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Posted by ブクログ
人間を美談という一つの物語に安易に閉じ込めるべきではない。ひとはそうするとき、自らの快さにプライオリティを置くあまり他人の何かを犠牲にしているのだと著者は説く。
さらにこの無反省な善意の受け手は、弱者としての処世術として偽善を判別する嗅覚を身に着けているのだから、なおのこと問題になる。
この伝でいくと、最近よく聞かれる「どうせ同じ偽善ならやらないよりやった方が人の為だ」という一見真っ当で格好の良い言い様も、独り善がりの欺瞞でしかないということになる。偽善であり誠実さを欠く以上、やはりそれはすべきではない。むしろ無自覚な「絶対的美/善」の押し付けが、共同体に思考停止をもたらすことの害悪を認識すべきなのだ。
今まで自分が四六時中感じていながらうまく言語化できないでいた違和感を、極めてクリアに示してくれたこの本に感謝したい。
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