作品一覧

  • 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界
    4.0
    私が生まれる前にも世界は本当に存在していたのか? ものごとには原因と結果があるという確信は、実は思い込みにすぎないのではないか? この世界の当たり前のありようを疑い、立ち止まって問うてみること。それこそが哲学の入口であり核心である。ロック、バークリ、ヒューム、ラッセル、ウィトゲンシュタイン……「経験」や「言語」を足場に考え抜いた哲学者たちの議論を糸口に、素朴にして深遠な哲学の根本問題へといざなう。事実(である)と規範(べき)が織りなす世界の謎を読者とともに思考する、笑いあり涙あり(?)の入門講義。
  • 英米哲学史講義
    3.8
    1巻1,210円 (税込)
    英米哲学の諸潮流は、「経験」を基盤に据えるという発想に導かれている。それは、ロックやヒュームらの「経験論」を共通の源泉とするためだ──。ベンサム、J.S.ミルに発する「功利主義」。フレーゲとラッセルを先駆に、ウィトゲンシュタイン、クワインをへて現代に連なる「分析哲学」。パースが提唱しアメリカを体現する思想となった「プラグマティズム」。そして、ロールズやノージックらの「正義論」。本書は、こうした英語圏の哲学的系譜を、経験論を基点として一望のもとに描き出す。主要哲学のつながりを明快にとらえる、入門書決定版!
  • 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界

    Posted by ブクログ

    入門と言いつつ何回だった。
    3章から1.2章と読んだ方が分かるかもしれない。
    でも、なんとなく一ノ瀬さんのおっしゃることは分かる。
    「である」という事実と、「べき」という規範。それを語るための因果とその有無。僕たちは不安定な世界に生きてるが、それ故に安定的とも言える。
    定義された言葉の応酬にも思えるが、微細な疑問に愚直に思考していくことが哲学なのだと分かった。

    人にとって「である」とは何か、「べき」とは何なのか。

    0
    2025年02月17日
  • 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前半は「である」と「べき」、すなわちノモスとピュシスは包含関係であり、それによって因果関係もノモスのもとであるという理論
    後半はそもそも因果とは「不在」から演繹的に導くものであり、ないようなものであるという理論を述べている。
    結論未来に関して回帰的に予測することは確実な手段ではなく、結局人間も「不動的安定」の状態を楽しむことしか出来ないということだろうか。

    0
    2025年02月02日
  • 英米哲学史講義

    Posted by ブクログ

    ゴツい。薄いのに強敵でした。
    ただ、哲学史の流れをかなり掴めることができる。
    功利主義と分析哲学を軸に、その根底にある経験論について述べていく。
    帰納法的に論じていっても真理には到達できない。ただ、帰納法(経験)はないがしろにできない。
    功利主義も幸福の総量で見たときに、それはどの時間軸で切り取るか、どこからが幸福でそれ以外か、のような程度問題を常に孕む。でも幸福でありたいと思うことに変わりなく、功利主義もないがしろにできない。

    みたいな感じで、ほんとに色んな哲学者が色んな角度から切り込んでいく。
    そして、現代に近づくにつれ、自然主義や自然科学を無視できなくなる現象があるのが面白かった。

    0
    2024年11月02日
  • 英米哲学史講義

    Posted by ブクログ

    哲学という静かな楽しみを味わうには最適な本である。ただ、哲学的議論を学んで得々としてしまったら哲学の先人たちは顔をしかめるだろう。哲学は学ぶより、その議論を体験し、ゆくゆくは自力で哲学することが本筋であり、そもそも自分の生活課題とは別に既存の哲学的議論を披露することなどできやしない。つまりは、立論するにあたって、己の問題を核に据えて初めて、その人の哲学が始まる。そういう意味で、私がこの本を読んでどう応答するのか、私自身の課題として浮上しているのである。これはこの場で一言で済ませてしまう訳にはいかない。学んで時に習うという言葉があるが、読書したら私なりに反芻して自分の立場を明確にしなければなるま

    0
    2018年01月27日
  • 英米哲学史講義

    Posted by ブクログ

    ベーコン、ロックから、ヴィトゲンシュタイン、ジェームズ、ノージックまで英米方面の経験主義、功利主義、論理実証主義、正義論までの流れを説明し、最後はベイズ主義まで。広い範囲に亘って難しすぎず、易しすぎずという、放送大学テキストらしい充実した内容だ。

    0
    2018年10月14日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!