自由なサメと人間たちの夢

自由なサメと人間たちの夢

小説・文芸
594円 (税込)

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“さて、私は死にたい。心の底から死にたい”死に憧れ、リストカットを繰り返す女が病院で遂に決断。(「ラスト・デイ」)冴えない男が事故で手を切断。新型の義手で力を持った男は、悪者を倒す英雄に憧れ、夜の街に。すると、集団リンチの現場に遭遇し!?(「ロボット・アーム」)自堕落なキャバ嬢は、自分を変えるために憧れのサメを飼う。(「サメの話」)一行目から魅了される毒気と物語センスが炸裂する短編集。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    自由なサメと人間たちの夢
  • タイトルID
    :
    590569
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年03月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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自由なサメと人間たちの夢 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    素晴らしかった。最後のサメの2作品は最強。

    第1話 朋香は精神科開放病棟に入院中だ。しょっちゅう自殺未遂を繰り返しては入院させられている。今日退院だ。できれば今日を最後の日にしたいと考えている。秘密兵器を持っているのだ。最後の診察と採血。朋香は2週間前に夫に別れて欲しいと言われた。退院の時に夫がくる。それまでに済ませたい。

    第2話 後藤大貴は24時間ラインで働いているが、緊急停止ブザーの音を聞いた。右手を失った。幻肢痛に悩まされる。今の義肢はすごいらしい。後藤は黒い義肢を選ぶ。職場に復帰する。もらった保険金で義肢を強くすることにする。

    第3話 大学が夏休みに入った。明晰夢に挑戦してみることにした。夢の中で夢だとわかると半覚醒になってしまう。夢の中で僕は大抵沙奈といる。だけど現実では友達でいることすら辛いと言われた。

    第4話 絵を描いている時に何を考えているか。私は何も考えていない。美術館で絵の模写をして平穏に暮らす。美術館に鑑賞に来た女性にヤクヤレヴィレについて知らないか訊かれる。知らない。夢で見たかもしれなくて、現実にある絵かどうかも不明だという。その絵を描いてみることにした。コンクールに出したい。ところが完成間近にこの絵と作者が存在することがわかる。

    第5話 榎本美結はボールペンで脇腹を刺された。小野寺知実に。でも刺した相手を間違えたのではないかとクラスでは話題になっている。

    第6話 ずっとジョーズを見てからサメが怖かったが、水族館で見て克服した。母が死んで、父に勘当されて、就活に失敗、病気が悪化、犯罪に手を染める。その間ずっとサメを飼いたかった。ついにサメを飼う。サメがしゃべりだす。

    第7話 サメはボラボラ島の浅瀬で捕まった。吾輩が生まれた意味はなかった。ただ、吾輩が楽しかっただけだ。

    0
    2026年07月29日

    Posted by ブクログ

    ずいぶん前に読みました。
    サメの話が好きでした。スタンド・バイ・ミーのエンドロールと同じくらい泣きました。個人的な体験なので、その程度がどれほどかが誰かに伝わるかは、わからないですけど。
    記憶もおぼろげです。自分にもサメがいれば良いなと思ったはずです。色々順応していくことに疲れたときに、何がダメで何が良いかもわからなくなったような人間をぺちんと叩いて顔を向かせて、話を聞いてやる姿勢を見せてくれるような感じがしました。
    学校帰りに時間を潰している時、古本屋で背表紙に惹かれて手に取りました。この題名が気にかかるような人の多くはそもそもきっとこの本に特別な思い入れを持てるような性質をしているんだろうと思います。

    0
    2024年02月01日

    Posted by ブクログ

    夢がテーマの短編集ですがどの切り口も今まで読んだどの本にも属さない斬新さを感じました。当初は巻頭の「ラスト・デイ」の毒気に当てられて読み進めてよいかどうか迷いましたが杞憂でした。「彼女の中の絵」のほっこり感、とても心地よかったです。

    0
    2020年04月05日

    Posted by ブクログ

    人生のベストエンドに詰んでる人達がグッドエンドかもしれないルートを進んでいく様を見守るようなお話でした。どうしようもないけれど確かに救いがあると感じました。自分の事をゴミ屑だと思っているような人間ほど突き刺さる話であるような気がします。全てのお話に共感ポイントがあって1冊まるごと好きにならざるを得ませんでした。

    0
    2020年03月04日

    Posted by ブクログ

    「サメの話」と「水槽を出たサメ」が好き。
    時間はかかるかもしれない、失った時間は取り戻せないけどそれでも自分らしく前を向こうって思える作品。
    怖かったはずのサメが愛おしくて頼もしい存在に感じる。  

    0
    2024年07月10日

    Posted by ブクログ

    文通友達さんとの読書会の課題本としていただいた本です。初めましての作家さん。
    面白かったです。始めに収録されている「ラスト・デイ」の最初の一文から惹き付けられました。
    消えたかったり、現実から逃避していたり、という、なんだか近しい病んだ人々…と思ってしまいましたが、「サメの話」「水槽を出たサメ」がとても好きでした。
    「水槽を出たサメ」は、これがこの本の締めくくりのお話で良かった、と思いました。エーテルのサメが空中を泳ぐ様が綺麗で。そして涼香が前を向くのも。涼香も少女もサメを「サメ!」と呼んでいるのも好きです。
    この作家さんの他の本も読みたくなりました。大森靖子さんの帯も良いです。

    0
    2019年03月23日

    Posted by ブクログ

    第一話の語り手が死にたがりの厨二病だったので一度積んだ。そこを越した先は読みやすい。やはり一番良かったのはタイトルのサメが登場する第6話と7話。喋るサメの一人称が「吾輩」という発想がいい。

    0
    2023年01月15日

    Posted by ブクログ

    色々なお話が入った短編集。
    ちょっと物悲しいような雰囲気が全体的に漂ってるテイストが多め。
    ややヤンデレな感じもあるけど、そこからゾッとしたりちょっぴり前向きに頑張ろうと思える1冊。
    最後の連作短編に出てくるサメがイケメンだった。
    古いビルの一室を借り切って、サメを飼うというのはなんだかロマンがあっていいなと思った。

    0
    2022年02月25日

    Posted by ブクログ

    真っ先に抱いた感想は「メンヘラっぽい」。
    この短編集の登場人物たちも、作者も、この本を気に入る読者たちも。
    これは馬鹿にしているわけではない。
    人間の心を描写する必要のある小説というものにおいて、「メンヘラ」というのはとても現代らしい扱うべき対象だと思う。

    「メンヘラ」というネットスラングは最近では大分世間にもなじんできたと思うが、はっきりと説明するのは難しい。
    一言でいえば「心の健康を損なっている人」を指すが、多くの場合、その病状が著しく重い人は含まれない。
    希死念慮が中途半端に強いものの実行には移さない、いわゆる「かまってちゃん」のような人を揶揄する意味合いを含めて呼称することが多い。

    ただ、重度にしろ軽度にしろ心が健康でないのは明らかで、現代の日本にはそういう人たちが一定数いる。
    男女は問わないが、若者に多いイメージ。

    彼らにとって、この短編集は少しの救いになるかもしれない。
    メンヘラがメンヘラなりに納得できる一歩を踏み出した作品が揃っていて、過度な期待を持たせるような現実離れしたハッピーエンドではなくて、妥協点を見せてくれる。
    もしかすると、自分を客観視するきっかけにもなるかもしれない。

    「ラスト・デイ」
    「さて、私は死にたい。」の一文から始まる本作の主人公は、強い希死念慮を抱いているものの、「一度しか死ねないからもったいない」とのたまう。
    そんな主人公が、精神病院の退院日を最後の日と決めた。
    自分の不安定な精神のせいで周囲の人間を振り回すわかりやすいメンヘラなのだが、終盤にかけて真意が見えてくると、清々しい物語に変わるのが面白い。

    「ロボット・アーム」
    不運な事故から右手が義手となった主人公は、力への憧れを刺激されて、その欲望がエスカレートしていく。
    力を望むこと、力を手に入れること、その力を行使できることのそれぞれの間には大きな隔たりがあるな。

    「夏の眠り」
    主人公は幼馴染との出来事がトラウマになっていて、その記憶から逃れるために明晰夢を見ようとする。
    悩みは人それぞれだとは思うが、悩み込みすぎておかしな方向にいってしまうのも病みがちな人の特徴か。

    「彼女の中の絵」
    絵の技術はあるのに絵を創造するセンスはないと悩む主人公のもとに、夢の中で見た絵を探しているという女性が現れ、主人公はその絵を再現することにする。
    人それぞれにできることとできないことがあり、協力し合うという正しい人間の営みを見た。
    この短編集の中で一番気に入った。

    「虫の眠り」
    学校でいじめられていた少女が、同級生をボールペンで刺す事件が起こった。
    しかし、刺されたのはいじめの主犯格の生徒ではなく、いじめ被害者の少女に寄り添っていた生徒だった……。
    「藪の中」のようでもありつつ、「人は自分が見たいように物事を見る」ということによりフォーカスした作品。
    おもしろかったが、本当に病んでしまった人間は怖いなという感想が上回ってしまった。

    「サメの話」
    自分自身のコントロールもままならず、ぐちゃぐちゃな人生を歩みながらも、「サメを飼うこと」だけを目標に生きている主人公の物語。
    強烈な欲望があっても、人生それだけではない、というか、環境が変われば望むものも変わる……。

    「水槽を出たサメ」
    サメ視点で語られる「サメの話」の後編。
    「サメの話」の物語としてはすこし蛇足だったようにも感じるが、この短編集全体の総括のような位置づけでもあるので、不要とまでは言えないか。

    0
    2020年10月07日

    Posted by ブクログ

    以前読んだアンソロジーの「行きたくない」を読んで気になった渡辺優さんの短編集。
    社会で上手く生きられず、どこか歪んだ人たちの願望が凝縮されている。妄想、空想と現実が交わる日々から少しずつ現実で自己を取り戻すまでの描写が良かった。

    0
    2020年04月11日

自由なサメと人間たちの夢 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    自由なサメと人間たちの夢
  • タイトルID
    :
    590569
  • ページ数
    :
    288ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年03月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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