みずうみ(新潮文庫)

みずうみ(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

3.9

誰にも言っちゃ、だめだよ。ふたりだけの秘密……高校教師の桃井銀平は、教え子の久子と密かに愛し合うようになる。だが、二人の幸福は長く続かなかった――。湖畔で暮らしていた初恋の従姉、蛍狩りに訪れた少女など、銀平が思いを寄せた女性たちの面影や情景が、中世の連歌のように連想されていく。作家の中村真一郎が「戦後の日本小説の最も注目すべき見事な達成」と評した衝撃的問題作。(解説・中村真一郎、角田光代)

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みずうみ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    銀平は一途のように見えて、気の多すぎるところが信用ならないし、久子の卒業式の日に恩田に対して髪の話をした時など
    気持ち悪くてゾッとした。

    赤ちゃん事件も、不誠実で女の私からすると銀平は
    どうしようもなくキモくて嫌な奴だった。

    個人的には宮子と過ごしている老人の方が私は好きだ。

    0
    2025年07月31日

    Posted by ブクログ

    主人公(もしかして川端自身?)の異様な性癖とも言える行動を追体験できる面白さもありつつ、現実と空想が入り交じる世界観の不思議さもあり読んでいて複雑な心持になる作品であった。
    とりわけ、主人公の醜さと女性の美しさの対比を面白く読むことができた。

    0
    2024年12月30日

    Posted by ブクログ

    現実の世界に唐突にはさまれる主人公の見る幻、無意識の世界は、彼が危うい世界に片足、いや、ほとんど両足を突っ込んでいるのを感じさせる。発表当時でも嫌悪を示す読者がいたようだが、今の若い世代はどうだろうか。

    0
    2024年06月21日

    Posted by ブクログ

    湿り気、夢、女
    解説にもあるけど意識の流れ(水の流れ)

    「どなたです。」
    「お客さまですから、お母さま、あげないでちょうだい。」
    「先生です。」と久子は小さいが張りのある声できっぱりと言った。そのとたんに銀平は狂わしい幸福の火を浴びたように、びんと立った。ピストルでも持っていたら、うしろから久子を

    0
    2025年05月12日

    Posted by ブクログ

    冒頭からしばらくは状況・登場人物の把握に時間がかかった
    後半にかけての伏線回収が素晴らしく、震えた

    幻と現実の境を感じた

    0
    2025年02月16日

    Posted by ブクログ

    酒を飲んで寝た日の、あんまり嬉しくない夢みたいな一冊。
    銀平は足にコンプレックスを抱えたストーカー。しかもロリコン。川端康成の文章が美しく読みやすいからこそ、活字の中で存在することを許された男である。

    「夢幻の少女を求めるためにこの現実の女と飲んでいるような気もした」
    アイドルのご尊顔を拝むために

    0
    2025年07月26日

    Posted by ブクログ

    川端康成55歳の作品。
    少女少女少女。見目麗しい少女や娘に異常に執着し、つけ回す。安定の川端康成だと思っていたら、赤ん坊が出てくるあたりで怪しくなりました。土手の中を這い回る赤ん坊は明らかに人外のもの。これまでの物語りもすべて銀平の幻想だったかも知れません。もう一回吟味しながら読む必要がありそうです

    0
    2024年07月01日

    Posted by ブクログ

    川端康成の文庫本としては、「山の音」「眠れる美女」に続いて3冊目になる。主人公の桃井銀平、回想の中で回想をしていることが多いので、ものすごく不思議な感じだった。少女の黒目がみずうみに見える、その黒い瞳のみずうみのなかで泳ぎたい、という描写がものすごく印象に残っている。

    0
    2024年02月14日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    美しい少女の後を追ってしまうという性癖を持つ主人公銀平。
    トルコ風呂(今は使われない言葉となったが)のシーンから始まる。そ、そんな赤裸々な〜と焦りながらもぐいぐい読まされた。
    そして銀平は、犯罪スレスレで今なら完全アウトの言動の数々。
    ヤバい。教職も解かれ、無敵の人になりつつある。
    自らの醜い足に対

    0
    2025年07月27日

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