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1980年代に、世界中から礼賛された日本型資本主義だったが、バブル崩壊、さらにその後の20年以上に及ぶ停滞を見るにつけ、すでに終焉を迎えたと言わざるを得ない。大蔵官僚、財務省高官として、日本経済の中心で働き続けてきた著者が、日本人の精神の根幹から、日本型資本主義の誕生、歩み、衰退の流れを様々な資料をもとに丹念に読み解いていく。その上で「日本型資本主義」とは何だったのか、その再構築には何が必要かを分析する意欲作。
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Posted by ブクログ
昔のファイナンスの連載が面白くて、期待して購入。最初は面白く勉強になるのですが、第1部の終わりぐらいから怪しくなる感じ。最後の1940年体制の議論は参考になるかなあ。一揆とか押込とか空気とか、日本の資本主義との関連がうまく入って来ませんでした。反省。
前半は著者が元大蔵官僚として80年代バブルを解説など。 後半部分は山本七平の抜粋と解説。 最終章あたりは野口悠紀雄の抜粋と解説。他人の褌本だがまあまあ有益。
元大蔵官僚である著者が、日本型資本主義の形成とその背後にある文化的背景について論じるとともに、今後の日本がめざすべき社会のありかたについて考察をおこなっている本です。 まずは、アメリカ型のグローバル資本主義と、サブプライム・ローンに端を発する世界経済危機によってその権威が失墜した経過についての解説...続きを読むがなされ、つづいてバブル経済と崩壊後の経済の低迷に苦しむ日本社会についての説明がなされています。 その後著者は、山本七平などの日本文化論を参照し、「空気」にもとづく意思決定がなされる日本社会のありかたの問題点の指摘がなされるとともに、渋沢栄一が「士魂」に根ざした経済活動についての考察をおこなっていたことに着目して、日本の社会が陥っている危機を打開する可能性を見いだそうとしています。 著者は大学時代に、民俗学的な観点を導入して日本の政治の分析をおこなった京極純一に学んだ経験をもっており、本書でも京極が柳田國男とならんで必読書としていた山本七平の日本人論の解説に多くのページが割かれています。ただ、日本人の文化的特殊性にもとづいて日本経済の特質を解明する立場と、純粋に経済史的な観点から日本経済の歴史と現状を分析する立場とのあいだには、なお大きなへだたりが存在しているように感じてしまいます。
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日本人と資本主義の精神
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田中修
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