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1985年のクラッシュ・ギャルズ
1985年8月28日、大阪城ホール。全日本女子プロレス興行。会場は10代の少女で埋め尽くされた。彼女たちの祈るような瞳がリングに注がれる。クラッシュ・ギャルズは私たちの苦しみを背負って闘っている、クラッシュ・ギャルズのようにもっと強く、もっと自由になりたい――。長与千種とライオネス飛鳥、そして二人に熱狂した少女たちの「あのとき」と「あれから」。25年間の真実の物語を描きます。『1976年のアントニオ猪木』に続き、プロレスをテーマに選んだ著者入魂の一作。 -
永遠と横道世之介
横道世之介39歳、この一年もきっと愛しい 『国宝』をはじめ、数々の名作を世に送り出してきた著者による、もう一つの代表作「横道世之介」シリーズの三作目。 39歳になった横道世之介は、カメラマンとして生計を立てている。 世之介が暮らす「ドーミー吉祥寺の南」には、元芸者の祖母が始めた下宿を切り盛りするあけみちゃん、最古参の住人である元芸人の営業マン・礼二さん、書店員の大福さんに、大学生の谷尻くんが暮らしている。ゆるやかで、ありふれた毎日の中に突如現れたのが、世之介の知り合いのベテラン教師・ムーさんの引きこもりの息子、一歩。 個性豊かな住人たちと騒がしく暮らす日々には、見逃してしまいそうなほどに何気ないきらめきが満ちている。季節は少しずつ移り、世之介は最愛の人を思い出す。 カメラマンになっても、39歳になっても、世之介は、やっぱり世之介だ。 誰の人生にもあたたかな光を灯す、永遠の傑作。 (本書からお読みいただいてもお楽しみいただけます。) 単行本 2023年5月 毎日新聞出版刊 文庫版 2026年6月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
90メートル
山時聡真・菅野美穂主演 映画『90メートル』(2026年3月27日[金]公開)ノベライズ。 山時聡真(『君たちはどう生きるか』)×菅野美穂(『ディア・ファミリー』)W主演! 『か「」く「」し「」ご「」と「』新進気鋭の監督・中川駿、初のオリジナル脚本を映画化。 〈物語〉 小学生の頃からバスケットボール一筋だった佑(たすく)。高校2年のとき、母・美咲が難病を患ったことで、母子家庭で育った佑はバスケを辞め、美咲の世話を優先せざるを得なくなる。 ヘルパーの支援はあるものの24時間体制ではないため、佑が美咲のケアをしながら家事をこなす日々を送っていた。 高校3年生になった今、東京の大学に進学したい気持ちはあるが、美咲を一人にするわけにはいかず、常に手元にある呼び出しチャイムの音が、佑の心に重くのしかかる。その看病が一生続くかのように、自分の夢や希望はすべて諦めかけていたある日、担任の先生から自己推薦での受験を勧められる――。 人生の岐路に立つ高校生の息子と、難病を抱えながら我が子の希望ある明日を願うシングルマザー。 複雑な想いを抱える親子の絆と揺るぎない愛を綴った感涙物語。 -
川あかり
藩で一番の臆病者が暗殺を命じられ…… 「何度、泣いたことか。何度、笑ったことか。 生活に疲れた時、ふと気づくとこの本を手に取っている」──島内景二 豪雨で川止めとなった巨勢川の土手に呆然と佇む若侍。 藩で一番の臆病者・伊東七十郎が命じられたのは家老の暗殺。 雨が止み、川明けになれば、勝ち目のない決闘に挑む運命にある七十郎は、 怪しげな宿で、いわくありげな同宿者たちに出会う。 個性の強すぎる面々に戸惑いながらも、やがてそれはかけがえのない日々となるのだった──。 「おじいちゃんがよく言うのです。 日が落ちてあたりが暗くなっても、川面だけが白く輝いているのを見ると、元気になれる。 なんにもいいことがなくっても、ひとの心には光が残っていると思えるからって」(本文より) 人の心を震わせる名手による珠玉の一冊。 単行本 2011年1月 双葉社刊 文庫版 2014年2月 双葉文庫刊 文庫版 2025年7月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
戴天
天に臆せず胸を張って生きる男たちを描く 唐・玄宗皇帝の時代。絶対的権力者に抗おうとする若者と、人に人らしからぬ生き方を強いる体制を糺そうとする若僧の、心熱き戦い。 時は玄宗皇帝下の唐、陽物を欠いた名家の貴公子・崔子龍(さいしりゅう)は、辺境民族の征伐に赴く唐軍に従軍し、宦官・辺令誠(へんれいせい)の策略にはまる。心酔する上官・高仙芝(こうせんし)を陥れた辺への復讐を誓う崔の前に現れた僧侶・真智(しんち)。権力闘争に翻弄される男達と、虐げられても強かに生きる女達が安史の乱を機に躍動する歴史大河小説。解説・瀧井朝世 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
金子みすゞと詩の王国
「人間・金子みすゞ」の真の姿に迫る 新しいみすゞ像と名詩60作を徹底解説! 金子みすゞの詩というと、優しくて可愛らしい作風を連想します。しかし残された五百余編は幅広いテーマを含み、意欲的に創作されたものです。一人で生まれ、一人で死んでいく人間の根源的な孤独、子ども心のあどけなさと寂しさ、小さな命の愛しさ、宇宙の成り立ち、さらに童謡詩の範疇(はんちゅう)を超えて、女性の生き方にも筆を広げています。これらの詩は、みすゞの人生の哀歓とも関わっているのです。 金子みすゞの希望と挫折の生涯、大正デモクラシーの理想から生まれた童謡詩の盛衰をたどりながら、珠玉の名詩60編を文学の視点から読解する新しいみすゞ論。NHK「100分de名著 金子みすゞ詩集」で指南役を務めた著者が、番組テキストに大幅に加筆。図版写真97点、実弟の日記を収載の決定版。心に響く暖かな言葉の王国へいざなう。 ◆金子みすゞ(かねこ・みすず) 詩人。本名テル。1903(明治36)年、山口県生まれ。下関の書店員だった20歳で詩作を始め、雑誌「童話」「赤い鳥」に投稿。詩人の西條八十に絶賛されるも、生前に詩集はなく、1930(昭和5)年に自死。代表作「私と小鳥と鈴と」「大漁」「蜂と神さま」「こだまでしょうか」。 ◆松本侑子(まつもと・ゆうこ) 作家・翻訳家。『巨食症の明けない夜明け』すばる文学賞。『恋の蛍 山崎富栄と太宰治』新田次郎文学賞。訳書に日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)。著書に、金子みすゞの弟で脚本家の上山雅輔(かみやまがすけ)の日記から判明した新事実に基づいた伝記小説『みすゞと雅輔』。 -
ラーゲリより愛を込めて
二宮和也主演映画『ラーゲリより愛を込めて』(2022年12月9日公開)、究極の愛を描く感動巨編映画、その見どころを余すところなく伝えるノベライズ版。 原作は講談社ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞した『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(辺見じゅん・著)。 第二次世界大戦で劣悪な環境のシベリア強制収容所に、捕虜として抑留された山本幡男一等兵。 妻やまだ幼い4人の子供とは離れ離れになったまま、消息もつかめない。 栄養失調や過酷な労働作業で命を落とす者、自ら命を断つ者が出るなか、 常に帰国する日を待ち、人間としての尊厳、生きる希望を持ち続けた山本。 絶望の状況において、収容所のひとすじの希望の光でありつづけた山本幡男を二宮和也が、 夫の帰国を心から信じ11年間待ちつづけた妻モジミを北川景子が演じる。 メガホンをとるのは『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64―ロクヨン― 前編/後編』の 瀬々敬久監督、脚本は『永遠の0』『糸』の林民夫。 涙なくしては読み進めることができない、驚きと感動で心が震わされる、究極の愛の実話。 -
伏見工業伝説 泣き虫先生と不良生徒の絆
「スクール☆ウォーズ」の舞台となった伝説の伏見工業ラグビー部。泣き虫先生と不良生徒たちが起こした奇跡と絆の物語。 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
まるごと 腐女子のつづ井さん
web発、シリーズ累計50万部突破! すべての「凝り性」の人、必読の大人気コミックエッセイ、待望の文庫化。 「腐女子」とはボーイズラブを好むオタク女子を指す言葉。そんな「腐女子」を自認する女子大生つづ井さんと、愉快な仲間たちの、楽しさの限界突破の日常をつづった“絵日記”ともいえる「つづ井さん」シリーズは、趣味を全力で楽しむ姿が共感を呼び、ツイッターのフォロワー数も29万7000人と、熱い支持を集めています。 電車内で見かけた腐女子に共感したり、BLと幽霊体験のせめぎあいを経験したり、「彼氏がいそうなクリスマス選手権」を開催したり……。 オタク、腐女子といった“属性”に限らず、なにかにハマったことがある人、いわゆる「推し」がいる人、そして友達の存在に救われたことがある人――「凝り性」である自分を楽しめる、そしてそんな人たちの楽しそうな姿を見たい、そんな人にピッタリの一冊。 文庫版まえがき・あとがきも描きおろし。「腐女子のつづ井さん」シリーズを一冊で読める決定版の登場です。 -
夫・車谷長吉
この世のみちづれとなった、詩人と小説家。 起伏に富んだ夫婦の日々を描いて講談社エッセイ賞を受賞した名随想。 「もし、こんな男でよければ、どうかこの世のみちづれにして下され。」 四十八歳の風変わりな私小説作家の求愛を受け入れた四十九歳の詩人。 強迫神経症、「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞受賞、訴訟、カブトムシ愛、四国遍路、二人での句会、そして不意の死別。 起伏に富んだ夫婦の日々を至純の筆致で描き、高い評価を得た回想記。 文庫版特典として、著者の講演「詩と小説の間――夫・車谷長吉とともに」を収録。 解説・角田光代 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語
第43回大宅壮一ノンフィクション賞(2012年)受賞作。 ベストセラー『つなみ 被災地のこども80人の作文集』を企画取材したジャーナリストが描く、7つの家族の喪失と再生の物語。平成最大の災害を、子どもたちは「書くこと」でどう乗り越えたのか?「あれから八年間の日々に」を大幅増補。 解説・細谷亮太 「あの震災後、熊本地震や北海道胆振東部地震、北関東や西日本での豪雨災害など未曾有の災害が頻発し、日本中で自然災害で厳しい体験をする人が増えている。被害後をどのように生き、どのように克服していくかは、先人の声に耳を傾けるのがふさわしい。作文を書いてくれた子たちも、取材に応じてくれた家族たちも、おそらくは心のどこかでそんな思いをもっていたことだろうと思う」 (「あとがき」より)。 -
孫と私のケッタイな年賀状
親しい知人だけに送った“伝説の年賀状”全記録。 真面目くさった挨拶を年賀状に書くのは億劫だ。文言代わりに私らしい写真を送れば楽でいい――そう思った結果、書くよりも何倍もメンドくさいことに! 孫・桃子相手の扮装写真は、その成長と共にトトロ、幼稚園児、コギャル、泥棒、生首となぜか過激になるばかり。やがて反抗期を迎えた孫の運命は……。 解説・阿川佐和子氏「佐藤家の孫に生まれたかった!」 汗と涙の20年を振り返る、母娘三代の座談会付き。 娘・響子 「桃子、この二十年間の記録を今、客観的に振り返ってみてどうなの?」 孫・桃子 「これを客観的には見られないよ」 娘・響子 「あんたトラウマになってるの? ひょっとして(笑)」 孫・桃子 「これに関する記憶があんまりない(笑)」 祖母・愛子「だから、いま見てどう思うのよ!」 (本文「年賀状 鼎談講評」より) -
原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年
広島平和記念公園の片隅に、土饅頭と呼ばれる原爆供養塔がある。かつて、いつも黒い服を着て清掃する「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる佐伯敏子の姿があった。なぜ、佐伯は供養塔の守り人となったのか。また、供養塔にまつられている被爆者の遺骨は名前や住所が判明していながら、なぜ無縁仏なのか。「知ってしまった人間として、知らんふりはできんのよ」佐伯敏子の言葉を胸に取材を丹念に重ねるうちに、埋もれていた重大な新事実が判明していく──。引き取り手なき遺骨の謎を追う、もう一つのヒロシマの物語。 第47回(2016年)大宅壮一ノンフィクション賞、第15回早稲田ジャーナリズム大賞受賞作がついに文庫化! 解説・平松洋子 -
盲導犬クイールの一生
「人間らしい歩き方を思い出させてくれた」との言葉を残して、パートナー(使用者)はこの世を去った。盲導犬クイールの生まれた瞬間から、暖かい夫婦のもと息をひきとるまでをモノクロームの優しい写真と文章で綴る。映画化、ドラマ化もされた感動の記録。文庫新装版の秋元良平氏の「出版から十五年過ぎて」も収録。 -
あかんやつら 東映京都撮影所血風録
ヤクザとチャンバラ。熱き映画馬鹿たちの群像―― 型破りな錦之介の時代劇から、警察もヤクザも巻き込んだ「仁義なき戦い」撮影まで。 東映の伝説秘話を徹底取材したノンフィクション。 東映京都撮影所。『旗本退屈男』『仁義なき戦い』など名作誕生の場所には 破天荒な映画人たちの歴史がある。 破格のスター・中村錦之助、鬼と呼ばれた製作者・岡田茂、 「緋牡丹博徒」藤純子の心意気、照明。殺陣師ら裏方の職人たち――。 エロとヤクザとチャンバラと。熱き映画馬鹿たちを活写した決定版ノンフィクション。 解説・水道橋博士 【登場する主な作品】 「赤穂浪士」 「大菩薩峠」 「日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声」 「旗本退屈男」 「酔いどれ無双剣」 「幕末残酷物語」 「十三人の刺客」 「大殺陣」 「十兵衛暗殺剣」 「忍者狩り」 「宮本武蔵」 「緋牡丹博徒」 「仁義なき戦い」 「やくざの墓場 くちなしの花」 「北陸代理戦争」 「山口組三代目」 「柳生一族の陰謀」 「魔界転生」 「蒲田行進曲」 「鬼龍院花子の生涯」 -
暁の珊瑚海
井上成美が統率した日米、世紀の海空戦! 史上初めての空母対空母の決戦「珊瑚海海戦」の5日間の攻防。人間井上の戦略観を基底に日米文明の対決を描く。錯誤の海戦の全貌とは -
洞爺丸はなぜ沈んだか
昭和二十九年の青函連絡船洞爺丸沈没事故。タイタニックに匹敵する多くの犠牲者を出したこの事故の全貌を、時間の経過を追って克明に再現し、事故の真因にせまる。 -
空白の天気図
昭和20年9月17日。敗戦直後に日本を襲った枕崎台風は、死者不明者3000人超の被害をもたらしたが、そのうち2000人強は広島県だった――。なぜ、広島で被害が膨らんだのか。原爆によって通信も組織も壊滅した状況下、自らも放射線障害に苦しみながら、観測と調査を続けた広島気象台台員たちの闘いを描いた傑作ノンフィクション。「(自分の著作の中で)自分自身で一番好きな作品はどれかと尋ねられれば、迷うことなく『空白の天気図』を挙げるだろう」(柳田邦男) -
アンネの日記 増補新訂版
「アンネは、死んでも私たちの心の中に生き続けているのです。そして、世界の歴史を変える存在になりました」(池上彰『世界を変えた10冊の本』より) ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの“隠れ家”。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。戦後、残された父オットー・フランクにより編集・公表されたこの「アンネの日記」は各言語に翻訳され、2009年にはユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。わが国も同様で、1952年に「光ほのかに」のタイトルで文藝春秋より刊行されて以来、綿々と読み継がれています。 実は、アンネの綴った日記は二種類あります。アンネが自分のためだけに書いたものと、後の公開を期して清書したもの。そのふたつを編集し直した〈完全版〉をもとに、さらに1998年に発見された5ページ分を加えたのが本書〈増補新訂版〉です。尋常ではない環境の中で、13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しく蘇り、私たちの胸を打ちます。平和を愛し、誰かを愛するすべての人に改めて贈る、永遠不滅の一冊です。 -
敗戦日記(新装版)
“最後の文士”高見順が、第二次大戦初期から死の直前まで、秘かに書き続けた精緻な日記は、昭和史の一級資料たるのみならず、日記文学の最高峰の一つとなった。ここに収録されたのは昭和20年1月から12月までの記録で、自己をも押し流しながら破局へと突き進む空襲下の8月までと、すべて価値観が変わってしまった、連合軍の占領下にある年末までの日本の悲劇を、冷徹で仮借ない文学者の目をもって率直に活写した、ハイライトの部分である。 -
北朝鮮に消えた友と私の物語
1972年「赤旗」平壌特派員となった私は、大阪の定時制高校で席を並べた親友の尹元一(ユンウォニル)を訪ねた。友は「地上の楽園」で幸せに暮らしているはずだった──なぜ金日成は帰国運動を必要としたのか。書かれざる日本共産党と在日朝鮮人運動の関係とは。「突出する力作」(深田祐介氏)、「人を動かす力をそなえた作品」(立花隆氏)。明らかにされる重大事実とともに理想を信じて北へ帰った人々の悲劇を描き、満票で第30回大宅壮一ノンフィクション賞に輝いた記念碑的名作。 -
アジア 新しい物語
中国で花を栽培する農夫、インドで柔道を教える黒帯先生、タイで食べ放題の店を経営、韓国の大百貨店の店長、インドネシアの小さな島で真珠養殖、カンボジアの寺で鯛焼き販売を企てる、フィリッピンであらゆるトラブル解決に手を貸す神父――この本に登場する九名の日本人はいずれも、日本以外のアジアに「個人として」生きることを選択した。組織でなく、個人でリスクを背負ったとき、見えてくる風景はこんなにも希望に満ちている! 日本人の新しい生き方のヒントが詰まった一冊。 -
京都・春日小路家の光る君
名家×縁談×付喪神。豪華絢爛和風ファンタジー! やっと再会できた初恋の相手には、四人の許嫁がいた――。 人とあやかしが共存する京都で、生まれ育った山崎炉子。実家の大衆食堂「山咲」が経営難に陥り、名家・春日小路家の使用人として働き始めた。炉子は次期当主である翔也に淡い恋心を抱くものの、彼には容姿と財力、さらには付喪神を使役する“霊力”に恵まれた四人の花嫁候補がいて……。 累計26万部「京都府警あやかし課の事件簿」著者による新シリーズが開幕! -
赤毛のアン
美しいプリンス・エドワード島で愛されて成長していく少女アン。幸福感あふれる名作の日本初の全文訳。 訳文は、お茶会のラズベリー水とカシス酒、アンの民族衣裳、スコットランドから来たマシューの母など、モンゴメリの原作に忠実に、全文を、みずみずしく夢のある文章で訳した真実の物語。 巻末の訳註では、作中に多数引用されるシェイクスピア劇など英文学と聖書の句、スコットランド系アンとアイルランド系ダイアナなど登場人物の民俗、19世紀カナダの衣食住、キリスト教、草花とハーブをくわしく解説。 口絵には、リンド夫人が棒針で編むキルト、アンとマシューが初めて出逢う駅のモデル、マシューが愛するスコットランドの薔薇など、物語に描かれる品々や場所の写真を11点掲載。 松本訳の旧訳『赤毛のアン』の訳文と訳註を、全面的に改稿した新訳! 児童書でも、少女小説でもない、大人の心豊かな文学『赤毛のアン』。 -
野の医者は笑う 心の治療とは何か?
若き臨床心理学者の冒険譚にして青春物語 われらがカウンセラー、東畑開人の一般書デビュー作、文春文庫版の電子書籍化。 文庫版あとがき「8年後の答え合わせ、あるいは効果研究」を付した完全決定版です。 人生に痛めつけられたからこそ、 人を癒やす力を得た野生の医者たち。 彼女・彼らと共に過ごした 灼熱のフィールドワークの記録! 気鋭の心理学者にしてカウンセラーは、精神科クリニックを辞め、学界を揺るがすこと必至のフィールドワークを開始。沖縄で人々の心を癒やし続ける謎のヒーラー達を取材しながら自ら治療を受け、臨床心理学を相対化しようと試みた。「野の精神医療」と学問の狭間で辿り着いた驚愕の発見とは? 涙と笑いの学術エンタテインメント。 単行本:2015年8月 誠信書房刊 文庫版:2023年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
震雷の人
★中華時代小説の新鋭が放つ、松本清張賞受賞の大河武侠小説 〈安史の乱〉により未曾有の混乱に陥った唐で、 言葉の力を信じ、戦禍の流れを変えるべく奔走した顔季明。 彼の言葉を胸に、武芸に秀でた許嫁の張采春は故郷を出奔し、 采春の兄の張永は叛乱軍との戦へ身を投じた。 袂を分かった兄妹の運命は戦場にて思わぬ形で交差する――。 約3600万人もの犠牲者が出たと言われる〈安史の乱〉を背景に、 言葉の力で世を動かしたいという一心で文官を志す名家の青年と、 理不尽な理由で世間からつまはじきにされてきた地方の兄妹の 運命の出会いが唐の歴史を大きく動かす。 手に汗握るアクション、ハラハラする謀略、 そしてかけがえのない友情と愛情……。 そのすべてが詰まった、圧倒的スケールの武侠小説登場! (解説 三田主水) 第27回松本清張賞受賞作。 ※この電子書籍は2020年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
名画と読むイエス・キリストの物語
この絵は、イエスの生涯の「いつ」のこと? 『怖い絵』で人気の著者がキリストの生涯を描いた絵画43点をオールカラーで解説しつつ、その生涯を追う。読んで、見て楽しい一冊。 〈イエス・キリストのおおまかな生涯を知った上で西洋名画を楽しみたい――そう願う人のための、これは手引書を目指した〉。 ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』やベラスケス『キリストの磔刑』をはじめ、レンブラント、ルーベンス、グレコなど43点をオールカラーで収録。 解説・末盛千枝子 ※この電子書籍は2012年9月に大和書房より刊行された単行本を、文春文庫で刊行した文庫版を底本としています。 -
歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド
紹介した作家176人! 取り上げた作品488作! 時代小説大好き――だけれど次に何を読めばいいのかわからない。 そんなひとのために「次の一冊」を教えてくれる歴史・時代小説ガイド決定版。 書店の店頭をにぎわせる時代小説に歴史小説。巨匠から新進気鋭の書き手までがひしめく中で、「何を読めばいいのかわからない」という悩みをかかえる読者は多いはず。そんな読者のために、「三国志読み比べ」「関ヶ原の小説あれこれ」「幕末」といったワンテーマの読み比べから、大河ドラマや時代劇の原作や原案となった小説、果ては「江戸のお花見」「和菓子の話」「僧侶モテモテ小説」など歴史トリビアにまつわる時代小説まで、いま時代小説について楽しく紹介させたら日本一の大矢博子氏が楽しそうにオススメします! もちろん歴史女子たちが萌える「新撰組」も。 ほかに司馬遼太郎・池波正太郎・藤沢周平・平岩弓枝といった巨匠の名作の紹介、書き下ろし時代小説シリーズについても「歴史・剣豪編」「市井・人情編」の2タイプにわけて紹介しています。 -
辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
「三省堂国語辞典」略して「三国(サンコク)」。 そして 「新明解国語辞典」略して「新明解」(赤瀬川原平著『新解さんの謎』でブームとなった辞書である)。 二冊ともに戦後、三省堂から刊行された辞書で、あわせて累計4000万部の知られざる国民的ベストセラーだ。 しかし、この辞書を作った(書いた)二人の人物のことは、ほとんど知られていない。 「三国」を書いたのが、ケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。 「新明解」を書いたのは、山田先生こと山田忠雄(やまだ・ただお)。 二人とも国語学者だが、「三国」と「新明解」の性格はまったく異なる。 「三国」が簡潔にして、「現代的」であるとすれば、「新明解」は独断とも思える語釈に満ち、 「規範的」。そこには二人の言語観・辞書が反映されている。 本書は、二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを 二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。 著者は同じテーマで「ケンボー先生と山田先生」(NHKBS)という番組を制作したディレクター。 同番組はATP賞最優秀賞、放送文化基金賞最優秀賞を受賞。番組には盛り込めなかった新事実や こぼれおちた興味深いエピソード、取材秘話なども含めて一冊の本にまとめた。 本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。 -
燃えよ剣
新選組副長、土方歳三を描いた司馬遼太郎の代表作が、ついに電子書籍で登場。無類の面白さが貴方を待ち受ける。これぞ小説だ! 不世出の小説家、司馬遼太郎さんには幕末に材を求めた作品がいくつもあります。そのなかで『竜馬がゆく』とともに特別な支持を集めてきたのがこの『燃えよ剣』。武州から出てきた土くさい田舎剣士、土方歳三。天然理心流四代目の剣豪、近藤勇と出会ったとき、歳三の人生、そして幕末史は回転し始める。近藤局長、土方副長の体制で本格始動した京都守護職配下の新選組。沖田総司、永倉新八、斎藤一ら凄腕の剣客が京都の街を震撼させる。池田屋事件などを経て、新選組とともに歳三の名もあがっていくが――。激動する時代のさなかで剣のみを信じ、史上類例を見ない強力な軍事組織をつくりあげた男の生涯を、練達の筆で熱く描きます。 -
竜馬がゆく
総発行部数2500万部超! 坂本竜馬の奇蹟の生涯を壮大なスケールで描く、司馬文学の金字塔、遂に電子化! 土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる! 第1巻/生まれ落ちたときから背中一面に旋毛がはえていたため、豪気な父は、“千里の駿馬”になるかもしれないと、竜馬と名付けた。が、十二になっても寝小便する。近所の子から「坂本の寝小便ったれ」「坂本の泣き虫」 とからかわれ泣かされて帰ってくる。字を満足に覚えられず、寺子屋の師匠に見捨てられる。そんな竜馬は、十四歳の時に小栗流の道場に通いはじめてから、にわかに顔つきまで変わっていった。竜馬は強い――。幼年時代から、江戸での剣術修業、奥手だった青年時代、人斬り以蔵、桂小五郎との出会いなどを描くシリーズ第1作 -
ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」
長崎にも「原爆ドーム」があった――。それは爆心地の北東500メートルほどの位置に立つ、高さ25メートルの鐘楼を持った浦上天主堂。しかし1925年に完成し、東洋一と謳われたこの天主堂は原爆によって廃墟と化す。当初、被爆遺構として保存に積極的だったはずの長崎市長だが、訪米を経て「原爆の悲惨を物語る資料としては適切にあらず」と発言し、撤去路線に転換。結果として旧浦上天主堂は1958年に撤去されるに至る。世界遺産クラスの被爆遺構はなぜ失われたのか? 市長の翻心の裏には何があったのか? 丹念な取材によって昭和史のミステリーを解き明かした渾身のノンフィクション。 -
名著講義
受講者は毎週一冊の文庫を読む根性があること。受講者は毎週一冊の文庫を買う財力があること。そしてレポートを出し、ディスカッションすること。そんな受講条件で集った、女子大生との、時に激論、時に人生相談? 時に脱線&爆笑の平成版「人生劇場(青春篇)」。『武士道』『学問のすゝめ』『きけわだつみのこえ』等を巡る、女子大生との丁々発止の「読書ゼミ」全公開! -
リターンマッチ
定時制高校の教壇に立って二十数年、子供たちの変化に脇浜義明は戸惑っていた。かつては「成績は悪いがケンカは強い」のが自慢の、ゴンタクレどもが集まってきたのに、いつからか「成績は悪くケンカも弱い」ひ弱な子らばかりになってしまった。成績で、生活環境で、いままでの人生を「負け続け」てきた彼らに、ひとつでもいい「勝つ」体験を知ってもらおうと、脇浜はボクシング部を創設する。それは彼自身の敗者復活戦でもあった。第26回大宅ノンフィクション賞受賞作。 -
イチロー・インタビューズ 完全版
スーパースターの足跡と、知られざる苦悩 メジャー挑戦からMLB殿堂入りまで、四半世紀の間に「ナンバー」へ掲載されたインタビューを全収録。 2000年のメジャー挑戦から四半世紀。常に時代の最前線に立ち続けてきた「イチロー」は、何を考え、語ってきたのか。20年にわたるMLBでの激闘と偉業の数々、引退後の高校野球指導や草野球への情熱、そしてメジャー殿堂入り――。孤高の天才はいかにして唯一無二の存在となったのか。その肉声を辿る、インタビュー集の決定版。 ※本書は、2019年刊行の単行本『イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000‐2019』と同書の刊行以降6年間に行われたインタビュー記事を元に大幅改稿したものです。 単行本 2019年8月 文藝春秋刊 文庫版 2026年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています -
母なる色
101歳。人間国宝にして随筆の名手が紡ぐ、色彩と言葉の織物 【言葉と色彩の、極上の織りもの】 世界の見え方が変わる文章です。 染織に興味がある方はもちろん、自然とは、生きるとは、仕事とは何かについて考えている方にはぜひ読んでいただきたいです。 ――小説家・ほしおさなえさん推薦! 手仕事なくしては、一日も生きられない―― 人間国宝にして『一色一生』(大佛次郎賞受賞)などの著書で知られる 染織家・志村ふくみの名随筆が、単行本刊行から20年以上の時を経て、 待望の文庫化!! 文庫版では、志村ふくみが京都・嵯峨野の工房で機織りをしている貴重なショットから、桜の枝(植物染料)で糸を染めていく行程まで、数多の撮りおろしの写真を堂々追加! 可愛らしく綺麗な小裂(こぎれ)、植物染料で染まった美しい糸、オリジナル機織り機など、カラー4色の写真ページ、必見です。 平凡な主婦が31歳のときに染織の世界に飛び込み、 日夜を忘れて仕事に没頭する日々を送っていた。 糸を植物染料で染めていたある日、風と光の中で新しい色が誕生した瞬間に巡り合う。 失敗を繰り返しながらも道を切り拓き、紬織の第一人者、人間国宝に。 植物が与えてくれる自然の恩恵、“母なる色”について綴る名随筆。 解説・田中優子(法政大学名誉教授、同大学江戸東京研究センター特任教授) 単行本 1999年4月 求龍堂刊 文庫版 2025年11月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 (文庫化にあたり加筆修正いたしました。文庫オリジナル版ビジュアルページを冒頭に追加しました。) -
草雲雀
ひとはひとりでは生きていけませぬ――。 愛する者のため剣を抜いた男の運命は!? りり、りり、りり…… 草雲雀は一晩中、恋の歌を唄う。 媛野藩の若き藩士、栗屋清吾は風采の上がらぬ三男坊だが、剣はめっぽう腕が立つ。 女中のみつと深い仲になり妻とするが、家長の長兄には認められていない。 そんなとき、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。 伊八郎は実父の後を継ぎ、藩の筆頭家老になるには清吾の剣の技が必要だという。 「子どもを持ちたい」というみつの願いに応えるために申し出を引き受けたものの、 伊八郎の出世を阻もうとする敵からの刺客が次々と襲い掛かり……。 解説・島内景二 単行本 2015年10月 実業之日本社刊 文庫 2018年12月 実業之日本社文庫刊 文庫 2024年12月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
暁からすの嫁さがし
“あやしの森”で出会ったのは、妖魔討伐を生業とする不思議な一族の青年だった 妖魔が蔓延(はびこ)る明治東京――。複雑な家に生まれ育った令嬢・深山奈緒は、失踪した友人を探すため不気味な噂の絶えない「あやしの森」に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、不思議な一族の血を引いた青年・暁月当真だった。ひょんなことから奈緒は当真の嫁候補に選ばれ、共に妖魔がらみの事件を追うことに。恋愛ファンタジーの名手が贈る、浪漫綺譚シリーズの開幕! カバーイラストは、『結界師の一輪華』などの装画を手がけるボダックスさんです。 -
海神の子
明の海賊と日本人の間に生まれた少年は海へ――。 「国性爺合戦(こくせいやかっせん)」のモデル・鄭成功を描く 闘いと冒険の物語。 鎖国時代の平戸。孤独な少年・福松を迎えに来た母は、 台湾を根城にする大海賊の頭だった―― 明に渡った福松はやがて鄭成功となり、清と闘う道を選ぶ。 日本と中国の血を持つ男が台湾の民族的英雄に、 後に「国性爺合戦」主人公として江戸の人々を熱狂させる。 生きる場所を求め闘う魂を描く大スペクタクル長編! 解説=仲野徹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
雨滴は続く
芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作 連載中に著者が急逝、刊行時に話題を集めた遺作が、三回忌を前に早くも文庫で登場。 2004年の暮れ、北町貫多は、甚だ得意であった。同人雑誌に発表した小説「けがれなき酒のへど」が〈同人雑誌優秀作〉に選出され、純文学雑誌「文豪界」に転載されたのだ。次いで、「群青」誌の編集者から、貫多は小説を依頼される。純文学雑誌に小説を発表することは、私淑してきた不遇の私小説作家・藤澤清造の“歿後弟子”たる資格を得るために必要なことであった。しかし、年が明けても小説に手を付ける気にはなれなかった。恋人を得たいとの欲求が、それどころではない気持ちにさせるのだ。貫多は派遣型風俗で出会った川本那緒子の連絡先を首尾よく入手し、デートにこぎつける。 有頂天の貫多は子持ちの川本と所帯を持つ妄想をする。ところが貫多は、取材に来た若い新聞記者・葛山久子に一目ぼれをしてしまう。小説家志望の葛山に貫多は自作掲載誌を送るが、その返信はそっけないものだった。手の届く川本と脈のなさそうな葛山、両者への恋情を行きつ戻りつしながらも貫多は「群青」に短篇、匿名コラム、書評を発表していく。そして渾身の中篇「どうで死ぬ身の一踊り」が掲載されたが、その反響は全く感じられなかった。同じころ、葛山からは返信が途絶え、川本にはメールが通じなくなり、前途に俄かに暗雲が立ち込めるのだった。 完成直前で未完となった、著者、最後、最長にして最高の長篇1000枚。巻末にヒロイン”葛山久子”による特別原稿を収録。 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
信長の正体
ヒーローか、それとも普通の大名か? なぜ信長の出現によって戦国時代が終わりを告げたのか?歴史上類を見ない比叡山での大虐殺は他の武将による侵略と何が異なったのか、「天下武布」の判子が秘めた武士たちへの絶大な力とは── 織田信長の行動から「時代が求めたもの」が見えてくる。 革命的ヒーローか、凡庸な大名か。人気武将がゆえに頻出する信長研究に対し、東大の人気歴史学者が本気で答えを出すエキサイティングな書。文庫あとがき付。 ※この電子書籍は2019年にトランスビューより刊行された『信長「歴史的人間」とは何か』を改題し刊行した文春文庫を底本としています。 -
火の航跡
名手・平岩弓枝による長編ミステリー小説。六本木に事務所を持つ有名カメラマン・城重文夫がある日突然姿を消した。呆然とする新婚の妻・久仁子は、知人の協力を得て夫の行き先を探し始めたところ、夫が向かったと思われるギリシアで事務所で働いていた女性が遺体で見つかる。彼女と夫の間には恋愛関係があったのか? 彼女を殺したのは夫なのか? そして久仁子は、有田焼の里で窯業を営む夫の実家を訪ねたことで、いままで知らされてなかった夫の家族の陰の歴史に向き合うことになる。東京、佐賀、ギリシア、マイセン、メキシコと夫の影を追い続けた久仁子が探し出した驚愕の真実とは? 細やかな心理描写と巧みな構成で読む人をうならせる著者円熟期のサスペンスロマン。 ※この電子書籍は1980年1月に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。 -
クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見
ノーベル化学賞受賞の科学者、唯一の手記 ゲノム情報を意のままに編集できる「CRISPR-Cas9」。 人類は種の進化さえ操るに至った。科学者自ら問う、科学の責任とは。 「君の技術を説明してほしい」 ヒトラーは私にこうたずねた。その顔は豚である。 ――恐怖にかられて目が覚める 。 ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し、修正するという離れ業ができる、その技術CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)。2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス」誌に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が、遺伝病の治療のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。 豚の内臓を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行なわれた。 人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか? 解説・須田桃子(毎日新聞科学環境部記者) ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ざんねんな食べ物事典
人生に残念はつきものである いまだ語られざる「ラーメン行動学」とは。山一證券から日大アメフト部まで、ざんねんな謝罪会見対策を考える。今回も買って損無し! ■「麺はやっぱり太麺」「だしは煮干」「バリカタ」「二郎」など 居酒屋などでラーメンがひとたび話題になると、みな侃々諤々、喧々囂々の大騒ぎに。 しかし、まだまだ語られるべきラーメンの新側面があった――! ショージ君が考えた「ラーメン行動学」とは。 ■メディアに溢れる「ざんねんな人たち」はなぜ、どこが“残念”なのか? お辞儀ではなく、胸をかきむしってみてはどうか? 手ぶらなのが気になるので、謝罪会見のときは会見専用に開発された数珠を持ってみてはどうか? 山一證券から日大アメフト部まで、ざんねんな謝罪会見の「ざんねん」感を払拭する対策をショージ君なりに考えてみた「残念な人たち」。 ――等々。 今シリーズ本も買って損なし、爆笑必須、 期待を裏切らないショージワールド全開の一冊です! 「オール讀物」人気連載、東海林さだお著「男の分別学」シリーズ。 2017年10月号~2019年1月号までの連載13本に加え、 『気がつけばいつもチェーン店ばかりでメシを食べている』の筆者・村瀬秀信さんとの対談「我らが“チェーン店”道」、 月刊文藝春秋特別寄稿「僕とインスタントラーメンの六〇年」も収録! ※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
三国志
後漢という時代は、ひとの美質のなかで、「孝心(親孝行)」を至上とした。 能力よりも徳を重視し、頭脳よりも心を尊重する国家がつくられた。 184年に始まった「黄巾の乱」により、王朝の礎が揺らぐ中、 後漢の理想を体現する名臣たちが輩出する。 大将軍の何進、 劉備の師である盧植、 曹操を支えた荀彧など7人を描く、宮城谷昌光の「三国志」シリーズ。 解説・湯川豊 目次 何進(かしん) 朱儁(しゅしゅん) 王允(おういん) 慮植(ろしょく) 孔融(こうゆう) 皇甫嵩(こうほすう) 荀彧(じゅんいく) ※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
特攻 最後のインタビュー
特攻、これだけは伝えたい。 生還した11人からのメッセージ。 多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。 その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。 四式重爆撃機「飛龍」、 百式重爆撃機「呑龍」、 四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、 九七式艦上攻撃機、 九七式戦闘機、 人間機雷「伏龍」、 零式艦上戦闘機、 一式陸上攻撃機、 四式戦闘機「疾風」、 九三式中間練習機。 心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。 平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。 写真・図版多数。 -
怪談和尚の京都怪奇譚
シェアハウス、パン屋さん、映画サークル、公園。ほら、あなたのうしろにも……! 京都・蓮久寺の三木住職のもとには、助けを求める人が絶えません。 悪霊に祟られた人、ポルターガイストに悩まされる人、人形をお祓いしてほしい、さまよう霊を供養成仏させてほしい……。 そんな実話や自身の体験など、現代の怪談、奇譚の数々をお届けします。 蓮久寺は江戸時代初めの建立で、島原の遊女・吉野大夫との縁も深い名刹。 三木住職の怪談は、テレビの「怪談グランプリ」準優勝の名人芸です。 見えない世界に触れることで、あなたの人生も変わるかもしれません。 -
悪声
「ええ声」を持つ「なにか」はいかにして「悪声」となったのか――。 ほとばしるイメージ、疾走する物語。著者入魂の長編小説。 「なにか」は、ある重みをもって、廃寺のコケの上にそっと置かれた――。 京都のはずれの廃寺に捨てられたみどりごは、コケに守られながら生をつなぎ、やがて犬のブリーディングと桜の剪定を生業とする花崎さんに引き取られる。 「なにか」の声は、居合わせた誰もがはっと振り返るような特別なものだった。 長じて歌うことを覚えた「なにか」は、アムステルダムからやってきたサックス・プレイヤーの「タマ」と「あお」の父娘といっしょに、生駒の方舟教会でライブを行う。 奔放な想像力が魅力の、現代を代表する物語作家いしいしんじが、筋立ても分量も、あらかじめ何も決めずに想像の赴くままに書き進めた、少年の一代記。 第4回河合隼雄物語賞受賞作。 解説・養老孟司 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった
アフリカの最貧国・マラウイを食糧危機が襲い、ウィリアム少年は食べていくために中学校を退学せざるをえなくなる。。 しかし、知的好奇心にあふれた彼はNPOがつくった図書館に通い、そこで風力発電について書かれた一冊の本と出会います。 電気があれば暗闇と空腹から解放される――ウィリアム少年は発電の仕組みを独学し、廃品を集めて作った風車で発電に成功、そこから大きなチャンスをつかみます。 池上彰さんも「学ぶということが、これほどまでに人生を豊かにしてくれるとは」「私たち日本人が忘れていたことを、この本は教えてくれます」と解説で太鼓判を押す、感動の実話。 -
愛の顛末 恋と死と文学と
悲恋、秘められた恋、ストーカー的熱情など、文学者たちの知られざる愛のかたちを追った珠玉のノンフィクション。 ●小林多喜二――沈黙を貫いて亡くなった小林多喜二の恋人、田口タキ。多喜二に深く愛されながらも、自分は彼にふさわしくないと身を引き、それゆえ伝説的な存在になった。 ●近松秋江――女性に対する尋常でない恋着を描いて明治・大正の文学史に特異な足跡を残した近松秋江。いまでいうストーカーのごとき執着と妄執は、「非常識」「破廉恥」と評された。 ●三浦綾子――旭川の小学校教師であった三浦綾子は、敗戦による価値観の転倒に打ちのめされ退職、自死を図る。光を与えたのはクリスチャンである一人の青年だったが、彼は結核で逝き――。 ●中島敦――母の愛、家庭のぬくもりを知らずに育った中島敦が選んだ女性は、ふくよかで母性的な人だった。だが彼女には親同士が決めた婚約者がいた。そこから中島の大奮闘が始まる。 ●原民喜――最愛の妻を失ったときから、原民喜はその半身を死の側に置いていた。だが広島で被爆しその惨状を目の当たりにしたことで、彼は自らの死を延期したのだった。 ●梶井基次郎――宇野千代をめぐって、その夫、尾崎士郎と決闘-そんな噂が流れるほど話題になった梶井基次郎の恋。では、千代はどう思っていたのか。二人の出会いから別れを丹念にたどると、恋多き女の心情が浮かび上がる。 他に取り上げたのは、鈴木しづ子、中城ふみ子、寺田寅彦、八木重吉、宮柊二、吉野せい。 解説・永田和宏 -
世界史の10人
ライフネット生命の創業者・出口治明会長(当時)が、「歴史を学ぶことは、必ず役に立つ、将来のための教材は過去にしかない」という信念のもと、ビジネスの傍らに長年歴史研究を重ねた成果を世に問うた一冊。 我々が普通に「世界史の偉人」としてイメージする人物ではなく、あえて「通好み」の10人を紹介している。 出口氏がイメージする真のリーダーの条件とは、人格が立派であることでも、志が高いことでもなく、「何を成し遂げたか、後世にどのような影響を与えたか」。 結果責任がすべて、という出口氏のビジネスマンらしい新鮮な視点で選ばれたのが、中世エジブトで奴隷からスルタンになった「バルバイス」、グローバル企業・大元帝国と作り上げた「クビライ」ムガール帝国の雄「バーブル」、中国初の女帝「武則天」、宋の政治改革に挑んだ「王安石」、強国イングランドの基を築いた「アリエノール」、神聖ローマ皇帝として教皇権力と戦った「フェデリーコ三世」、英国を一流国に成長させた「エリザベス一世」、ロシアを強国に育てた「エカチェリーナ二世」、そして近代都市パリを作り上げた「ナポレオン三世」という、世界史の通がうなる顔ぶれ。 西欧中心の世界史では馴染みがない名前も多く、女性の活躍が期待されるこれからの時代を見据えて、女王、女帝が4人も選ばれている。 必ずしも「歴史の勝者」ではなく、「英雄」と称えられることはなくとも、自らの環境を切り開き、後世の人間に大きな業績をもたらした人物について、その前後の時代背景を詳説しつつ紹介している。 歴史を「人生の指針」にしたいと願う人に最適の指南書、待望の文庫化。 -
現場者 300の顔をもつ男
「漣さんは〈役者〉として輝いたまま旅立った。俺がこうありたいと思う生き方がここにある」――ビートたけし 若き日に全てをかけた劇団・転形劇場の解散から、ピンク映画で初めて知った映像の世界、北野武監督との出会い、名監督たちと独自の世界を作り上げていった過程まで――。24時間営業俳優が語る俳優観と撮影秘話は深い余韻を残す。 大杉漣が残した未発表ノートをもとに、もう一つの顔を浮き彫りにする大杉弘美氏の特別寄稿付き。 現場で生ききった唯一無二の俳優の軌跡がここに。 -
源氏物語の女君たち
世界最古の大恋愛小説のストーリーを追いながら、個性あふれる王朝の女性たちのキャラクターを分析した、源氏物語の入門書。 1997年4月から6月の3カ月間、NHK教育テレビ「人間大学」で「源氏物語の女性たち」という番組を書籍化した作品です。この番組は寂聴さんが毎回、源氏物語ゆかりの地に出かけていき、語るという内容。作者の紫式部をはじめ、光源氏が最も愛した紫の上、男を虜にした魔性の女・夕顔、誇り高くインテリ女性・六条御息所、情熱的で官能的な朧月夜など、光源氏を取り巻く女たちをわかりやすく解説しています。 「紫式部は仏教に帰依してもなお物語を書きつづけたことで、救われていたのではないでしょうか。『源氏物語』の底には、女人成仏の悲願がかく流れているように私には思われてなりません」 といった具合に、寂聴さん独自の見解が満載です。 -
六〇年安保 センチメンタル・ジャーニー
かつて保守派の論客としてマスコミを賑わせた西部邁氏が、今年1月、78歳で自死した。 その言論活動の原点は、日米安保条約に反対する武力闘争「六〇年安保」。 本書は、1986(昭和61)年に著者がはじめて当時の闘争を振り返ったもので、共に戦った盟友たちの内面の葛藤にまで踏み込み、あの闘争とは何だったのかを問い直す。そこには崇高な思想よりも若者としての焦燥感、虚無感などが色濃く現れざるを得ない。「空虚な祭典」の中にいた「哀しき勇者たち」を、著者は時に愛をもって、時に突き放して語っていく。 【目次】 序章 空虚な祭典―-安保闘争 ブント 私 第一章 哀しき勇者――唐牛健太郎 第二章 優しい破壊者――篠田邦雄 第三章 純な「裏切者」――東原吉伸 第四章 苦悩せる理想家――島成郎 第五章 善良なる策略家――森田実 第六章 寡黙な煽動家――長崎浩 終章 充実への幻想――思い出の人々 あとがき 解説 保阪正康 -
王家の風日
商の紂王に仕える箕子は、王朝存続に心を砕くが、周の太公望が遂に商討伐の軍をおこした。古代中国商王朝の滅亡を描く一大叙事詩。 歴史小説家・宮城谷昌光の実質的デビュー作! 六百年に及ぶ栄華を誇る古代中国商(殷)王朝の宰相箕子は、新興国周の勢力に押されて危殆に瀕した王朝を救うため死力を尽す。 希代の名政治家箕子の思想を縦糸に、殷の紂王、周の文王、妲己、太公望など史上名高い暴君、名君、妖婦、名臣の実像を横糸にして、古代中国王朝の興亡を鮮かに甦らせた長篇歴史ロマン。 それまで活動してきた純文学系同人雑誌が終刊することになり、作家としての岐路に立った宮城谷氏が、以前から興味のあった中国の歴史に材を取り、限定500部の私家版で刊行。 そのうちの1部が司馬遼太郎氏の目にとまり、励ましの葉書を受け取る。 その後、名古屋の海越出版社から刊行され、94年3月に文春文庫化。 解説・平尾隆弘 -
羽生結弦 王者のメソッド
2014年ソチ冬季五輪で、日本の男子フィギュア史上初の金メダルに輝いた羽生結弦。 史上最年少の12歳で全日本ジュニアの表彰台に上がり、14歳で初出場した世界ジュニア選手権では、すでに「僕が日本で2人目の金メダリストになる」と宣言していた。 15歳で世界ジュニア優勝、17歳で世界選手権銅メダル、19歳で五輪と世界選手権、GPファイナルの3冠達成。20歳で史上初の300点超えを果たした。 「悔しすぎて、嬉しくなってきました」「僕はレジェンドになりたい。羽生結弦の名前を歴史に刻みたい」「これからは自分のなかで戦いを創り上げていかないといけない」「絶対王者になってやる」 その柔和で端正な容姿からは想像できない強い意志を持った「羽生脳」と、そこから導き出される「絶対王者のメソッド」が浮かび上がる。 本文カラー写真を再構成し、2016年以降、平昌五輪に向けて更なる進化を遂げていく過程を、「文庫版あとがき 王者のメソッド、最後は挑戦心に戻る」として追加した文庫版を電子化。 -
高丘親王航海記
澁澤龍彦没後30年。遺作となった伝説の傑作幻想小説が、いま新たな装いで! 平城天皇の皇子に生まれ、嵯峨天皇即位すると皇太子に立てられるも、父上皇と天皇との諍い(薬子の変)により廃された高丘親王。出家し弘法大師の直弟子となった親王は、東大寺大仏の再建に尽力するなど重要な働きを果たすが、晩年に至り朝廷に入唐求法の願いを出し、唐へ渡った。 親王の真の願いは、幼き日に父帝の寵姫藤原薬子に教えられ、憧れていた天竺を訪れることだった。 貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路、天竺へ向かった。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王はやがて旅に病み、その心に去来したものとは……。 無類の面白さと、静かなる気品に満ちた傑作幻想小説。著者の死後に読売文学賞が与えられた。 高橋克彦さんの傑作解説も再収録! -
赤川次郎クラシックス 幽霊候補生
オール讀物推理小説新人賞受賞作「幽霊列車」第2弾が、初めての新装版として登場。 「どんな事件もたちまち解決」を誇っていたオニ警部・宇野だったが、推理マニアの女子大生・永井夕子に出会ってからは、惚れた弱みでふりまわされっぱなし。 あるとき「乗用車・湖へ転落――大学生2人絶望」のテレビニュースを見て仰天。なんと車に乗っていると報道されたのは夕子だった。 22歳の若さで、詰まらない事故で死んでしまうとは。遺体が発見されないまま、茫然と過ごした5か月後、湖畔で最近撮影されたという写真に夕子が写っていることがわかる。 宇野は仕事も投げ出し、急きょ湖まで車で向かい、真相を究明すべく捜査にのりだすが――。 表題作「幽霊候補生」ほか、「双子の家」「ライオンは寝ている」「巷に雨の降るごとく」「眠れる棺の美女」の計五本を収録。 -
漱石の印税帖 娘婿がみた素顔の文豪
漱石をめぐる「謎」の数々を書いた名著が、没後百年のいま、よみがえる。 日本近代文学の巨匠でベストセラー作家、夏目漱石。 その没後、夏目家にのこされた印税覚書をもとに、一連の作品の部数を調べてみると……? 漱石愛用の万年筆をめぐる、不思議なエピソードとは? 漱石最晩年の門下生にして、漱石の長女、筆子と結婚した著者だから描くことのできた漱石の思い出、漱石山房での木曜会の様子、、そして芥川龍之介、久米正雄、鈴木三重吉、菊池寛など漱石をとりまく作家たちの素顔。 漱石関連の八篇と、「新思潮」時代の回想二篇を納めた随筆集。 -
完本 1976年のアントニオ猪木
1970年を境に勢いを失った世界のプロレス。なぜ日本のプロレスだけが、その力を維持し続けたのか。その謎を解くべく、アメリカ、韓国、オランダ、パキスタンを現地取材。1976年の猪木という壮大なファンタジーの核心を抉る迫真のドキュメンタリー。※電子版には文庫版に収録されているアントニオ猪木インタビューは収録されておりません。 -
血盟団事件
世界恐慌の煽りをうけ、日本が深刻な不況に見舞われていた昭和七年(1932年)。カリスマ的な日蓮主義者、井上日召が率いる集団「血盟団」の若者たちが連続テロ事件を引き起こし、元大蔵大臣・井上準之助、三井財閥総帥・団琢磨が凶弾に倒れた。 茨城・大洗周辺出身の青年や、東京帝大を中心としたエリート学生たちは、なぜ井上に心酔し、凶行に走ったのか。その背景には格差社会、漂う閉塞感、政治不信という現代日本と酷似する状況があった。 最後の血盟団員へのインタビュー、中曽根元首相の証言、裁判記録などから「昭和史最大のテロ」の謎に迫る。