女王様の電話番

女王様の電話番

1,980円 (税込)

9pt

好きだけど、触れあうことはできない。
そんな私は異端者なのだろうか。

主人公の志川は、新卒で就職した不動産会社を辞め、現在、SMの女王様をデリバリーするお店の電話番をしている。友達には「そんな職業は辞めたら?」と眉をひそめられたが、女王様の中でも美織さんという最高に素敵な人に出会い、そこそこ幸せに暮らしていた。
ある日、あこがれの美織さんと初めてごはんを食べに行く約束をして舞い上がるものの、当日にドタキャン。そのまま音信不通になってしまう。彼女の常連のお客さんなどにこっそり連絡を取り行方を探るうちに、どうも自分の知っている美織さんとは違う面ばかりが見えてきて・・・・・・。
過去、志川が不動産会社を辞めた理由は、あこがれの男性社員・星先輩と付き合う寸前に、先輩が自分に求めている性的なことが一切無理だと気づいたからだった。好きだったのに。付き合えないと正直に言っただけで、志川は同僚に悪女扱いをされ、そのまま会社にもいづらくなり、退社することになってしまったのだ。
私はアセクシャルなのだろうか? 「ない」ことを証明するのは、悪魔の証明だ。もしかしたら、まだ見ぬピンクのひつじに会えるかもしれないのに・・・・・・。なんでも性的なことや恋愛に結びつける世の中に馴染めない主人公の戸惑いを通じて、現代社会を描く問題作。

アセクシャルの自身に戸惑い、彷徨い、清爽と一歩を踏み出す――。
小説すばる新人賞受賞から10年。物語はしたたかに進化する。

【著者プロフィール】
渡辺優(わたなべ・ゆう)
1987年宮城県生まれ。2015年に「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に『自由なサメと人間たちの夢』『アイドル 地下にうごめく星』『クラゲ・アイランドの夜明け』『アヤとあや』『カラスは言った』『私雨邸の殺人に関する各人の視点』『月蝕島の信者たち』などがある。

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女王様の電話番 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    一気読みしてしまった。

    知らない世界と知らない世界と少しだけ知ってる世界が絶妙に入り交じった物語。
    それで良いのかと思わなくもないしなんか色々ダメなのではと思う描写もあるけれどまあでもそうなるかな? という気もする。

    なんだろうな。
    とりあえず面白かった。

    普通に面白くて
    普通に胸糞で
    普通に

    0
    2025年11月24日

    Posted by ブクログ

    ブックカバーをつけて通勤途中に読みました。
    SMクラブの女王様ではなかった。
    性的描写は無いがLGBT&Aについてはよく触れられている。

    無店舗型風俗店の一端を垣間見ながらライトなミステリー小説を楽しめました。

    この世は「スーパーセックスワールド」である、というフレーズが印象に残った。

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    初っ端に出てくるパワーワード
    「この世界はスーパーセックスワールドだ」
    読み終えた後ならこのパワーワードの意味も分かる。
    人と人とのつながりには性愛が必ずしもあるとは限らない。のに、性愛があることを前提に語られているパターンがいかに多いか。

    「悪魔の証明」がアセクシャルを語るにおいての文脈に登場す

    0
    2025年11月05日

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白かった。
    アセクシャルの主人公が、性的サービスのある派遣型マッサージ店で電話番のアルバイトをする話です。
    アセクシャルの主人公の目を通して、普通とはなにか…ということを問う物語でした。

    主人公は突然連絡を断った女王様の美織さんを探そうとしますが、友だちでも家族でも恋人でもなく、何の

    0
    2025年11月03日

    Posted by ブクログ

    様々な性的嗜好について、あんた、分かってるの?と教えてくれる。というか、分かろうとしすぎない、嫌なら嫌と言う、嫌と言われて怒らないってことが共存のコツなのだろうか。100%分かってもらおう、分かろうとすることの図々しさ。反省。美織さんの生き方がいい。自分の価値観で生きるのって難しいけど 90

    oa

    0
    2025年10月27日

    Posted by ブクログ

    アセク
    ないの証明。無理だった、を繰り返さないと証明できない。無理だった、に至るまで向き合い続けることは精神的にしんどいし、それに相手を付き合わせるのも酷だよね。

    0
    2025年10月24日

    Posted by ブクログ

    主人公にとってある「特別な人物」を探す過程で、主人公自身が徐々に自分自身を受け入れていく様子が丁寧に描かれている。
    最初は、主人公を取り巻く人物たちと同じように、主人公に対して「なんで?」「ちょっと理解できない…」となるエピソードばかりだったのですが、徐々に彼女の生きにくさに触れていくなかで途方もな

    0
    2025年10月10日

    Posted by ブクログ

    この本を読んで、アセクシャルという言葉を初めて知った。
    世の中には色んな人がいるとしみじみ思う。
    そして、美織のお金の依存に対する自己正当化が凄く、拗らせ具合が面白かった。

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    最初は、美織女王の失踪にそこまで執着する?って冷めた目で見てたんだけど、主人公が前職を辞めた経緯とかが明らかになるにつれ、徐々に引き込まれていった。
    アセクシャルって難しいね。

    0
    2025年11月13日

    Posted by ブクログ

    出だしがすごい
    この世界はスーパーセックスワールドだ
    内容を読みすすめていくと たしかにそうかも…
    主人公のような人には本当に生きにくい世の中かもしれない
    美織さんには少し痛い目にあってほしかったけど…
    あの人はあの人で他人を幸せにする?詐欺師なのかな
    途中ミステリー風になってそれも良かった

    0
    2025年11月10日

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