【感想・ネタバレ】流星と吐き気のレビュー

あらすじ

☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。

登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。

・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気
・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声
・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。――種
・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない
・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム

仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

まず表題がすごい。何故そのふたつを繋げようと思ったのか。凡人の自分には一生思い付かない。
そして表題以外の短編も気持ち悪いものばかりで面白かった

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

作者の本はメフィスト賞の時から4作全部読んでて、これが私は1番好き!
中でも『種』がよかった
醜い感情が美しい文と構成で綴られてて、これはもはや芸術作品!!!

恋愛って自分の中ではきれいな物語に脳内編集しがちだけど、一歩引いたら見たらきもくて滑稽でほんと痛々しい

私が通り過ぎた男たちの顔と、自分の黒歴史が思い出されて嫌〜な気持ちになった笑

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

一度でも心がつながれば、いくら忘れようとしても、いくら上書きしても、「そうしたつもり」で、結局心に残り続ける。

足りないのは対話で、どうしようもなく怖くてできないのも対話。別れた後は機会もない。文字通り、心残り。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

とても面白かったです!
5つの作品が短編集となっています✨

どの作品も恋愛がテーマとなっており、登場人物たちの過去をなぞりながら進んでいきます。

元カレが人気マンガ家となり作品のモデルが自分…??
元カノからの毎日送られてくる何件ものLINE etc…

恨み、依存、執着、どれも背筋がゾクゾクとする物語でした:( ;˙꒳˙;):

最初から物語の世界に引き込まれて一気に読んでしまいました!

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

めちゃめちゃよかった!!
運命の再会!?でもそれは一方通行。相手からしたらただただ気持ち悪いだけで。
自分の思い出と照らし合わせて切なくなるなど。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

自分の事だと本当の一途な愛だと思うのに、人から想われると気持ち悪いになる感じ笑。気持ち悪いって言葉がいっぱい出てくるし笑。まさに嫌愛!
死んだシリーズ同様、会話のやりとりはやっぱり面白い!

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

出てくる人全員性格に難がある感じで読後感はよくない。
角田光代さんのくまちゃんみたいな話、どこれはこれで面白かったです。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

静かな短編集に見えて、すべての物語が裏で繋がっていることに気づく瞬間が気持ちよかった。
そのつながりがわかったとき、登場人物たちの関係が一気に立体的に見えてくる。

自分の好きな人は自分じゃない他の誰かが好き。
現実を突きつけられる登場人物たち。

読後に余韻と共に妙な現実味が残り読み返したくなった

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

各章ぶつ切りかと思いきやきちんと繋がってるので読みやすいです。読後「流星と吐き気」というタイトルがしっくりきます。

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2025年09月28日

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誰かが誰かにとって無理で、誰かは誰かがまだ好きで

一気に読めた
エンタメ

恋愛なんて別れたエピソードのほうが多いだろうに
そこを掬いとったところが面白

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2025年08月24日

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せつなくて胸キュン物語かと思いきや、なんとなく嫌な面を入れ込んでくる、軽い中毒性を引き起こす恋愛物語。連作短編になっているのもいい。変化球加減がこの作家らしい。

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2025年08月24日

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ネタバレ

綺麗ではない恋愛の短編集。

自分が昔の恋人をずっと忘れられないでいたのに、他の人に同じように思われていたら気持ち悪いと切り捨ててしまったり
昔の恋人のことなんて忘れたはずなのに、ふとしたことで過去の記憶が呼び戻されてしまったり
もう恋人としての感情はないけれど、なんとなく気にしてしまったり

当事者が幸せなら良いんだと思いつつ、恋愛って大体第三者から見たらうっすら気持ち悪い部分があることを思い出した。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

恋愛の話なんだけど、語り手は想いが届いてない方で、想われてた人が次の語り手になって、という連作。5人で想いがぐるぐる。片思いを引きずって、なんていうと、イジイジしやがって面白くもない話だ!と思うタイプの私。でもこの本は吐き気って銘打ってるだけあって、狂気エッセンスが程よく効いていて面白かったです。あと、表紙が好き。タイトルのレタリングが流れるように崩れてるのと星の下の講談社が流れてるんだか、吐かれてるんだか、バランス悪いの面白いぞ。
踏み込んだ性描写あり、中学校以上。
「流星と吐き気」
覆面美術作家の遥也は高校でちょっとだけ付き合っていた千瀬が忘れられない。友人の住む秋田へ作品のため星を見に行くとそこに千瀬が来て…。
「リビングデッドの呼び声」
千瀬が夫とみたアニメの主人公は夫からみても自分に似ているらしい。この作者ってひょっとして…。
千瀬が「当たるんかい」ってセルフ突っ込みしたとことか、いちいちテンポの良い語りが面白かったです。最後は続きなかったらどういうこと?って思った驚きの展開。
「種」
人気マンガ家の理久斗はある事件の後書けなくなっていたが、書けない理由は実は別のところにあった。"種"が切なさに狂気入りかけた、いいアクセント付けていました。
「消えない」
モテるけどいまいち恋愛というものを体感していない竜平は今の家庭を大切にしている。奥さんのことも、妻として大切にしている。そんな彼に一時期付き合った彼女からLINEが入るようになった。既読になるので、返信なくても彼女は呟きをやめないのだが、ある時そのLINEに気になる内容が書き込まれて…。
竜平、なにするつもりなんだろう?と思って読んでいたら、なんと、そんなことを。さすが、モテる男はやることもカッコいいぞ。
「プラネタリウム」
竜平にLINE送り続けていた、亜由梨の仕事はちょっと特殊な、人と会う仕事で、そこにずっと忘れられなかった彼が奇蹟のようにやってきた。
ここで亜由梨が彼とのたった5日間を振り返るんたけど、わかる!その時のことをこれだけ鮮明に思い出せるのとか、思い出し方とか。言ってることとか。共感できた~。金子玲介、女性か?って思った。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恋愛の5つの物語
そのどれもが後味が悪く、誰も救われない話だった
ただその分凄く引き込まれる作品だった
長年ずっと思い続けていても、全く相手にされなず冷たくあしらわれてしまう人
またその人は、自分と同じような人に同じく冷たい態度をとってしまう
恋愛って勘違いしながら結局は上手く行くものという感覚をあっさり裏切られる作品だった
よく考えると相思相愛ってほとんどないんだろうなと考えさせられた

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

タイトルのインパクトから気になっていた作品。
過去の恋愛を神格化して執着してしまう痛い部分が描かれていて、おもしろくて一気読み。
誰もがもっているとは思わないけど、程度の差はあれ珍しいことではないと思う。
だけどそれを相手にぶつけてしまったらどうなるのか、が読みどころ。
自分は誰かを未だに想っているのに、自分が想われていた側と知ると気持ち悪くなる。
一方通行の執着は相手を怖がらせるだけなのに忘れることもできないのだから気の毒。
文章は鉤括弧がなかったり、現在と回想との間に1行も開けずに行ったり来たりして独特。
少しわかりづらいけど、緊迫感は感じた。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

『死んだ○○』シリーズの金子玲介さんのの短編集。忘れられない人との再会の話。金子さんの恋愛物にわくわくしながら読み始めたが、…何か違う。身勝手な登場人物の恋愛は、純粋なようで拗らせていてうまくいかない。これが嫌愛というジャンルなのか。二人の気持ちが同じ方向に向いていないと、恋愛はこうも厄介なものになるのね。

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2025年07月19日

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『金子ワールドのエモさに更なる磨き』

山田、石井、木村。デビュー作から3作続いた「死んだ○○シリーズ」の系譜を受け継ぐ本作品。会話文を多用したリズミカルな文章に、独特な鍵括弧の使い方で表現する臨場感。遊び心が随所に垣間見える金子玲介さん”らしさ”は健在。エンタメ文学こそ至高だということを再認識させてくれる。

誰しも若かりし頃に忘れられない甘酸っぱい恋を経験したことがあるだろう。読者の方は頭の中に思い浮かべてみてほしい。学生時代の初恋を、最も愛した恋人を、あの胸の高鳴りを。しかし、冷静に振り返ってみると記憶が改ざん・美化されていることはしばしばあるものだ。人はこの魔法を「思い出補正」と呼ぶ。

今作は「過去の恋愛」をテーマにした連作短編で、最終話まで読み終えたときのデジャヴ感は読みごたえがあった。流星と吐き気という相容れないワードを用いたセンスはさすが。込み上げてくるものは胸の高鳴りか、はたまた吐き気か。シュールで辛辣な展開がお見事で、感情を揺さぶられる。イマドキの言葉で言うと、エモい作品である。

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

「死んだ~」シリーズが良かったので、楽しみにしてました。
恋をテーマにした連作短編
ある意味ホラーでした。遥か昔に別れた恋人と偶然再会して、今でも好き。運命の再会。とか言われたら怖いわ。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

辛い恋愛の話が続くのかと思ったら違った。

自分の中ではとっくに終わってる恋愛なのに、久しぶりに会った、その終わった恋愛の相手に執着される話。それもその被害者(?)が次の作品では加害者になる。「お前もかっ!」が続いて面白かった

この全編に漂ういや〜な感じがタイトルの「吐き気」と絶妙にマッチする

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

共感性羞恥で死にそう。容赦ない。「好きなまま終わった恋愛」はどうしても自分の中に眠ったままで、悪いことではないと思っていたけど、もしも偶然再会してその感情が取り出されてしまったら、やっぱりそれは気持ち悪いかも。嫌愛ってこういうこと……容赦ないです。

どうでもいいけど作者、このタイプの女と付き合ったことある?ってくらいオタクとメンヘラの解像度高いよ。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

私の凄く好きな人が、また違う誰かをすごく愛している
一方通行の強烈な矢印→が連鎖している短編集

ストーカーじみた執着が炸裂している
恐いけど嫌いじゃない
だけど読み終わった時にどっと疲れる話

同時期に読んでいた斜線堂有紀さんの「痛い」愛と被るところがあるなと思った

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連作短編集。どれも後味の悪い恋愛モノなので、私のような「他人の惚れた腫れた話ほど心底どうでもいい」と思っている人間でも読みやすい。

とは言え、表題作は途中までは結構なラブストーリーだった。昔付き合っていて今でも好きな女性と偶然出会ってしまい…というよくある話で、気分が乗らなかったのだが、終盤から面白い展開になった。
まあ確かに、「今でも好き」とか何とも思っていない奴に言われても、ヤリたいだけだろとしか思えないかもしれない。女性もよくぞあそこまでボロクソに言ってくれた(ちょっと言い過ぎなのではと思うくらい)。

その次の短編では、こっぴどく表題作の主人公をふった女性が主人公だった。元カレは全員死んだことにしたとか言いながらも、一人の男性に未練たらたらのように見えた。
自分をモデルにしてるかどうかなんて、どうでもよくないか?それを確かめて、「あなたをモデルにしました」と返事されたら自分のエゴが満足するのだろうか?

どの短編の主人公もちょっとずつ気持ち悪い。自分勝手で、相手の気持ちなんぞ考えない。恋愛ってそういうものじゃないとは思うけれど、一方で、そんなに人を好きでいられるのも凄いなと思った。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

連続短編集で、最初の話を読んだ感想は「うわ、つらっ」そのあと登場人物の繋がりがあって面白く、こういう恋愛もあるんだなって思いながら読めたけど、最後もやっぱり「うわ、きつっ」って感じ。嫌愛ってことね。恋愛って所詮こんなものなのかもね。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

この方の作品は4作目だが、これまでの「死んだ~」シリーズとはちょっと違うチェーンストーリー。ちょっと変わってるが、話としてはまあ面白かった。ただ、ほとんど理解はできないわ・・・

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主役がが数珠繋ぎ的に変わる短編集。
本心ではないが、運命的な再会やシチュエーションに感化されて告白してしまう…
元彼が作ったアニメのキャラが自分に似ていて、モデルにしたと確認したいだけ、別に何か未練があるわけでもないと自分に言い聞かせているのに、確認するためにサイン会に参加する。
等、一言で言い表せないような人の本能的な欲望を絶妙に表現しているところがすごい。
金子怜介さんの作品は、何か微妙な、絶妙な心情の表現が素晴らしく、とても言葉で言い表せないふわふわした読後感に包まれる。

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2025年07月17日

Posted by ブクログ

短編集。忘れられない人との再会。。

どの話も、一人は舞い上がり、もう一人は冷静。どちらの気持ちも(経験あるので ^⁠^⁠;⁠)よく分かった。

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2025年07月17日

Posted by ブクログ

恋愛は美しいもの、尊いもの、と思われているけど、一方通行の感情をぶつけられる相手にとっては恋愛感情なんて気持ち悪いものでしかない。
恋愛の気持ち悪さ、暴力性をとことんまで突きつけてくる連作短編集だった。
相変わらず、金子さんは会話劇がめちゃくちゃ面白くてセンスあるなぁ。
『死んだ木村を上演』でもそうでしたが、興奮した登場人物のセリフが段落なしにページ全面を埋め尽くすように書かれているところが、まさに途切れなく喋ってる人ってこういう感じだよなぁ、と。
好意の告白をする女子とそれをなんとか受け流そうとする男子側の応酬がこんなにしつこく書かれているのを初めて見ました。笑

好きな人の前ではキョドってまともに話せないのに、どうでもいい人には余裕を持ってスラスラと話せるから、自分の気持ちとは裏腹にどうでもいい人から好意を寄せられる…とか、恋愛のあるあるというか、アンビバレントな感じも良く描写されてて、なんか古傷を抉られるような部分がいくつもありました。

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

なるほど、こういう構成。恋愛における最高潮からの「冷め」までの過程(とその後)が緩急自在の押し寄せるような文体でこれでもかと露わになっていて、各編ごとに確実にみぞおち辺りに喰らわされる。そして、『流星と吐き気』というタイトルの見事さに痺れるしかなく。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

みんなちょっとずつメンヘラで。ちょっとずつクズで。ちょっとずつ自分勝手で。でも好きを止められなくて。恋愛のドロドロした部分を見せつけられたような。
好きな人に好きって想ってもらえるのは奇跡なのね。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

『死んだ…』シリーズの金子玲介さんの4作目。忘れられない恋愛を引きずっている男女の連作短編集。

最初は、忘れられない恋愛ってあるよなーと思いながら読んでたけど、編を重ねるごとにみんな女々しくて、しつこくて、もうアウトだろって感じだった。

『死んだ…』シリーズでもそうだったけど、金子さんは最後の最後に怒涛の会話文を持ってくる。あれ、好きな人は好きなんだろうけど、私はどうも苦手だな。さらりと終わりにして余韻を残して欲しい。そう思うのは私だけかな。

ただ、『死んだ…』シリーズの2、3作目よりは好きかも。

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2025年07月06日

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