ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
日本の人口の4人に1人が高齢者となった現在、高齢者の5人に1人(85歳以上ならほぼ2人に1人)は認知症という状況である。認知症は老いた人の脳に起こる「自然な現象」であり、受容し悲観しないことが、介護する人・される人双方にとって幸せにあるためのスタート地点である。本書では、治らなくていい、と心から思えるように気持ちや見方を切り替え、認知症の人を助け、いたわり、共にできることを、認知症を専門とする精神科医の立場から考える一冊である。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「治さなくてよい認知症」を書かれた著者の第二弾。「治さなくてよい」というのは誤解を受けるのか、「そのままでいい」という、早期発見・早期治療より現状をどう受け止め、認知症の人の心にどう寄り添うかを説いた本。専門的にはパーソンセンタードケアに通じる内容であるが、具体的な対処法や考え方も書かれており、一般...続きを読むの人にも読みやすく良書と思う。認知症は病気であるが、医学的モデルに偏りすぎない見方が大事である。その意味では医療職、特に医師の意識変革が一番求められているのだろう。
■認知症の人を支えるとき、その出発点は認知症が治らない障害だと認めること。治すことができないことを受入れ、治せない障害を持った人を支え、助ける態度を持つことがケアや介護の原点になるべき。 さらに、治らない障害を持った人の悩みと苦しみを想像し察してその人が少しでも前向きに生きていけるように力を貸す。...続きを読むあるいは言葉をかけること。 ■今問題となっている行方不明は重度の人だけの問題ではなく、家族のことも自分の家もわかり会話もできるような中等度レベルの人が出かけた先で迷いうろうろとしてしまっている状態も十把一絡げに「徘徊」としてしまっている。 その人たちには出かける意思があり何らかの願望もあったはずであるが、それは全く議論に上がってこない。 認知症の人がどんな思いで「徘徊」するのか。日々の生活はどんなふうにしているのか。どんな気持ちで暮らしているのか。生活に楽しみや張り合いはあるだろうか。どんな希望や願望があるのだろうか。それらに注目し、本人の心情と生活を見つめることが、まず大切なのである。それを欠いた介護者の視点、見守る人々の視点でのみなされる議論は大きな欠陥をはらんでいる。 求められるべきは「見守りの強化」ではなく認知症の人を見る意識と見方を変えること。 ■認知症のためできないことが増えてくるがそれを当たり前と受け止めて欲しい。生活上のミスやうまくできないことにいちいち驚くのやめたい。それを普通のことと考え声を上げずにさりげなく、できないことを助け、一緒にやってあげたい。 「問題ばかり起こす人」と頭を悩ませるのではなく孤独で居場所をなくしている本人の気持ちを少しでも想像し、「問題が起きているのは私たち周囲の家族の声掛けや対応の仕方が本人を傷つけているせいではないのか」と振り返ってほしい。 周囲の見方や気持ちの切り替えが本人を孤独から少しでも救い、心情を安定させ、態度もより穏やかにするのは間違いない。多くの家族が陥りがちな「悪循環」をその時断ち切ることができる。
自分としては珍しく世間の流行に乗ってインフルエンザに罹患。 自らを布団蒸しの刑に処しながら、本書を読む。 親が高齢化してきている自分たちにとって、避けて通れないテーマ。 筆者は老年期の精神医学を専門とする医師。 本書で繰り返されるのは、「認知症は不可逆なもの」で、信仰は非常にゆっくりであるという...続きを読むこと。 現時点では治すことはできないし、早期発見・早期治療すれば治るわけでもない。 むしろ、早期発見を求めるあまり、それらしいわずかな様子でレッテル貼りにつながってしまう。 家族も良かれと思って進行させないよう叱ったり指導したりするなどしてしまい、当事者との関係を悪くするだけでなく、家族の疲弊にもつながる。 無神経な「診断」が当事者の尊厳を損なってしまうこと。 それによって、むしろ状況を悪化させかねないという。 認知症の診断は、他の可能性(たとえば一時的な譫妄や薬剤の影響など)を一つ一つ消していって、最終的にそれしか残らないという形で行われるべきだというのに、はっとした。 老年期は、身体的な不調、障害が多くなり、その苦痛によって、周囲にとって「困った言動」につながってしまうという。 自分も手術後の痛みでいてもたってもいられなくなった経験があり、納得できる話だ。 にもかかわらず、体のケアが不十分なまま、鎮静剤や向精神薬が与えられてしまうことがあると聞いて、ぞっとする。 身体科と精神科がもっと連携しないといけないと筆者は強く訴えていた。 今後、認知症を患う親たちに接するうえで、有益な本だった。 昨日の新聞でだったか、認知症の人を対象とするデイサービスで、全員レクではなく、その人の希望で参加するレクをしている施設の記事があった。 寝ていたい人は、それがその時のその人にとってのレクなのだと考えるのだという。 筆者も書いているが、近年「認知症になったら終わり」という考え方から変わりつつある気がする。 認知症になっても悪いわけがない。 ただ、それを支える社会が作れるかどうか。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
認知症 そのままでいい
新刊情報をお知らせします。
上田諭
フォロー機能について
「ちくま新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
不幸な認知症 幸せな認知症
「上田諭」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲認知症 そのままでいい ページトップヘ