武器としての情報公開 ──権力の「手の内」を見抜く

日下部聡

日本の政治を揺るがし、今なお決着がつかないスキャンダルの多くが情報公開に関係している。森友問題しかり、ＰＫＯ日報問題しかり。いずれも情報公開請求が引き金となって問題化した。特定秘密保護法案、集団的自衛権をめぐる憲法解釈変更、石原都知事（当時）の乱費問題などを、情報公開制度を活用して報じた毎日新聞記者がその舞台裏を明かし、誰もがこの制度を使えるよう、ノウハウを伝授する！

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: ビジネス・経済 / ビジネス教養
• 出版社: 筑摩書房
• 掲載誌・レーベル: ちくま新書
• 電子版発売日: 2018年11月23日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 9MB

[ブクログ · ★★★★☆]

本書は、毎日新聞記者の著者が、情報公開制度を活用して取材し、スクープ記事を書いてきた経験をもとに、情報公開制度等を活用することで誰でも工夫次第で様々な調査や研究ができることを伝えたいと考え、執筆されたものである。
石原元東京都知事の「都政私物化問題」、特定秘密保護法案に対する内閣法制局の否定的指摘、集団的自衛権行使容認に関する憲法解釈変更について内閣法制局での検討記録が残されていなかったことといった、情報公開制度を活用して著者が明らかにしてきたどの事案も臨場感があって非常に興味深いものだったし、権力の「手の内」を見抜くという点での情報公開制度の威力を感じた。
資料編として付されている「調査に仕える公開情報」も、行政等について調査を行う場合に有益な情報である。