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Posted by ブクログ
生まれてからずっと、意志疎通が取ることができないまま親子であることとは?
本帯にそう書かれているとおり
主人公の美桜の母は出産以降植物状態となっています。
美桜の成長を通して母の感じているだろう世界が時折描かれていた。
そこからとれる母や同じ病室の人は実はこう感じているのかな?と考えさせられる場面も沢山あった。
母が植物状態であれど、ちゃんと甘えていたり、母の存在を感じていたりと、
意志疎通ができないからこそ、毒さえも受け止めてもらえるそんな、親子関係になぜか羨ましさを感じる部分もあった。
始まりに「母はどんな人間か」とあるけれど、
私は美桜がちゃんと答えを出せていると思っています。
そして、ラスト今まで静かな気持ちで読んでいたものが、急に明るさのようなものを持ち出すように感じた。
Posted by ブクログ
母親が植物状態になってしまった娘の視点から、母親が亡くなるまでの26年間が描かれた小説です。出産の際に植物状態になってしまったため、主人公は一度も母親と会話したことがありません。
父親と祖母が知る生前の母親は、主人公にとって知らない人のようです。
空っぽの母親に主人公は何でも話すことができます。学校の愚痴、父親が別の女性と付き合ってること、祖母と父親が仲が悪いこと…。
主人公が母親を扱うときの乱暴さが結構衝撃なのですが、生まれたときから植物状態の母親を小学生の子どもが人形のように扱うのはしょうがないよなぁ…。
本当につらい状況なのですが、つらいという言葉で簡単に表現できないというか、当事者たちにしか分からない絶望、喜びなど、様々な感情があることが本書を読むと分かります。
母親と体をくっつけて呼吸が重なるとき主人公は温かさと幸福感を感じます。ささやかすぎる母親との交流なのですが、それが貴重な時間なのだということが伝わってきて胸が締め付けられました。
Posted by ブクログ
装丁に惹かれて購入してしまった一冊
こう、上手く共感もしきろうにもしきれない、
こういう病気モノは実体験してるかどうかが
とても大きな鍵になってくると思う。
少なくとも、この小説に救われる人は多い気がする。
なんとも表現し難い、
登場人物の苦しさがジワジワと伝わってくる。
どのような状況下でも、
主人公ミオは強く、逞しく、母性なのか、
カッコよく見えた。誇らしく感じた。
きっと、お母さんもそう感じてたと思うよって
声を大にして言いたい。
現に、植物状態なのはお母さんなのに、
タイトルにあるように「植物少女」となっている
というところにセンスもすごく感じる。
実際に主人公ミオは植物状態ではないのだが、
リアルに植物状態のことを表しているのではなく、
ミオにもミオなりの人生があり、
自分のことを客観視した時に、
自らがお母さんと同じ植物状態であるのではないかと認識するところが、ミオらしいユニークな発想だった。
短くてサクッと読めるので、
忘れた頃に再読したい一冊。
Posted by ブクログ
芥川賞作品『サンショウウオの四十九日』は独特の世界観が好きだった。今回は小倉アナと朝比奈秋の対談YouTubeを見て、俄然著者の創作方法に惹かれて過去作を買いに出かけた。頭の中にストーリーが降りてくるらしいのだが、それが職務にも影響し医療事故につながりかねないからと、医者から作家に転身したとのこと。しかも小説を読んだことがなく、高校の時の教科書くらいかな?と言っていた。天才。
本作『植物少女』は、自身を産んだ際に植物状態となった母親とそのとき生まれてきた美桜の物語。
物心ついたころの美桜にとっては、左に首を傾けてただ呼吸をするだけの母が美桜の全てだった。みんなが知っている植物状態前の母の様子にもそれは私の知る母じゃないと耳を閉ざす。胸の中につつまれ、掌に優しくくるまれる描写は幸せな母子関係を表していた。
小学生になってもその純粋さから発する言葉は一般的に大人の思う「植物人間」とはかけはなれ、毎日のように母に会いにくる美桜にとっては病室は同室の患者さんも含めそこに根をおろす、個性をもった愛おしい存在でまさに庭(植物園)のようなところだった。
小学生の高学年になると、動かないし、しゃべらない。目もあけないし、笑わない。それがよかったはずなのに、目の前にいるのは脳にダメージをうけて何もできなくなったひと。父や祖母が知るイメージに覆われて苦しみを覚えるようになる。
誰にも話せない相談事や愚痴も包み込んでくれていた母に対する甘えも、いつしか(母の胸に顔をうずめ、呼吸を聞くことが減った時期に重なる)話せなくなり、回復しないかもしれないとの思いは母をブラックホールのような寡黙さだと形容する。
高校生になりランニング中に気がついた。
一 母はかわいそうじゃない みじめじゃない 空っぽなんかじゃない
涙が自然と垂れてくる。私もまた母のことを勘違いしていたかもしれなかった。
就職し美桜が25歳、自分を母が産んだ歳を迎え、妊娠出産をする。。。。
空気を吸って「おぎゃー」から生は始まるもんな。
呼吸が意識をつなぐ。小説家としての朝比奈秋にしか綴れない生と死についてを読み終え、またまた死生観をアップデートする機会を得た。
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小説・文芸
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