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世界登山史上最大級の遭難――一九〇二年の八甲田雪中行軍遭難事件。一九九人もの犠牲者をだした痛ましきこの大事件に、歴史雑誌編集者の男が疑問を抱いた。鍵を握るのは、一二〇年前の白い闇に消えてしまった、ひとりの兵士。男は取り憑かれたように、八甲田へ向かうのだが......。未曽有の大惨事を題材に挑んだ長篇ミステリー。〈解説〉長南政義
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Posted by ブクログ
1902年1月23日、青森の駐屯地から陸軍第八師団第五連隊の210名が、豪雪の中、八甲田山への雪中行軍演習に出発した。だが、折からの天候悪化により猛吹雪で先が見通せず、道に迷い、199名の犠牲者を出す世界登山史上最大級の遭難件となった。 歴史雑誌の編集記者である菅原誠一は、特集...続きを読む企画のため、この八甲田雪中行軍遭難事件を調べるうちに、過去の「顛末書」には「遭難死200名」とあり、遭難兵士の人数が一致しないことに気付く。 取り憑かれたように青森で取材する菅原は、豪雪に消えた地元出身のもう一人の兵士・稲田庸三一等卒の存在を発見する。 稲田は歴史の闇に消された兵士なのかを調べようと、菅原は遭難事件発生と同じ1月23日、猛吹雪の中、地元のガイド小山田を伴い、当時の露営地を経由して同じルートを辿る。 物語は、1902年の遭難事件現場での凄絶なシーンと、菅原が取材する現在の様子が交互に描かれる形式で進んでいく。 次第に真相が浮かび上がるミステリアスな展開、そして菅原がまさかの相手に命を狙われるラスト。サスペンスやエンターテイメント性も盛り込まれている。 しかし、なんといっても、この作品が圧巻なのは、史実を忠実にまた迫力満点に再現したドキュメンタリードラマであること。 極限状態にあった当時の実在人物の言動がリアリティー豊かに描かれ、雪中行軍が出発前から「計画」、「装備(防寒対策)」、「組織」の三点で大きな欠陥を抱えていたこと、「服装規定」から来るべき極寒の地ロシアでの戦いに耐えるための“人体実験”の位置付けだったという分析にも突っ込みを入れている。 尋常でない吹雪の中、道に迷い、物資を積んだ橇を失い、進むも地獄、止まるも地獄。挙げ句、露営と称して、永遠と足踏みを繰り返す。また、体力の落ちた者を別途、偵察に行かせ、犠牲にして、命の選別で生き残ろうとしたり、組織としての隊律な威厳が崩壊しつつある修羅場の描写がすごい。 因みにタイトルにある「囚われ」は直線的には、兵士たちが八甲田山に囚われたことを意味するものだが、菅原が妻との離婚折衝や桐野編集長の身勝手さに翻弄されることをダブらせているものである。
八甲田山。 今まで関連の映画も、ドラマも、小説にも触れたことがないのに、店頭で見て、何故か衝動買いしてしまいました。 結果、メチャメチャ面白かったです! 明治の頃、八甲田山での雪中行軍演習中、天候の悪化から隊員約二百名あまりが遭難死した事件。 構成としては、遭難した隊員の視点で描かれる過去パー...続きを読むトと、事件を取材する雑誌記者の視点で描かれる現代パートのふたつの視点で物語は進みます。 ミステリ的な部分については、そこまで意外な結末ではなかったですが、遭難場面はリアルで、どうにもならない絶望感に切なくなりました。
伊東潤『囚われの山』中公文庫。 世界登山史上最大級の遭難と言われる199人もの犠牲者を出した1902年の八甲田雪中行軍遭難事件を題材にした長編ミステリー。 八甲田山雪中行軍遭難事件を描いた作品には、映画にもなった新田次郎『八甲田山死の彷徨』、伊藤薫『八甲田山 消された真実』などがあり、本作はミス...続きを読むテリーということだが、一体どんな展開を見せてくれるのだろうか。 確かにミステリー小説だった。非常に面白い。120年前の悲劇が現代へと蘇るという、全く予想外の展開だった。現代の主人公が、悩む歴史雑誌の編集者である菅原誠一ならば、120年前の謎の鍵を握る主人公は一等卒として山口少佐の従卒を務めた稲田康三である。 売上低迷に悩む歴史雑誌の編集者である菅原誠一は、八甲田山雪中行軍遭難事件について調べているうちに事件に疑問を抱く。 当初は200人とされた犠牲者が199人に訂正されたのは錯誤だったのか。下士官が薄着だったのは凍傷や低体温症の人体実験だったのではないか。そして、これらの事実を軍は隠蔽したのではないか。 菅原が抱いた疑問は思わぬ形で明らかになる。 本体価格880円 ★★★★★
はじめて読む作家さんでしたが、もともと興味のあった遭難事故で、面白く読めました。 小説とは少しずれるけど、正式名称は八甲田雪中行軍遭難事件なんですね。事故じゃなくて事件ということは、やはりどこかに故意が働いてたという解釈なのでしょうか
新田次郎の八甲田山を前に読んでいたので、また八甲田山が読めると楽しみにしていた。さらには、ハズレ無い歴史小説を書く伊東潤氏であるし。 八甲田山の行軍の様子はさすがで、寒い季節の電車の中で読んだときには、外がなおさら寒く感じた。 人は何か重力のようなものに捉えられながら、生きていくものなのかなぁと納得...続きを読むしながら読んだ。
八甲田雪中行軍遭難事件を題材。ある歴史雑誌記者がこの事件に疑問を抱く。白い闇に消えた一人の兵隊の行方を追う。 当時の遭難時の状況を赤裸々に描いている。 ただし、最後のオチは、なんだよって感じですね。
八甲田山の雪中行軍隊に思いをよせる歴史雑誌の記者の話。グイグイ引きつけるが、ラスト少し残念。編集長との恋愛はいらないな。
世界登山史上最大級の遭難と言われる1902年(明治35年)の八甲田雪中行軍遭難事件。 新田次郎氏著の『八甲田山死の彷徨』を原作として、1977年に映画化された『八甲田山』。 軍規を盾に、兵隊に強要する理不とも云える命令、そのために生じた悲惨な事態が描かれていた。 雪中行軍の特集記事を書くにあたって...続きを読む、歴史雑誌編集者の菅原誠一が資料を調べていると、行軍総数210名中、遭難者数は199人とされているのだが、実は200人だったのではとの疑問点を見つける。 この1名の兵隊は、何らかの事情があって軍が隠蔽したのではと推測し、その真相に迫ろうと八甲田に取り憑かれたように資料収集と現場での取材に入り込んで行く。 果たして菅原は、一名の兵隊の存在を軍は消し去ったのか否か、その真相に辿り着けるのか⋯。 国民に対する軍隊の威圧的、且つ隠蔽体質に、菅原が真相解明に挑むミステリー物語だ。
日本人は「空気を読んで忖度する」事に関してどの民族よりも秀でている。その塊のような八甲田山雪中行軍遭難事件を伊藤潤先生が現代と当時を行き来しつつ物語りにしてて面白い。
八甲田山の話がこれほど壮絶だったとは。当時の軍部のどうしようなさに怒りがわいてくる。ミステリ仕立てになっているところもめちゃくちゃ面白くて一気読みだった。
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