報か?

    それはともかく、現在のタクシー業界のことだ。不況により乗車数は減少しているのに、規制緩和によってタクシー業界に参入する企業は増加。その結果、タクシー数は増えるが、空車ばかり。客の利便性よりも運転手の雇用維持を考えれば、規制による「減車」はやはり必要だろう。減反をした農家に補助金を与えるようなことをタク

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    2015年04月12日

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