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Posted by ブクログ
何を説明してもネタバレに繋がる重要な事実を開示してしまいそうで、何を言っていいか不安になってしまう作品があります。本書もまさにそんな作品のひとつ。だからこの作品に関しては特に、これ以降の私の拙い感想などは読まずに、本書を読んで欲しい、と思っています。
倒れている少女がいた。行き先も分からないらしい少女は一年前にこの世を去った恋人と瓜二つで、名前も同じ『夕海』だった。こんな偶然が本当にあるのだろうか。
隙間に非日常が入り込んできたようなどこか不安定に進んでいく物語はやがて、その不安定さがなければ成り立たなかった物語に変わっていきます。伏せられていた事実が明らかになった時、思わず「すごい!」と唸ってしまう、強烈な感動が待っています。ラストで明らかになる『彼女』の起こした行動については賛否別れるところかもしれませんが、私は切ない余韻に目頭が熱くなってしまいました。
Posted by ブクログ
まるで地震を体現したかのような小説。
序盤から小さな違和感が何度も積み重なる。写実的なのに、時代背景や風景の描写は乏しく、どこか不安定。度々唐突に現れる粗さが前震のように揺さぶる。そして終盤、本震が訪れるかのように積み上げられた違和感が全く別の意味を帯びる瞬間は衝撃的だった。映像化は不可能なように思えた。
登場人物の内面はあまり深掘りされず、犯人の動機すら表層を掬うように描かれる。それは他者に視線を向ける余裕のない世界を映す意図的な表現のように思えた。
そこに死者さえ「数」として情報や記録に残され、現実にいつ訪れてもおかしくないディストピアを感じた。けれどそんな中でも人は誰しも誰かの記憶に残りたいと願うのだろう。どれだけ管理社会へと移行し、すべてが数値化され情報や記録のひとつとして残されるようになったとしても、人の存在を証明するものは結局、人の記憶や繋がりの中にあるのは変わらないのかもしれない。
その普遍は脆く、危うさも孕むけれど希望でもある。
Posted by ブクログ
プロローグが何処に繋がるか不明なまま展開して行く。とつぜん現れた亡き恋人と同じ名前と姿の女性。主人公の千真だけでは無く、こちらも混乱する。インタールードとして挟み込まれる内容も唐突に不思議な状況の説明。
これに殺人事件が発生するが、殺されたのは恩師の死んだ妻のよう。犯人と思われた恩師も殺される。ここで千真と恋人似の女性と犯人捜しへ。
複雑な設定で、驚くような災害後の世界だった。思い返すと、途中にヒントは一杯あったのだが、気付けなかった。
恩師達の殺人事件の真相もそうだが、恋人似の女性の真相も二転三転して驚くような、そうでも無いような、複雑怪奇。分かりづらく、スッキリ感が無い。
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小説・文芸
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