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希望の光か、時代の徒花か――。第二次世界大戦目前、大艦巨砲主義から航空主兵主義へと戦略思想が移ろうなか、米英海軍に対抗するため計画された世界最大最強の戦艦建造。 絶対不可能と目され、54名の殉職者を生むこととなった大プロジェクトに挑んだ青年たちは何を夢見ていたのか? 戦後80年を機に、歴史小説の第一人者が万感の想いを込めて描く畢生の大作!
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Posted by ブクログ
本のタイトル「鋼鉄の城塞」の名の通り、戦艦大和は、まさに鉄でできたお城。日本の造船技術の総力を結集して造り上げた最強の戦艦でした。 しかし、昭和20年4月7日14時23分、沖縄海上特攻作戦の途上、坊ノ岬沖で米軍戦闘機の激しい爆撃を受け、海に沈みました。前途ある三千人余の若者たちの夢や希望とともに...続きを読む・・・ この本は、大和を作る技師たちにスポットをあてて描かれています。CGもAIもない時代に、数cmの誤差も許されない現場の技術者たちの努力・能力に、驚くばかりでした。主人公の占部健はじめ多くは架空の人物が中心ですが、山本五十六など実在の人物も登場しました。そして、占部健を慕う池田武邦(実在の人物)は、軽巡洋艦「矢矧」に乗り、沈没から生還し、この時の技術を後世に繋げ、戦後、霞が関ビルなどの高層建築に携わりました。この本を読んで池田武邦さんの事を初めて知りました。池田さんの遺した言葉に触れ、戦争のない平和な世の中が続いてほしいと改めて思いました。 最後に、p242のフレーズを引用して、レビューを閉じます。 「歴史というのは、後から振り返れば何とでも言える。だが、その時代に生きていた人々は、見えない未来に向かって手探りで進んでいくしかない。そしてその時その時で、最もよいと思う判断を下していく。時には、それが大きな過ちを招くことがあったとしても、そうせざるを得ないのだ。」
戦後80年に、「大和」を読む。 平和とは何か、仕事とは何か、人生とは何か。考えさせられた。 圧巻の500ページ。難しい単語もあるけれど、伊東さんの作品ならさくさく読める。
戦艦大和をつくりあげる。とてつもなく膨大な作業であることは容易に想像できる。それをそれほど多くはない、しかも大学を出たばかりなどの若者が作る。その凄まじさを、丁寧に描写している。素晴らしい。 しかしその目的石川県珠洲市は今一つだ。大和など作っても実際の戦争には役立たないことは誰にもわかっていたはずだ...続きを読むろうに。主人公だって。ましてや戦争への抑止力?ありえなだろう。 最後の方にある新聞記者を救う事件の話は余計。重厚な物語の中に突然安っぽい格闘劇が紛れ込んでしまった。もしこれが史実だとすればお笑いである。
第二次世界大戦目前、大艦巨砲主義から航空主兵主義へと戦略思想が移ろうなか、米英海軍に対抗するため計画された世界最大最強の戦艦建造。 絶対不可能と目され、54名の殉職者を生むこととなった大プロジェクトに、若き造船士官たちは何を夢見ていたのか? 大和が撃沈してから80年。戦闘のことについては知ってはいた...続きを読むものの、建造についてはあまり知らなかったので、とても興味深く読みました。とにかくすごい艦だったんだなぁと。毎日を普通に過ごせる時代に生きていることの有難さを噛みしめたいと思います。
戦艦大和の設計に関わった技師、造船士官達から見た製造の是非、戦争の是非を問うもの。実在の人物を登場させながらフィクションにしてある。 自由で進化された風潮の海軍とは言え会議でのピリピリ感がとても良い。5人の同期生の青春像も良いが、何で後半の無差別主義者らとのサスペンスモノにしたのかが勿体ない。主点が...続きを読むボケた様で残念。
戦艦大和の設計者のお話。 とても面白く、分厚い本だったが一気読みした。 が、ちょっと物足りない。技術者の苦労、ジレンマを描くのかとおもいきや、後半はテロとの対決、とサスペンス小説になり・・・ 大和進水まで、ちょっとあっけない感じがする。
戦艦大和の建造に関わる技術的な内容や問題を少しずつ解決しながら取り組む描写は、興味深く面白かった。当時は最高機密である大和建造に関わる登場人物の人生の変化もうまく構成していると感じた。 ラストの悲劇は史実だから動かしようがないけれど、そこから終章に至るところが食い足りない感じが残った。
【鋼鉄の城塞】 伊東 潤 著 戦艦「大和」の建造ストーリーで、ほぼ一気読みコースでした。『戦艦大和ノ最期』やレイテ海戦などは多数出版されていますが、大和建造の物語はあまりないのではないでしょうか(と、思ったら、巻末の「参考文献」には結構あげられていました)。 著者は本当によく調べていて、戦艦...続きを読むの建造、特に大和のように極秘レベルでの建造が如何に難しく大変なことかがよくわかりました。「ワシントン条約~ロンドン条約」で戦艦の数が制限されるなか、ひとつの戦艦の装備を如何に充実させて対抗するかの苦闘が書かれています。 前半は技術者としての苦闘を、後半ではロマンス、ミステリーを織り交ぜての進行(戦艦「陸奥」が爆破・沈没した事例も仮説を提示していますが、これはなかなかに大胆)。「ヤマトブジシンスイス」の副題にあるように建造から進水が中心となるため、「戦艦大和ノ最期」は簡略に書かれていますが、本書を通じ、先人の苦労と英知には頭が下がります。山本五十六など実在の人物と「架空の人物」を織り交ぜての小説となっていますが、建造そのものが如何にドラマティックかということが理解できる一冊です。
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鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス
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伊東潤
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