【感想・ネタバレ】流星と吐き気のレビュー

あらすじ

☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。

登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。

・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気
・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声
・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。――種
・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない
・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム

仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

綺麗ではない恋愛の短編集。

自分が昔の恋人をずっと忘れられないでいたのに、他の人に同じように思われていたら気持ち悪いと切り捨ててしまったり
昔の恋人のことなんて忘れたはずなのに、ふとしたことで過去の記憶が呼び戻されてしまったり
もう恋人としての感情はないけれど、なんとなく気にしてしまったり

当事者が幸せなら良いんだと思いつつ、恋愛って大体第三者から見たらうっすら気持ち悪い部分があることを思い出した。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恋愛の5つの物語
そのどれもが後味が悪く、誰も救われない話だった
ただその分凄く引き込まれる作品だった
長年ずっと思い続けていても、全く相手にされなず冷たくあしらわれてしまう人
またその人は、自分と同じような人に同じく冷たい態度をとってしまう
恋愛って勘違いしながら結局は上手く行くものという感覚をあっさり裏切られる作品だった
よく考えると相思相愛ってほとんどないんだろうなと考えさせられた

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

辛い恋愛の話が続くのかと思ったら違った。

自分の中ではとっくに終わってる恋愛なのに、久しぶりに会った、その終わった恋愛の相手に執着される話。それもその被害者(?)が次の作品では加害者になる。「お前もかっ!」が続いて面白かった

この全編に漂ういや〜な感じがタイトルの「吐き気」と絶妙にマッチする

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連作短編集。どれも後味の悪い恋愛モノなので、私のような「他人の惚れた腫れた話ほど心底どうでもいい」と思っている人間でも読みやすい。

とは言え、表題作は途中までは結構なラブストーリーだった。昔付き合っていて今でも好きな女性と偶然出会ってしまい…というよくある話で、気分が乗らなかったのだが、終盤から面白い展開になった。
まあ確かに、「今でも好き」とか何とも思っていない奴に言われても、ヤリたいだけだろとしか思えないかもしれない。女性もよくぞあそこまでボロクソに言ってくれた(ちょっと言い過ぎなのではと思うくらい)。

その次の短編では、こっぴどく表題作の主人公をふった女性が主人公だった。元カレは全員死んだことにしたとか言いながらも、一人の男性に未練たらたらのように見えた。
自分をモデルにしてるかどうかなんて、どうでもよくないか?それを確かめて、「あなたをモデルにしました」と返事されたら自分のエゴが満足するのだろうか?

どの短編の主人公もちょっとずつ気持ち悪い。自分勝手で、相手の気持ちなんぞ考えない。恋愛ってそういうものじゃないとは思うけれど、一方で、そんなに人を好きでいられるのも凄いなと思った。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主役がが数珠繋ぎ的に変わる短編集。
本心ではないが、運命的な再会やシチュエーションに感化されて告白してしまう…
元彼が作ったアニメのキャラが自分に似ていて、モデルにしたと確認したいだけ、別に何か未練があるわけでもないと自分に言い聞かせているのに、確認するためにサイン会に参加する。
等、一言で言い表せないような人の本能的な欲望を絶妙に表現しているところがすごい。
金子怜介さんの作品は、何か微妙な、絶妙な心情の表現が素晴らしく、とても言葉で言い表せないふわふわした読後感に包まれる。

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2025年07月17日

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