ちくま新書の検索結果
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まんが訳 酒呑童子絵巻
平安時代は一条天皇の治世のこと。都の貴族の娘が次々と姿を消し、占いの名人・安倍晴明が、伊吹山千丈ヶ岳に棲む鬼の仕業とつきとめた。さっそく源頼光らに退治の勅命がくだる――。武家源氏の始祖・源頼光の活躍を描く表題作『酒天童子絵巻』の他、「安珍清姫伝説」として知られる『道成寺縁起』、頼光と渡辺綱の妖怪退治譚『土蜘蛛草子』を収録。室町時代から日本人に愛されてきた物語が、まんがでよみがえる! -
東京裁判「神話」の解体 ──パル、レーリンク、ウェブ三判事の相克
東京裁判は「勝者の裁き」であり、インド代表パル判事とオランダ代表レーリンク判事の反対意見は、その欺瞞を暴き出すものだとの論が日本の国内論議で長くみられた。だが、パルやレーリンク意見には重大な誤謬と恣意性があり、東京裁判の功績と問題点の歴史的・法理学的理解を大きく歪めている。東京裁判研究者の戸谷と国際法の大家コーエンが、従来見過ごされてきたウェブ裁判長による判決書草稿を読み解き、東京裁判の過程を再検証。判決から70周年を迎えた今、知られざる真相を解明する。 -
太平洋戦争 日本語諜報戦 ──言語官の活躍と試練
太平洋戦争の対日諜報戦で、捕獲した日本軍文書の翻訳、暗号解読、捕虜の尋問、プロパガンダ活動等に携わった言語官たち。終戦後は連合国軍の一員として戦犯裁判や、GHQの占領政策実施で不可欠な役割を果たした。米国、英国、オーストラリア、カナダは、語学兵をどのように動員したか。早い時期から重要性を認識して準備した国と、終戦間際になって慌てた国の違いは何だったのか。各国の言語官養成の実際、戦地での活躍、二世たちの葛藤……。貴重な記録から、日本語諜報の実像に迫る。 -
ロシアと中国 反米の戦略
内には独裁的体制を強化し、外には米国一極支配に対抗するという共通目標をもつロシアと中国。ロシアの豊富な資源と軍事技術を求める中国、中国の経済成長によって国際的な孤立からの脱却をはかるロシア。両国の蜜月関係は強固に見える。だが、じっさいの思惑は一致していない。その舞台裏では、熾烈な主導権争いが闘わされている。ユーラシア連合と一帯一路、AIIB、BRICS、上海協力機構、北極圏に関連する利権や勢力圏をめぐる駆け引き……。世界のリバランスが進むなか、両大国に接する日本はどうするべきか。気鋭の国際政治学者が最新情報から、激動の国際情勢を読み解く。 -
暴走する能力主義 ──教育と現代社会の病理
学習指導要領が改訂された。そこでは新しい時代に身につけるべき「能力」が想定され、教育内容が大きく変えられている。この背景には、教育の大衆化という事態がある。大学教育が普及することで、逆に学歴や学力といった従来型の能力指標の正当性が失われはじめたからだ。その結果、これまで抑制されていた「能力」への疑問が噴出し、〈能力不安〉が煽られるようになった。だが、矢継ぎ早な教育改革が目標とする抽象的な「能力」にどのような意味があるのか。本書では、気鋭の教育社会学者が、「能力」のあり方が揺らぐ現代社会を分析し、私たちが生きる社会とは何なのか、その構造をくっきりと描く。 -
英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界
私が生まれる前にも世界は本当に存在していたのか? ものごとには原因と結果があるという確信は、実は思い込みにすぎないのではないか? この世界の当たり前のありようを疑い、立ち止まって問うてみること。それこそが哲学の入口であり核心である。ロック、バークリ、ヒューム、ラッセル、ウィトゲンシュタイン……「経験」や「言語」を足場に考え抜いた哲学者たちの議論を糸口に、素朴にして深遠な哲学の根本問題へといざなう。事実(である)と規範(べき)が織りなす世界の謎を読者とともに思考する、笑いあり涙あり(?)の入門講義。 -
ひとり空間の都市論
同調圧力が強い日本社会における「ひとり」。彼らが異質な存在としてみなされる一方で、現実の日本の都市には、カプセルホテル、ひとりカラオケ、ひとり焼肉店など、ひとり客向けの商業施設が溢れかえっている。そもそも孤独と自由が背中合わせの都市生活では、「ひとり」でいることこそ、歴史的にも“正常”だったはずだ。今日ではさらに、「ひとり」が存在する空間は、モバイル・メディアの普及を受けて増殖し、新しい形態へと進化を遂げつつある。その新しい特性とは何か。「みんな・絆・コミュニティ」へと世論が傾くいま、ひとり空間の現況と可能性を、いまいちど問い直す。 -
ノーベル賞の舞台裏
湯川と朝永の嫉妬と友情、川端受賞の陰にあった、谷崎や三島の名前、繰り返される日本メディアの「ハルキ狂想曲」。科学を愛し平和を希求した、偏屈者の発明家・ノーベルの命日、最高に権威ある賞が、物理、化学、医学、文学、経済、平和貢献で功績を挙げた人々や団体に授与される。だが、賞の舞台裏は思いのほか取り散らかっている。ノーベルが遺言した「人種・国籍を超えた人類への貢献」という理想とは裏腹に、国家や著名大学の名誉欲が交差し、政治利用も見え隠れする現実。多くの関係者の証言を聞き、無数の資料をめくった記者たちの、ノーベル賞取材の集大成。 -
ケルト 再生の思想 ──ハロウィンからの生命循環
近年、急速に広まったイヴェント「ハロウィン」。その起源は、ヨーロッパの古層、ケルト文明の祭「サウィン(万霊節)」にたどりつく。ケルト暦では、10月31日が一年の終わりで始まり。厳しい冬の訪れとともに、世界は闇に閉ざされ、死者がよみがえると信じられてきた……。四つの季節祭と神話伝説を手がかりに、ケルト文明の循環的な生命思想を解きあかす。古代・中世ヨーロッパの精霊を現代へよみがえらせる芸術人類学的な試み。 -
柳田国男 ──知と社会構想の全貌
民俗学の祖として知られる柳田国男。しかしその学問は狭義の民俗学にとどまらぬ「柳田学」として、日本近代史上に燦然と輝いている。それは近代化に立ち後れた日本社会が、今後いかにあるべきかを構想し、翻ってその社会の基層にあるものが何かを考え尽くした知の体系だった。農政官僚、新聞人、そして民俗学者としてフィールドワークを積み重ねるなかで、その思想をいかに展開していったのか。その政治・経済・社会構想と氏神信仰論を中心としつつ、その知の全貌を再検討する。 -
台湾とは何か
台湾が激しく動いている。戦後日本は台湾に撤退した中華民国と国交を結んだが、後に中華人民共和国と国交正常化を行い、台湾は遠い存在になった。しかし、目覚ましい経済発展と見事な民主化、東日本大震災での日本への巨額の支援もあり、台湾は再び身近で重要な存在になりつつある。台湾は中国にとってのアキレス腱であり、日本にとってのジレンマだ。日中台の複雑なトライアングルの中、台湾は絶妙のバランス感覚で日中と巧みに渡り合う。二〇一六年総統選挙で劇的な政権交代を遂げた最新の姿を、政治、歴史、社会から解き明かし、冷戦期の固定観念から脱した新しい「台湾論」を提言する。 -
銅像歴史散歩
明治期に欧米から入ってきた「銅像」文化は日本人に合っていたらしく、日本風にアレンジされて各地に次々に建てられていった。明治期後半には偉人の像、昭和初期には全国の小学校に二宮金次郎像、近年はアニメのキャラクターなども立ち、第3次ブームと呼べるほど増え続けている。それぞれの銅像の背負っているものを掘り下げていくと、日本の近現代史が見えてくる。 -
文化立国論 ――日本のソフトパワーの底力
人口減少、経済停滞を迎える日本。そういったなか、復活のカギをにぎるのは「文化」である。すでにヨーロッパでは、国家規模で文化芸術の推進に取り組んでおり、その成果は様々なところに散見される。また、日本でも地域に根差した文化による地方再生が実践されている。そういった現状を分析しつつ、人間国宝といった形のない伝統や、世界遺産に登録されるような景観を活かすだけではなく、私たちの身近にある小さな文化に注目し、そこから日本人がよりよく生きていくための姿を探る。 -
観念論の教室
私が手に持っている花は存在する。私はそう思っている。だが、その花は、私が見たり触れたりするのとはかかわりなく、存在していると言えるのだろうか――物の、それ自体としての存在を否定し、私たちに知覚される限りにおいてのみ存在すると説く「観念論」。繰り返し提出されるこの考えに、なぜ人間は深くとらわれるのか。本書は、元祖・観念論者ジョージ・バークリの思想を論じ、観念論には「明るい観念論」と「暗い観念論」の二種類が存在すると説く。「存在するのは自分の心だけ」という独我論的発想とは真逆の、もう一つの魅力ある側面をたどる。 -
地図から読む江戸時代
地理的な空間をどう認識するかは時代によって異なる。その違いを象徴するのが「地図」である。大きくみれば、江戸時代は日本の「かたち」が地図上で整えられた時代であった。前期は、中世的な感覚にあふれ、観念的に日本の「かたち」が表現された。後期になると、政治や社会の変化にあわせて日本がとらえられるようになる。本書では、江戸時代の日本地図の変遷をたどり、現代の日本の「かたち」がいかにつくられたかを探る。近世史の知られざる側面を照射し、歴史地理学の世界へ読者を招待する一冊。 -
平和憲法の深層
改憲・護憲の谷間で、憲法第九条の基本的な文献である議事録は、驚くべきことにこの七〇年間ほとんど紹介されてこなかった。「戦争の放棄」と「平和憲法」は、直接には関係がないし、それをつくったのは、マッカーサーでも幣原首相でもなかった。その単純でない経過を初めて解き明かす。また「憲法はGHQの押し付け」と言われるが実際はどうだったか。「日本は平和国家」といつから言われてきたのか。「敗戦」を「終戦」に、「占領軍」を「進駐軍」と言い換えたのは誰が何のためだったか…などについて、日本国憲法誕生の経過を再現し、今日に至る根本的重大問題を再検討する。 -
荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門
漫画史に傑出する長編作品『ジョジョの奇妙な冒険』。抒情的かつ異風的であるこの芸術作品を、四半世紀にわたって描きつづける創造力の源泉はどこにあるのか? 技法を精緻に分析し、作品を漫画の歴史のなかに位置づけ、理論にもとづいて荒木飛呂彦の作風と物語の独創性を読み解く。ファン待望の漫画評論! -
高齢者うつ病 ――定年後に潜む落とし穴
定年になり仕事を失い、無気力になってしまう。妻を亡くして孤独になり喪失感に悩む。体が思うように動かなくなりひきこもりがちになる。六〇歳を過ぎてからこういった事態に直面し、うつ病を発症させる人が増えている。しかもその初期症状は頭痛だったり、身体の不調だったり、めまいだったり、一見してうつ病とはわかりにくい、本書ではそういった高齢者のうつ病発症のきっかけ、原因、特徴をエピソードを交えながら解説する。また、大病院を偏重する日本医療において高齢者はどのように扱われるか、その先に見える問題点まで掘り下げていく。