レポートと論文作成のための、書式・フォーマット、いわゆる定跡集です。
考えをいれる箱を用意していて、そこに入れていくイメージです。
論旨とはあまり関係のない形式を決めてもらうのは、かえって、迷いがなくていい。
■用紙
・A4,縦置き、横書き
・1頁、40字×30行
・フォント 日本語 MS明朝、標準 英語 Century 10.5 ポ
※ Wordのオートコレクトは、全部切ってしまうのがいい
■書き方
文体 すべて 「である」体
段落 1頁に5~6、 頭1字下げ
英数字 すべて半角
■基本ルール
・自分の文章と他人の文章はきちんと区別する
・あまり長い引用・注釈はこのましくない
・引用しっぱなしで分析しないのはただの権威主義
・先人の研究をしっかり読み込まなくてはならない。そして重要な点を引用しなくてはならない
※ 表記の原則は、他者がその文献にたどりつけるようにすること
■資料の収集
・論文を書く作業は、先行研究を集めることから始まる
・しかし、論文は、調べて報告するレポートではない
・下調べ ①統合型辞書 ②Wikipedia ③Web
■レポート
・レポートは2種、①調査・実践・実験の「報告型」 ②テーマの「論証型」
・メール送付時の注意 重いファイルは軽くすること、PDFにして送ること
・パワポの注意点 ①画面が小さい ②アニメに凝らない ③書体をいろいろ入れない
■卒論
・人と違うことをいわなくては、論文にならない。だがまったく違っても論文にならない。資料や文献をたくさん集めなくてはならない。だが、そのほとんどを捨てなくてはならない。わかってから書いてはならない。書かないとわからないからである
・作業の段取り ①スケジュールをたてる ②論文の構造 ③題名を決める ④論文を整える
・卒論の構造
①自分の主張を述べる
②その主張をしなくてはならない現状をのべる
③先行研究を批判的に吟味、その現状に対する現在の論の問題点を明らかにする
④その批判によって、足場・証拠固めをして、自論を展開する
⑤自分の議論を反省し、今後の課題を提示する
・章立て
題名は、それだけで論文の主張がわかるようにつける
①序章 全体のダイジェスト もっとも重要 序章をよめば、全体がつかめるように書く 冒頭の部分には自分のいいたいことをずばり書く
②第1章 課題の紹介と問題提起
③第2章 先行研究の分析と批判的考察
④第3章 自論:自分の解釈と論理の展開
⑤終章 まとめと、今後の課題
■わかるレポート・論文にするには
(文をわかりやすくする)
・原則は1つ、文章を短くする 短文・単文
・同じことばや意味のことばを2つ以上入れない
・複文を分解して、単文にする
(他のテクニック)
・1頁に5・6段落にする
・重文中の、が、り、し をみつけて、単文に変更する
・~というのは、を切る
・~と考える、~と思う を削る
・~なのである を使わない
・接続詞は必要最小限にする
(わかってもらえる内容にする)
・自分の言葉で語る
・先人を乗り越える努力をする
・読む人を説得する努力をする ⇒ ていねいに語る
・なにかを主張しようと思えば、そこには必ず飛躍が生まれる。論文は、その飛躍を埋める作業である。しかし、その飛躍を完全になくすことはできない
・先人の肩にのる。そして、先人を越えていく。それは先人への恩返しになる
■結論 なぜ大学には卒論があるのか。それは、自分の考えを創るためである
目次
はじめに
1 レポート・論文のあたりまえの基本
1.1 レポート・論文の共通の書式レイアウト
1.2 書き方基本ルール
2 レポート・論文の基本ルール
2.1 引用文の表記法
2.2 注釈・引用・参考の本文中の表記法
2.3 注釈・引用文献・参考文献の文末一括表記法
3 文献・資料の集め方(テーマを絞る)
3.1 下調べ3つの方法
3.2 文献検索の3つの方法
3.3 文献入手の方法
3.4 さまざまな情報を探す方法
4 レポート作成の基本
4.1 レポートの種類による基本構成
4.2 レポート提出時の注意点
4.3 パワーポイントを使ったプレゼンの基礎
5 卒業論文の執筆
5.1 スケジュールを立てる
5.2 卒業論文の構造
5.3 論文の題名を決める
5.4 論文を整える=「瀬戸テク」
5.5 構成記号の使い方
6 わかってもらえるレポート・論文を書くために
6.1 文章のわかりやすさをつくる唯一の原則
6.2 その他の効果的なテクニック
6.3 わかってもらえるレポート・論文の3つの条件
6.4 論文不正の種類
おわりに
ISBN:9784065135020
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:800円(本体)
発売日:2022年02月22日第6刷