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初めて行ったアイドルのライブで、メンバーのひとりである楓に一目惚れした夏美は彼女をプロデュースすることを決める。グループの電撃解散後、夏美のアイドルユニットに入る楓、女装好きの男子でアイドルになりたい翼、訳あって天界から人の世界に来たと思っている瑞穂、容姿にコンプレックスがある愛梨……それぞれの内面を描く鮮烈さNo.1青春長編小説。
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Posted by ブクログ
だいすき。ものすごくすき。 元々この手の題材は、ファンではなくアイドル当人の心持ち、打ち込み方、熱狂の仕方にとても共感をするからすきだ。 華やかな世界を覗き見ることが楽しいのはもちろんのこと、他の青春的題材よりも感覚としてかなり頭抜けて自分を重ねられるので、贔屓してしまう。 卓越した技術云々よりも...続きを読む自分の身を使った全身全霊の体当たり感が、ある意味では近しく感じられる隙で、でも気持ちは物凄く熱くて、その燃え盛り様が良い。 すきなことって、そういうものだ。 とはいえ本書では四十代半ばにして電撃的に地下アイドルにハマってその日のうちにプロデューサーに乗り出す夏美の視点に一番親近感を抱いてしまって、自分でもちょっとおかしかった。 そうかわたしそちら側か。 夏美もめちゃくちゃ燃え盛っていたからな。 見切り発車でも、儚くても、夏美の行動が若者たちにとってちゃんと意味の、意義の、あることで、しっかりと作用していて、現実的なのにとても希望があって、噛み締める気持ちになった。 儚いなあ、の末の最後の最後の着地があんまりで、仕方がないなあ沼だなあと嬉しくなって笑った。 天使ちゃんがとてもインパクトがあってすきだけど、いちばんはやっぱり断然夏美だった。 慎ましくあっさりとしか書かれない楓との関係も、もしかしたらその分余計に、でもあくまでおまけ的に、そそられてしまった。
黒髪のストレート、 目は真ん丸で大きい、 唇は薄くて赤い。 アイドルに衝撃を受け彼女をプロデュースしたいと思ってしまったOL、潮時を見極められずやめられないアイドル、アイドルという役割にぴたっとはまることで現実と戦うアイドル、センターじゃなくても一人のファンが見てくれている事を糧に何とかやっている...続きを読むアイドル。 アイドルにまつわる短編集。 幻みたいなリアル。 だからこそ切実な感じがひりひりとくる。 埋もれている沢山の星たち。 地下で奮闘するアイドルも、 ファンにとっては煌めく頭上の星。 「推し、燃ゆ」で”推しは背骨”というのが記憶にのこっているけれど、誰かの背骨になるアイドル達について描かれています。 迷って悩んで流されて。 切実なのに、滑稽で、だからこそ愛しい。
私は普通の女の子がアイドルになっていく過程を見ることが好きなので、この作品はかなりハマった。 アイドルは見ている人に実世界とは別の世界を作ってしまうから、本当にすごいと思うし好き〜
地下アイドルの状況がリアルに描かれていて、生き生きとした素晴らしい作品。解説の引用によると作者が昔からアイドル好きだったわけでは無いようで、そこから取材してここまでのものを作り上げたのは凄い。
OLから脱サラして、アイドルを育てる話。 朝井リョウの武道館と同じ様に、人を楽しませたいと真っ直ぐに努力する姿が感じられた。
タイトル通り、いわゆる地下アイドルをテーマにした小説。アイドルにのめり込む人、アイドルを辞められない人、アイドルを志す人。身近になったとは言え、アイドルという存在は何か人を巻き込んでいく力があるのかな。 こういった視点でアイドルをとらえている小説は珍しいかも。アイドルに興味のある人はぜひ。
「リフト」 「リミット」 「リアル」 「天使」 「アイドル」 「リピート」 「リミット」の楓のエピソードがよかった。強烈に追い求めるものがあって、でも絶対に届かないとわかっている。それでも夢を見続けるのだけど、強烈な感情の反動なのか、燃料が尽きてしまうのか、ある時突然どうでもよくなったりする。 そ...続きを読むれまでの文脈をぶった切ったように見える「あ、なんか、もういいや」は幼児の喜怒哀楽の変化のようだが、本当にそんな感じにふっと力が抜けてしまうことがある。理解できる人にはさみしく切ない心の動きに見えると思う。 それでも心の隅には燃えカスが残っている。もともとかなりのエネルギーを持った感情だから、塵ですら大きなパワーを持っていて、きっかけさえあればまた再燃してしまうのだ。 「夢を追いかけるアイドル」のリアルさとエンタメのバランスが取れた比較的正統派な作品。 一方翼と天使ちゃんのエピソードは、どうしてもアイドルにこだわっているわけではなくて、自分が抱える問題を解決するためのきっかけが必要だった。彼女たちのようにアイドルに触れて変化していく人がアイドル側にもファン側にもいるのだろう。入れ替わりの激しい地下アイドル業界のリアルさでもあるはずだ。 結末はあっけないと最初は感じたが、それがリアルなのかもと思った。目指しているものが違い、考え方がころころ変わる若者が一つの目標を目指すというのはとても難しい。それでも著者の作品は最終的に前向きに進みだす作品ばかりだから嫌いになれない。
地下アイドルやアイドルに魅せられたファンの内面を細かく表現した作品はあまりないと思う。そんな”地下アイドル”という世界を知るにはうってつけの一冊。一度は地下アイドルのライブに参加してみたいと興味が湧いた。
私自身もドルオタなので、好きになる瞬間にはとても共感がもてました。暗い話でなく、読後が心地よいです。
アイドル側の視点でアイドルを見たことが無かったので新鮮。アイドルを目指す女の子達の心理が、地下アイドル飽和の裏側を説明してくれるようだった。
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アイドル 地下にうごめく星
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渡辺優
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