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Posted by ブクログ
日本における誤解を消すために 「薬物」という、よく聞くものの遠い世界と感じる話に対しての、第一人者の方の新書。
欧米では薬物の経験率は高く、日本はそうではない。それは今までの政策の恩恵かもしれいが、薬物を断絶するには至っていない。またその結果、薬物使用者は少数派であり、使用者の孤立を深めている。
この孤立こそが、薬物をやめられない理由だと著者は語る。従来の刑務所への入獄は、薬物使用の再発防止には全くならず、地域におけるサポートが必要である、と。
私達が教育として受けた、またマスコミからの報道で聞く「快楽主義者の愚かさ」とは全く異なる実状を知ることができ、目からウロコが落ちた。私がそうであったように、日本における薬物依存者への偏見は根強い。この本を始め、少しずつかもしれないが、変わっていけば良い。
Posted by ブクログ
備忘録。
薬物依存症の自己治療仮説。薬物依存症の原因は、「もっと快感を」という正の強化ではなく、苦痛の緩和という負からの脱出にあるというのは、納得感のある仮説。だから、薬に対する規制を強化するだけでは、依存症問題は解決しない。欧米の大麻などの違法薬物取締緩和のベースにある考え方だと思うが、薬物依存が広がってきたら、日本でも緩和の議論が必要になるのかもしれない。
ネズミの楽園の実験。独房のような檻に入れられたネズミ16匹と、仲間と自由に交われる楽園におかれたネズミ16匹。独房ネズミはモルヒネ水を飲み、楽園ネズミは水を飲む。でも、独房ネズミを、楽園に移すと、モルヒネ水じゃなくて、本当の水を飲みはじめる。
社会的動物である人も、孤独に追い詰められて、モノでその孤独を癒そうとする訳ですが、移される楽園があれば、モノで孤独を癒そうという行動が減るかも。確かに、そうかもしれない。
Posted by ブクログ
『誰がために医者はいる』や横道誠との往復書簡よりも堅めの自説紹介本でしょうか。個別エピソードに深入りせず,客観性を強めに出している感じ。個人的なエピソードが多い他の著作より無機質でとっつきにくい。医師の新書としてはこれくらいが標準ではあるのだろうけど。
それでも,この人は本当に薬物依存をライフワークにしてきたんだなと思う。こうやって誰も取り組まなかった分野が開拓されていくのだ。
他方で,ここまでせねばならんのか,という気がしてしまったのも事実。患者を目の前にした医師ならば気にならないのかもしれないけど,社会としてどこまで手を差し伸べるのかという問題はあるか。
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