【感想・ネタバレ】小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~のレビュー

あらすじ

ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い。

2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。

「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。

著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。

※本書は過去に単行本版として配信された『小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~』の文庫版です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

運送の2024年問題の報道の時に取り上げられたエピソードから興味をもって読んでみた。いつもお世話になっているクロネコさんの軌跡にこんなお話があったとは。寡聞にしてこの経営者のことも知らなかった。経営の話というよりは人間としての小倉氏を描いている。その苦悩はすさまじい。もちろん評伝だから多少の美化はあるだろうとは構えて読んだが、よくご親族がインタビューに応じてくれたと思う。他人の人生の真実は外からはわからない。立派な業績は社会に大きな恩恵を与えたが犠牲も大きかった。信仰の力は偉大だ!見事な人生だ!と感動。

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2023年11月04日

Posted by ブクログ

宅急便を創り出した小倉昌男の評伝。

小倉のビジネスに関する本はたくさんあるが、本書の問いはそれとは異なる。なぜ晩年の小倉は、私財を投じて障碍者福祉に取り組んだのか、そしてなぜ渡米して亡くなったのか。これらの素朴な問いから本書が明らかにした事実は、予想だにしなかったこと。私も最後まで、一気に読んだ。

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2023年05月30日

Posted by ブクログ

2017年12月14日
小倉昌男はずっと前から注目していて彼が書いた本などは読んできたが、第三者が取材して書かれた本はこれまでなかったのではないだろうか。
家庭についても綿密に取材できていて、小倉氏のプライベートな部分、苦悩がとてもよく分かった。
これは、小倉昌男関連本の集大成と言ってもいいだろう。

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの 単行本 – 2016/1/25

人間というものは私生活も含めあらゆる角度から見ないと本来の姿は見えてこない
2017年8月26日記述

森健氏による著作。
2016年1月30日初版第1刷発行。

森 健(もり・けん)
1968年1月29日、東京都生まれ。ジャーナリスト。
神奈川県相模原市で育つ。1992年早稲田大学法学部卒業。
在学中の1990年からライター活動をはじめ、
科学雑誌、 経済誌、総合誌で専属記者を経て、1996年フリーランスに。
2012年、『「つなみ」の子どもたち』(文藝春秋)と
『つなみ 被災地の子ども80人の作文集』(企画編集、文藝春秋)で第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
2015年、『小倉昌男 祈りと経営』で第22回小学館ノンフィクション大賞の「大賞」を受賞。

ヤマト運輸2代目社長であった小倉昌男氏についての本。
2005年6月30日に亡くなった。
しかし亡くなった場所がアメリカのLA。
その点に疑問があったこと。
もうひとつは小倉氏が経営者引退後にはじめた福祉事業はどのような背景、思いがあってのことなのか不明確であった点に関心を持ち調査しだしたことだ。
実際にヤマト運輸の経営者時代に障害者福祉の活動をしていた形跡はなかった。
またそこから分かったことは小倉氏の率直さ、信仰、愛といったものを感じずにはいられなかった。
また人間というものは私生活も含めあらゆる角度から
見ないと本来の姿は見えてこないのだということを痛感した。
小倉氏本人の著作からヤマトに関する書籍などは多い。
ただ小倉の私生活面にスポットをあてた本はなかった。

小倉氏をよく知る人物たちへのインタビュー。
岡本和宏氏(1966年入社)
高田三省氏
伊野武幸氏(ヤマト福祉財団常務理事)
藤井克徳氏(社会福祉法人きょうされんの常務理事)
小林敬三氏(元カトリック麻生教会司祭)
娘の真理氏、息子の康嗣氏へのインタビュー。

大変興味深い。当時の小倉氏の悩みは相当のものだったろう。

小倉氏は1980年代各地方を訪ねているが、特に北海道は頻繁に訪れていた。しばしば妻の玲子氏を帯同。
妻の旅費は必ず自費を用意し会社にもたせることがなかったという。
(本書内では何気ない一節ではある。しかし極めて重要な点だ。この部分だけでも小倉氏がまともな人間であることを痛感する)

娘の真理氏の精神的な病。
そして妻の玲子氏も周囲、親族からの責めによって
精神的に病んでいた。
小倉の父・康臣から嫌われていたうえ、康臣の3人目の妻からもしばしばいじめられていた。
玲子は当時では珍しく高学歴の女性で、(聖心女子大学卒)
人に媚びない淡々とした性格だった。
そうした所が養父の康臣やその妻には不評だったのである。

当時の真理氏の破天荒な振る舞いが周囲で取り沙汰される。
それに伴い娘を教育できていないと苦言をしばしば受ける。
真理氏は1990年1月元米海軍のダウニイ氏と結婚。
まもなく子供も生まれた。
(1996年までに4人の子供が生まれた)
小倉氏は死期を悟り無理を押してアメリカの真理氏の元へ
そこには真理氏の面倒をみようとする親の愛であった。

福祉財団を立ち上げた背景には妻、娘の精神の病と
向き合うことになったことがある。
その娘の真理氏も身体に合う薬もあって病を克服し
本来の自分を取り戻せたことは何よりの結果である。

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2021年12月10日

Posted by ブクログ

読んで良かったという本ではないかもしれないがどこの家にもいろいろあって、それなりに考えさせられる内容ではあった。

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2021年12月13日

Posted by ブクログ

宅急便を作り出した`小倉昌男`のもう一つの物語。事業の成功、家庭の敗北、という奥の深い物語に、色々考えさせられる本であります。

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2020年03月18日

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