医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

880円 (税込)

4pt

4.0

私たちは病院に、答えを得るために足を運ぶ。心身の不調の原因が明らかになり、それを取り去るすべが見つかることを期待する。しかし実際の医療現場は、私たちが思う以上のあいまいさに満ちており、期待した答えが得られない場合も多い。そんな時私たちは、医療者に失望するが、それは医療者も同様に悩み、考えるときでもある。本書は、医療者のそんな側面を、本人たちへのインタビューをもとに紹介する。病気になったとき、私たちは医療者とともにいかに歩むことができるのか。かれらの語りを通じて考えてほしい。

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医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    医療者として医療を少し外から当事者を見る機会がないので、客観と主観の間で読める一冊であった。自身の心が科学などに盲信してしまい辛いことも見なくなってしまうのも実際で、それがそれぞれの登場人物により言語化され、再度自身の信念を新たに強固に立て直せるような、そんな気持ちにさせてくれる一冊である。医療者と

    0
    2024年10月27日

    Posted by ブクログ

    医療人類学者・磯野真穂さんの著書。インタビューを通して、医療者の苦悩や葛藤が描かれていて、人類学的視点から考察されている。

    特に気になったのは、医学と医療の違い、そして「患者中心の医療」のこと。

    ・・・

    p163 「医療者の仕事の根幹は、モノとしての人間を徹底的に標準化することで体系づけられた

    0
    2022年04月10日

    Posted by ブクログ

    経済学などの観点から医療を分析した本は
    これまでもあったが、文化人類学からの
    アプローチ。

    現代の、必ずしも「治すための医療」とは異なる
    医療が生み出す、複雑な局面を切り取る
    意欲作。

    0
    2017年09月03日

    Posted by ブクログ

    実際に現場にいても答えのないことばかりだし、evidence全盛とはいえ結局はnarrativeに一例ずつ向き合うしかないのが現状。

    手術室でここからは清潔だとそこにいる皆が信じて動くのは呪術なのだという考えは面白い。

    0
    2021年01月09日

    Posted by ブクログ

    文化人類学者の観点から、現代の日本医療について分析する一冊。

    内容は多岐にわたるので統一感はないものの、現場の意見が知れて勉強になった。

    0
    2018年05月24日

    Posted by ブクログ

    血圧を下げる薬を飲むことへ抵抗がある患者さん自身が、納得することが大事であるから、最適解である薬を無理に渡すのではなく、遠回りでも別の治療法からアプローチしていく話は、どの分野でも同じ状況にあると思う。
    近道に見える遠回りも、遠回りに見える近道もあるのだと感じる。

    0
    2024年04月13日

    Posted by ブクログ

    春から看護師になるので思わず手に。
    きっとこれから白黒はっきりつけられないような問題にたくさん出会うんだろうなと思いながら。
    特に身体拘束のところはよく読んだ。

    0
    2019年11月27日

    Posted by ブクログ

    ALS患者が体の機能を一つまた一つと失っていくのはどんな恐怖を感じているのだろう。この病気は原因もはっきりせず治療法もないという。意識も感覚もあるのに体の動きだけが失われるというのは患者の方には申し訳ないが生き地獄みたいなものに思えてしまう。何とか一日も早く治療法が見つかる事を願う。

    0
    2017年11月22日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「話を聞くだけで看護」という言葉が、何もできない時の逃げ道のようで、好きではなかった。けど、この本でその重要性が説得力をもって書かれていた。

    「標準化が不可能なそれぞれの患者の文脈に、医学という知を混ぜ合わせていく」「医療者の専門知と患者の人生の間に、再現性のない知を立ち上げる」「人間の営みが本来

    0
    2022年10月02日

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