森健のレビュー一覧
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ネタバレ小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの 単行本 – 2016/1/25
人間というものは私生活も含めあらゆる角度から見ないと本来の姿は見えてこない
2017年8月26日記述
森健氏による著作。
2016年1月30日初版第1刷発行。
森 健(もり・けん)
1968年1月29日、東京都生まれ。ジャーナリスト。
神奈川県相模原市で育つ。1992年早稲田大学法学部卒業。
在学中の1990年からライター活動をはじめ、
科学雑誌、 経済誌、総合誌で専属記者を経て、1996年フリーランスに。
2012年、『「つなみ」の子どもたち』(文藝春秋)と
『つなみ 被災地の子ども80人の作 -
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ネタバレデジタル革命による資本主義の常識の変化について描いた一冊。デジタルを技術面ではなく、経済社会歴史の側面から分析し、将来について論じている。
シンクタンクの本だけあり、データ豊富で示唆も豊富である。
構造的な分析もありおもしろい。
メモ
・シェアエコ は投資抑制、雇用抑制的な部分がある。
・日本、直近は人口減だが一人当たりGDPは増えている。
・海外と比較し、日本のみ労働生産性上昇に対して賃金が上昇していない。非正規雇用などの雇用シフトや自動化投資への偏重などが原因か。
・デジタルによって引き起こされた経済のピンボケ。
・資本主義とは差異の発見活用創出を通じて利潤を獲得し、資本の永続的な蓄積を -
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森健『「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語』文春文庫。
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。東日本大震災であの大津波の惨事を経験した子供たちが書いた7つの作文の背景を丁寧に取材したノンフィクション。
何よりも子供たちの書いた作文から伝わるストレートな思いに驚いた。簡潔かつ的確な表現は当時の恐怖を伝えてくれると共に失ったものへの悲しみ、前を向こうという強い決意が読み取れる。
2011年3月11日14時46分に発生した地震は6分間に及ぶ長い時間激しく揺れ、子供たちの作文にも描かれているようにまさに日本の終わりかと思うような恐怖を感じた。外に避難し、雪が舞い落ちる中、ワンセグ放送を見 -
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センター試験にの評論問題に採用されるような,非常に読みやすい文章。
現代において,人は「モノ」に執着するのではなく,「コト」に価値を置き始めている。
本書でも取り上げているが,例えば音楽業界では,CDなどの媒体からiTunesから直接ダウンロードする形にニーズがシフトしていった。これは単純に物理的な領域排除と,特定の曲のみを購入したい場合に重宝する事が考えられる。そして今,iTunesから,スポティファイなどのサブスクリプション型で視聴する割合が増えてきた。これは正に「コト」体験のニーズを明らかに示しているが,実は曲のデータを「仮想的物理領域」と人々が捉え始め,最早デジタルデータに関しても -
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シンクタンクであるNRIの整理・分析・考察だからか、とてもスムーズに論旨が沁み込みました。先ずは、商業資本主義→産業資本主義→デジタル資本主義という超大雑把な時代区分がめちゃくちゃわかりやすいこと、「消費者余剰」を生み出す各種サービスのデジタルトランスフォーメーションが「生産者余剰」の指標であるGDPじゃ捉えきれなくなってきていること(お恥ずかしながら「消費者余剰」という言葉、本書で初めて知りました…)、ハンナ・アレント「人間の条件」の「労働」「仕事」「活動」という概念から援用した「労働社会から活動社会へ」という移行が行われること、その時「労働生産性から知識生産性へ」というキーワードによって情
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世の中を豊かにしているデジタル技術が今の資本主義や民主主義にどんな影響を与えうるのかをまとめている。
GDP推計の限界と他の経済指標の模索。
消費者余剰(お買い得感)の向上と生産者余剰の減衰に関してシェアリングエコノミーを起点として語られている。
今デジタル技術によってどんな変化が起きているのか、また、これから起きようとしているのかがわかりやすく書かれている。
デジタル技術に対する各国の考え方は文化や宗教などにより多様であり、資本主義の奴隷として活用するか、ユートピアチックな共有財の経済を作り上げるか、間を取るかはこれからの私達次第である、