6点を付けたいと思える本だった。
星野道夫氏によるアラスカ生活を綴ったエッセイ。日本とは比較にならないスケールの大自然を、繊細に描かれた文章から追体験できた。また、本職は文筆家なのでは、と思わせるような文学的な表現に何度もドキッとした。
星野氏は、二十代のはじめに親友を無くし、それがきっかけで人
...続きを読む生の持ち時間が限られていることを知った。我々はカレンダーや時計の針で刻まれた時間に生きているのではなく、もっと漠然として、脆い生命の時間を生きているのだと彼は悟った。人生の有限性についてはエッセイの中で何度も触れられており、日々の生活の中で自分の指針を見失わないように、悔いのないよう毎日を噛み締めて生きているのが手に取るように伝わった。
本当にこのままでいいのか?という思いに囚われたときに、また読み返したいと思える大切な一冊となった。