森健の一覧
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ユーザーレビュー
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2017年12月14日
小倉昌男はずっと前から注目していて彼が書いた本などは読んできたが、第三者が取材して書かれた本はこれまでなかったのではないだろうか。
家庭についても綿密に取材できていて、小倉氏のプライベートな部分、苦悩がとてもよく分かった。
これは、小倉昌男関連本の集大成と言ってもいいだろう。
Posted by ブクログ
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小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの 単行本 – 2016/1/25
人間というものは私生活も含めあらゆる角度から見ないと本来の姿は見えてこない
2017年8月26日記述
森健氏による著作。
2016年1月30日初版第1刷発行。
森 健(もり・けん)
1968年1月29
...続きを読む日、東京都生まれ。ジャーナリスト。
神奈川県相模原市で育つ。1992年早稲田大学法学部卒業。
在学中の1990年からライター活動をはじめ、
科学雑誌、 経済誌、総合誌で専属記者を経て、1996年フリーランスに。
2012年、『「つなみ」の子どもたち』(文藝春秋)と
『つなみ 被災地の子ども80人の作文集』(企画編集、文藝春秋)で第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
2015年、『小倉昌男 祈りと経営』で第22回小学館ノンフィクション大賞の「大賞」を受賞。
ヤマト運輸2代目社長であった小倉昌男氏についての本。
2005年6月30日に亡くなった。
しかし亡くなった場所がアメリカのLA。
その点に疑問があったこと。
もうひとつは小倉氏が経営者引退後にはじめた福祉事業はどのような背景、思いがあってのことなのか不明確であった点に関心を持ち調査しだしたことだ。
実際にヤマト運輸の経営者時代に障害者福祉の活動をしていた形跡はなかった。
またそこから分かったことは小倉氏の率直さ、信仰、愛といったものを感じずにはいられなかった。
また人間というものは私生活も含めあらゆる角度から
見ないと本来の姿は見えてこないのだということを痛感した。
小倉氏本人の著作からヤマトに関する書籍などは多い。
ただ小倉の私生活面にスポットをあてた本はなかった。
小倉氏をよく知る人物たちへのインタビュー。
岡本和宏氏(1966年入社)
高田三省氏
伊野武幸氏(ヤマト福祉財団常務理事)
藤井克徳氏(社会福祉法人きょうされんの常務理事)
小林敬三氏(元カトリック麻生教会司祭)
娘の真理氏、息子の康嗣氏へのインタビュー。
大変興味深い。当時の小倉氏の悩みは相当のものだったろう。
小倉氏は1980年代各地方を訪ねているが、特に北海道は頻繁に訪れていた。しばしば妻の玲子氏を帯同。
妻の旅費は必ず自費を用意し会社にもたせることがなかったという。
(本書内では何気ない一節ではある。しかし極めて重要な点だ。この部分だけでも小倉氏がまともな人間であることを痛感する)
娘の真理氏の精神的な病。
そして妻の玲子氏も周囲、親族からの責めによって
精神的に病んでいた。
小倉の父・康臣から嫌われていたうえ、康臣の3人目の妻からもしばしばいじめられていた。
玲子は当時では珍しく高学歴の女性で、(聖心女子大学卒)
人に媚びない淡々とした性格だった。
そうした所が養父の康臣やその妻には不評だったのである。
当時の真理氏の破天荒な振る舞いが周囲で取り沙汰される。
それに伴い娘を教育できていないと苦言をしばしば受ける。
真理氏は1990年1月元米海軍のダウニイ氏と結婚。
まもなく子供も生まれた。
(1996年までに4人の子供が生まれた)
小倉氏は死期を悟り無理を押してアメリカの真理氏の元へ
そこには真理氏の面倒をみようとする親の愛であった。
福祉財団を立ち上げた背景には妻、娘の精神の病と
向き合うことになったことがある。
その娘の真理氏も身体に合う薬もあって病を克服し
本来の自分を取り戻せたことは何よりの結果である。
Posted by ブクログ
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デジタルがもたらす未来について、今まではディストピア的な思考しか持ち得てなかったのですが、この本を読んで、別の可能性があることを示唆してもらいました。
社会を構成する一人一人の主観、思いがデジタル社会のありようを導いていくとの主張に深く考えさせられました。
Posted by ブクログ
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デジタル革命による資本主義の常識の変化について描いた一冊。デジタルを技術面ではなく、経済社会歴史の側面から分析し、将来について論じている。
シンクタンクの本だけあり、データ豊富で示唆も豊富である。
構造的な分析もありおもしろい。
メモ
・シェアエコ は投資抑制、雇用抑制的な部分がある。
・日本、直
...続きを読む近は人口減だが一人当たりGDPは増えている。
・海外と比較し、日本のみ労働生産性上昇に対して賃金が上昇していない。非正規雇用などの雇用シフトや自動化投資への偏重などが原因か。
・デジタルによって引き起こされた経済のピンボケ。
・資本主義とは差異の発見活用創出を通じて利潤を獲得し、資本の永続的な蓄積を追求するシステム。
・デジタルにおいても、時間、こだわり、信頼のようなものはコピーできず希少性を持ち続けるはず。
・生産者余剰はGDPに換算されるが、消費者余剰は換算されないのがGDPが伸びない大きな理由。
・従来のイノベーションは需要が伸びることで限界費用が小さくなっていたが、デジタルディスラプションでは限界費用のみが劇的に下がり、消費者余剰のみが増大する構造になっている。
・シェアエコ と相性がいいのは資産の価値が高い✖️使用頻度低いもの。
・シェアエコ の価値算定にあたっては、プラットフォーマーの生産者余剰と利用企業の生産者余剰とユーザーの消費者余剰の三要素から構成される。
・デジタル時代にコピーできないもの人々がお金を払うもの
即時性、パーソナライズ、解釈、信頼性、アクセス可能性、実体化(ライブコンサート)、支援者(投げ銭、お布施)、発見可能性(Netflix)
突き詰めると時間、こだわり、信頼となる。
・信頼を構築する基盤が変わる。多対応多の個人間の関係性から信頼構築されるのでは。
・一律ではない価格設定により生産者余剰を拡大する。
・デジタル資本主義ではネットワーク効果、数が多いことが重要になる。大企業による規模の経済とは異なるエコノミクスが働く。かずも多様性も価値となる。
Posted by ブクログ
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森健『「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語』文春文庫。
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。東日本大震災であの大津波の惨事を経験した子供たちが書いた7つの作文の背景を丁寧に取材したノンフィクション。
何よりも子供たちの書いた作文から伝わるストレートな思いに驚いた。簡潔かつ的確な表現は当
...続きを読む時の恐怖を伝えてくれると共に失ったものへの悲しみ、前を向こうという強い決意が読み取れる。
2011年3月11日14時46分に発生した地震は6分間に及ぶ長い時間激しく揺れ、子供たちの作文にも描かれているようにまさに日本の終わりかと思うような恐怖を感じた。外に避難し、雪が舞い落ちる中、ワンセグ放送を見ると宮古市の港を大津波が襲う映像が写し出されていた。この光景を間近で目撃した子供たちの動揺は計り知れない。1週間後に被災地に暮らす安否不明の両親の元に向かったが、途中で目にした完膚なきまでに破壊し尽くされた沿岸の街の光景は今でも忘れられない。こうした悲惨な出来事に遭遇しながらも互いを思いやり、再び立ち上がり前を向こうとする逞しい思いが、子供たちの作文と後の取材から伝わってくる。
あの日のことを決して忘れてはいけない!
Posted by ブクログ
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