一ノ瀬正樹のレビュー一覧

  • 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界

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    入門と言いつつ難解だった。
    3章から1.2章と読んだ方が分かるかもしれない。
    でも、なんとなく一ノ瀬さんのおっしゃることは分かる。
    「である」という事実と、「べき」という規範。それを語るための因果とその有無。僕たちは不安定な世界に生きてるが、それ故に安定的とも言える。
    定義された言葉の応酬にも思えるが、微細な疑問に愚直に思考していくことが哲学なのだと分かった。

    人にとって「である」とは何か、「べき」とは何なのか。

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    2025年02月17日
  • 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界

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    ネタバレ

    前半は「である」と「べき」、すなわちノモスとピュシスは包含関係であり、それによって因果関係もノモスのもとであるという理論
    後半はそもそも因果とは「不在」から演繹的に導くものであり、ないようなものであるという理論を述べている。
    結論未来に関して回帰的に予測することは確実な手段ではなく、結局人間も「不動的安定」の状態を楽しむことしか出来ないということだろうか。

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    2025年02月02日
  • 英米哲学史講義

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    ゴツい。薄いのに強敵でした。
    ただ、哲学史の流れをかなり掴めることができる。
    功利主義と分析哲学を軸に、その根底にある経験論について述べていく。
    帰納法的に論じていっても真理には到達できない。ただ、帰納法(経験)はないがしろにできない。
    功利主義も幸福の総量で見たときに、それはどの時間軸で切り取るか、どこからが幸福でそれ以外か、のような程度問題を常に孕む。でも幸福でありたいと思うことに変わりなく、功利主義もないがしろにできない。

    みたいな感じで、ほんとに色んな哲学者が色んな角度から切り込んでいく。
    そして、現代に近づくにつれ、自然主義や自然科学を無視できなくなる現象があるのが面白かった。

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    2024年11月02日
  • 英米哲学史講義

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    哲学という静かな楽しみを味わうには最適な本である。ただ、哲学的議論を学んで得々としてしまったら哲学の先人たちは顔をしかめるだろう。哲学は学ぶより、その議論を体験し、ゆくゆくは自力で哲学することが本筋であり、そもそも自分の生活課題とは別に既存の哲学的議論を披露することなどできやしない。つまりは、立論するにあたって、己の問題を核に据えて初めて、その人の哲学が始まる。そういう意味で、私がこの本を読んでどう応答するのか、私自身の課題として浮上しているのである。これはこの場で一言で済ませてしまう訳にはいかない。学んで時に習うという言葉があるが、読書したら私なりに反芻して自分の立場を明確にしなければなるま

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    2018年01月27日
  • 英米哲学史講義

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    ベーコン、ロックから、ヴィトゲンシュタイン、ジェームズ、ノージックまで英米方面の経験主義、功利主義、論理実証主義、正義論までの流れを説明し、最後はベイズ主義まで。広い範囲に亘って難しすぎず、易しすぎずという、放送大学テキストらしい充実した内容だ。

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    2018年10月14日
  • 英米哲学史講義

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    著者の放送大学での講義をもとにした本です。イギリス経験論と功利主義の倫理学、そしてプラグマティズムと分析哲学のおおまかな流れが解説されており、さらにロールズの正義論やベイズ主義についても簡潔な紹介がおこなわれています。

    著者は、「功利主義と分析哲学」というテーマで科目の担当を依頼されたときに戸惑いを感じながらも、やがて「経験論哲学」という共通の源泉をもつことや、ともに「計量化」を志向していることに気づき、これらの観点を軸に本書のもとになった科目をおこなったと語っています。

    著者は「経験的」ということを、「努力し試みることの中において」という意味で理解することができるという見かたを打ち出して

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    2021年06月21日