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お父さんに家族との対話を要求します!
高校三年生の千秋は、父と兄との三人暮らし。左翼政党員の父は、勝てない選挙に出続けて六年。兄は父の出馬をきっかけにいじめられ、引きこもりになった。母は同じころ家を出た。政治と政党に没頭し話の噛み合わない父だが、千秋は対話をしたいと願う。
すれ違う三人の家族を中心に、左翼政党員を親にもち風変わりな名前の自助サークルに集う「活動家二世」たち、震災のボランティアをきっかけに政治活動に出合う青年、高校の生徒会長選挙のドキュメンタリーを撮ることで新たな視点を得る高校生──それぞれの姿を家族の物語とともに描く全六話。
わたし選挙権の話なんてしてないじゃん。話聞いてよ──「千秋と選挙」
母の言葉とわたしの言葉はちがうのに、わたしは母の言葉を借りてしまう──「佐和子とうそつき」
どっちもそのひとで、どっちも親子の本当じゃん──「和樹とファインダー」
ボランティアって素晴らしいと思ってん──「康太郎と雨」
親父は結局、子どものことなんて考えてないんです──「健二とインターネット」
話すことを諦めたら、わたしはお父さんを憎んで、憎んで憎んで、死んでほしいと思っちゃうかもしれない──「千秋と投票日」
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Posted by ブクログ
とある左翼政党に所属する父親と、
その家族が向き合うひと夏の選挙戦の物語。
父は勝ち目がないと分かっていながら知事選に出馬する。
家ではまともな会話が成立せず、何か話そうとしても、すぐ政治の話にすり替わってしまう。そんな父を、主人公の千秋はずっと恥ずかしい存在だと思っている。
序盤、この家族の関係は正直「もう救いようがないのでは」と感じるほどだった。互いに相手を見ているはずなのに、言葉は届かない。近くにいるのにすれ違ってばかりで、読んでいて息苦しささえあった。
それでも物語が進むにつれて、少しずつ家族として向き合おうとする気配が見えてくる。終盤の出来事を経て、千秋と兄がそれぞれの形でぶつかり、救われていく姿にハラハラしながら感動さえ覚えた。
千秋や兄、ほくほくおいも党の党員、それぞれが背負う「活動家二世」という肩書きの重さも印象に残った。本人の意思とは関係なく、あるいは本人の意思に反してさえ付き纏うレッテルが、子供の人生をどれほど縛るのか。政治の話でありながら、同時に「政治家の家族に生まれる」ことの逃れられなさについての物語でもあったと思う。
ネット上で政治家に向けられる「アンチ」の言葉の解像度の高さも、妙に現実的で胸に残った。正論や怒りの言葉が、人を追い詰める刃にもなる。そういうリアルな空気が作品の中にあった。
そして何より、この作品を今読めたことに大きな価値を感じた。衆議院選挙の真っ只中、政治の話題が嫌でも日常に入り込んでくる時期だからこそ、他人事としてではなく、自分の生活の延長線にある問題として受け取れた。
読み終えて、すぐに何か結論が出るわけではないけれど、考え続けたいテーマだとも思った。
家族のことも、言葉のことも、政治のことも。
今このタイミングでほくほくおいも党に出会えてよかった
Posted by ブクログ
母親の介護をする活動家二世のサワコさんの言葉。
「奪われない言葉を得ないと、ひとは生きていかれないから」
「自分がうまく話せる言語を獲得することが大事」
今回の政治的思想までいかないにしても親はよかれと思って子にいろいろな考え方を植え付ける。それを子が疑問に思った時、きちんと親と対話できるかどうか。対話するには自分の言葉を得ていないとできないし、親は子の話を受け止めないといけない。自分の頭の中だけとかSNSの中だけとかじゃなくて面と向かって対話することが大事なのかなと思った。
可愛らしいタイトルからはなかなか想像できない話の内容で意表をつかれておもしろかった。
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