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女子大生・涼子は飲食店のアルバイトや学校生活を謳歌していたが、病気のため人工肛門になり生活が一変する。その意識と身体の変容を執拗に描き、読者の内臓をも刺激する、衝撃のデビュー作。第7回林芙美子文学賞受賞作「塩の道」も併録。
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Posted by ブクログ
ドサリ、ドサリ。 全体的に、温度の低い描写がよい。色々なことが起こるのに、どこか一歩引いた目線というか。 一度で内容を深く読みきれず、すぐに2回目も読み込んだ。
林芙美子文学賞受賞作がどんな作品なのか気になったので手に取った本。なので併録の「塩の道」を先に読んでから「私の盲端」を読みました。結果的にこの順で読んで良かったと思うのは、「私の盲端」のインパクトが強すぎたからです。 「私の盲端」 オスメイト(人工肛門)をつけることになった女子大生の物語。オスメイ...続きを読むトの男にナンパされるところから物語は始まるのですが恋愛物語には一切発展せず、ひたすら大便の話が展開されていきます。確かに、健常な生活を送っていた人間が、突然オスメイト生活になれば、頭のなかを占めるのは便のことでしょう。オスメイトになった衝撃、便の処理、オスメイトとして社会に復帰する日のこと等がリアルに描かれています。こういった人が実際に存在することを知ってほしいという、オスメイトに対する理解は深まりますが、いっぽうで便に対する執着や情熱を感じ、消化器医ならではの視点だなぁと思いながら読みました。便の話というより、便と共存する人間生活の話という印象です。健常者も腸に便を抱えた状態で生活していることに変わりはないけど、そのことを目に見える形で提示し、口から肛門までつながっていることの神秘を謳っているようにすら感じました。 ただ、主人公のバイト先の飲食店の治安の悪さ、ナンパしてきたオスメイト男との交わりなど、そのへんがおそらく伝えたい核の部分だとは思うけれど理解が追いつかず。オスメイト男の過去から現在にいたるまでの苦悩や悟りをちゃんと深く書いてほしいなとは思いました。理解はできなかったけどインパクトが強く最後まで夢中で読みました。 「塩の道」 勤務医として馬車馬のように働いていた医師が、入院病棟のない村で唯一の医師として働く様子が描かれています。医療ものではあるが救命ドラマとは正反対の、看取りのあり方が描かれています。緩和ケア的な感動ものではなく、人が(特に高齢者が)死ぬ時の痛みや汚さをリアルに伝えるような書き方。医療が発達していなかった時代は耐えるしかなかった痛みや不便さに焦点をあてているようにも感じ、医療はどこまで寿命に介入して良いものか等と考えさせられました。ただ、方言がきつく読みにくい部分もあり、「私の盲端」を読んだあとでは頭に文章が入ってこなかったかもしれないとは感じました。主人公の医師は苦悩の末に悟りをひらいたような終わり方ではありましたが、ちょっと理解は追いつきませんでした。 総じて何を伝えたいのかはっきり汲み取れなかったものの(そんなテーマらしきものはそもそも無い?)、書かれている内容はおもしろく、文章も読みやすかったです。
林芙美子文学賞受賞の「塩の道」と表題のデビュー作、全2篇収録。僻地医療と人工肛門がテーマ。死ぬ怖さはもちろん、生きる怖さも味わえた。
生々しくて重たいのだけへど、そりゃそうだ、命なんだから。 自分の身体の内臓までに思いを馳せて、そして身体の摂理が時々鬱陶しかったのに、今では感謝している。
「私の盲端」…人工肛門つけたらこうなる、というマニュアルになりそうな内容。そして人の気持ちの揺れが淡々とつづられ、だからこそ直球で入ってくる 「塩の道」…東北の濃厚な訛りを文字起こししたらこうなるのか、文字起こしできるんだ、とそこが面白かった。見取り病院、治療など必要としない人々を前に虚しさすら感...続きを読むじなくなることはある意味、楽なのか。田舎の日常が描かれている
重たいけど重たいだけで片付けてはいけないような気がする。 想像以上に知らないことが多くて この世界観に圧倒されてしまった。
「植物少女」から「あなたの燃える左手で」を通り 「サンショウウオの四十九日」を読んで、ここまで辿り着いた。朝比奈秋から 逃がれることができない。すっかり どハマり中!ざらりとした手触り感が なんとも言えない読後感で クセになる(個人の見解ですが笑) 人工肛門と共に生きることの戸惑いと衝撃もそうだけど...続きを読む ヒトもまた 生々しい生物なんだなと 認識させられた。「塩の道」は読み始めは 方言についていけなくて(笑)半分過ぎたあたりから するすると わかってきた。それぞれの看取りは それぞれで 正解も不正解もない。 再読したら また 別の思いがでてきそう!
生々しさ。 人工肛門、匂いや音。普段の何気ない部分でも気にしてしまうものなのに、状況や環境が変わると過敏になるとほんとに思う。 全然知らない世界なのに、苦虫を噛み潰したような感情に襲われかねない。
やっぱり初期作品を読むといろいろなことが伝わってきて良い。自分のやりたいこととの接続もよくわかった。共感と対極の余白。
「私の妄端」は人工肛門となった女子大生の話。現役医師の書いた小説なので、機能とか構造が細かく描かれていた。「塩の道」も医師ならではの視点で終末医療が描かれていた。青森の漁村で、亡くなる直前まで自宅で過ごす風景。人が年老いて死んでいくことを当たり前に受け止める家族の逞しさ。かっこいいけど難しい。
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私の盲端
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