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Posted by ブクログ
どうにもとらえどころのない、とても不思議な小説だった。初めは、クラゲに夢中なミサキがクラゲと心を同調させていく物語かと思っていた。なのにミサキはいきなり死んでしまい、友人のナツオの1人語りが始まる。ナツオは自分の考えを持たないどうにもはっきりしないキャラクターで、気弱な善良さだけでできている人間だ。ミサキの死をめぐっていろいろと話は展開していくが、語り部のナツオがこんな調子なので、どうにも盛り上がらない。最後に真相は明かされるものの、その真相を受けてのナツオの感情にもいまひとつ共感しきれないところもあった。僕たちを繋いでいるものとはいったい何だろう?技術の発展とはいったい何だろう?
岩手県沖の洋上にある「楽園」で突如発生する新種クラゲの大発生。クラゲ好きなミサキは胸を踊らせるが、なぜか自ら死を選ぶ。ミサキはなぜ死んだのか?友人のナツオは答えを求めて行動をはじめる。
装丁がとても素敵。
Posted by ブクログ
地球温暖化など様々なリスクを回避するため、プロジェクトとして岩手県沿岸の海上にコロニーという名の町を作った。通称「楽園」。発足して7年。殺人や傷害など7つの項目で件数はゼロ状態だった。しかし、ナツオの友人・ミサキが自分の目の前で海に自ら飛び込んだ。でも楽園を管理するセントラルは、これを否定し、事故死として処理された。何故?
ナツオは死の真相を探るため、彼女の生前の行動を調査することに。次々と分かってくる空白の時間。そこにはクラゲがキーワードとなって明らかになっていきます。
一方、楽園では新種のクラゲが発生。毒で人を殺すという。ジワジワと楽園に襲いかかってくるクラゲや悪天候。
「楽園」としての理想が段々と剥がれていきます。
海上に「町」ができるという近未来的な話でしたが、現実の未来でもありそうな話で面白かったです。「楽園」としての理想と現実や本土との格差、二つの陸と海で見えてくるメリット・デメリット。同じ日本なのに住む所が違うことで生まれる比較に人間の欲望や嫉妬などが渦巻いていて、共存することの難しさを感じました。
また、人間が手を施すことで自然界のバランスが崩れていく現実に考えさせる場面がありました。
この作品のキーワードとなっているクラゲ。クラゲの描写が時に美しく、時に残酷に、時に幻想的に描かれていて、クラゲの様々な一面を味わえました。
登場人物に着目すると、主人公のナツオは最初は辿々しかった雰囲気だったのに終わる時には、芯のしっかりした青年に成長していくので、心の変化も楽しめました。
一応、ミサキの死の真相は分かったのですが、それ以外の「楽園」の今後の事などがわからないまま終わったので、モヤモヤ感満載でした。「え?ここで終わり?」とつい思ってしまいました。果たしてプロジェクトは継続するのか?ついつい続きが気になってしまいました。
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