無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
感動した。最後は泣きそうになった。華やかなステージはやっぱり夢のようで、でもそこを離れればやっぱり厳しい現実があって、でもやっぱり夢を見ていたくて、みんなにも夢を見てもらいたくて、打ちのめされそうになりながらも続けることはやっぱり簡単ではなくて、でもステージにはやっぱり夢のような瞬間がたくさんあって。
僕はいわゆる現場オタクではなかったけれど、かつてNGTの中井りかさんと小越春花さん、ももクロの有安杏果さんに魅了されていた時期がありました。もしかしたら、それがこの物語に深く感情移入できる片鱗になっているのかもしれません。
渡辺さんの小説は、いつも思いがけないところから思いがけない言葉が飛んでくる。それは表現力なのか、理解力なのか、感性なのか、想像力なのか、とにかくストーリーよりも、次の1文が楽しみでしょうがないのだ。僕はもうカテゴリー分けできない渡辺さんの小説にもうすっかりはまってしまっているのです。
初めてカエデを見た時の夏美もこんな気分だったのかもしれないですね。
Posted by ブクログ
だいすき。ものすごくすき。
元々この手の題材は、ファンではなくアイドル当人の心持ち、打ち込み方、熱狂の仕方にとても共感をするからすきだ。
華やかな世界を覗き見ることが楽しいのはもちろんのこと、他の青春的題材よりも感覚としてかなり頭抜けて自分を重ねられるので、贔屓してしまう。
卓越した技術云々よりも自分の身を使った全身全霊の体当たり感が、ある意味では近しく感じられる隙で、でも気持ちは物凄く熱くて、その燃え盛り様が良い。
すきなことって、そういうものだ。
とはいえ本書では四十代半ばにして電撃的に地下アイドルにハマってその日のうちにプロデューサーに乗り出す夏美の視点に一番親近感を抱いてしまって、自分でもちょっとおかしかった。
そうかわたしそちら側か。
夏美もめちゃくちゃ燃え盛っていたからな。
見切り発車でも、儚くても、夏美の行動が若者たちにとってちゃんと意味の、意義の、あることで、しっかりと作用していて、現実的なのにとても希望があって、噛み締める気持ちになった。
儚いなあ、の末の最後の最後の着地があんまりで、仕方がないなあ沼だなあと嬉しくなって笑った。
天使ちゃんがとてもインパクトがあってすきだけど、いちばんはやっぱり断然夏美だった。
慎ましくあっさりとしか書かれない楓との関係も、もしかしたらその分余計に、でもあくまでおまけ的に、そそられてしまった。
Posted by ブクログ
黒髪のストレート、
目は真ん丸で大きい、
唇は薄くて赤い。
アイドルに衝撃を受け彼女をプロデュースしたいと思ってしまったOL、潮時を見極められずやめられないアイドル、アイドルという役割にぴたっとはまることで現実と戦うアイドル、センターじゃなくても一人のファンが見てくれている事を糧に何とかやっているアイドル。
アイドルにまつわる短編集。
幻みたいなリアル。
だからこそ切実な感じがひりひりとくる。
埋もれている沢山の星たち。
地下で奮闘するアイドルも、
ファンにとっては煌めく頭上の星。
「推し、燃ゆ」で”推しは背骨”というのが記憶にのこっているけれど、誰かの背骨になるアイドル達について描かれています。
迷って悩んで流されて。
切実なのに、滑稽で、だからこそ愛しい。
Posted by ブクログ
「リフト」
「リミット」
「リアル」
「天使」
「アイドル」
「リピート」
「リミット」の楓のエピソードがよかった。強烈に追い求めるものがあって、でも絶対に届かないとわかっている。それでも夢を見続けるのだけど、強烈な感情の反動なのか、燃料が尽きてしまうのか、ある時突然どうでもよくなったりする。
それまでの文脈をぶった切ったように見える「あ、なんか、もういいや」は幼児の喜怒哀楽の変化のようだが、本当にそんな感じにふっと力が抜けてしまうことがある。理解できる人にはさみしく切ない心の動きに見えると思う。
それでも心の隅には燃えカスが残っている。もともとかなりのエネルギーを持った感情だから、塵ですら大きなパワーを持っていて、きっかけさえあればまた再燃してしまうのだ。
「夢を追いかけるアイドル」のリアルさとエンタメのバランスが取れた比較的正統派な作品。
一方翼と天使ちゃんのエピソードは、どうしてもアイドルにこだわっているわけではなくて、自分が抱える問題を解決するためのきっかけが必要だった。彼女たちのようにアイドルに触れて変化していく人がアイドル側にもファン側にもいるのだろう。入れ替わりの激しい地下アイドル業界のリアルさでもあるはずだ。
結末はあっけないと最初は感じたが、それがリアルなのかもと思った。目指しているものが違い、考え方がころころ変わる若者が一つの目標を目指すというのはとても難しい。それでも著者の作品は最終的に前向きに進みだす作品ばかりだから嫌いになれない。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。