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☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。
登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。
・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気
・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声
・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。――種
・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない
・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム
仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。
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Posted by ブクログ
終わった恋愛をいつまでも引きずる人々の姿を生々しく描いた、痛くてドロドロとした連作小説です。
まず目を引くのが、キラキラとした美しい表紙と帯。でも、描かれているのは、綺麗な星空とは程遠い、執着と未練が渦巻くリアルな「嫌愛」の世界でした。
登場人物たちの拗らせ具合や、元恋人に対するべたべたとした執着には思わず鳥肌が立つし、痛くて見ていられないと思うのに、なぜかページをめくる手が止まらなくなる不思議な引力がありました。
それが怖いもの見たさなのか、自分にも思い当たる節があるからなのか……願わくば、前者でありたいと思います。
個人的には、「リビングデッドの呼び声」の千瀬が、特に痛くてキツかったな……「プラネタリウム」の亜由梨はそうでもなかったんだけど、やっぱり同じ執着でも、なんとかしようと必死な人より、斜に構えた方が痛く見えるのでしょうか。
読み終えたあとには、「終わった恋愛は、やっぱり終わったままにしておくのが一番だな…」としみじみ実感させられる一冊です。
Posted by ブクログ
短編集かと思いきや、コミカルで濃密で切なくてヘンテコで、でも当人にしてみればこの上なく切実な、恋の連鎖の物語だった。未だ忘れられない元カレ、元カノとの偶然の再開と、しかしどうしようもなく埋まらない両者の熱量の違いがとてもリアルに描かれていた。なるほど、恋ってこういうものだと思う。甘い記憶は美化され、発酵し、神格化していく。でも、過去は過去でしかなく、その時の思いでしかなく、現在にそれを持ち込むのは無理筋なのだった。
最初の物語で状況描写と感情描写の上手さに驚いたけれど、他の章も全部とても解像度が高かった。恋する者特有の自分勝手なわがままな屁理屈がめっちゃ面白い。期待値ゼロで読んだけれど、これはみんなにお薦めしたくなる。他の作品もぜひ読んでみたい。
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