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もぎ取れ!3億円大作戦 丹馬九重市役所特命係のおかしな1日
書店員さん激推し! 市役所発、痛快ドタバタコメディ ピンチの数だけ、奇跡が起きる。 崖っぷちコンビが挑む、非合法スレスレの資金調達ミッション! 東京で挫折し、故郷の丹馬九重(たんばここのえ)市に戻った主人公・弓沢(ゆみざわ)は、市役所のアルバイトに採用され、正規職員を目指していた。 担当していたリゾートの開発計画が頓挫し、あわやクビというところで、市役所の問題児・櫛間(くしま)とタッグを組み、市の財政難を解決する特別プロジェクトに従事することに。 作戦名は「ライオンのひげ」。 それは資産家たちを、防犯カメラの映像を利用して巧みに説得し、合計3億円の寄付を募るというとんでもないプロジェクトだった。 謎の相棒・櫛間の驚異的な場を読む力と話術により、作戦は意外にもうまくいき始めるが、 とある人物に寄付を持ちかけてしまったことから、二人は大きな事件に巻き込まれていき…… 【全国の書店員さんから推しの声、続々!】 第1回「本のサナギ賞」を『稲荷山誠造 明日は晴れか』で受賞した著者・香住泰さん待望の最新刊。 キャラの立った登場人物、テンポよく進む物語、臨場感あふれる場面転換、手に汗握るハラハラドキドキの中にユーモアのスパイスが効いた緊張と緩和。 正にページを繰る手が止まらない、一気読み必至の痛快エンターテイメント作品である。 (高坂書店 井上哲也) *** たちの悪いおっさんとあくどい寄付集めに奔走するとんでも話! なのに読後感はほっこり。 (旭屋書店 新越谷店 猪股宏美) *** 小説だからこそ面白い! 現実なら怖いです・・・ タダほど怖いものはない。自分もいつ足をすくわれるかと思うと、ゾッとします。 パンフレットを見るたびに、この物語を思い出しそうです。 どうか最恐コンビが目の前に現れませんように。 (明文堂書店 高岡射水店 野口陽子) ◆目次 第1章 捨て身のふたり 第2章 あの手この手 第3章 崖っぷちの大勝負 エピローグ -
奇跡集
同じ電車の同じ車両に、たまたま乗り合わせた見しらぬ男女たちがつなぐ、幸せのふしぎスイッチ。第一話「青戸条哉の奇跡 竜を放つ」――満員の朝の快速電車。ぼくは過去最凶の腹痛に耐えていた。もうダメだとその場にしゃがもうとした瞬間、隣に立つ同い年くらいの女性が、わずかに早くしゃがみこんだ・・・。第二話「大野柑奈の奇跡 情を放つ」――大学時代、わたしは小劇団にのめり込んだが、結局就職。通勤途中、具合が悪くて社内で声をかけた女性の様子が気になり、駅を一つ戻ってホームに降りると、そこには意外な先客が・・・。他5編。小さいけれど確かに人生を左右する(かもしれない)7つのミラクルを描く、連作短編小説! -
憧れの貴婦人レシピ
結婚して10年の夫に不倫され離婚。仕事もお金も趣味を楽しむ気力もなしと人生どん底の華帆は、ある日飛び込んだバーで、見たことも無い美味しそうな料理と、不思議な雰囲気の男性・京太郎と出会う。 彼は歴史上の貴族女性たちが愛した料理を調査するライターだという。フランス王妃が愛した鶏のトサカを使った煮込み料理「チブレオ」を食べ、その美味しさとあたたかさに心を動かされた華帆は、京太郎の「貴婦人レシピ」の調査を手伝い始めるが……。マリー・アントワネット、ヴィクトリア女王、クレオパトラ、楊貴妃。歴史上の高名な女性たちは一体どんな料理を食べていたのか。個性豊かな仲間と絶品料理が紡ぐ、心温まる新たなグルメ小説! -
渦の中へ おいち不思議がたり
医者を目指しつつ、女としての幸せも諦めたくないおいちは、飾り職人・新吉との結婚を決意する。しかし祝言の当日、『浦之屋』という商家で毒物混入事件が……。おいちは祝言の途中で現場に駆け付け、父・松庵とともに苦しんでいる人達の手当に奔走する。そして後日、『浦之屋』の若旦那の乳母が服毒死。犯人だと名乗り出たのは、なんと菖蒲長屋の元住人・巳助だった。この世に思いを残して死んだ人の声を聞けるおいちは、巳助が闇に呑み込まれる姿を見てしまい、事件の裏に何かあると確信。仙五朗親分とともに、事件の真相究明に動き出す。体調に異変を感じていたおいちは、この奇怪な事件の謎を解くことができるのか。シリーズ累計45万部突破! 仕事も家庭も手に入れたい娘の奮闘と成長を描いて話題の、青春「時代」ミステリー第六弾! -
信仰
信じることの危うさと切実さに痺れる11篇 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」 現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、 同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。 世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。 表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。 文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。 書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。 〈収録作〉 「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
ザ・ネバーエンディング・ストーリー 東京バンドワゴン
【人気シリーズ、ついに辿り着いた第20弾!】 舞台は、昭和60年(1985年)。 最近、幼稚園児の青が楽しく読んでいるのは、〈東亰バンドワゴン〉の蔵で見つけた『不一魔女物語』という本らしい。 原書はイギリスの稀覯本で、最近日本人に落札された。その額、なんと3000万! その幻の古書を、古美術窃盗団が狙ってる!? そして、青をつけまわす怪しい人物まで出てきて・・・・・・。 我南人の今は亡き妻・秋実も活躍する番外長編。 【著者プロフィール】 小路幸也(しょうじ・ゆきや) 北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。2002年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。代表作「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ、「旅者の歌」「札幌アンダーソング」「国道食堂」「花咲小路」シリーズなど著書多数。 -
父の回数
話題のシスター・バイオレンスアクション『ババヤガの夜』の著者が放つ傑作小説集。 父親が死んだという連絡がある。母親は三十年以上前に父と離婚してから、まったく没交渉だった人間だ。葬式を準備する私と母の顔には、「めんどうくさい」という字がくっきり刻まれている(「かたす・ほかす・ふてる」)。 誰にも同情されず、注目もされず、生きる営みを淡々鬱々と続ける人々の心を照らすものとは? 孤独な現代人の心を揺さぶる「ダイバーシティ」ファミリー小説五編。 こんな風に書かれる主人公たちが心底羨ましい。理屈じゃなくて、肌触りが好き。独り占めしたいから読まないでください! ―尾崎世界観(シンガーソングライター・小説家) 全編、順番を付けられないくらい好きです。そして、どのお話にでてくる人も好きです。 共に生きられなくても、あなたを生かしてくれるひとはいるのだよ、と王谷さんが語りかけてくれるようでした。 ―町田そのこ(作家) これはあなたの話であり、わたしの話であり、あなたのすぐ隣で生きているひとの話だ。 ―永井玲衣 (哲学者・作家) つながりは言葉のまえに、そこにあって、じぶんの家族も、本当は名付けられないなにかだ。 本書は家族という最小の社会につけられた、無数の傷を愛そうとするこころみである。 ―海猫沢めろん(作家) この小説たちは、まさに現代の「人間喜劇」(19世紀の文豪バルザックの小説群)だ!―(担当編集) -
京都お抹茶迷宮
【電子版巻末には花守先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 京都にある零細出版社・太秦出版社に事務員として勤め始めて三年目の大庭小依(おおば・こより)。ある日、食中毒で倒れた先輩編集者の代理で、作家・皆月豊(みなづき・ゆたか)との打合せ場所に資料を渡しにいったところ、はんなり京男子な皆月のマイペースぶりに巻き込まれ、いつの間にかこの企画の担当編集を引き継ぐことに。初担当となる本は、京都のお抹茶に関する面白い逸話を探しながら人気の名所やお店を巡り、お抹茶スイーツやお点前を楽しむという紀行エッセイ本『京都お抹茶迷宮(仮題)』だ。 編集者としての初仕事にはりきる小依だが、皆月と共に取材を続けるうちに「千利休の孫・宗旦」と「白狐の恋」にまつわる不思議な抹茶の逸話を耳にする。そして、その逸話に沿うかのように、「狐の子孫」と言われる一族が営む茶舗で事件が発生して……!? -
熊はどこにいるの
「わたし、殺しました、生みたての赤ちゃんを」──震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。各紙誌絶賛! デビュー18年、著者最高傑作。 「これほどの強度の小説は滅多にないし、ここには真の意味での熊がいる。」──古川日出男 「いつかこんな夢の中に自分もいたような気がする。止まらない余震のような小説。」──斎藤真理子 生きるためにもがく者、 死ぬための場所を探す者── 暴力から逃れた女を匿う山奥の家に暮らす、リツとアイ。 津波ですべてを失ったサキと、災後の移住者であるヒロ。 震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。 -
辺境領主令嬢の白い結婚
辺境領主令嬢のオルテンシアはある日、王妃から命を狙われている第二王子のトゥライビス殿下を辺境領で匿う為、殿下と契約結婚をすることに。 「夫」となった殿下は辺境領独自の動植物に目を輝かせ、不遇な生い立ちなど感じさせない強さを持った美青年だった。そんな殿下と過ごすうちにオルテンシアは恋心を抱いてしまう。 しかし、オルテンシアには殿下には知られたくないある秘密があって――。 互いにわけありな契約婚夫婦が紡ぐ、波乱と癒しの新婚ラブファンタジー! -
失恋メイドは美形軍人に溺愛される
メイドとしてグラットン家の若旦那に仕えるリリス。若旦那に密かな想いを寄せていたものの――彼の突然の結婚によって新しい妻からクビを言い渡されてしまう。 失意に暮れるリリスだったが、容姿端麗で女たらしの最強軍人・ダンケルクに半年限りのメイド&偽りの婚約者として雇われることに。しかし、彼はリリスに対して心の底から甘やかに接してきて!? その上、リリスの持つ力が幻の最強魔術だと分かり――。失恋から始まる、世界最強の溺愛ラブストーリー! |【登場人物】| ダンケルク・モナード 「なんだ? 主人の命令が聞けないのか?」 若旦那の一番の友人。そして、国一番の軍人でもある。 整った容姿をしており、女性との数々の浮名で知られている。 しかし、リリスを雇った後は女性と過ごすこともないようで……? リリス・フィラデルフィア 「私はただのメイドですので……」 心を寄せていた若旦那の突然の結婚により家を追い出されてしまったメイド。 拾ってもらったダンケルクの家で期間限定のメイドとして働くことに。 更には偽りの婚約者になれと言われ――!? -
言葉の園のお菓子番~大切な場所
言葉を紡ぎ、人と繋がり、 心が触れ合うなかで何かが変わっていく──。 『活版印刷三日月堂』の著者が心を込めて描く 大人気シリーズ、第6巻! 亡き祖母が通っていた連句会「ひとつばたご」と出合って二年半。 ブックカフェで働き連句を続けながら得た新しい縁は、 一葉をはじめての世界へと導いていく。 そんななか、文芸マーケットへの参加や雑誌作りを通して、 漠然と抱いていた想いの輪郭が少しずつ見えてきて──。 自分はどこに行きたいのか。何ができるのか。 ほんとうに大切なこと、大切な場所とは?言葉に気持ちを載せ、人と繋がり、 自分を見つめて前へ進む主人公の歩みに励まされると共感の声が届き続ける、 大人気シリーズ待望の第六弾! ★★プロフィール★★ ほしおさなえ (ほしお さなえ) 1964年東京都生まれ。作家・詩人。 1995年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。 2016年『活版印刷三日月堂 星たちの栞』が第5回静岡書店大賞を受賞。 主な作品に、ベストセラーとなった「活版印刷三日月堂」シリーズのほか 「銀河ホテルの居候」「菓子屋横丁月光荘」「紙屋ふじさき記念館」シリーズ、 『琴子は着物の夢を見る』『祓い師笹目とウツログサ』『まぼろしを織る』 『東京のぼる坂くだる坂』『金継ぎの家 あたたかなしずくたち』 『三ノ池植物園標本室』(上下巻)、児童書「ものだま探偵団」シリーズなど多数がある。 -
泣きたい午後のご褒美
どんなときでも「喫茶店」でのひと休みと「物語」が私たちを癒してくれる。お茶の時間に交錯する人間ドラマを紡ぐ短編集。 -
YOKOHAMA 119 要救助者1623名
累計80万部突破!「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ著者が描く 消防×ミステリー 船上で業火に包まれる1623名、全員を救出できるのか!? 横浜市消防局港消防署の女性消防士、高柳蘭。消火活動や訓練に加え、署内の雑務にも追われる日々のなか、蘭の消防道具である空気呼吸器の空気が抜かれていることが発覚。さらに辞職を迫る脅迫状まで届き……。犯人は同僚? そんな折、横浜に寄港した世界一周クルーズ中の豪華客船上で火災が発生したとの報が。要救助者1623名。全員を救出するため、業火に包まれる船上への出動命令が蘭たちに下る! ※本作は2012年6月に小社より刊行した単行本『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』を2013年6月に文庫化し、改題・加筆修正したものです -
アサイラム
大学生の時に友人からの性暴力にあったスミレ。 限界に達した心を抱え、困難な状況にある人たちをケアする街に辿り着く――。 『消えない月』『神さまを待っている』『若葉荘の暮らし』、 現代女性の寄る辺なさに真摯に向き合い、そっと軽くする――著者最新作! === 「それぞれに過去はあって、これからどう生きていくのか悩んで、 闘っていることはわかるから、気にせずに自分のことだけ考えていればいいの」 大学生の頃、自分のことを好きだという友人から性暴力を受けたスミレ。 忌まわしい記憶を胸中に押し込めながら社会人として過ごしていたが、久しぶりに会った女友達から、 彼が当時のことを美しい思い出として吹聴していたことを聞いて、何もできなくなってしまう。 行政がケアを目的に作り上げた街で暮らすことになり、 いじめや虐待など、暴力を受けてきた人々と関わりながら、自分はどう生きていくのか、模索していくが――。 人の心は、あまりにも繊細で複雑だ。 痛みと再生を真っ向からとらえた物語。 -
少年殉教者
偶然ショート動画に収めたのは、真実をほのめかす、4秒間の〈殺人〉の手がかりだった―― 「オレは、ルールの下に死んでいく」――人気絶頂のなか、謎のメッセージを残し自ら命を絶った俳優SIN。 動画投稿に没頭する女子高生の詠歌は、ある出来事から、死の直前の彼の姿を偶然撮影してしまったことに気づく。不審人物が映り込む、たった4秒間の事件の手がかり――SINは誰かに殺された? 憶測で過熱する報道を傍目に、詠歌は彼の死に疑問を抱く少年翔とともに真犯人を追う。だが、意味深な遺言に仕掛けられた謎に気づいた時、驚愕の事態にのまれていく。 25万部突破『15歳のテロリスト』松村涼哉が放つ、慟哭の衝撃ミステリー。2年ぶり待望の書き下ろし長編がついに! -
日ノ出家のやおよろず
生きるのが下手くそな君だけど、 大丈夫、その頑張りは僕たちが見ているよ。 疲れたときほど心にしみ渡る。 『本のエンドロール』の著者が贈る、 これぞ「お粥小説」! 日ノ出楽志は一児の父になったが、 家事も仕事も上手くできない不器用な男。 唯一の取り柄はモノを大切にすることで、 人よりもずっと長く使うことができること。 楽志は知らなかった。 彼が名前をつけたモノには、心が宿っていることを。 リストラを受け、リサイクルショップに転職が決まったその時から、 楽志たち家族の人生が前に進み始める――。 読めば今日より明日がきっと楽しくなる、 心温まる感動の物語。 -
終着駅で待つ君へ
もうすぐ死んでしまうとしたら、あなたは誰に、何を伝えますか? 残された時間を、大切な「あの人」と……。 その改札を抜けたら、もう一度だけ、愛する人に会える。 そこは「奇跡」が起きる駅。 絶対最泣――心揺さぶる、4つの《奇跡》の物語!! 「大切な人のことを頭に浮かべながら改札口を抜けてください。あなたを待っている人がいます」 ――天竜浜名湖鉄道の終点・掛川駅には、知る人ぞ知る『終着駅の伝説』がある。 案内人は、二塔と名乗る謎めいた駅員。 今日もまた、もう会えないはずの「あの人」の姿を探して乗客がひとり、駅に降り立つ…。 ヒューマンストーリーの名手・いぬじゅんが人生という旅を描く、静岡発「奇跡の物語」。 癒やしと再生、号泣ファンタジーの名作誕生! -
風の港
大丈夫。 この空から あなたを 見ているから。 傷ついた心に光が灯る場所。 ここは、人生のターミナル。 5つの物語が織りなす、 空港をめぐる出会いと別れ。 あなたに、また会える。 ◆第一話 十二月の奇跡◆ ろくでもない人生を送ってきたと嗤う老人は、 空港で我が身を振り返る。 そんな彼にも身のうちに抱いた宝石のような 思い出があった。 ◆第二話 雪うさぎの夜◆ 海外で気が向くまま自由に暮らしてきた、 画家兼ライターのあずさは、 久しぶりの帰郷の後、夜の空港で、 穏やかに生きた亡き母を思う。 ◆第三話 竜が飛ぶ空◆ 世界を救う医師を夢見て浪人中の翔太郎は、 嵐の空港で、 魔法使いのような不思議な男に出会う。 亡き父に似たそのひとの正体は? ◆第四話 屋上の神様◆ 子どもの頃から、涙をこらえ、 頑張ってきたタクシー運転手の今日子。 思わぬ病を得て気弱になった彼女が 空港の屋上で出会ったのは、 二匹の狐とそして―― ◆最終話 夢路より◆ 出張のため、都会の空港に降り立った司。 ストリートピアノを奏でる青い目の老婦人に なぜか懐かしそうに声をかけられ―― ◆あとがき◆ -
午前二時不動産の謎解き内覧
ワケあり物件の謎を解く、それが入居の条件。 「私と一緒に、ワケあり物件の謎を解いていただく。これが、入居の条件です」 三軒茶屋のはずれ、深夜二時から四時の間だけ灯りがともる「午前二時不動産」。 店主の青年・柏原泉は、迷い込んだ客たちにぴったりの格安物件を紹介してくれる。 ただし、入居に際しては条件が一つ。それは泉とともに、その物件にまつわる謎を解くことだ。 愛するハムスターを亡くした女性の最大の後悔とは。タワマンの一室に届き続ける匿名の手紙の差し出し人は? 部屋をアート作品のように彩り亡くなったおじいさんが遺した、謎の言葉の意味とは。 部屋に秘められた想いが、悩める人々の背中をそっと押してくれる。 ようこそ、勇気をもらえる謎解き内覧へ。 【第一章 ハムスターを追いかけた部屋】 渋谷区、広尾駅徒歩6分、1K、家賃47,000円、告知事項あり 【第二章 名無しの手紙が届く部屋】 江東区、豊洲駅徒歩12分、28階2LDK、家賃95,000円、告知事項あり 【第三章 魔法の箱が開く部屋】 世田谷区、千歳烏山駅徒歩13分、2K、家賃80,000円(但し残置物引き取りの場合35,000円) -
君に贈る15ページ
メディアワークス文庫創刊15周年を記念して、三秋縋、時雨沢恵一、高畑京一郎などレーベルを代表する豪華作家が大集合した最強アンソロジー。 トキメキも切なさもほっこりもワクワクも全て網羅した、今届けたい15編を収録。どんな気持ちにも寄り添い、どこから読んでも楽しめる。今をときめく豪華作家陣があなたに贈る、15ページの物語。 図書室で見つけたのは、異なる時が流れる魔法の小部屋?(『余白の隠れ家』)ある日届いた手紙は二十年後の自分から?(『前略 十五の僕へ』)など、15ページとは思えない超濃密な展開に没頭すること間違いなし! 【参加作家一覧】 三秋縋/佐野徹夜/松村涼哉/斜線堂有紀/一条岬/綾崎隼/村瀬健/こがらし輪音/青海野灰/古宮九時/遠野海人/天沢夏月/入間人間/時雨沢恵一/高畑京一郎 -
教場の風
中学受験も塾も、まったく未知の世界だった。 挑む子供たち、信じる教員たちの姿が心に残る。今野敏 「大切なのは『どこ』にではなく『どこか』に受かることだろう?」 二岡教場で中学受験組の担当だった曽谷は、生徒獲得至上主義の教場長の言葉に反感を覚えていた。 ある日、カンニング騒動に巻き込まれた曽谷は、グループでも屈指のエリート教場・北沢教場へと配置替えとなる。 指導のしがいがあると張り切る曽谷だったが、北沢教場には、最難関男子校を志望する宮井、気弱な性格ゆえに志望校に迷う松川、勝気な女子生徒戸畑など、気配り必須、寄り添い必須の悩める生徒が集まっていた。 「絶対合格」「より上の学校へ」を課せられた新人講師・曽谷は、彼らを合格させることができるのか。 加熱する中受を現役講師が描く、受験エンターテインメント。 第7回大藪春彦新人賞作家 鮮烈なるデビュー作 -
トライロバレット
バーナム・クロネッカーはアメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校に通う17歳の少年。彼は8歳のとき三葉虫に魅せられ、今ではその化石を熱心に集めつつ、静かな高校生活を送っている。そんなバーナムへのいやがらせが、ある日突然にはじまった。ロッカーの扉を接着され、頭にジャガイモをぶつけられる。体育会系の人気者コール・アボットのしわざだった。バーナムは、コールの行為を〈攻撃〉と呼ぶ謎めいた同級生、タキオ・グリーンと友人になる。そのときすでに、バーナムを驚愕の事件へといざなう運命の歯車は回りだしていた……。現代アメリカ社会の闇に光を当てながら、新しいヒーロー像を描きだす超絶エンターテインメント。 -
孤城 春たり
直木賞作家・澤田瞳子氏初の幕末小説 借財10万両から蓄財10万両へ―― わずか7年で財政を建て直した備中松山藩の改革 【著者コメント】 幕末を書くのは今回初めて。 倒幕派、佐幕派といった対比関係でとらえられがちな時代だが、 その間に挟まれた数多の人々がいた。 彼らが激動の時代をどう泳ぎ渡っていこうとしたのか、 山田方谷を含めた当時の備中松山藩を切り取ることで描けると考えた。 激しく変化する時代の中でもがいた、ごく普通に暮らしていた 人々の姿をご覧いただきたい。 ――澤田瞳子 備中松山藩(現・岡山県高梁市)にて藩校・有終館の学頭(校長)を 務めるかたわら私塾「牛麓舎」を開き、弟子たちの指導に当たっていた 陽明学者・山田方谷は、借財10万両を抱える藩の財政を司る元締役と その補佐役である吟味役の兼務を命じられる。 倹約令、殖産興業、藩札刷新などの改革により、備中松山藩はわずか7年で 借財を返済、さらに10万両の蓄財を作るまでになった。 だが幕末の激動の波は地方の小藩にも押し寄せる。 尊皇攘夷の声が高まるなか、藩主・板倉勝静が老中筆頭だったことから、 朝敵として備中松山藩に追討令が出され……。 時代の波に揉まれながら懸命に生きる人びとを描いた、 直木賞作家初の幕末群像劇。 【主な登場人物】 山田方谷 (陽明学者/備中松山藩元締兼吟味役) 熊田 恰 (備中松山藩物頭兼剣術指南/玉島騒動で切腹) 三島貞一郎(中洲) (方谷の門弟/二松学舎創設者) お繁(福西志計子) (方谷門弟唯一の女子/岡山県初の女学校・順正女学校創設者) 新島七五三太(襄) (上州安中藩士/同志社創設者) 川田竹次郎(甕江) (漢学者/東京大学教授/東宮侍講) 河井継之助 (越後長岡藩士/戊辰戦争で戦死) 板倉勝静 (備中松山藩第七代藩主/大政奉還時の老中筆頭) -
(アイドルを目指す)もぐらのすうぷ屋さん
美味しいスープを提供するのは可愛い三匹のもぐら!? オフィス街の雑居ビルの地下、日曜日だけ営業する「根(こん)カフェ」。美味しいすうぷを提供するのは、アイドルを目指す三匹のもぐら、もぐるくん、ミチルくん、神戸さんと、オーナーと呼ばれる大型犬だった!温かなすうぷと可愛い店員たちが心を癒やす、ハートフルな連作短編。 一杯目 かぼちゃのポタージュ ~人はモグラより見えすぎているから~ 二杯目 豚汁 ~群れずにいればきらわれないから~ 三杯目 たまねぎのスープ ~夢は熱しにくく冷めにくいから~ 四杯目 ショウガのスープ ~きっかけさえなかったとしても~ ■著者 鳩見すた(はとみ・すた) 『ひとつ海のパラスアテナ』(電撃文庫)で第21回電撃小説大賞“大賞”を受賞。著書に『アリクイのいんぼう』(KADOKAWA)シリーズ、『呪われ皇子と茶博士の娘』(ポプラ社)、『こぐまねこ軒』1~2巻(マイナビ出版)など多数。 ■イラスト sora(そら) -
ゆびさきに魔法
育児中も、おじさんも、俳優も、ネイルのある毎日はいつだって幸せ クスリと笑えて胸温まる――。しをん節炸裂! ザ・王道“お仕事”小説 あらすじ 月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。爪を美しく輝かせることで、日々の暮らしに潤いと希望を宿らせる――ネイルの魔法を信じてコツコツ働く毎日である。そんな月島のもとには今日も様々なお客様がやって来る。 巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居を跨ごうとしない居酒屋の大将。子育てに忙しく、自分をメンテナンスする暇もなくストレスを抱えるママ。ネイルが大好きなのに、パブリック・イメージからネイル愛を大っぴらにはできない国民的大河男優……。 酒に飲まれがちながらも熱意に満ちた新米ネイリスト・大沢星絵を得て、今日も『月と星』はお客様の爪に魔法をかけていく。 登場人物 月島美佐 『月と星』を営むネイリスト。丁寧で正確な施術が得意。悩みは人手不足。仕事に忙しく、恋の仕方は忘れてしまった。 大沢星絵 求職中の新米ネイリスト。独創的なセンスの持ち主だが、基礎技術に少しだけ難アリ。すぐに人と打ち解ける高い能力を持つ一方、酒に飲まれると記憶を綺麗に失う。 松永 居酒屋「あと一杯」の大将。巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居をまたごうとしない。煮付けを大沢に溺愛されている。 上野琴子 子育てに忙殺される。ネイルをしたいが、「母親失格」と思われるのではと気に病んでいる。 村瀬成之 国民的人気を誇るイケメン俳優。ネイルを心から愛するも、パブリック・イメージからそれを明かせずにいる。 -
さよならの向う側
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか」 さよならの向う側と呼ばれる場所にいた男、案内人はそう言った。 人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って 会いたい人に会える時間が与えられる。 ただし、その中で会える人は、 『あなたが死んだことをまだ知らない人だけ』。 人は最後に大切な人に会いに行く。 きっとどんな困難が待っていても、人はそれでも大切な人に会いに行く。 そんな、さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた純度100%の温かい感動の物語。 今すぐ、大切な人に会いたくなる物語が、ここにある――。 -
うたかたモザイク
甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある。文庫化に際し「魔法少女ミラクルミルキー」「大阪の叔父さん」「前夜」「ムーンライダー」を収録。 sweet / spicy / bitter / salty / tasty 第171回直木賞受賞作『ツミデミック』で話題の著者、 一穂ミチの色とりどりの欠片をちりばめた、味わい豊かな作品集 あなたの思いや生きかたが きらめき、翳(かげ)り、 揺らいで、にじむ。 -
ゴヂラ
傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』――。 二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。 これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。 夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する…… あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。 そして、はたしてゴヂラは現れるのか? 世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。 -
青い絵本
岐路に立ち、惑う人々に贈る 喪失と再生の記憶。 この物語は、あなたの明日をやさしく照らす―― 絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。 漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。 共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。 作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。 表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。 -
百年厨房
第3回「日本おいしい小説大賞」受賞作! 石庭大輔は、宇都宮市大谷町にある元石材商の旧家に独りで暮らす公務員。ある日、家の庭に見知らぬ若い女性が現れた。アヤと名乗るその女性は明治時代の生まれで、亡くなった大輔の祖父のもとで働いていたと言う。友人の紫は「タイムスリップだ!」と騒ぐが、大輔は信じない。だが、アヤが作った冷やしコーヒーを口にして驚く。祖父が生前「もう一度飲みたい」と語っていた通りの味わいだったのだ。さらに大輔は妹の忘れ形見・ルナを引き取ることになり、アヤ、そしてなぜか紫をも巻き込んで奇妙な同居生活が始まった。 天涯孤独の身で食にも生活にも興味なく生きてきた大輔だったが、アヤの作る百年前の料理に次第に食卓を楽しむ気持ちが湧き上がる。しかし、あるきっかけから新たなタイムスリップが起きてしまい……。 壺飯、じんごろう焼き、源氏飯、チタケうどん、自家製れもんミルク、甘露梅、ベーキャップル、ミルクセーキ、クリームコロッケ、柚煎りなど、おなじみのメニューから現代では失われたレシピも登場。 さまざまな食が時間をこえて絆を紡ぎだす、郷土愛たっぷりの“おいしい”家族ファンタジー! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『百年厨房』 の文庫版となります。 -
雫
今日が、雨でよかった――時を超え、かたちを変えて巡る、“つながり”と再生の物語。 ビルの取り壊しに伴うリフォームジュエリー会社の廃業を起点に時間をさかのぼりながら、物から物へ、人から人へと、30年の月日のなかで巡る想いと“つながり”、そして新たなはじまりを描く、寺地はるな(2023年本屋大賞9位)の真骨頂が光る、感動長篇。 出会い、卒業、就職、結婚、親子、別れ……。中学の卒業制作づくりで出会った4人がそれぞれ直面する数々の選択と、その先にある転機、人生のままならなさ。不器用に、でもひたむきに向き合う彼らの姿を通して、日常のささいな不安や違和感を丁寧にすくい取って人の弱さにそっと寄り添いながら、いまを生きるあなたにエールを贈る大人の青春小説。 【内容】 2025年 4月 2020年 2月 2015年 12月 2010年 7月 2005年 4月 2000年 8月 1995年 9月 2025年 10月 -
新NHKにようこそ!
大学に進学したものの2年で中退、そのまま引きこもりとなった佐藤達弘は、宗教勧誘がきっかけで知り合った高校生の仲原岬という高校生から、思わぬ申し出を受ける。「人生に迷っている若者を救う天使の私が、佐藤君を助けてあげる」。そこから、岬の「ひきこもり脱出カウンセリング」が始まった。夜中の公園で行われる奇妙なカウンセリングと並行して、達弘は数少ない友人の山崎と、成年向けの催眠音声制作を思い立ち、さえない人生の一発逆転を夢想する。そんな中、達弘はVRゴーグルを被りアダルト動画投稿サイトを眺めていると、そこに、かつて所属した文芸部の憧れの先輩の姿が……。達弘の脳が揺さぶられ、自我が崩壊する……。 陰謀論、二世信者、テロ、ドラッグ……来るべく時代の闇をすべて予言していた伝説の青春小説、あの『NHKにようこそ!』が令和の世にリビルドして帰ってきた。現代の闇に抗う術が、物語の形を借りて、今ここに開示される! 【電子版特典】電子版には特典として「新NHKにようこそ!」大岩ケンヂイラストギャラリーを収録! -
婚活マエストロ
本屋大賞受賞『成瀬は天下を取りにいく』を超える、爆走型ヒロインが誕生! 40歳の三文ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を書く仕事を引き受ける。安っぽいホームページ、雑居ビルの中の小さな事務所……どう考えても怪しい。 手作り感あふれる地味なパーティーに現れたのは、やけに姿勢のいいスーツ姿の女性・鏡原奈緒子。場違いなほどの美女だが、彼女は「私は本気で結婚を考えている人以外は来てほしくありません」と宣言する。そして生真面目にマイクを握った――そう、彼女は婚活業界では名を知らぬ者はいない〈婚活マエストロ〉だった。 その見事な進行で、参加者は完全にマエストロ・鏡原の掌の上。彼女は何者なのか、なぜこんな会社で働いているのか、〈マエストロ〉ってなに……謎は深まるばかりだが、猪名川は同社のイベントを手伝うことに。65歳以上のシニア向け婚活パーティーから、琵琶湖に向かう婚活バスツアー(クルーズ船「ミシガン」に乗車)まで。これまで結婚に興味のなかった猪名川も、次第に「真面目に婚活するのも悪くないかもしれない」と思い始める。 ものは試しと他社が運営する婚活パーティーを訪れてみると、そこには参加者として席に座る鏡原の姿があった――。 -
はたらくぽんぽこ神様
【電子版巻末にはsora先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 さびれた商店街の一角にある総菜屋「ふじの」の店主・恵麻は、 亡き祖母の味を守るため、赤字続きでも細々と営業を続けていた。 ある日、店の前で倒れているもふもふな生き物を発見する。 その生き物は、自分はこの町の神様だと言う。 たぬきの神様・きぬ様は、町の住人からのお供え物もなく毎日お腹が空いていた。 やたら食い意地の張った神様を介抱すると、 きぬ様は「お礼に店を繁盛させてやる」と言い、繁盛の“匂い”を探り始める――。 がんばる女子と、幸せを呼ぶもふもふ神様ののどかで美味しいストーリー。 -
蘭医繚乱 洪庵と泰然
【電子書籍限定! 特別あとがきに加え、海堂ワールド作品相関図他、豪華9本立て巻末付録を収録!】「チーム・バチスタ」「ブラックペアン」の著者が挑む新境地! 幕末、東西に私塾を創った二人の蘭方医が天然痘撲滅に挑む、著者渾身の歴史医療小説。〈STORY〉江戸時代後期、医者に憧れを抱くひとりの青年が、大坂なにわ橋の上で佇んでいた。青年の名は田上惟章――のちに「緒方洪庵」と名乗る人物である。貧乏藩士の三男坊だった彼は、大坂で師・中天游と出会い、蘭学にのめり込んでいく。同じ頃、江戸で祝言を挙げるひとりの青年が、医者の道へ歩み出そうとしていた。彼の名は田辺昇太郎――のちの「佐藤泰然」である。知り合いの商人から異国の話を聞いた昇太郎は、蘭学がこの先の世に役立つと考え……。真面目な洪庵と、破天荒な泰然。長崎で同じ時期に蘭学を学んだ二人は、互いをライバル視しつつも、その歩みは蘭学を大きく発展させ、それぞれ立ち上げた私塾は「西の適塾、東の順天堂」として、若者にとっての憧れの学び舎となっていく。そして二人は、世間を脅かす「天然痘」の撲滅に挑むのだった――。 -
耳に棲むもの
耳の中に棲む私の最初の友だちは 涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。 補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。 あたたかく、ときに禍々しく、 静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。 オタワ映画祭VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭公式出品 世界を席巻したVRアニメから生まれた「もう一つの物語」 「骨壺のカルテット」 補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。亡くなった父の骨壺と共に、私は親しかった耳鼻科の院長先生のもとを訪ねる。 「耳たぶに触れる」 収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。 「今日は小鳥の日」 小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。嘴と爪は本物を用います。 残念ながら、もう一つも残っておりませんが。 「踊りましょうよ」 補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。 「選鉱場とラッパ」 少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。お祭りの最終日、問題が発生する。 -
星々たち 新装版
人生の闇と光を炙り出す。桜木ワールドを凝縮した傑作 奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚で産んだ娘・やや子とも生き別れた塚本千春という女。 昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。 千春の数奇な生と性、関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す珠玉の九編。直木賞作家・桜木紫乃の真骨頂! 新井見枝香さん(エッセイスト・踊り子)激賞! 「桜木紫乃は、その小説にどうしても必要な言葉しか残さない。だから私は、一言一句漏らすまいと、かじり付くようにして読む。」 -
焼けた釘を刺す
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作 『レモンと殺人鬼』著者のデビュー作が、待望の文庫化! 狂気が加速する驚異のどんでん返し! 千秋と杏―― 二人の物語が交錯したとき 世界は一変する (あらすじ) ストーカー被害に遭っていたらしい後輩の萌香が刺殺体で発見された。必ずや犯人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の格好を真似た姿で彼女の通っていた大学やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たちに接触していく。一方ブラック企業に勤める杏は、上司のパワハラに苦しみながらも優しい先輩に心惹かれていた。しかし、先輩が同僚と付き合っているかもしれないという疑念から嫉妬が渦巻き……。※『焼けた釘』(産業編集センター)を改題・文庫化 【著者について】 くわがきあゆ 1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、本作で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。他の著書に『復讐の泥沼』(以上、宝島社)など。 -
きみとの明日を消したい理由
「これからずっと、死ぬために生きるつもりなの?」 高校2年の祈里は、体調が優れず伯父が働くクリニックに行くと、あと数年しか生きられない病気だとわかる。 これまでの友人関係も、将来のために頑張っていた勉強も無駄になると絶望し、心の拠り所だったより江さんの家に向かう。 すると、なぜか去年同じクラスだった春日井くんがいて、より江さんは祖母であること、さらに亡くなったことを知らされる。 遺品整理を手伝ううち、どんどん彼に惹かれていくが、このまま好きでいていいのか、悩みは募るばかりで―。 『交換ウソ日記』、「世界は「」で」シリーズの著者が描く、号泣必至の青春恋愛小説。 -
素数とバレーボール
41歳の誕生日。僕らは青春と再会する。 今年でいちばん癒やされ小説、誕生! 「性善説の小説家が探り当てた、ここが一つの到達点だーー吉田大助」 家庭も仕事もまだ諦めたわけじゃない。 それにしても40代。不惑は過ぎても迷いっぱなし。 ーー四十にして惑わずなんて、嘘じゃん。 高校卒業から20数年。 41歳の誕生日を迎えた朝、高校のバレーボール部の仲間「ガンプ君」からメッセージが届く。 「41」という数字の美しさを讃えたあとに「500万ドルのストックオプションをプレゼントする」と書かれた 謎のメッセージは他の部員たちの誕生日にも届いていたものだった。 真偽もガンプ君の消息も不明のまま「不惑」を迎えた元男子高校生たちは、再会を果たす。 仕事もひと段落。家庭も安泰。興奮するような新鮮な出来事なんて、もう簡単には起こらない。 ちょっと人生がつまらなくなってきた男たち。 「そろそろ隠居かな」と言いつつ……実はまだ「男として」人生を諦めきれていなかった。 不倫、やめる? 離婚、する? 恋、する? 出世、できる? 左遷、された? 様々な「不惑」の人生の岐路に立つとき、届いた旧友からのメッセージ。 彼らは何を選択するのか。 優しさには、力がある。 -
紅招館が血に染まるとき The last six days
蝶の翅が生えた人型アバターが生息するVR空間〈バタフライワールド〉、通称BW。BWでは非暴力が徹底され、アバター同士が傷つけ合うことは不可能だ。現実生活の辛さからBWに住み続けたいと願うアキは、ログアウトしない者たちが暮らすという〈紅招館〉に、相棒のマヒトと共に向かう。アキとマヒトは、館に宿泊させてもらえることになるが、翌朝、住人の一人がナイフの刺さった死体となって発見される。さらに第二の事件が……。非暴力が絶対のルールの世界で起きる不可解な謎に、重厚なロジックで挑む傑作本格ミステリ! ※本作品は2021年8月に小社より刊行された単行本『Butterfly World 最後の六日間』を文庫化に際し、改題したものです。
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